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第95話 俺の周りの女の子は男運が無いらしい・・・


 う~ん、円山動物園ってこんな感じだっけか?

 なんか、結構寂しいというか・・・


 規模的に・・・そっか~ もう大人になってからの記憶なのかあれ?

 キッドランドの跡地に色々アフリカゾーンとかアジアゾーンとか出来て色々変わって・・・

 旭川の旭山動物園の影響受けて、行動展示的な施設とか新しく出来て、変わって来てたから・・・


「アキラくん。ライオンって寒く無いのかな?」

「なんで?」

「だって、もう11月でしょ? アフリカに比べたら、すっごい寒いと思うんだけど・・・」

「う~ん、アフリカでも、夜とかは気温が10度以下になったりするらしいから、寒さに弱いわけじゃないらしいけどね」

「そうなんだ?」


「とわいえ、1日中寒いのは耐えられないと思うよ。 アフリカは昼間は熱いから・・・」

「やっぱり、辛いよね。 だから動かないのかな?」

「ライオンって夜行性だからね~ 基本昼はずっと寝てる子達らしいよ」

「へ~ アキラくんって物知りだね?」


 以前、どっかの動物園に行った時に、係のお兄さんが説明してくれたことの受け売りなんだけどね~


「なんか、この子さ~ 最近たまに博識になるんだよね」

「やっぱり、美姫ちゃんもそう思う?」


 えっ? ・・・それはどういうこと?


「最近って?」

「う~ん、なんだろう? アッコちゃんと付き合い始めたくらいから、急になんか大人ぶったこと言うようになった気がする・・・」

「うんうん、わたしもそう思う」


 そりゃ・・・まあね。

 てか、元の俺ってどこにいっちゃたのかな?

 魂上書きみたいな感じなのかな・・・


 なんか、ごめん、俺・・・


「えっと・・・そんなに変わらないと思うんだけど?」

「え~ そうかな~ まえは他の男の子とそんなに変わらなかったような・・・」

「あれれれ~? そうかな~ そんなに変わってないと思うけどな~」


 俺って、そんなに小5の時ってしょうもなかったのかな?


「その、あれれれれ~って何? 名探偵コ〇ンのマネ?」

「え~ だって・・・なんか大人ぶるとか言うから。 子供ぶってみた」

「アハハハ、バカっぽいな~」


 なんか平和だな~

 2週間前にあんな苦闘していたとは思えないほど平和だ。

 これからも、こんな日常がずっと続いたら良いのにな~

 願わくば、アッコちゃんの転校も無くなってくれたら・・・


「次、何見に行く?」

「え~ お猿さん見る~」


 もう・・・お猿さん見る~ だって。

 もう、この子可愛すぎる~


 たまに大人っぽい表情で魅了するくせして。

 こういう時はしっかりと子供なんだから・・・

 ずっと、傍に居たいな・・・


「お猿さんだ~!」


 ん? 猿山・・・


 まだこの頃って、猿山の展望ハウスも無かったのか。

 昔は色々無かったんだな~ 全然記憶にないや・・・


 ん? ん~!?


「ねえ? アッコちゃん?」

「なに?」

「あそこに、いるのって・・・」


 マジ?


「えっ? どこ?」

「イヤ、あの男の人と一緒に居る女の人って」

「えっ・・・ 遥ちゃん?」


 そうだよね? 遥ちゃん・・・

 相手の男・・・どっかで見たことあるな~


「ねえ、あの男の人って誰?」

「う~ん、なんか見たことある気がする・・・  6年生の先生じゃない?」


 あ~ 確かに、6年の教室で見たことあるかも・・・

 えっ!? 遥ちゃん・・・あんな野暮ったいヤツと付き合ってるの?


