第98話 みんな恋愛のパワースポット大好きだね?
カフェを出ると、そのまま円山公園を抜けると、公園口鳥居をくぐり、そのまま本殿へと向かう。
参道を進み、神門をくぐった直後に、先生達がフラフラ~っと、右へ曲がり授与所の方へすたすた歩いて行ってしまう・・・
「イヤ! 先生!?」
「なに?」
なにって・・・目が真剣で怖いのよ・・・
てか、いきなり、おみくじ引くとかないでしょ?
「あの~ 参拝してからじゃないと・・・ダメじゃね?」
「え~ う~ん・・・」
そ言うと不満そうに、俺の後をついて来て、参拝を済ますと、真剣な顔で、授与所へすたすた歩て行く先生達・・・
4人 + 約1名が恋みくじ、200円を真剣な顔して引く姿を見ながら。
もう・・・恋愛成就のくじの話なんてしなければよかったな~と後悔しつつ。
でも、どうしてもアッコちゃんのクジの結果が気になってしまう。
お願い・・・アッコちゃん・・・変なの出さないで!
そう願っていると・・・
「ヤッタ~ アキラくん! 大吉だ!」
大吉!?
「マジ? それはよかった・・・」
てか・・・重要なのは内容だよ内容・・・
「えっと・・・アッコちゃん・・・内容は?」
「え~ えっと・・・星座は~ てんびん座、いて座いずれもよいが、みずがめ座はさけたほうが無難。 血液型は~ O型が良い。 年齢差が、おないどしがよい、あまりはなれるとよくない。 十二支が~ 最も相性がよいのが巳歳。酉歳でもよい。 方位が~ 西以外なら良いだって」
えっ? 嘘・・・ マジで?
それ・・・まんま俺じゃん!
ハイ! ハイ! ハイ! 1989年12月19日生まれ、いて座です。巳年です! 血液型O型です! アッコちゃんと同い年です! 家はアッコちゃんの家から南東です!
「アッコちゃん! それまんま俺じゃん!!」
「えっ? 本当? そっかおない年だし。巳年だし。えっ? アキラくん星座は?」
「12月19日生まれいて座です!」
「血液型は?」
「O型です!」
「お家にも、私の家からアキラくんの家って南東だ! え~ これって・・・やっぱりアキラくんって私の運命の人だったの!?」
「絶対そうだよ~! 僕らは運命の赤い糸で結ばれてるんだよ~!」
「え~! すごい! すごい! すごい! こんな事ってある!?」
「イヤ、運命なんだよ! 僕のアッコちゃん!」
二人で、手を握り合って、ピョンピョン跳ねて喜んでいると。
アッコちゃんが、急に僕の胸の飛び込んで来て・・・ギュ~って抱きしめられてしまう。
ヤバイ、こんなことってある?
アッコちゃん・・・ はぅ~ キスしたい・・・
「もう! ダメ! こんなところで・・・」
「え~ ダメなの?」
「ダメ! お家に帰ったらね!」
「ふみゅ・・・」
ウソ・・・今キスOKの流れだったじゃん・・・
「ふふふっ、でも良かった~ アキラくんが運命の相手で~♪」
「良い結果のおみくじは、持って帰ると良いらしいよ」
「本当!?」
「うん。良縁を持ち帰るってね」
「へ~ じゃあ、もうこのおみくじ、一生大事にする!」
うんうん、もうめっちゃ可愛い~ この子・・・
もう最高すぎん? 俺の彼女!
てか、他の人達は・・・?
ん? 遥ちゃん・・・何か険しい顔してるな・・・
「えっと・・・遥ちゃん?」
「良縁・・・おそくともかならず良縁の話がある。 結婚・・・意外に身近に赤い糸で結ばれている人がいるだって・・・」
遅いんだ・・・
「えっと・・・でも良縁はあるって書いてあるし・・・ それに、中吉? まあまあ良いじゃん、2番目だし」
「そうなの?」
「北海道神宮は、大吉→中吉→吉→小吉→末吉→凶らしいよ。 大凶はないんだって」
「でも・・・良縁が遅いって・・・」
やっぱり、そこ気になるよね~ イヤ、でも・・・
「身近に赤い糸で結ばれてる人がいるって書いてるじゃん! 誰か心あたりはいないの?」
「佐久間君? いて座?」
「はい」
「O型?」
「はい」
えっ? なに?
