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第80話 河川敷に集まる謎の小学生集団とタイムリープ・・・


放課後の学校近くの公園に、ひとり、またひとりと集まってくる。

謎の、小学生の集団・・・


紅葉で木々が、赤やオレンジ、黄色に色づき、その落ち葉で当たり一面真っ赤に染まった発寒河畔公園にある、東屋の一角に立つ俺。


う~ん、これで大体全員かな?


「え~ 練習の後で疲れてる中、集まってくれた有権者しょくん。先日の選挙は我々の大勝利で終った! それも、君達のお陰だ、ありがとう!」


『そんなどうでもいいあいさつは良いから! 早く! アキラ!!』


期待と興奮で逸る少年どもを前に、先日の劇のオーディションで票を入れてくれた連中へのお礼を言う。 サッカー少年団以外の連中もかなり混ざっている・・・


まあ、こいつらからしたら、そんな挨拶よりも、ずっと欲しかったこれが目的なのだから・・・


「じゃあ、我々に協力してくれた君達に、公約通り、この! なんとも麗しき、26歳独身の乙女の生写真をプレゼントしてヤル! 嬉しいかお前たち!!」


『オオ~!! ハルちゃん先生!! 早くクレ~!!』

『ハ~ルちゃん! ハ~ルちゃん! ハ~ルちゃん!』


「ハイ! ハイ! ハイ! 押さないで! ちゃんと人数分あるから! ちゃんと並んで~!」


もう、焦るなって~ 性欲抑えきれない猿かお前たちは?


滝野で鬼ごっこに参加し、無防備で無邪気なハルちゃん先生を、光学3倍ズーム102mmの望遠で撮影した貴重なショット。 お胸がぷるんぷるん弛んで走る遥ちゃんの、おっぱいとお顔がしっかりと映った真横と、真正面からのショット。 転んで、Tシャツから、放漫な谷間がチラチラしたショット。


こいつらを喜ばせるには十分な、魅惑の遥ちゃんの貴重なショット満載の至極の6枚セット!


『やった~ ゲット~!』

『うわ~ ハルちゃん先生、めっちゃ可愛い~♪』

『ねえ、この角度ヤバくない? めっちゃエロイ♪』

『ねえ、この肩の所の、白い紐! ブラージャーなんじゃ♪』

『えっ!? ちょと!! コレ! チ〇ビ透けてない!? ホラ!!』


はぁ? チ〇ビが透けてるだ?

そんな写真なかったが?


「剛? どの写真?」

「これだよ! これ!! ヤバイって~♪ ウワ~♪」


ん~ 透けてるかこれ?

てか、タンクトップにTシャツ着て、ブラジャーまでしてんだから、透けるわけないだろ。

バカかコイツらは・・・


もう思春期の男子の想像力がハンパないんだが?


ん~ まあ、でもちょっと、チ〇ビっぽいところがポチってなってるような~

なんだろうね? 先生・・・この時、チ〇ビ、立ってたのかな?

言われてみれば、なんかポチってなってるような気もするな~


走って、下着に擦れて~それで?


てか・・・ポチっとなってる部分が、少し影になってそれっぽく見えてるだけじゃね?


まっ、これだけ大反響なら、票のお返しとしては十分だろう。

イヤ~ よかった、よかった~


「あ~ ちなみに諸君! その写真は、個人で楽しむものであって、決して学校へ持って来るのは厳禁だぞ!! あと一切の口外は禁止と親バレ厳禁だぞ! わかったかテメ~ラ!!」


『ハイ!!』


「ウム。よ~し、では。 解散!!」


『イヤ~ アキラ天才かよ! この真横の角度ヤバくないか!?』

『ウワ~ もうたまらん!!』

『ねえ、この胸元写ったヤツ! 胸の谷間たまらん!!』


ふっ・・・大きくなれよ~ 子供達よ。

うんうん、良いことした日は、気持ちが清々しいね~


「あっ、剛~ これ、もう1枚特別にお前にヤルよ」

「えっ? なに? ウワ! 良いの!?」

「あ~ ヤルよ」

「アキラ~ ありがとう! 心の友よ!!」


お前はジャイアンか・・・


ハルちゃん先生とお前が隣あって写ってる写真だ。

ありがたく、額にでも飾って拝むと良い。


「なあ・・・アキラ? いまさらながらだけど、こんな事して、役をゲットしてよかったのかな?」

「はぁっ!? 秀樹? 何をいまさらそんなことを言ってるんだ? おかげで、楽しい小菅瑠香との柔軟生活を手に入れたじゃないか!」

「イヤ、そうなんだけど・・・ 遥ちゃんに悪いっていうか・・・ これ結構な写真だよね?」

「どうだい? 巨乳好きな秀樹君? この写真?」

「なんだよ! 巨乳好きって!?」


だって、初恋が美姫じゃん?