「えっ? あの二人って付き合ってるのかな?」

「イヤ~ 知らないよ・・・俺だって初めて見たもん」


 まあ、職員室をあんな色気ムンムンでウロウロしてたら、独身男の同僚なら放っておかないよな・・・


「でも、アキラ達の先生あんまり楽しそうじゃないね?」

「ん? 姉ちゃん、なんでそう思うの?」

「えっ? だって、一緒に居るのに、相手の男はやたら、先生の方ジロジロ見て一生懸命しゃべってるけど。 あんた達の先生は全然男の方見てないもん」


 なるほど・・・確かに言われてみれば・・・

 さすが、美姫。


 女の視点ってやつか。

 一見、男の先生が一生懸命ニコニコして説明して、うんうんって聞いている幸せカップルに見えるけど。


 美姫からそんな事言われたら・・・ こいつウンチク、ウゼ~って顔に見えてくるかも・・・


「えっ? どうする? 跡つける?」

「イヤ、あっこちゃん・・・ 止めよう、そんな野暮な事」

「なんで~ 面白そうなのに~!」


 また探偵気分に・・・


「イヤ~ 3連休の動物園なんて、学校の先生がウロウロしてたら生徒に見つかる可能性大なのに。 わざわざこんな所でデートしてるんだよ」

「だから? なに?」


「動物園なんて、べたな場所でデートしてるくらいだよ。 二人の関係って、始まったばっかりだよきっと。 そっとしておいてあげた方が・・・」

「まあ、アキラの言う通りかもね。 なんか、距離感微妙だし・・・ 生徒に見つかったってなったら関係もダメになっちゃうかもね」

「え~ 何話してるのか、すっごい気になるのに~」


 そう言って、口をとがらせて、残念そうにするアッコちゃんの手を引っ張って、猿山を離れることにする。 まあ、正直アッコちゃんと一緒で、俺も興味があるっちゃ~ あるけど・・・遥ちゃんも、26歳のお年頃の女の子だし・・・


 友達も、彼氏もいないって言ってたし。

 まあ、同じ学校の先生同士って、どうなんとは思うけど・・・

 そっとしておいてあげたい。


「あれ? ルナ?」


 ん? 小菅?


 うわ!? ヤメたれよ!


「めっちゃ先生に話しかけてる~」

「うん・・・ うわ~ 気まずそう・・・」

「ルナばっかりずる~い! 私も話聞きたい!」


 えっ? アッコちゃん・・・

 イヤ、やめよう。


 可哀そうだって・・・


 さっきまで、僕が手を引っ張手たのに。

 逆に、めっちゃグイグイ手を引っ張られて、どんどん先生の方へ近づいて・・・


 『え~ 二人っていつから付き合ってるの!?』


 小菅・・・めっちゃド直球でぶち込んでくじゃん。

 うわ~ もう先生二人のひきっつた笑顔。


 『イヤ、小菅さん・・・だから、今日は今度の課外授業の下見で・・・』


 遥ちゃん・・・そんな言い訳・・・無理じゃね?


「ウワ!!」

「!? キャア!!!!」


 あ~あ・・・・・・アッコちゃん・・・


「先生デート!?」

「えっ!? 岩崎さんに佐久間君!? っと・・・お姉さん?」

「あっ、アコ~♪ なんか、先生達デートしてる~!!」 


 うわ~ もう地獄ヤン、こんな状況。

 相手の先生・・・お前もなんか言えよ。


 一歩引いて、なに傍観者決め込んでんだよ。

 

「えっと、皆は今日は?」

「佐久間君達とダブルデートなんです~」


 イヤ、小菅。

 そこは秀樹君達と~じゃないのかよ?


 てか・・・あれ? 秀樹?

 秀樹は? どこ行ったんだあいつ?


「オイ、小菅? 秀樹は?」

「えっ? ズミヒなら、トイレだよ」


 トイレか・・・


「ねえ~え! 先生デートなんでしょ!?」

「え~ だから違うって~ ねえ? 木村先生?」

「ああ・・・そうだね・・・」


 ここは否定するのが正解なのかな?

