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第86話 Re:2000年10月31日 火曜日 ~14:30


 10月30日月曜日に戻って、今日は10月31日火曜日。


 午前中は、前回とまったく変わらず、小沼に付き合わされて、ハルちゃん先生とピアノ担当の分担の話をさせられ。 これから、午後のオーディションが始まろうとしている所だ・・・


 『はい皆~ 静かにして~ これから、学習発表会のオーディションを始めます。じゃあ、最初はクララ役の人達前に出て来て1人ずつ出て来て、歌とダンスを披露してもらいます』


 挨拶も当然のごとく、前回とまったく一緒。

 で、ここで、ワザとらしく俺の紹介っと・・・


 『じゃあ、伴奏は1組の佐久間君が担当しま~す♪』


 ん? でも・・・


 木下の話だと、この時に俺、めっちゃ女子から憧れの眼で見られてたって言うけど・・・

 本当かな?


 譜面台で、向こうにいる女子達が良く見えなかったからな~

 そう思い、ワザとらしく、ひょいっと顔を譜面台の間から覗かせて、フロアに座っている皆を見渡すと・・・


 『え~ あの子が佐久間君? 滝野でなんか暴れてた子だよね?』

 『あの子なんだ~? え~ なに~ ピアノ弾けるの~ なんかギャップ萌えなんだけど~♪』

 『よく見たら、ちょっと可愛い顔してるよね~♪』


 オヤ、オヤ・・・木下の言う通りじゃん。

 ワフォ! ちょっとヤル気出て来たかもしれん!


「ちょっと」


 ん? 出たな・・・小菅瑠奈め。

 せっかく、黄色い声で、俺が気持ちよくなっていたというのに・・・


「なんだよ?」

「ミスしないでしょうね! あんたのせいで落ちたらただじゃすまないから!」

「・・・別に、俺がミスったって、お前でもう決まりだろ!」

「分からないじゃん!」

「はぁ? お前と、あの坂下って子の本気のガチ装備見たら、もうお前ら二人で決まりだろ!」

「まあ、それもそうね。 でも、私・・・本気なの。 だからミスしないでよね」


 前回とまったく同じセリフ。

 だけど、なんど聞いても腹が立つ。

 もう萎えるわ~ あいつ~


 ちょっと、オーディション前だけど、ピアノ弾いて気分転換しよって。


 ♪ ♪♪♪♪ ♪♪♪♪ ♪ ♪♪♪♪♪♪♪~  ふふふ~ん♪


 まっ、こんなもんかな~ うん、指も動くし~

 えっと~ もう一回譜面台から顔見せちゃおうっかな~


 えっと~ 女子達~ 元気~?


 『すご~い♪ ピアノ音キラキラしてる~ カッコイイ~♪』

 『ヤダ~ 佐久間君と目が有っちゃった~ イヤ~♪』

 『え~ 嘘、滝野と別人じゃん! え~ 素敵・・・』


 ワフォ! 小菅のせでヤル気萎えてたけど・・・

 また、元気出て来たかも~♪


 そこのベイビ~達・・・俺のピアノの音色を聞いて、骨抜きにしてやるぜ~


 『佐久間君? 準備は良い?』


「あっ? ハルちゃん先生 OKで~っす♪」


 あ~ 気分が良いな~


 さて、でもオーディションは前回と同じように。

 アッコちゃんと秀樹、あと藤さん以外の連中の時は、リズムを揺らしてやって地味な妨害は忘れずにっと・・・


 なんか、前回弾いた時より、練習してきた分、鍵盤見ないでも弾けちゃうからな~

 アッコちゃんの、オーディション風景も、ちょっと見れちゃうじゃ~ん♪


 『じゃあ、次1組の岩崎亜希子さん』


 『ハイ』


 アッコちゃんキチャ~♪


 あっ!? アッコちゃんと目があった・・・

 あれ、前回も俺の方見てたのかな?


 うん、大丈夫、アッコちゃんの為に最高の演奏するから。

 アッコちゃんへ、アイコンタクトで合図を送ると・・・


 ニコっと、笑顔を返してくれる彼女。


 はぅ~ 前回は演奏でいっぱい、いっぱいで、全然彼女を見る余裕がなかったから。

 あんな不安そうな顔でコッチ見てたなんて、気づかなかったけど・・・


 ヤバイ、これはタイムリープして良かったかも・・・

 よし、アッコちゃんの踊りに合わせて。


 ♪~♪♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪~


  『ハ~イ、そこまで~ 岩崎さんありがとう~』


 うん、アッコちゃんの踊りに、かなり合わせられたような気がする。

 その証拠に、踊り終わったアッコちゃんが、また俺の方へ向いてニコッと笑って手を振ってくれてる~


 はぁ~ やっぱり、俺の彼女・・・めっちゃ可愛い・・・


 さっ、後は消化試合だな~

 適当にリズム揺らしてっと~


 『ハ~イ、じゃあこれから投票用紙を回収します。皆後ろの列から、前の人へ送って来てくれる?』


 さて・・・結果はどうなるんだ?

