第85話 Re:2000年10月30日 月曜日 15:20-20:30
タイムリープで時間を戻って来て。
今は、2000年10月30日の6時間目が終わった直後だ・・・
サッカー少年団に行くぞっと言われて。
学校から、剛と秀樹の3人で一緒に家に帰ってる途中だ。
「秀樹~ 今日3組って、学習発表会の役とか決めた?」
「うん、希望だしたよ」
「何にしたの?」
「えっ? 俺は第二幕の王子様」
うん、あの時と、まったく同じ会話だ・・・
「えっ? 王子様役って、バリバリバレエみたいな事するよね?」
「だって、るなっちの隣の立つのは俺しかいないだろ!」
うんうん、そうだね。
さて・・・どうやって誘導しようか?
タイムリープ前に集めた票が全部で21票あったわけだけど・・・
サッカー少年団が12人、それ以外の協力者が9人。
成功報酬での写真配布って事だったから、造反はまったくいなかったわけだけど。
田島を省くって事は、アイツの仲良し連中も省いた方がより安全だ。
そうなると、票が17票まで減ってしまうけど・・・
アッコちゃんに関しては、例の件があったせいなのか、1組の団結票とたぶん他の組でも入れてくれた子がいたっぽい。
2組の三枝と良い勝負だったけど、最終的な表の開きは、15票だったから4票減った所で大丈夫だろう。
藤さんに関しては、候補全員でどんぐりで、藤さんだけ票が20票以上多かったわけだから、まあ藤さんも問題無いはず。
問題は秀樹か・・・結構ギリギリだったんだよな~
抜けた4票をどう補填するかだような。
1組の遥ちゃん大好き隊の、あの7人を仲間に引き入れて秀樹に入れるようにお願いするかだけど。
リコーダー隊の7人中3人は、同じ教室にいるわけだし、最悪前回バレた日に何かやってても、一緒に練習してるから、近くで監視は可能だしな。
リスクヘッジはちゃんと取れるだろうし・・・
「へ~ じゃあ、オーディションの時、秀樹に票入れてあげるよ~」
「本当!?」
「剛もいれるよね?」
「えっ? うん、入れる入れる~」
「えっ? じゃあさ~ 秀樹~ 第一幕のくるみ割り人形役と~ 金平糖の精の役はさ~ 1組の候補に票いれてよ~ 俺秀樹に票入れるように、1組の連中に声かけておくからさ~」
「えっ? マジ!? じゃあ、俺も1組の票協力するよ!」
「で票集めなんだけど~ 田島達はちょっと協力を要請する対象から省こうと思うんだよね」
「なんで?」
「え~ アイツちょっと信用できないっていうか。 ほらバカじゃん? 今回の写真って、先生バレはもちろん、親バレ禁止だからリスクはなるべく排除したいわけ」
「なるほど・・・」
「田島ってほら、セットアップでの攻撃の時、いっつも練習の時と全然違う動きして上手くいった事ないじゃん? バカだから、練習の時の事覚えてないんだよ」
「あ~ たしかに・・・ いっつも監督に怒られてるもんねアイツ・・・」
「田島のバカっぷりは、もう病的じゃん? だから、絶対田島だけには情報漏れ厳禁だと思うんだよね。だから、念には念を入れて、田島の仲良し組のあの4人全員ちょっと協力要請しないってことで」
「OK、わかったよアキラ」
「うん、俺もそれで賛成」
よし、これで田島から情報漏洩リスクは無くなるな。
「で剛? 秀樹の票集めの為にさ~ 遥ちゃん大好き隊の連中を仲間に入れたいんだけど~」