 まあ、噂になるのはマズイからな・・・否定するか・・・


「ねえ? アコ? お腹空いたね?」

「うん、もうお昼だもんね~ 先生! 一緒にご飯食べようよ~!」


 アッコちゃん・・・君って子は、無邪気過ぎる。

 可愛いけど・・・可愛いけど・・・


 一切悪気の無い、純粋無垢って、時に罪かも。


「えっと・・・木村先生?」

「ああ・・・もうお昼ですね・・・」


 イヤ、そこは先生達は、もう帰る所だからとか適当な事言って。

 遥ちゃんを、円山のおしゃな、イタリアンに連れて行ってやれよ~


 なんなら、お店は俺が教えてやるからよ~


「ねえ~え! 先生!!」

「えっと・・・木村先生?」

「あ・・・あ~ じゃあ、あそこの2階で皆でご飯食べますか?」


 あそこの2階?


 ニューフルヤ・・・


 うわ~ 何か懐いな~ そう言えば、あんな食堂あったな。

 こっちの時代に来る前はもう無くなってたよな・・・


 てか・・・木村先生さ~

 遥ちゃんが、何度も助け求めたのに、それは無いぜ・・・


 はぁ~ 遥ちゃんが、可哀そすぎる・・・


「ん? アキラ?」

「ん? ズミヒー君じゃないか?」

「なんだよ、ズミヒーって・・・」


「イヤ、お前がズミヒーって呼ばれてるなんて、初めて知ったんだもん」

「3組の女子が全員、俺をそう呼ぶんだよ」

「へ~ 女子に大人気だな~ お前・・・」

「うるさいぞ! てか、なにこれ? どういうこと?」


「なんかー 今度の課外授業の下見でー 6年生の先生の木村先生と一緒にー 下見に来たんだってー 課外授業の下見でー 6年生と5年生の先生が一緒ってー なんかー 不思議な組み合わせなんだけどー なんかそういうことらしいー でー いまから一緒にご飯を食べようってことになったんだけどー」


「えっと・・・そのわざとらしい棒読みはなんなの?」


 だってよ~ さっきから、遥ちゃんが、木村先生に救いを求めてるのに、ことごとく、木村先生ってヤツが裏切るからさ~


 秀樹とそんな会話をしていると、なにやらニコニコした遥ちゃんが俺の所へ寄って来て・・・


「佐久間く~ん・・・ちょっと・・・こっち来なさいよ~」

「えっ? 遥ちゃん・・・なに?」


 えっ? なに?・・・そんなグイグイ手を引っ張って・・・どこに?

