第96話 るなっち・・・クマさん柄ってギャップ萌えなんだけど
「もう! 佐久間のば~か!」
「あ~あ、二人の事聞きたかったな~」
「俺も、ちょっと聞きたかったかも」
秀樹まで・・・
「じゃあ、小菅さ~ お前、秀樹とこの後二人っきりの時に、学校の他の男子に見られたらどうするんだよ! たとえば・・・はじめ君とか?」
「うっ・・・まあ・・・それは~」
ふん、お前は、唾をつけた男子が多すぎなんだよ。
他の気になる男子に見られちゃったら、消去法で秀樹しかいなくなっちゃうんだぞ?
それでも良いのか?
「なあ、アキラ? なに、はじめ君って?」
「えっ? 徳重君って知ってるでしょ? うちのクラスの、ほら前に公園で一緒に遊んだ」
「イヤ、分かるよ。 でも、なんで、はじめ君の名前が出て来るんだよ?」
えっと・・・それは~
ねえ? 小菅さん?
「それは・・・るなっちに聞いて貰った方が~」
「佐久間!?」
イヤ、そんなに怒っても・・・
「なに? 自分で蒔いた種でしょ! 俺悪くないも~ん」
ズミヒー君と二人で、今後のことはよ~く話し合ってくれたまえよ~
ん? てか・・・この二人ってなんか進展したのかな?
「蒔いた種?」
「秀樹、滝野の行く前に、色々知ったでしょ? ほら56話で・・・」
「えっ!? ん? ああ・・・え~ そういうこと・・・」
「そういうことだよ」
「なるほど・・・はじめ君もなんだ・・・」
「ん? ズミヒ~く~ん? 息してる~?」
なんで、いまさら落ち込むかな~
そんなの関係ね~って立ち直って、告白するって決めたのお前なんだが?
「佐久間!? なに、ズミヒに話したのよ!」
「さあ~ 噂話なんてどっから耳に入るかわからないし~ それにズミヒ~君に話したの、俺じゃないもん・・・」
だって、秀樹にお前が他の男と関節キスしまくって、反応みて楽しんでたってバラシタのアッコちゃんだし~
「アハハハ、ルナ・・・ あれだけ、色々他の女子に話してたら、誰かかしら男子に話が伝わっちゃったんじゃないのかな?」
・・・・・・アッコちゃん、めっちゃ誤魔化すヤン。
「ハイハイ、るなっちとズミヒー君のそれは二人でよ~く話をしてくれってことで~ 午後からどうする? キッドランドで乗り物でも乗る?」
「わ~い! アキラくん! それ賛成!!」
「うん・・・私もそれで良いけど・・・ズミヒは?」
「俺も、それで良いよ」
「じゃあ、そういうことで~ 遊園地に行こうぜ~♪」
◇◇◇
「なあ・・・アキラ・・・やっぱりるなっちは無理なのかな?」
なんでこいつは、死にそうな顔してんだ?
「はぁ? てか、これから、距離を縮めるために今日来たんだろ? 最初は、それなりに距離があって当たり前だろ?」
「そうか・・・」
「これから、学校で劇の練習とか、何回かデートに誘ったりして、少しずつ距離縮めて~ それで12月告白して、るなっちの心をゲットするんだろ?」
「うん・・・そうだった」
「今日なんて、まだ最初の一歩みたいなモンなんだからさ~ 他の男の話で動揺するるなっちを見たって気にする必要ないんだよ!」
「うん、そうだな? ごめん・・・俺なんか弱気になってた・・・」
「そんなメンタル弱かったら、この先だって小菅と付き合い続けるとか無理だぜ」
「うん、わかった・・・そうだよね。 俺頑張るわ」
もうコイツ・・・なんで女の子の事になるとメンタル弱弱さんになっちゃうのかな~
サッカーやってる時みたいに自身満々で居たら良いのに・・・
「ごめん、まった~」
「ううん、まだ美姫と、小菅が来てないから大丈夫だよ~」
「もう! アキラくん! 私が清水君に話したってバレちゃうじゃん!」
「あは~ ごめんごめん、だって、るなっちが詮索してくるから」
「もう、ヒヤヒヤしたよ・・・」
「お待たせ~ ごめん待った~?」
「ズミヒー君なら、お前にいくら待たされても文句言わないから安心しろよ」
「はぁ? 何・・・意味わからないこと言ってるのよ・・・」
「意味わからないかな~ あんなに分かりやすいのにな~」
ん? るなっち?
