第8話 俺のタイムリープの方法、なんか複雑・・・
タイムリープの手がかりを見つけるために。
自転車に乗って、地下鉄の琴似駅を目指していた。
それにしてもタイムリープの条件てなんだったんだ?
もし、地下鉄の入口がタイムリープの入口だとしたら。
場所は関係するんだろうか?
あれは東京だったし・・・
今、俺がいるのは札幌の琴似だ。
共通点は地下鉄ってことだけだ。
あの時の同じことをすれば、出来るんだろうか?
下りのエスカレーターを段飛ばしで降りて行って、少なくとも7段か10暖くらい手間でジャンプして。
降り場目掛けてダイブするのが条件だったら・・・
幸い、琴似の駅にも下りのエスカレーターはあるけど・・・
そんな、ことを考えながら、駅に着くと。
近くに自転車を置くと、そのまま琴似にある、バスターミナルの地下鉄入口向かった。
――― ここだ。
パスターミナルから、改札のある地下に降る、エスカレーターしか無い。
あとは・・・あの時、着地した瞬間足をくじいたけど・・・
ケガするのも条件なんだろうか?
エスカレーターからダイブして飛ぼ降りた後の、あの照明の点滅・・・
あれも何かの合図だったんだろう?
それから、改札を通って地下鉄に乗って・・・
また、しばらくしたら、車内の照明が点滅した気がして。
不思議な現象はそれくらいしか思い出せない。
もし地下鉄に乗るところまでが必要な流れなら。
地下鉄に乗らないといけないんだよな。
ウィズユーカードの残高大丈夫か?
エスカレータを降りて、地下鉄に乗るまでのタイムリミットもあるかもしれない。
念には念を入れないと。
そう思い、財布に入ってた、地下鉄用の磁気式プリペイドカードを取り出し。
裏面に記載された残高を確認する。
よし、2350円残ってる、問題無いな。
あとは、エスカレーターの人が居なくなるタイミングで・・・
駅についてから、30分は待っているのに。
なかなか、人の流れが途切れるこが無く。
あの時な、終電間際の深夜だったからアレだったけど。
時間はもうすぐ、17時で、どんどん人が駅に吸い込まれて行く・・・
あいかわず、琴似は人が多いな・・・
もう、これは持久戦か?
でも、タイムリープ出来ずに、このまま帰ったら、確実に怒られるし。
そもそも、こんな地下鉄の入口で待ってたら、学校帰りの美姫に見つかって確実に拘束されちゃう。
いっつもなら、もう美姫が帰って来る時間だし・・・
アイツは絶対、どんな所にいても、すぐ僕を見つけるんだから。
ダメだ、もう時間が無い・・・
あっ!? ちょっと人が・・・
でも、まだ下に人がいるかもだし。
ううん! そんなこと考えてられない!
うりゃ~ 突入だ~!
勢いよくエスカレータを下りはじめて、段飛ばしで順調に降りて行くと。
ふっと、頭の中にあの時の光景がよみがえり・・・
―――よしこのタイミングだ!
7段以上は手前から、一気にダイブした僕は。
そのまま、降り場目掛けて自然落下して行き。
落ちてる間、フリーフォールで落ちる瞬間の、タマヒュンの感覚で、体にゾワっという感覚が走り。
そのまま、落下していくと・・・
パッ! パッ! パッ!
ん!? いま周りの照明が?
―――ズ~ン!!!!
痛っ!! クゥ~ 足首ヤッタかも・・・
でも、このまますぐ、地下鉄に乗らないと・・・
痛めを我慢して、変な走り方になるのを必死に耐えながら。
改札を抜け、痛い足を我慢しながら、階段を降りて行き。
ちょうど飛び込んで来た、地下鉄へ飛び乗ると、そのまま空いた席に腰を降ろした。
足首がまだズキズキと痛むが、折れては無さそうだ・・・
しばらくして電車の扉がしまると、ゴムタイヤを装着した札幌地下鉄特有の、キーーンっという少し甲高いモーター音が聞こえはじめると。
そのまま、どんどん地下鉄は加速していき。
どうなるんだろうと、ドキドキしながら乗っていると。
パッ!パッ!パッ!
まただ、車内の照明が点滅した!
これって成功なんじゃ?