「巳年?」
「はい・・・えっと? なに?」
「年齢差・・・歳は離れてる方がうまくいくでしょうだって」
「へっへ~ それは~ えっと?」
「ねえ? 佐久間君?」
「・・・・・・なに?」
「高校卒業したら、先生と結婚しない?」
はぁ? 何を・・・
「えっと・・・何いってるの?」
「だって、ここに書いているの、まんま佐久間君じゃない!!」
イヤ、今のアッコちゃんとの会話聞いてたな・・・
「イヤ、こじつけがすぎる・・・ だって、星座はみずがめ座っも良いって書いてるじゃん! B型でも良いって書いてるし~ 俺じゃないかもしれないでしょ! もう今日イヤな事あり過ぎて、冷静じゃないから、ねっ? 先生」
「え~ だって・・・」
イヤ・・・一夫多妻なら、まあワンチャン結婚しても良いかもだけど・・・
さすがに、そこまで待てば、先生も結婚するだろうに。
まあ、ちょっと先生となんて、嬉しいかもだけど・・・
その魅惑のムチムチボディーにその童顔に、綺麗なお足は魅力だけど。
「大丈夫! 先生はモテるから! 可愛いし、スタイル良いし。足も適度にムチっとして綺麗な足してるし。めっちゃエロイ体してるから大丈夫!」
「う~ん・・・なんかそれ褒められてるのかしら? なによ? エロイ体って! もう! 本当にマセてるんだから・・・」
はぁ~ 今日の先生はヤバイ・・・
ちょっと、家に帰って冷静になって貰わないと。
てか、秀樹と小菅は?
ん? なんか二人して微妙な顔してるな・・・
結果悪かったのかな?
「ズミヒ~君は、どうだったの? 小菅は?」
「え・・・二人共、吉・・・」
「で? 結果は?」
「イヤ、るなっちと俺とで、血液型と干支とかはお互い相性良いって書いてあるけど・・・」
「なに?」
「結婚相手は、お互い歳の差があるって・・・」
はぁ? 結婚あいて? 何を気の早いことを・・・
「あのさ~ 結婚っていつの話だよ? まだ15年くらい先だぞ! 場合によってはもっと先かもだぞ! そんな話の占い、今から気にしてどうするんだよ!」
「えっ・・・うん・・・そうなんだけど」
「でも・・・結婚出来ないのかもって思うと」
「あのね秀樹。 小菅も良く聞け! 運勢なんて、歳が進めば変わって来たりするんだから、これはたまたま今の状況を踏まえるとこうってだけだよ。 また数年後のに、おみくじ引いたら、また結果なんて変わるから」
「そういうものかな?」
「佐久間・・・本当?」
あ~ 面倒くさい・・・
「絶対だ! 100%だ。俺を信じろ!」
「もし嘘だったら!? どうするのよ! 佐久間!!」
「その時は、俺が責任もって、お前らの相手を見つけて来てやる!」
「何よそれ・・・ ばっかじゃないの・・・」
あ~ 面倒くさいよ~
くじなんて毎回結果違うっつ~の・・・
てか・・・美姫は?
めっちゃ大人しくね?
「姉ちゃん・・・どうした? なんかショックな事でも書いてあった?」
「う~ん・・・やっぱり、雄太とは別れて正解だったのかも・・・」
あっ、一応まだ雄太の事気にしてたのね・・・
「そう? なんで?」
「だって、1個も当てはまってないんだもん・・・ 逆に凄くない?」
えっと・・・なんてコメントしたら?