なにこいつ、顔を赤くしてんだよ~
意外と可愛いとこ、あんだな~
「ごめん、ごめん・・・トイレ込んでて・・・」
「じゃあ、姉ちゃんも来たし。 皆、揃ったから行こうぜ~♪」
なんか、不満そうな顔したアッコちゃんに、腕を引っ張られたと思ったら。
耳元で囁くように言われる・・・
「もう、アキラくん・・・ルナのことからかいすぎだよ?」
「良いじゃん、良いじゃん。 俺は秀樹にサッカーでも恋愛でもアシストしないといけないチームメイトだからね~」
「なんだそれ?」
「12月に学習発表会の終りに告白するらしいんだから」
「え~!? そうなの?」
「そう、だから、今日はそこへ向けての一歩目なの」
「私・・・あの子あんまり好きじゃないかも・・・」
!? 美姫!? びっくりした~
もう・・・いきなり会話に入って来るなよ・・・
「なに? 盗み聞きしてたの?」
「イイじゃない別に~」
「てか、なんで? またいつもの嫉妬? 秀樹が自分のことかまってくれないから?」
「違うよ~ 何かあの子・・・秀樹君には違う気がするのよね~」
「だって、秀樹が好きだっていうから・・・」
その時、少し先を歩いていた秀樹がこちらを振り向いて・・・
『アキラ~!! ドラゴン乗ろうよ~!!』
えっ? ドラゴン?
う~ん、ドラゴン乗ると、中途半端なタイムリープ状態に陥って・・・
また、目の前真っ暗になって、立ち眩みみたいになっちゃうな。
どうしよう・・・
「アキラくん! 私も乗りたい!!」
えっ? そう? う~ん
「大丈夫だよ! 今日はショートパンツだし~♪ フフフン」
「そっか、そうだね。 じゃあ乗ろうか」
そういうと、祝日で少し行列が出来ている、ドラゴンの列に5人で並ぶことにした。
15分くらい待って、ようやく自分達の番になる・・・
『ハイ、ようこそ~ 順番にお進みくださ~い!』
先頭は秀樹とるなっち、次に俺とアッコちゃんが乗り、美姫の順で乗り込んで行く。
「ふふふっ、ルスツ以来だね? 今日はスカートじゃないからアキラくん、安心してね♪」
「うん、そうだね」
ん? 小菅・・・無言だな・・・
こいつさては・・・苦手なのでは?
「るなっち~ どうしたの~ 顔色悪いよ~? ひょっとして苦手なの~?」
「はぁ? こんなの平気だし! 何言ってるの!? バッカじゃ無いの!」
「るなっち、だいじょうぶ?」
「うるさいな~ ズミヒ・・・ちょっと・・・」
そう言って小菅が、秀樹の方へススっと寄って、なんかぴったりとくっつくと。
秀樹が、ギョッと一瞬動揺した顔を見せるが、すぐなにやらカッコつけた顔でキリっとすると・・・
「怖いの? るなっち?」
「だいじょうぶ~」
素直じゃないな・・・
怖い・・・ズミヒ~とか言えば良いのに・・・
そんな甘えるみたいに、秀樹にぴったりくっついちゃってさ。
『安全バーが降りたら、しっかりと捕まってください。では行きま~す プルルル』
係の人の案内と同時に、ゆっくりと、ドラゴンが動き出す。
次第に、ふり幅が大きくなっていく・・・
その後も、どんどん勢いを増してふり幅が大きくなっていく。
ヤバイ・・・もうそろそろ・・・
ん~ この落ちる感覚・・・
クぅッ~・・・ キタ~ この感覚!
パッ! パッ! パッ!
まあ・・・そうなるよね・・・
無駄に、タイムリープの第一段階クリア~的な・・・
「アキラくん! やっぱり、怖い!」
「アハハ、だいじょうぶだよ」
アッコちゃんが、力いっぱい安全バーを握って、必死に耐えてる姿を見ていると。
右隣の方から、「るなっち大丈夫?」っと秀樹の声が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・」
ん? もう小菅のヤツ、怖すぎて声も出せない状態じゃん。
まったくと、思いつつ、小菅達の方を振りむくと・・・
目をギュッとつぶって、安全バーにしがみついて、下を向いて固まっている小菅の姿が・・・
ハハッ、やっぱり苦手だったんじゃん。
そして、また大きく揺られて・・・
ん~ 落ちる・・・っと思った直後。
勢いを増して落ちて行くのと同時に、小菅のフリフリのスカートがフワ~っと舞い上がる・・・
そして・・・
えっ? クマさんプリント・・・
それから、フラれるたびに、小菅のフリフリのスカートがフワ~っと舞い上がり。
また、白のパンツにクマさんプリントの可愛いパンツがチラチラ見えてしまう・・・
視線を感じて、顔を上げると、秀樹がこっちをジーっと見ている。
何やらアイコンタクトをして、秀樹が小菅のスカートの裾をつまんでいる・・・
しつこくアイコンタクトしてくる秀樹・・・
あ? ああ・・・そういうこと?