でも・・・
俺あの日夢を見て、起きたら戻ってたよな?
ていうことは、寝ないとダメなんだろうか?
だとしたら、このタイムリープ条件多くね?
映画とアニメなら、もっとこうエイ!って言ったらすぐ時間戻るじゃん!
あんな高い所から飛び降りるとか怖い思いして。
足まで痛い思いしなきゃいけないとかどうなんだよ・・・
でも、まだタイムリープはしないし。
もう試すことは全部試してみないと・・・
寝るのはどこでも良いんだろうか?
前の人生じゃ、どうだったっけ・・・
何か食べたりしないとダメなんだろうか。
それとも、あれかな・・・
女の人に酷い事いわれたりしないとダメとか、そんな条件もあるんだろうか?
ていうか、元居たあの時代は俺がいなくなってどうなったんだろう?
パラレルワールドみたいにあっちはあっちで続いてるんだろうか?
そんな事を考えながら、一番の端の席に座ってボーっとしんがら、寄りかかるようにしていると。
まぁ、なんて便利なんでしょう?
電車の揺れがあまりに心地よくて、ウツラ、ウツラ眠気が襲ってきてしまい。
そのまま、耐えることが出来なくなり。目を瞑ってしまい。
― ― ― ――― ――― ―――――― ――――――――― zzzzzz
うっ! 眩しい!
なんだこの白い光?
・・・夢? 夢の中、なのか?
『アキラ~! お母さん買い物に行ってくるけど、欲しい物ある!?』
「無いよ!!」
「佐久間君? お母さんどっか行くの?」
「買い物行くって」
「お母さん居なくなったとたん、エッチなことしない?」
「もう、アッコちゃんさ~ どんなけ俺のこと信用ないワケ?」
これってさっきの部屋での会話か?
この後だっけ・・・
アッコちゃんと手を繋いで、何かイチャイチャ出来るかと思って。
最後は、アッコちゃんいあんなに抵抗されちゃって、泣きながら・・・
「―――後悔してるの?」
なんだ? 女の人の声・・・
でも、どっかで聞き覚えがあるような・・・
「後悔してるに決まってるじゃん。 まさか、あんな事になるなんて思っても見なかったんだから・・・」
「困った子ね?」
「だって、アッコちゃんが甘えてくるから、軽く抱き締めただけなのに・・・なのに、あんなエッチって言われて、怒られて・・・」
「ふふっ、まだあの子には無理よ。 男の子に対する免疫とか一切ないんだから」
「そうなの?」
「一人っ子で、パパ以外の男性なんて知らないし。 男の子の友達とあんなことした事も無かったんだから、無理もないでしょ?」
言われてみれば、そうだけど・・・
てか、この人、誰なんだ?
あの子って・・・
アッコちゃんのお母さんか?
「まだ、ちょっと早いかな~」
「俺、嫌われちゃったのかな?」
「どうかしらね~ 手を握っただけでドキドキしちゃうような子だったからね~」
「それは・・・」
「あの子とは、ゆっくり距離を縮めないとダメよ。 貴方が思っている以上に、ずっとお子ちゃまなんだから。 焦っちゃダメ、わかった?」
「・・・はい」
「ふふっ、良い子ね。 時間戻して欲しいんでしょ?」
「えっ? はい!」
誰も居ない真っ白の空間で、女の人の声が聞こえて。
ただただ、ボーっとしんがら、会話をしていると。
次第に、目の前が暗くなって行き。
完全に目の前が真っ暗になると同時に次第と意識が覚醒してき・・・
――――――――― ―――――― ――― ――― ― ― ―
・・・んんん。
なんだ?
ここは・・・
「佐久間君?」
「あれ? 俺・・・」
「ふふふっ、寝ぼけてるの?」
「えっ?」
「なんか、急に後ろから寄りかかってくるから、びっくりしたら、寝てるんだもん・・・」
「えっ? 俺いま寝てた?」
「ごめんね、わたしが1人でゲームしてたから暇だったよね?」
「えっ? ゲーム? あれ? ここは・・・」
「ふふふっ、寝ぼけてる~ 佐久間君の部屋で一緒にゲームしてたでしょ?」
「あっ、そうか・・・そうだっけ」
えっ? 時間が・・・戻った?
