第87話 Re:2000年10月31日 火曜日 14:30-17:00
『ガラガラガラ! 佐久間君!! 助けて!!』
えっ!? あっ・・・この人の存在忘れてた・・・
そういえば、先生に付き合っての残業イベントあるのすっかり忘れてた・・・
なんか、午後の流れが少し変わってて、すっかり忘れてたよ~
「ねえ、知恵貸して!」
「えっ? なんの?」
「パート譜が全然なんだよ~!!」
「イヤ・・・先生・・・もう放課後なんで。 俺その~ 残業はちょっと・・・」
「はぁ!? 何社会人みたいな事言ってるのよ! ねえ、助けてよ~!」
なんど、やり取りしてもウザい会話・・・
残業への、俺の中の拒絶感がハンパ無いんだが・・・
「え~ 今日はアッコちゃんとくるみ割り人形のバレエのDVDをうちで見る約束してたのに~」
「お願い! 他の先生達全然手伝ってくれないのよ~!」
「アキラくん? なんか可哀そうだから手伝ってあげたら?」
「もう、しょうがないな~ じゃあ、先生今度俺のお願いごと、なんか聞いてくれる?」
「え~ お願い事って・・・あんまり無理な事はダメよ?」
「え~ じゃあ、帰っちゃおうかな~ アッコちゃんとDVDをみないといけないし~」
「そういうことなら、岩崎さん! 先生のパソコンで、くるみ割り人形のバレエの映像見せてあげる! そしたら、一緒に居られるわよ~」
でたな! 強引な正面突破。
「アキラくん、わたし映像見て待ってるよ」
「え~ う~ん、とりあえず、じゃあ今日は付き合うけど。 さっきのお願いごとの件は忘れないでよね!」
「もうわかったわよ~」
「先生! 絶対だよ! 言質とったからね!」
「まったく! 言質とったとか、どこでそんな言葉覚えてくるのよ! もう・・・じゃあ、ほら行こう? 音楽室! 早く!」
よし! う~ん・・・遥ちゃんに何してもらおうかな~
個別に、グラビア撮影でもさせて貰おうかしら~♪
次の何かあった時のネタのために・・・
そんな事を考えながら、アッコちゃんと先生の後ろをついて歩て行くと。
「じゃあ、先生ちょっとパソコン取って来るから、二人は先に音楽室に入ってて」
前回と同じように、2階の職員室へ走って階段を降りて行く先生・・・
「先生が廊下走っちゃだめだよね?」
「ふふふっ、本当だね? ほら、先に音楽室に行こう?」
『ガラガラガラ・・・』
う~ん、何度入っても、アッコちゃんと放課後の誰もいない教室で二人っきりは、ちょっとエッチな気持ちになっちゃうな~ 何か起こらなかっていう期待がね~
「アキラくん! 先に入って、ピアノ弾いてよ~」
えっ? ああ・・・うん、そうだね。
そんなやり取りしてたな・・・
「ん? どうしたの? なんかまたエッチな事考えてたでしょ?」
「なんで? エッチなことなんて何にも・・・」
「うそばっかり! わたし、アキラくんの顔見ただけで、今何考えてるのか何となくわかるんだから!」
あれ~さっきのオーディション後は、あんなにラブラブだったのに・・・
結局ここでのエロ顔は、厳しく追及されちゃうのか。
「ふふふっ、でも、さっきはアキラくんのピアノがすっごい素敵だったな~」
「えっ? そう?」
あれ? こんな会話だったっけ?
「なんか、私と思いを共有しているみたいにで、ぴったりだったんだよ・・・ 何かピアノの音を聞いてるだけですっごい嬉しい気持ちだったんだよ」
「俺も同じこと思ってたよ・・・」
「本当!?」
「うん・・・ アッコちゃん・・・」
ああ・・・夢にまで見た。
スクール物のあれ。
放課後に誰もいない教室で、大好きな彼女とのキス・・・
『あの~ 入っても良いですか~?』
うわ!? びっくりした~ えっ? ヤバッ・・・この人の存在忘れてた・・・
「イヤ・・・良いですけど・・・」
「もう・・・学校でイチャイチャするのヤメテくれる? 先生的に許可できないんだけど~」
そうですか・・・
チェッ! せっかく良い感じだったのにな~
はぁ~ アッコちゃんのトロンとした目・・・
はぅ~ 思い出しただけでキュンってしちゃうよ~
「もう! 佐久間君! 何デレっとした顔してるのよ! ねえ、早く相談にのって~」
ん? ああ・・・バート譜の分けかたか~
まあしょうがない、ちゃっちゃとヤッテ、終わらせちゃおうかな~
前回の記憶があるから、少しは早く終わるだろ。
先生に急かされて、ピアノの前に二人で別々のイスに腰を下ろすと・・・
前回はあんまり気にもしてなかったけど。
先生そのタイトスカート、ちょっと短いよね~
こうやって、隣に座って、太ももがあらわになると、やっぱりちょっとヤラシイ目で見ちゃうよな~
前世の俺なら、絶対にこの子と仲良くなったら、告白しちゃってるよな~
この体と、この綺麗な足はやっぱり、ちょっと魅力だもの。
ん? あっ・・・そういえば・・・
剛のヤツ・・・
あいつ、いつから覗きしてたんだ?