「え~ あいつら? だいじょうぶかな・・・」
「鈴木、田中、玉木の3人だったら仲間に入れても大丈夫だと思うんだよな~」
「あ~ まあアイツ等なら・・・ いっつも俺らの味方に付いてくれるしね」
「じゃあ、3組の連中は秀樹にお願いして、1組は俺が何とかするよ。2組の連中は、俺と剛で手分けして行こう」
「OK~ 3組はまかせろ!」
うむ、これで写真の遥ちゃんへの情報漏洩問題と、票集めの両方はクリアだな・・・
あとは、ゆかりちゃんの件をなんとかしないとだけど。
今日、美姫にそれとなく伝えてみるかな。
◇◇◇
『チャプン・・・ピチョン』
う~ん、美姫にどうやって伝えたら・・・
俺がゆかりちゃんと、美姫が同じクラスなんて、あの話聞くまで知らなかったわけだし。
ましてや、ゆかりちゃんが木下の兄貴を好きで、付き合ってるのだって知らなかったわけで。
話し方間違えたら、ただの預言者になっちうし・・・
「ねえ? またなんか悩みごと?」
「えっ!?」
「また、そうやって、お風呂の淵に顔つけてボーっとしちゃってさ~ 私の話し聞いてた?」
「ごめん・・・全然聞いてなかった」
「あ~ ひょっとして~ 私と1週間会え無いのが寂しいのかな~? お風呂も入れないし~ 一緒に寝てあげれないから~」
はっ? また、コイツは意味不明なことを、何を言ってるんだ?
1週間会えないってなんだ?
「なに? 1週間って?」
「もう! それも聞いてなかったの? だから~! 修学旅行に行くから、お土産は何が欲しいって聞いてるの!?」
「えっと・・・なんだっけ?」
「だから~ 広島と京都に行くんだけど何が欲しいものない?」
「広島と京都?」
そっか、こいつ修学旅行だっけ。
広島に京都?
なんか・・・欲しいものあったか?
京都・・・
アッコちゃんが喜びそうなモノとか?
うぅぅぅ、でも1週間も美姫に会えないって急に言われちゃうと。
たしかに・・・ちょっと寂しいかも・・・
美姫の足も恋しくなっちゃうし。
ていうか、1ヵ月近く毎日一緒にお風呂入って、夜も一緒に寝てたから、美姫が傍にいるのが、当たり前になってたのに・・・
「えっ!? お姉ちゃんいつからいないの!?」
「なによ、急に焦りだして。 本当に話聞いてたなかったのね? 来週の火曜日からよ」
「いつまで!?」
「もう、なに? 11日の土曜日には帰って来るわよ。 もう、な~に? 急に寂しくなっちゃったの?」
「だって・・・美姫が悪いんだぞ! 毎日お風呂も寝るのも強制なんかするから・・・」
「ふふふっ、お姉ちゃんがいないと寂しくて眠れなくなっちゃった?」
「お姉ちゃんだって、寂しくて、眠れなくなっちゃうクセに!」
えっ、1週間も美姫が居ないって、どうしたら良いの?
美姫の足に、1週間も触れなくなっちゃうの?
もう、完全に日課みたいになってたのに・・・
イヤ、待てよ。
月曜の夜、お風呂入る時に、美姫が脱いだ下着を確保しておけば。
それで、数日は我慢できるかもしれない・・・
「ふふっ、じゃあさ。 来週、行く前の日は、いっぱいイチャイチャしようね?」
「お姉ちゃん?」
「なによ?」
「その・・・火曜日の朝に・・・イヤ、なんでもない・・・」
「なに? 火曜日の明後日?」
バカ、バカ、バカ・・・何を言いだそうとしてただよ俺は・・・
火曜日の朝に夜履いてたパンツをくれととか言いそうになっちゃったじゃないか!