アッコちゃんは、まだ僕の膝の上に座ってるし。
あれ? ピ〇チ姫がまだマ〇オと話してる・・・
タイムリープ・・・出来たのか?
でも、俺さっき部屋で寝たりしてないのに・・・
微妙に過去が変わるのか?
「どうしたの? ボーっとしちゃって」
「イヤ・・・ちょっと変な夢見ちゃって」
「変な夢って?」
「俺が、アッコちゃんがゲームに着かれて、僕に寄りかかって甘えてくるもんだから、その・・・思わずギュって抱き締めちゃったら、アッコちゃんがすごい怒茶って・・・」
「はぁ? もう! 佐久間君のエッチ! やっぱり、そう言う事がしたいんじゃない!」
「えっ? 抱き締めたりするのはダメなの?」
「どんな風にしたの?」
「えっと・・・でも、やったら怒るでしょ?」
「えっ? う~ん、わかんない。 イヤって言ったらヤメてくれる?」
「うん・・・じゃあ、いくよ?」
「・・・うん」
アッコちゃんのお腹辺りに手を回して。
ゆっくりと、軽く、恐る恐る抱きしめると・・・
「うぅぅ、またドキドキが・・・」
「佐久間君・・・ダメ・・・」
えっ!? ヤバイ!!
「ごめん! イヤだった!?」
「ううん、でも、なんか、わかんないんだけど。 変な気持ちになるっていうか。 軽くなら大丈夫だけど、ギュってされるのはダメかも・・・」
変な気持ちになっちゃうって・・・
でも、軽くなら大丈夫なの?
「変な感じって?」
「なんか・・・こう、カラだsの中から、キュッってしちゃうっていうか・・・」
「そっか、じゃあ、これくらいの強さで抱きしめるのは平気?」
「・・・うん。 ちょっと恥ずかしいけど、それくらいなら・・・我慢できるかも」
「我慢できるって、やっぱり嫌ってこと?」
「えっ? う~ん、嫌じゃないけど。 恥ずかしいっていうか、ドキドキしちゃうから・・・」
「そっか、僕も同じかも。 さっきから、ずっとね、ドキドキしっぱなしなんだ」
「へへっ、じゃあ、わたしと一緒だね?」
「・・・うん」
「ねえ、アッコちゃん?」
「・・・なに?」
「これからも、こうやって、ゲームしたり一緒に遊んでくれる?」
「・・・うん。 佐久間君と一緒だと楽しいし、良いよ」
「本当!?」
「なんで、そんなびっくりしてるの?」
「イヤ、何かさっき、会話が続かなくて、あんまり楽しくないのかなって・・・」
「う~ん、いまはちょっぴり緊張してるだけだから」
「そっか・・・」
「・・・佐久間君」
「うん、なに?」
「・・・好き、だよ」
「えっ?」
えっ? アッコちゃん?
今、俺のこと好きって言った?
「アッコちゃん? いま、好きって・・」
「・・・うん。 佐久間君といると、ずっとドキドキしちゃうんだ。 でも、全然イヤとかじゃ無いの、佐久間君に触れたいって思っちゃうし。 もっと、パパみたいに甘えたいっていうか、でも、これが好きって気持ちなのかなって思って・・・」
パパみたい?
あれ? それって・・・パパと同じ好きってこと?
「佐久間君? これからも、ずっと一緒にいてくれる?」
「そんなの、もちろんだよ。 ずっと一緒にいるに決まってるじゃん」
「・・・約束だからね?」
そう言うと、アッコちゃんのお腹に回した僕の手を取って。
僕の子指に、アッコちゃんの子指を絡ませてきて・・・
「指切り・・・」
「うん・・」
「約束だからね?」
「うん」
うわ~~~ なにこれ!?
めっちゃ少女マンガの世界みたいじゃん!?
純愛か!?
「ねえ? 佐久間君?」
「なに?」
「さっきから、ずっと気になってるんだけど、この固いの何?」
「えっ? 固いのって・・・」
「これ?」
えっ・・・ちょっと!
アッコちゃん!?
そんな、ちょんちょんとか、触ったらアカンヤツ!