遥ちゃんが座ってる位置も、前回とまったく一緒。
あの時は、この目の前にあるピアノの譜面台のせいで、全然気づかなかったけど・・・
たしか、あの扉から・・・
ん? なんか、扉隙間開いてね?
ちょっと、ペンを落としてっと。
「えっ? もう佐久間君なにやってるの?」
「イヤ、自分で拾うんで~ 先生はそのままで・・・」
扉の隙間・・・ んぐ!
目があった!
やっぱり、剛いるじゃん。
あいつ、こんな初っ端からずっと覗いてたのかよ・・・
なんか、遥ちゃんの無防備のパンツを覗かせるのも、可哀そうだしな~
剛・・・ムフッ。
ちょっと、邪魔しちゃおうっかな~
「遥ちゃん?」
「なに?」
「ちょっと、ここの楽器の割り振りなんだけど。 う~ん、言葉だとなかなか説明できないから、ピアノ弾いて説明したいから、ちょっと遥ちゃん、座ってる場所変わらない?」
そう言って、座っている位置を、ピアノに向かて右側から、左側の低音側のイスに座るように、遥ちゃんに言うと・・・
「えっ? うん、いいけど」
「そう、ここのオクターブ上の高音のメロディーラインは、こんな感じで~♪ ♪♪ ♪~♪~ ♪~、鉄琴に割り振ったらすごい響きも綺麗だし良いとおもうんけど?」
これで、さっきの隙間からだと、遥かちゃんのパンツは見えなくなったと思うんだけど~
剛のヤツ・・・ ん? アレ?
扉の隙間? 閉まってる? さっき、右側の扉が少し空いてて、そこから覗いてなかったか?
「確かにそこ鉄琴だと良い感じになりそうね? でも凄~い、今のピアノの音まるで鉄琴をイメージしたような音だったね?」
「えっ? ああ、そうでしょ?」
「うわ~ やっぱり、佐久間君に相談してよかったな~」
アイツ・・・どこ行った?
ペンを落として・・・
「アレレレ~ またペンが~」
「もう、そそっかしいかな~ また?」
よし、ピアノの下から向こうを・・・
右側の扉は閉まってるな~ ん? なんか左側の扉が少し空いてる?
えっ? あっちから見えるのか?
「アハハ、ごめん先生。 でね、次なんだけど~ こっちの低音部なんだけど~」
「うん・・・」
「ちょっと、ごめん、先生また席変わって~ ちょっと弾いてみるからさ~」
「うん、わかった~」
そう言って、先生をまたピアノの高音側の席へ移動させる。
うむ。 これで、あの左側の扉からだと、パンツは見え無いと思うんだけど・・・
『チッ!』
ん? いまの舌打ち?
「先生、いま。 チッっとか言った?」
「えっ? 先生が? う~ん・・・岩崎さんかな?」
「イヤ、アッコちゃんは・・・イヤ集中して動画見てるし・・・違うと思うけど・・・」
「俺の空耳かな?」
「も~う、疲れてるんじゃないの?」
イヤ、いま絶対、舌打ちした音聞こえたんだけど・・・
ん? イヤ・・・遥ちゃん。 何回も座り直してたせいなのか、さっきより、スカートの裾上がって来てない?
さっきよりも、もっと太ももがガッツリ見えちゃってるんだけど・・・
ヤバイ、こんなのマジかで見ちゃったら。
俺、ギンギンになっちゃうよ・・・ って・・・もうなってるかも・・・
「ん? どうしたの佐久間君? 疲れた?」
「イヤ、続きヤッテ、さっさと終わらせましょう?」
「うん、そうだね・・・」
てか、この先生さっきから話する時、距離近いんだよな~
何気に、俺の足に先生の足が当たったりさ~
さっき、楽譜に書き込みする時なんて、ちょっと腕に胸当たったし・・・
俺誘惑されてんのか? この先生に?
「ん? どうしたの? なんかポーっとしちゃって?」
「えっ? イエ・・・大丈夫っす」
イヤ、ポ~っともするだろ・・・
てか、いい加減アイツ・・・諦めて帰ったかな?
「アッ! アアアア! ペンが~」
「ちょっと、また? もうやっぱり疲れてる?」
「ごめん、自分で拾うから・・・」
ん? 左の扉が閉まって・・・
アイツ! また右の扉少し開いて覗いてやがる。
「先生、ちょっと寒くない?」
「う~ん、足元ちょっと寒いかな~」
「俺、ピアノ弾いてちょっと暑いから、このブルゾン、先生膝に掛けたら良いよ」
「え~ 優しい・・・ 佐久間君って、大きくなったら絶対良い男になりそうだよね~? もうそんな風にされたら、好きになっちゃうよ~」
「アハハハ・・・ そうすかね~? ハイ、先生、これ膝に掛けて~」
『チッ!』
また!? また舌打ちの音?
