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【完結】廃れた世界のリボルバー  作者: 恋若スミレ
嵐の前の静けさ?
3/30

3.脱出への手がかりを掴め。

『お姉さんはさ、この地獄(へや)から出る方法、知りたい?』



少女のこちらの心を見透かした様な発言に一瞬ドキリとする。次の一瞬で持ち直すと、この質問にどう返せばいいか、頭をフルで回転させた。


(この言葉を額面通りに受け取れば、この少女は脱出に関する何らかの手がかりを持っていると考えられる。でも万が一この少女が『黄界』のスパイで私の監視役だとしたら、この質問に愚直に答えるのはよくない。……うーん、どうしたものか……)


悩んだ末、少女の質問には7割真実で3割が嘘の話をすることにした。


「本音を言うと、この部屋から出たい。でも見つかったら終わりでしょ?だから動かない」


「本当に?それが本音?」


少女はこれが嘘だと見抜いたのだろうか。懐疑的な目でこちらを見てくる。


(この子は人の心を読めるのか?いやそんなのないだろう)


「うん、それが本音」


こちらも負けじと嘘で返す。しばらく見つめ合っていると、廊下から足音が聞こえてきた。

きっと『黄界』の監視役といったところだろう。まだ私の死ぬ番ではないはず、多分。


足音の主はドアを律儀に3回叩くと、この部屋の鍵を開けた。


「お姉さん、私行かなきゃ。だからお別れの前に言っておくね。」


少女はそう言って口を私の耳に近づけた。


「この部屋には必ず監視の穴があるし、その穴は貴女が救いを求めたときに現れる」


じゃあね、と手を振って少女は部屋を出ていった。

扉には鍵がかけられ、また静寂が戻ってきた。


(あの子は一体なんだったんだ。謎しか残していかなかった)


何より気になるのは別れ際の「救いを求めたとき監視の穴が現れる」という言葉だ。

救いを求める時……いつだろうか。殺される直前か。連れて行かれる前か。はたまた今か。




考えを巡らせていると、『黄界』のやけに主張の強い旗の隣に謎の図面が貼られていることに気づいた。


(さっきは気づかなかったけど、描いてあるのは人か。)


図面には、膝をついて天を見上げ、手を複雑に組んでいる様子が描かれていた。


(神を崇めるときのやり方か…まるで空にお願いしているみたいだな。助けてくれって)


そこまで考えて、急に私の頭に閃きがやってきた。


(なるほど、そういうことね。あの娘、なかなか考えるじゃない)


私は、『黄界』の旗の前で図面と同じポーズをとり、天井を見上げた。そうすると、今いるところのちょっと後ろぐらいに四角い穴があるのを見つけた。


(救いを求めるっていうのは、神にお願いするようにポーズをとれってことだったのね)



『やっと見つけた突破口。絶対に脱出してみせる』

3話目になりました。ちょっとテンポが遅いかな…と感じつつ書いています。5話くらいからテンポが少し早くなっていますのでお楽しみに。

遅れてしまいましたが、お読みいただきありがとうございます。感謝してもしきれません。

 ここまでお願いさせていただくのは大変厚かましいのですが、よろしければ率直なご感想をいただけないでしょうか?何しろ初心者なもので、アドバイスをいただけるとモチベUPにもなりますし、自分の反省点が分かります。どうか、重ね重ねお願いいたします。

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