 めっちゃ気になる・・・


 『ハイ、じゃあ学級委員と書記の子は、先生達の集計を手伝って貰います。 他の子達はいった教室へ戻ってください』


 先生の合図で、ぞろぞろ自分の教室へ戻っていく生徒達の中を逆走して、アッコちゃんが俺の所へすたすたあゆみ寄って来て・・・


「アキラくん! すっごく踊りやすかったよ~♪ ありがとう!」

「イヤ、やっぱり、俺達って最高に息のあったパートナーかもね~」

「え~ もうヤダ、アキラくんったら~ もう・・・」

「アッコちゃん、めちゃくちゃ可愛かったよ~」

「え~ そうかな~ もう・・・恥ずかしいよ~」


 『オ~イ! そこ!』


「えっ!? なんすか? ハルちゃん先生?」


 『イチャイチャしてないで、さっさと教室にもどりないさい!』


「あっ・・・ハイ・・・すいません・・・」


 やばい・・・ちょっと浮かれ過ぎて・・・


 それでも、廊下に出ると、またアッコちゃんと顔を見合わせて


「えへへ、怒られちゃったね?」

「そうだね」


 そう言って、二人で手を繋いで2階の多目的教室を出て、自分達の教室へ戻っていく。


 てか? 前回、こんなアッコちゃんがスタスタ向かえに来てくれたりなんて無かったよな?

 なんか、ここは微妙に前回と変わってるんだよな~


 まあ、アッコちゃんとの関係がより良くなる方向に変わるんだったら全然OKだけど~

 そんな、呑気な事を考えながら、アッコちゃんと教室へ戻り。

 集計結果がどうなるのかを待っていると・・・

 

 『ガラガラガラ』


 『は~い、皆座って~ さっきのオーディションの結果を発表するわよ~!』


 お~ キチャ~


 『クララ役は、3組の小菅さんと坂下さん。 第二部の王子様役は3組、清水君』


 よし! 秀樹来た~


 『第一部の王子様役兼くるみ割り人形役は~ なんと藤澤君になりました~! 皆拍手~!』


 うんうん・・・完璧じぇね~か~


 『ハイ、じゃあ次に金平糖の精役は~ これもなんと~ 岩崎さんに決まりました~! 皆拍手~!』


 ヤッタ~!! 完璧じゃね~か~

 よ~し・・・順調だぜ~


 『岩崎さんは、他の子に40票以上も差をつけての大差で決まったんだよ~♪』


 えっ? 40票差? えっ? ほぼ1クラス分も差ついたの? えっ? どういうこと?

 前回って・・・確か20票差で、ほぼ買収票で勝ったようなモンだけど・・・


 スゲ~マジかよ! さすがマイスウィートハニーのアッコちゃんだ!

 これは、今週末お祝いだな~


 先週は誕生日祝いで~

 今週はオーディション合格のパーティーをしないと~♪


 『ハイ、後はおもちゃの兵隊役には、石川君と徳重君が決まりました~ 皆拍手~』


 うむ、剛たちも合格か。

 うん、これでやり直しの2日目も全然問題無しで終れそうだな・・・


 『キンコンカンコ~ン キンコンカンコ~ン♪』


 『は~い、じゃあ皆~ 明日からいよいよ、学習発表会の練習が始まるから皆がんばろうね~』


 『ハ~イ♪』


 『は~い、じゃあ日直さん』

 『起立・・・礼・・・』

 『先生さようなら、皆さんさようなら』

 『はい、さようなら。皆~気を付けて帰ってね~』


 さて、2日目も終わったことだし~

 今日は、アッコちゃんと・・・えっとなんだっけ?


「アキラくん? 急いで帰って、くるみ割り人形のビデオみよう?」


 あっ、そうだった~ 一緒に見るんだった~


「うん、どうする? 一回帰ってから家くる?」

「う~ん、どうしようかな~ 直接行っちゃおうかな~?」


 『ガラガラガラ! 佐久間君!! 助けて!!』


 えっ!? あっ・・・この人の存在忘れてた・・・

 そういえば、先生に付き合っての残業イベントがあるんだった・・・

 なんか、午後の流れが少し変わってて、すっかり忘れてたよ~


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