「まあ・・・そういうこともあるかもだよね? えっと・・・でも、大吉じゃん。 よかったね?」
「はぁ~ でも、こんな相手どこにいるのよ? 結婚だって、今年出会った人と結婚するって、何これ?」
まあ・・・確かに・・・
今年出会った彼とは別れたばっかり、おみくじの内容とは全然違う人。
いまはもう11月・・・今年出会った人と結婚・・・
年末まであと、約2か月か・・・
姉ちゃん、男運だけでなく、くじ運まで無いのか・・・
「アキラは引かないの?」
「え~ もうアッコちゃんとの相性が良いって出てるから、俺は引かなくても良いよ」
「怖いんでしょ」
「怖いよ! 悪いか!」
「あら、正直じゃない? もう、可愛いな~お前は・・・」
もう・・・うざい・・・抱きしめるな・・・
「は・な・せ! もう! アッコちゃんが見てる前で! また怒られるだろ!!」
「別に良いじゃない! いっつも、私の前で抱き合ってるんだから、少しくらい~」
「てか、もう皆満足したでしょ!?」
『してない!!』
え~ もう・・・面倒くさい・・・
「じゃあ、まだ納得できない人は~! バスセンターの近くにある、北海道神宮頓宮の鳥居側にある狛犬を触りに行ってくれ!」
「なんでよ? なんかあるのアキラ?」
「縁結びに恋愛成就のご利益があるって有名らしいから!」
「え~ アキラくん! それって本当? 明日行こうよ!」
イヤ、アッコちゃん・・・マジか・・・
俺ら、最高の相性ってさっき出たじゃん・・・
「えっと、アッコちゃん本気?」
「え~ ダメなの?」
「アッコちゃん、明日はダメよ!」
「なんで? 美姫ちゃん!?」
「だって、こいつ明日病院で検査してこないといけないから」
あっ・・・忘れてた・・・
もう、ただの寝不足だって。
遊園地で倒れたのだって、タイムリープの副作用みたいなモンだし・・・
「え~ じゃあ、明日何時に帰ってくるの?」
「う~ん、俺は全然わからない・・・ もし、あれなら、来週にでも行く?」
「良いの!?」
「そんなに行きたいなら、一緒に行くよ・・・」
「絶対だよ! 約束だからね!!」
昔の彼女もそうだったけど・・・
女の子は、やっぱり、こういうのが好きなのかな?
でも・・・やく1匹・・・なんか真剣な顔しているヤツが・・・
「秀樹?」
「北海道神宮頓宮の鳥居側にある狛犬をさわるんだな?」
「えっ・・・うん・・・ って、秀樹行くの?」
「バスセンター前だろ?」
「うん・・・」
「チャリでも行ける!」
「まあ・・・行けるっちゃ~行けるけど・・・結構しんどいよ? 前大通りまでチャリで行ったけど、めっちゃ疲れたモン・・・」
「大丈夫、問題無い・・・」
「ズミヒ~」
「なに? るなっち?」
「えっ・・・行くなら、わたしも一緒に行きたい・・・」
オホ! なに? もうちょっと良い感じなんじゃないの?
それって、二人っきりでのデートのお誘いじゃん。
「えっ? るなっちと二人で?」
「うん・・・ダメ?」
「イヤ、良いけど・・・良いの俺で?」
「だって、この話知ってる、ズミヒだけじゃん」
「えっと・・・そうだけど・・・」
こいつ、なに躊躇してんだよ~
「秀樹~ 行ってこいよ。どうせ暇だろ? お前」
「えっ・・・うん・・・ わかった、行こうるなっち」
「うん!」
「よし、二人! 善は急げだ! 明日行ってこい! 帰りのバスの中で、待ち合わせ時間とか決めちゃえ!」
「うん、そうだな・・・ るなっち明日行こう!」
「うん・・・楽しみかも!」
へ~ これマジでワンチャンあるかもじゃん。
ちょっと、12月の告白が他人事だけど、ちょっと楽しみかも・・・
まあ、あとは・・・遥ちゃんには、ガンバってくらいしか言えないな。
ごめんね・・・小学生の俺にはどうもしてあげられないよ・・・
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