そんなこと言ったら、また弱み握られて、何言われるかわかったもんじゃ無いのに。
「ねえ、だからさ~ 広島と京都のお土産なにが欲しい?」
「えっ? えっと・・・京都なら、緑寿庵清水の金平糖とか?」
「何それ?」
「えっ? 色んな種類の金平糖が売ってて、可愛いからお土産にうってつけかもよ? それに下鴨神社に近いから」
「なんで下鴨神社が出て来るの?」
「えっ? 下鴨神社ってほら縁結びのパワースポットで有名じゃん? 幸薄い美姫には持ってこいだと思うんだけど~」
「誰が幸薄いのよ! でも・・・そっか、それ良いわね~」
そうだよ、ゆかりちゃんもそこに連れてってあげれば良いんだよ。
二人して、男運無さ過ぎだから・・・
俺が二人と結婚できたら、なんの問題も無いのに。
宝くじ当てまくって、一財産築いて海外にでも移住すれば、弟妹結婚も一夫多妻も何でも出来るんだろうか?
はぁ・・・非現実的だよな、そんなこと・・・
「あんた、なんでそんなに京都に詳しいの?」
「えっ? う~ん、この間テレビで観た」
「いつ?」
「えっ? えっと・・・この間、土曜日の昼になんかやってたような気がする」
もう、こいつは、いちいち情報詮索してくるのなんなん?
京都は、仕事で出張とかで滞在してた事あるからそれなりに詳しいだけだし。
それよりも、あれだよ、ゆかりちゃんのことを・・・
「そういえばさ~ お姉ちゃん・・・最近、ゆかりちゃんと会った?」
「ん? なんで、いきなりゆかりの話なんてするの? あの子なら、毎日一緒よ。 同じクラスだもん」
「えっ? お姉ちゃんと同じクラス? えっ、じゃあ、ゆかりちゃんって北星なの?」
「そうよ、あれ? 言って無かったっけ?」
「聞いてないよ!」
「そっか、それはゴメン。 で、なんでゆかりのことなんて?」
「イヤ、その・・・別人なら良いんだけど。 そのね・・・友達の女の子の家に、ゆかりちゃんが入って行くのを見てさ。 木下ってヤツの家なんだけど、姉ちゃんなんか知ってる?」
「ゆかりが? 木下? 木下、木下、木下・・・・・・あいつかな?」
「何か、お姉ちゃん達と同い年の兄貴がいるらしくて・・・」
「じゃあ、やっぱりアイツだな。 えっ? ゆかりが、木下の家に入ってってたの? なんで?」
「知らないけど、そんな男の子家に行くなんて、ゆかりちゃんが心配っていうか・・・」
「なに? あんた、まだ、ゆかりのことイジイジ引きずってるの? お姉ちゃんがいれば、あんなヤツいなくても平気でしょ?」
別に、平気ではないんだよな・・・
「でも、なんであんたがそんなに心配するの?」
「そうの、なんていうか。 木下の兄貴ってヤバイヤツらしくてさ。 俺の女の子の友達がそいつの妹なんだけど。 兄貴に部屋の押し入れで、漫画読んでたら、兄貴が女の子を連れ込んで、なんていうかその・・・レイプっていうか、襲い始めたの見たって・・・」
「なにそれ? グロっ!」
「押し倒されて、無理やり衣服を脱がされて、エッチみたいなことしてたって・・・」
「はっ!? ゆかりが!?」
「ゆかりちゃんかは、わかんないけど。 少なくとも、3回くらいそういうの見たらしくって・・・」
「なによそれ・・・それが本当なら、木下・・・アイツ、相変わらずやってること最悪だな」
相変わらずって、ストッキング盗まれたヤツのこと言ってるのかな?
それ以外にも、中学の時から問題あったんだろうか、そいつ・・・
「えっ? それっていつの話?」
「えっ? なんか、先月末頃か、月初めくらいだったかな?」
「まあ、そんなこと聞いたら心配しちゃうか・・・」
「うん・・・」
「なによ? アンタまだアイツのこと好きなの?」
「だって・・・」
「はぁ~ わかった、ゆかりにそれとなく聞いてとくよ」
よかった・・・
これで、少しは何か変わるかもしれない。
ゆかりちゃん・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。