「えっと! これは、その、違くて! そのアッコちゃんがソバに居るとドキドキして、体が自然と・・・」
「えっ? これなんかポッケに入ってたんじゃないの??」
「それは、その・・・僕の、おチンチンっていうか・・・です・・・」
「えっ!!??」
それを聞いた瞬間、ビクッとして。
すぐにちょんちょんしていた手を引っ込めると。
後ろから、見ていてもわかるほどに。
耳や首過ぎまで真っ赤にして、僕の膝の中で蹲ってしまうアッコちゃん・・・
「もう・・・バカ。 でも、どうして? なんで、こんな、固くなってるの? そっきまで、何にも無かったのに・・・」
「そっ、それは、好きな女の子と、こんなぴったりくっついてたら。 その・・・ドキドキして興奮しちゃうというか、なんていうか・・・」
「エッチなこと考えてたの?」
「イヤ、エッチなことっていうか。 自分の意思とは関係なしに、勝手にコイツが反応しちゃうっていうか・・・」
「勝手に? 反応しちゃうの? それって、普通なの?」
「わかんないけど、だって・・・」
「エッチなこと考えてたんでしょ?」
「うぅぅぅ、だって、アコちゃんの事が大好きなんだもん。 ぴったりくっつきたいし、もっと沢山アッコちゃんに触りたいって思っちゃって。 でも、決してエッチなことがしたいって思ったわけじゃないけど、エッチな気持ちにはなってかも・・・」
「ほら、やっぱり~ 佐久間君のエッチ!」
「だって! アッコちゃんのことが大好きで、大好きで、たまらなく好きなんだもん! 抱きしめたいって思っちゃうんだもん」
「もう・・・バカ・・・」
「ごめんなさい・・・」
はぁ~ タイムリープしたのに、結局怒らせちゃったじゃん。
「でも・・・これから、佐久間君がエッチな事考えてるどうかは、ここを見たら良いってこと?」
「はっ? なんでそうなるの?」
「だって、そうしたら、佐久間君が考えてることが、手に取るようにわかるってことでしょ?」
「イヤ・・・まぁ、そうかもしれないけどさ~」
そこまで、言うと。
アッコちゃんが、小指を絡ませていた手を離すと、僕の膝の上から立ち上がって。
そのままくるっと僕の方を振り返ると、僕の目で女の子座りをすると、マジマジと僕の股間に顔を近づけて・・・
「へ~ こんなになっちゃうんだ~ 男の子体って不思議~?」
「ちょっと! そんなマジマジと見ないでよ! 恥ずかしいよ・・・」
「大丈夫だよ。 パパので見慣れてるから」
「見慣れてるって・・・てか、そんな、ちょんちょんしないでよ~」
もうアッコちゃん・・・
さっきは、エッチって言ってダッシュで逃げかえったクセに。
イヤ、なんかちょんちょんされるのは、嬉しいというか。
変な気持ちになっちゃうけど。
さっきとのギャップはなんなんだよ?
ん? どうしたんの? アッコちゃん?
急に、僕の胸に抱き着いて来て・・・
「私・・・明日学校行きたくない・・・」
「えっ!? どうして!? 僕がエッチなこと考えたから!?」
嘘だろ!? タイムリープしたのに、結局これかよ!!
「だって、またあの子達に嫌な事されるかもしれないんだもん・・・」
えっ? あぁぁ・・・そっちか・・・
「なんで、わたしばっかり・・・」
「だから、それは、アッコちゃんが可愛すぎるからだって」
「可愛い? わたしが? それは佐久間君が私んこと好きだら、そう思うんでしょ?」
「違うよ。 実際に、アコちゃんはその・・・男子にモテてるから・・・」
「無いよ、そんなの。 皆意地悪してくるじゃん? 抱き着いてきたり・・・」
「イヤ、だから、それは、好きの裏返しって言うか・・・」
「ん? そうか! 佐久間君と一緒ってこと?」
「まあ、そうだね・・・」
「やだ! そんなの・・・私あの子達のこと別に好きじゃないもん・・・」
「えっ? ちなみに、その・・・抱き付いてきたヤツって誰?」
「石川君に斎藤君に岡部君・・・まだ、いたけど、他のクラスの子で、名前とかあんまり知らない子・・・」
「そんなにいるのかよ!?」
はぁ!? そんなにいっぱいいるのかよ!?