しょうがないので、俺も小菅のスカートの裾を持って、秀樹と一緒に両サイドからスカートを抑えつけるようにして、めくれるのを防ぐことに・・・
イヤ・・・でも、小菅・・・
めっちゃ大人ぶって、フリフリのガーリーファッションなのに。
パンツが・・・クマさんプリントって。
イヤン、この子かわゆい♪
これはいわゆる、ギャップ萌えってヤツなのでは?
それにしても、フリフリのスカートがめくれて見えるパンツもなかなかエッチなんだけど・・・
もう一度見たいな~って思い・・・ ちょっと裾を離してみると・・・
また、スカートがフワ~っとめくれて、クマさんぱんつが~
オホ! なかなかこの光景~ 良き~♪
1人そんな光景を堪能していると、次第にドラゴンの揺れが少なくなっていき、ドラゴンは元の定位置に戻ってくる。
『ハイお疲れさまで~す。 足元に気を付けて降りてくださいね~』
係員の合図で、美姫から順にドランゴンを降りて、そのままアッコちゃんと一緒に階段を降りて戻ってくると・・・ ないやら、怖い顔した秀樹が~ やって来て・・・耳元で・・・
「アキラ・・・」
「えっと・・・何かな~? ズミヒー君?」
「お前・・・見たな?」
「なんのことかな~?」
「スカート抑えろって言ったのに、お前途中でワザとまた離しただろ!」
「イヤ、だって~ なんか、あのヒラヒラスカートがめくれるのがちょっとエロイなって~ エヘヘヘ・・・ごめんっぴ♪」
「お前な!」
「なんだよ? まだ小菅はズミヒー君の彼女でも無いんだから、パンツくらい見たって良いでしょ?」
「良くないわ! バカが!」
「ズミヒー君だって、見たんでしょ? 何柄だった?」
「えっ? クマさん・・・」
「しっかり見てんじゃん! てか、お前俺としゃっべてる場合か? 怖い思いした女の子を介抱してやれよ、このバカチンが~」
「くっ・・・お前覚えてろ!」
覚えてろっと言われても・・・何をや?
!? イテテテテ・・・
「えっ!? なに?」
「アキラくん!?」
「何? アッコちゃん?」
「ルナのパンツ見てたでしょ!?」
ヤバっ・・・しっかりチェックされてた・・・
「えっ? なんで?」
「途中から、ず~っとルナの方ばっかり見て~!」
「あっ、えっ・・・イヤ・・・ 小菅のスカートを秀樹と一緒に抑えて、めくれないようにしてたからだよ~」
「えっ? そうなの?」
「そうだよ・・・だって、可哀そうだろ?」
「そっか・・・アキラくんってやっぱり優しいね?」
「そりゃそうだよ・・・でも、俺が一番優しくしたいのは、アッコちゃんだけだから」
アッコちゃん、君の心の清さはなんて素晴らしいんだろう。
こんな、べたな嘘をそんな信じちゃうなんて・・・
はぁ~ やっぱり、僕の彼女この世で一番かもしれん。
「アキラ~?」
「なに?」
「るなっちをちょっと休ませるから、俺らあっちのベンチへ行ってるね?」
「わかった~」
「ルナ・・・大丈夫かな?」
え~ そんなにダメなのかよ?
あれじゃ、ルスツとかの遊園地デートとかまず無理じゃん。
「アッコちゃん? 俺らもジュースでも買って、少しベンチで休み?」
「そうだね、それが良いかも」
そう言って、アッコちゃんと一緒にジュースを買い、秀樹達へジュースを渡すと。
アッコちゃんと美姫に挟まれて、ベンチに座って休憩することにする。
ここで、13分こうして待っていれば、例のタイムリープリセットの目まいもやり過ごせるな。
美姫の前で、立ち眩みとか言って、ふらついたら、また何言われるか分からないからな。
そんな事を考えながら、3人で太陽が隠れた、どんよりした曇り空を眺めながら、るなっちの回復を待つことにした。
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