美姫のおっぱいが、おっぱいが~ってずっと言ってたじゃないか。


「まあ、良いじゃ~ないの~♪ 秀樹にもあげるから、ホレ」

「えっ? 良いの!?」


やっぱり、欲しかったんじゃん・・・


「てか、良くバレなかったね?」

「そりゃ~ 他の先生はもちろん、他の生徒にもカメラを持ってきてるのバレたらまずいからな、望遠で細心の注意をはらって撮ったからな」

「てか、なんの目的でこんな写真とったんだよ?」

「まあ、遥ちゃんの写真撮っておけばさ~ いつか役に立ちそうかな~って思って。 イヤ~早速役に立ったよね~」


下衆の極みだろうが、鬼畜の所業だろうが、好きに言うがイイ。

思春期男子の心を掴むには、これが一番なのさ・・・ライン越えギリギリだけどな。


それにしても~ あの日のハルちゃん先生の恰好も格好だよな~

タンクトップに、胸元バックり開いたTシャツを上から着てくるとかさ~


あの日、焚火エリアの男子共の視線すべてを釘付けにしてたんだから。

尾崎達男の先生達も、目のやり場に困ってる風だったしな・・・くっしし。


そのうち、PTAのやっかみお母さん連中からクレーム来ちゃうんじゃね~か? あれ・・・


謎の小学生集団が解散して、公園には俺と秀樹と剛の3人だけ。

ひと仕事終わった~ っといった解放感から、剛と秀樹と3人でブランコに乗りながらいつものくだらない話をはじめる。


「で? 秀樹~ 今日のるなっちとの柔軟どうだった?」

「イヤ・・・めちゃくちゃ良かった♪」

「なあ、あの股を開いて、迎えあって引っ張りあうヤツ? ヤバくなかった?」

「ヤバかった・・・ もう、俺・・・大変なことになってた・・・」

「イイな~ 秀樹もアキラも・・・」


そう言って、むさ苦しいネズミ達と戯れていた剛が、ひとりボヤキ始める。


「イイだろ? 昨日、2時間半も遥ちゃんのパンツを見てたんだからさ~」

「えっ!? なにそれ?」

「アキラ!!」

「えっ? こいつ、昨日俺とハルちゃん先生が音楽室で、劇で使う楽曲の相談してたのを廊下からずっと覗き見してたらしくてさ~」

「うんうん」


「で、帰りにコイツが廊下にいるの見つけて。 こいつが覗いてた隙間から見たら・・・ ちょうど遥ちゃんが座ってる真正面でさ」

「うんうん・・・」

「ストッキング越しの、純白のパンティーがモロ見えだったの! こいつ、ず~っと、2時間半それを見てたらしいんだよね」

「アキラ! 言わないで!」


「で~」

「まだあるの?」

「それを、アッコちゃんに見つかって、超軽蔑されて~ こいつめっちゃへこんでやんの~ 超ウケる♪」

「剛・・・まあ気持ちはわかるけど。 2時間半ずっと見てたのって、ヤバイよ・・・」

「だって・・・」


「えっ? その写真もあるの?」

「秀樹~ バカなの? そんな写真撮るワケ無いし。 俺、パンツが見えてたとか、剛を見つけるまで知らなかったし、アッコちゃんだって一緒にいたんだぜ!」

「そうか・・・そうだよね」


なに、ちょっと残念そうなんだよ?


「うわ~!! アキラのバカ~!!」


そう言って、夕日に向かって叫びながら、猛烈にブランコを漕ぎだした剛。

何? 青春か?