って、待て待て、いまはそいつらの事はいったん忘れよう・・・
「とにかく、絶対アッコちゃんの事は、僕が守ってみせるから。 学校行きたくないなんて言わないでよ。 少なくとも、女子の醜い嫉妬集団以外は、アッコちゃんの味方だから」
「う~ん、何か複雑な気持ちだけど。 佐久間君の説明通りなら、男子はわたしの味方ってこと?」
「まあ、アッコちゃんへの好きって気持ちの表現に、若干問題はあるけど・・・」
「そっか、アハハ、私って意外とモテてたんだ?」
「そりゃ、そうでしょ。 アッコちゃん、自分が思っている以上に美少女なんだからさ」
「も~う、また・・・嬉しいけど。 恥ずかしいよそれ~」
「だって、本当なんだもん。 だから、心配もしるっていうか・・・」
「どうして?」
「イヤ、他にも好意もったヤツが居て、アッコちゃんを取られちゃうかもとか心配になっちゃうじゃん」
「え~ なにそれ! そりゃ、好きって思われのは嬉しいけど。 私がいま好きなのは佐久間君だけだよ!」
えっ! 何・・・その急なデレは?
つい一時間前までは、私・・・好きって分からないの、とか言ってたクセして?
うクゥ~ なんなのこの子!
めっちゃ、心鷲掴みしてくるじゃん!
なんなの、アッコちゃんって、あざとい系だったのか!?
照れて、恥ずかしそうに初心ポイ感じ出して、好きってわからないキュルルンってかんじだったのに。
さっきまで、面と向かって好きっていうのも、あんなに恥ずかしがってたのに!
急に、好きとか言うじゃん!
何もう・・この子と半年後に別れ離れになるとか無理すぎ!
中学2年生まで離れ離れになるとか絶対に無理なんですけど!!
「えっと、アッコちゃん?」
「なに?」
「基本的に、溝口、川上軍団がアッコちゃんイジメてるのって、嫉妬なんだよ」
「・・・嫉妬?」
「男子からモテモテのアッコちゃんが特に気に食わないの。 特に藤澤君があっこちゃんを好きっていうのが、そうとう気に食わないらしいんだ」
「そんなの、わたし・・・どうしようもないじゅない」
「だから、これからもアイツ等から意味不明に絡まれることは沢山あると思うけど。 基本的には嫉妬なんだから。 アッコちゃんは、そんなの一切気にする必要ないんだよ」
「そんなこと言っても怖いよ・・・」
「そこは、絶対僕が守ってあげるから安心して。 そして、アイツ等の心無い言葉に、無駄に傷ついたりしないでね。 アッコちゃんがあまりに可愛くて、男子からもモテモテで自分達が持ってないモノ全てアッコちゃんが持ってるみたいで気に食わないだけなんだから」
「守ってくれるのは嬉しいけど。 気にしないとかは、無理だよ・・・」
「ごめんね、でも、なるべく、アッコちゃんに悪意が向かないようね俺、精一杯頑張るからさ。 だから、学校に居る時は、絶対に俺の傍にいてくれる?」
「うん、佐久間君の傍にいる。 でもさ、そんなことしたら、ウチラ、付き合ってのバレちゃったりしない?」
「バレちゃのは、イヤ?」
「だって、皆にからかわれるモン・・・きっと」
「その時も俺が守るから」
「本当?」
「うん、だからアッコちゃんはずっと、俺のソバに居れば良いから。 ただ、黙って俺のソバに居てくれるだけで良いから。俺が学校を変えて見せるから」
「わかった、ありがとう。 ――――――佐久間君、好き! チュッ!」
ほっぺにキス・・・
イヤ、今はまだこれで十分だよね。
ゆっくり距離を縮めろって言われたけど。
良く考えたら、たった1日でここまでアッコちゃんとの距離が縮まるなんて、奇跡じゃないか・・・
俺が焦ったら、すべてが台無しになっちゃう。
「アッコちゃん、俺が絶対アッコちゃんを守るから、だから明日もちゃんと学校に来て?」
「うん・・・わかった」
そう言うと、ちょびっとだけ。
僕の胸に顔をうずめる彼女を、軽く抱き締めた・・・
「佐久間君・・・好き・・・」
「うん・・・」
変わった・・・
いまだに信じられ無いけど、タイムリープして、確実に過去が変わったよ。
タイムリープもやり方はあれで良いのかよく分からないけど、自分の意思でなんとかもう一回出来たわけで。
アッコちゃんとの関係も上手く行ったし、俺は、この能力を使って、これから精一杯彼女を守って。
それで、絶対・・・絶対、今目の前にいる、この時代のアッコちゃんと俺は幸せいなるんだ。
◇◇◇
「おじゃましました」
「いいえ、また来てね」
「じゃあ、俺ちょっとアッコちゃん送ってくるね」
「は~い、いってらっしゃい」
アッコちゃんが家に帰る時間になり、玄関で母親に見送られて、玄関出ようとしていた時。
―――ガチャ!