 顔・・・怖いし・・・


「ちょっと! あんた分かっててワザとあんな事言ったでしょ!」

「だってよ~ 先生・・・ 課外授業の下見って無理があるぜ~ だって、もう冬だよ。 そんな予定無いじゃん・・・」


「うぐっ・・・そうだけど・・・」


「イヤ、遥ちゃんは悪く無いよ。 可哀そうに、あの木村って先生に何度も救いを求めていた健気な姿を見てたよ・・・ 頑張ったね先生・・・」


「・・・・・・佐久間君って本当になんなの?」


「俺? 俺は佐久間晃、普通の小学5年生、探偵さ」

「・・・・・・名探偵コ〇ンのモノマネは良いわよ・・・ムカつくわね」


「先生、円山だぜ。 イタリアンとかお店いっぱいあるじゃん? そっちにご飯食べに行きなよ~」

「だって・・・木村先生が、ここで食べるって言うんだもん!」

「遥ちゃんも可哀そうだね・・・」


 なんで、こうも俺の周りの女の子達は、男運が無いのかね~


「もう・・・やっぱり今日、来るんじゃなかった・・・・・・」

「なんで? 付き合ってるわけじゃ無いの?」

「前から、ずっと誘われてて、同僚だし・・・なんか無下に断れなかったのよ・・・」


 なるほど・・・あるよね~ そういうの・・・

 今後の人間関係重視して、一度はデートに付き合ったみたいな。

 前世で、良く女の子から相談受けたな~

 シレっと、興味無いらしいとか、XXさんに伝えて貰えないですか~って・・・


 俺が、遥ちゃんと同年代なら、今日、一緒に飲みに行って愚痴を聞いてあげるのに・・・

 ああ、憐れなり遥ちゃん・・・


「じゃあさ~ なんかお食事券貰ってて、ランチはそこって言ってませんでした? とか適当なこと言って、ここ抜け出せば?」

「なるほど! 佐久間君って本当に天才ね!」

「イヤ、先生達が、あまりにも残念ティーチャーズすぎるんだよ・・・」

「なによ! 失礼ね!」


 だって・・・本当のことじゃん。


「それにしても~ 課題授業は・・・ないわ~ 無い、無い。ハハッ笑!」

「もう! うるさいわね! ふん! 佐久間君の意地悪!」


 イヤ・・・そんなほっぺた()を膨らませて、ぷくっとか可愛いく怒られても・・・

 もう、この子は本当に・・・


「木村先生! そういえば~ ランチのお食事券貰ったから、お昼はそこにしましょうとか言ってませんでしたっけ~?」


 そのまま言うんか~い!


「えっ? お食事券? えっ・・・あああ・・・・そうですね・・・うん・・・そうでした」

「ごめんね~ 皆~ 先生達、ちょっとお昼、別のお店で食事する予定だったの~ じゃあそういうことだから~ また学校でね~」


「あー それは残念ですねー じゃあー 僕らだけで、お昼を食べよー 先生さようならー」


「佐久間・・・なんなのその棒読みでわざとらしい言い方・・・」

「もうまたアキラくん・・・」

「まあ、二人共、先生達は予定があるみたいだから、私達だけでお昼食べましょ。 ねっ!」


 美姫姉・・・フォーローサンキュー!

 さすが、出来る女だぜ。


「ねえ! アキラくん! 遥ちゃんと何しゃべてったの!?」

「そうよ! 佐久間! あんたと話をしたとたん、あんな事言いだして~!」

「えっ? だってよ~ お前ら、よく考えてやれよ。 なんで休日のデート中に、自分の生徒と一緒にメシなんて食わないといけないんだよ。 遥ちゃんが可哀そうだろ?」

「え~ 私達が一緒じゃ、お邪魔ってことなの?」


 イヤ・・・そんなシュンってしないでよ~ アッコちゃん・・・

 えっと・・・う~ん・・・


 !?


「そうだ、アッコちゃん! 俺達が二人っきりでデートしてて、お昼時に、剛とばったり会って~ それで3人で食事しようってなったらイヤでしょ?」

「まあ、確かに・・・石川君と3人なんて絶対イヤ! って・・・そうか・・・ えっ!? でも、遥ちゃんに取って、ウチラってそんな石川君並みにイヤな存在ってこと!?」


 えっ!? えっと・・・そう来る?

 剛・・・お前・・・思っている以上に、アッコちゃんに嫌われてたんだな・・・


「えっと、ホラ、剛じゃなくても・・・ 例えば、ハジメ君とか!?」

「う~ん・・・ちょっと気まずいか・・・ そうか・・・」

「でしょ、でしょ? だから、大人は大人の時間で~ 俺らは、優雅に2階から猿山を見ながら、ランチしようよ~」

「うん・・・そうだね。 ルナ? 行こう!」

「う~ん・・・」


 はぁ~ なんとか丸く収まったな・・・

 

「アキラ~ アンタにしては機転が聞いてたわね~」

「もう、姉ちゃんだって、気づいてたんだったら、助けてよ~」

「だって、慌てるダメ先生達を見てるのちょっと楽しかったんだモン♪」


 そうか・・・美姫の趣味・・・人間観察だった。

 ダメだ・・・こいつ・・・


 それにしても、あの木村って先生・・・ダメ男っぽいな~

 頼む! 円山のおしゃな店・・・どうか詳しくアレ!

 頼むから、あんな可愛い恰好した、遥ちゃんをラーメン屋とかに連れて行くのだけはやめてくれ・・・


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