「アハハハ、剛が壊れた♪ バカだ!」


そう言って、何故か秀樹まで、ブランコを力いっぱい漕ぎ始める。

えっ? っと思いつつ、二人につられて、俺も負けじと力いっぱいブランコを漕ぎ始める。


でも、俺・・・何気にブランコって、そんなに得意じゃなかったりする。

そう、一定以上の振れ幅になると、あの落ちる時と同じ、胸がクワってなる感覚?


そう、アトラクションのドラゴンに乗ってる時みたいな感覚になるから、実は言うと、度胸試しとかでブランコをアホみたいに漕いで競ったりするのが昔から好きじゃなかったのだが・・・


青春か? 二人が力いっぱいブランコを漕ぐのにつられて、俺までアホみたいブランコを漕ぎ始める。


3人して、もう落ちたら危険ってくらいにドンドン、勢いを付けて行く。

うわ~ ちょっと・・・これ・・・マジ怖い・・・


でも、両サイドの二人が止めないし・・・

ここで止めたら、意気地なし~っとか、言われてしまう。


剛のやけくそから始まった、意味不明な男子の意地の張り合いで、引っ込みがつかなくなって、どんどん勢いを増していくブランコ。


イヤ・・・もう・・・俺・・・ダメかも・・・


もう、負けても良いから止めようっと思ったその時。


『パッ! パッ! パッ!』


あれ? えっ!?


ひとり、キョトンと周りをキョロキョロする俺・・・


今・・・光・・・点滅した?


少しずつ、勢いが弱まっていくブランコで、ひとり困惑する俺。


「イエ~イ、アキラの負けね~」


そう言って、剛がいつものくだらないマウントをしてくる。


「えっ? あのさ・・・今なんか光ったりした? なんか光の点滅とかしてなかった?」

「はぁ? なに言ってんのアキラ?」

「秀樹も?」

「うん・・・なにもないけど。 どうかしたの?」


えっ? じゃあ、今のって・・・

タイムリープのあれ?


えっ!? ブランコで!? マジ!?


「だいじょうぶアキラ?」

「えっ? うん・・・」

「どうしたの? 何? 具合悪いの?」


ブランコに座って、ボーっとしている俺に、二人が心配して声をかけてくれる。

二人の様子からして、やっぱり、さっきの光は俺しか感じてないのが明白だ・・・


ということは、さっきのはやっぱりタイムリープの、あの光だったのか?


ってことは、これからすぐ第二段階の高速移動をしないと、13分後に例の謎の目まいがくるはず。


イヤ、それにしてもこんなブランコで?


もし、そうならタイムリープだってもっと気軽に出来るようになるのでは?

でも、この公園から琴似の地下鉄の駅はかなり距離があるから・・・


いまは、地下鉄に乗るといった検証は出来ないし。

自転車も無いから円山でタイムリープした時みたいなことも試せない。


それに、子供の国キッドランドのジェットコースターじゃ、たぶんスピードだと思うんだけど。

それが足りなくて、タイムリープできなかったんだぞ・・・


だから、円山では、下り坂だったから自転車でもあそこまでスピードだせたけど。

平地で一生懸命自転車を漕いで、果たしてタイムリープの条件を満たすスピードが確保可能なのか?


そもそもが疑問だ・・・それも検証をしてみないとわからない。


それにもうそろそろ、家に帰らないといけない時間だし、どの道今日はもう試せない・・・

そんな事を考えてボーっとしていると、急に目の前が真っ暗になり、例の目まいの様な現象に襲われる。


間違いない!


ブランコでもタイムリープの第一段階の条件が満たせるんだ!

これは、偶然だったけど大発見だぞ!


今まで、ドラゴンとかアトラクションとか、アホみたいにケガをするのを覚悟して、高い所から飛び降りたりしないと出来ないと思っていたんだ。

それが、こんな近所のブランコで出来ちゃうなんて・・・


これで、地下鉄の近く・・・ イヤ、きっと電車だってかまわないはずだよな?

地下鉄か、電車の駅の近くの公園でブランコがある場所を見つけて、検証したらもっと気軽にタイムリープを実現できるようになるぞ。


これは、明日以降、駅近の公園で、ブランコ探しをするしかないぞ。

それで、本当にタイムリープ可能か検証してみないと・・・


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