「ただいま~ ん? どうしたのって・・・誰? アキラのお友達?」
「えっ、あっ、あの・・・おじゃましてます」
「ふふっ、アッコちゃん、緊張しないでも良いよ。 じゃあ、行こうか」
「あっ、うん。 えっと、おじゃましました」
アッコちゃんを連れて家を出て、二人で手を繋ぎながらアッコちゃん家に向かって歩き出した。
「ねえ? 今の人ってお姉さん?」
「ん? うん、そうだけど」
「すごい可愛い人だったね?」
「う~ん、まあ見た目はね・・・性格は結構酷いけど・・・」
「そうなんだ、あんまり仲良くないの?」
う~ん、どうだっけ・・・
高校生の時に、姉の美姫とは決定的に亀裂が入って。
それからは、口も利かないような仲になったけど。
小学生の時はどうだったっけ・・・
まだ、そんなに仲が悪かったような記憶はないんだけど。
とわいえ、やっぱり前の人生で最後に受けた美姫から酷い仕打ちが、どうしても美姫への印象を悪くしてしまう。
「う~ん、普通な気がする」
「普通か~ でも、私ひとりっ子だから、お姉ちゃんかお兄ちゃんが欲しかったから、羨ましいな~」
「う~ん、じゃあ、アッコちゃんに姉ちゃんあげようか?」
「え~ ダメだよ~ 何言ってるの」
2人でそんな会話をしながら、アッコちゃんの家の近くの仲良し橋まで一緒に歩いて行くと。
「ここで大丈夫だよ」
「うん、じゃあ、気をつけて帰ってね」
「ふふっ、橋渡ったらすぐだもん、大丈夫。 じゃあ、佐久間君また明日ね」
「うん、また明日ね」
バイバイっと手を振りながら、橋を渡っていくアッコちゃんを見送ると、来た道を戻って自分の家へと歩き始めた。
発寒河畔公園の小道を1人で歩きながら、こんな夕方の公園をぶらぶらするなんていつぶりだろう。
昨日まで社畜生活で、常に時間に追われる生活をしていた身からしたら、なんかとっても時間がゆっくり流れてるような感覚がする。
とわいえ、タイムリープ初日から色んな事があり過ぎというか。
アッコちゃんを彼女するとか、初日からカロリー高過ぎ・・・
めちゃくちゃタスクをこなしたような気がするけど、時間的にはまだ17時をちょっと過ぎたくらいだ。
昨日までの社畜生活からしたら、ようやく半日終わったかなといった感覚だ。
懐かしい実家の近所を少し遠回りしながら家に帰って来ると、ピアノの音が漏れ聞こえてきて。
なんか、実家のこの雰囲気も久しぶりで懐かしいなあと感じてしまい、しみじみしながら玄関を開けて帰宅した。
洗面所で手を洗ってから、キッチンを抜けてリビングへ行くと、学校から帰ってそのままピアノの練習をしているらしく、そんなお姉ちゃんの制服のままでピアノを弾いてる姿が懐かしくて、本当にタイムリープして来たんだと改めて実感してしまう。
ソファーにボフッと膝から飛び込む様に座ると、そのまま背もたれに抱き着くようにして、ピアノを弾いてる美姫をボーっと眺め始めた。
こうして黙ってピアノを弾いてる姿だけ見ていると、本当にどこかのお嬢様のように見えて来てしまう。
お姉ちゃんは基本的には顔はけっこう可愛いし、制服を来ててもわかるあの巨乳はヤバイし、ミニスカートから覗くストッキングに包まれた脚はとっても綺麗で、太っては無いんだけど、適度にムッチリした感じが、やっぱりお姉ちゃんって、最高にエロイカラダしてるよなと思ってしまう。
とりわけ、腰で折ってミニスカートみたくなっている制服から覗く脚には、どうしたって目を奪われてしまうわけで・・・