これ、剛の舌打ちか?
オイ、オイ、オイ・・・
アイツ、まじか?
でも、いい加減これで諦めるだろ。
もう、バカみたいにパンツなんて覗いてないで、さっさと帰れよお前は・・・
先生のパンツは俺が守ってあげるね。
その変わり、明日配布する写真は許してね?
あれは、少年たちの夢の種だから・・・
そう、思春期の少年達の想像力を無限に引き出す、夢の種だから。
それで、アイツらが何に使うかは・・・まあさておきだけど・・・
「てか、先生彼氏とかいないわけ? 大学の友達とかさ~」
「だって、大学は旭川だったし・・・ 実家も旭川だから、札幌にそんなに友達いないもん・・・」
あ~ なるほどね。
教育大学って、旭川のか・・・
俺が大人だったら、先生なんて放っておかないのにな~
面倒くさい性格はちょっと難ありだけど・・・
それを補って余りある、その放漫なお胸と、適度にムチっとしたエロイ体と綺麗な足・・・
くぅ~ この世の大人は何をやってるんだ。
こんな良い女に、もう何年も寂しい思いをさせるなんて・・・
もったいない・・・
ん? あ~ 雄太とかヘタレには、こういう年上の女に色々言われて育った方が良いのかな?
アイツ・・・いま何やってんだろうな?
「佐久間君? 話聞いてる?」
「えっ? あっハイ・・・ そうっすね、そこはそれで良いと思いますよ」
「ありがとう♪ ヤッタ~ 出来た~♪ もうありがとう!」
「イエ、イエ、お役に立てて何よりです~」
「これもありがとうね? 暖かかった♪」
ブルゾンを受け取り、ちょっと先生の温もりが残ったブルゾンを羽織って、少しエッチな気持ちになりつつ・・・
「アッコちゃん? どう?」
「ん? 終わったの?」
「うん、どない? もうけっこう覚えた?」
「うん、結構覚えたかも!」
「でも、足は大丈夫なの? ケガしたところ?」
「ん? 何ともないよ。 全然痛くないもん」
今何時だ? 16:30か・・・
この間より、40分くらい早く終わったな~
『ガラガラガラ・・・』
「じゃあ、先生僕ら先に帰るからね。 また明日・・・さようなら」
「あっ!? 二人共、ありがとね~♪」
時に、剛のヤツは? 廊下には・・・?
いないな・・・さすがに諦めて帰ったかあのアホ。
明日アイツ・・・ちょっと問い詰めないとだな。
さすがにパンツの覗きはヤバイぞ・・・
そんな事を考えながら、アッコちゃんといったん教室に鞄を取に戻ると・・・
ん? 剛やないか・・・
「ん? 何やってんだお前?」
「えっ? イヤ、今帰るところ・・・」
「ふ~ん、何やってたの?」
「えっ? ちょっと・・・えっと、残って自習?」
ふん、白々しい・・・
剛の近くに行き、耳元で。
「剛・・・遥ちゃんのパンツ、覗いちゃダメでしょ?」
「えっ!? なんで? それを・・・」
「お前・・・数回舌打ちした?」
「なっ・・・イヤ・・・だって・・・」
「覗きは犯罪になっちゃうよ? 社会的に抹殺されちゃうよ? 俺が気づいて止めさせようと思って妨害したのに・・・お前えさ~」
「えっ? 気づいてたの?」
「だって、最初俺と目があったよな?」
「やっぱり・・・あれ、気づいてたの?」
「当たり前だ、バカが。 変態かお前は?」
「えっ!? 石川君!? パンツ見てたの!?」
えっ!? アッコちゃん?
「えっ? 盗み聞きって~ アッコちゃん?」
「何よ~ また二人でコソコソ話初めて、仲間外れにしようとするからジャン! ていうか、石川君最低!!」
「えっ!? イヤ、アッコちゃん、違う・・・」
「何が違うのよ~!? じゃあ、いままで何してたのよこんな時間まで、一人で残るっておかしいじゃない!!」
あちゃ~ 結局バレるのか・・・
「ねえ? 男子ってみんなそうなの?」
「イヤ、あれはさすがに剛だけ・・・」
「でも、アキラくんだって、私のパンツ見たよね?」
あれ・・・この会話?
「えっ!? アキラ!? アッコちゃんのパンツ見たの!?」
「うるせ~ お前の覗きと一緒にするな! 遊園地で、たまたま! たまたま見えちゃったの!」
「たまたま、アトラクションが止まるまで、ず~っと見てたクセして~」
えっ? これは繰り返しちゃうヤツなの?
「イヤ・・・あれは事故だよね?」
「どっちも、どっちよ! 二人ともスケベ! エッチ! それで剛君は変態!」
アハハハ・・・ 結局このイベントは不可避かよ・・・
あ~ 剛・・・顔・・・死んでるって。
「どうした剛? 息? してる?」
「・・・・・・」
死んだな・・・まあ自業自得だから・・・これはしゃあなし・・・
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