ジーっと見ていると、もう少し傍で見たいという欲求に駆られてしまい、ソファーからずり落ちながら床に膝をつけると、ハイハイしながらグランドピアノの下に潜りこむと、ペダルの近くにゴロンと寝転がり、そこから見上げる美姫の姿を見て、やっぱりここから景色は絶景だなっと思ってしまう。
このアングルから見る美姫は最高にエロイわけで、 ダンパーペダルに右足を伸ばして、左足を椅子側に引いた状態でピアノを弾く美姫を見てると、ちらっちらと白いパンツが見え。
あぁ・・・なんか、このアングルからの美姫の姿も懐かしいな~っと思いながら、しみじみと美姫のパンツを眺めていると、
美姫の左足がソフトべダルにスススッと伸びて来てパンツが見えなくなってしまった代わりに、美姫の可愛らしい小さな足が僕の目の前に現れ、間近で見る肌色が少し透けるストッキングに包まれた足が目の前にあると、どうしてもこうドキドキしてしまい。
そして、ソフトべダルに足を掛けたまま、しばらく動かないでそこに佇んでいる左足を見ていると、あぁ・・・触りたいなという願望というか欲望が芽生えて来てしまい。
ちょっとくらいならっと、スリスリっと美姫の左足の甲を指で撫でていると、指から伝わってくるとても気持ちの良い感触に『オオオオッ』っと感動のようなモノを感じていると。
僕の手を払いのけるよう、スススっと左足が動き始めたので、怒られると思いビクっとして手を引っ込めた。
さすがに触るのはマズかったよな・・・
また、昔みたいに蹴られるかもしれないと思いながらビクビクしていると、美姫の左足がスススッと動いて来て、僕の鼻先まで迫って来て蹴られると思った瞬間、僕の鼻先に少し当たった所でピタっと止まった。
えっ? どうして? 蹴らないの?
戸惑いながら、恐る恐る美姫を見上げると、ピアノの弾きながら僕をチラっと見た美姫と目があった瞬間、何故か美姫が優しい表情を浮かべながらニコット微笑み掛けてくれた。
この優しい美姫の表情が、記憶に残っている僕に乱暴をしていた頃の美姫と、あまりにギャップがありすぎて、少し混乱していたのだけど。
美姫が起用に左足のつま先で、僕の鼻先をコショコショしてくれて、再度美姫を見るとふふふっとさらに優しい表情で僕を見てくれた。
これって・・・えっ? お姉ちゃん? これって・・・その、触っても良いってことなんでしょうか?
美姫が僕を誘惑するように、左足でちょっかいを出して来たので、僕は恐る恐る美姫の左足の甲に手を伸ばしてスリスリしてみるが、それでも、僕を見つめる美姫の表情は優しいままで、なんか美姫から触っても良いよっと言われたような気がしてしまい。
僕はそのまま美姫の左足に頬を擦り付けるようにして、夢中でスリスリし始めてしまった。
すると、普段美姫が使っているボディーソープの香りにフローラルの香りとココナッツのような香りをわずかに含んだ甘い香りで胸いっぱいになってしまい、どこか懐かしいお姉ちゃんの香りに僕は理性を完全に手放し掛けていた。
ただ、ここまで大胆に美姫の足にスリスリしていると、さすがに美姫も怒るのではないかと思っていたのに。
美姫は怒ることも無く普通にピアノを弾き続けて、ときどきコラァ~、ダッメェ~っと甘えるような声をあげては僕とイチャイチャしてくれて。
そんなお姉ちゃんの反応が可愛すぎて、お姉ちゃんへの愛おしい気持ちがいっぱいになり、もう完全にお姉ちゃんにお許しを貰ったような気になってしまい、気持ちに抑えが利かなくなった僕は、美姫の足を抱き込む様に夢中になってスリスリしていた・・・
「コラァ~、ダッメェ~、こしょばしいよ~ そんなつま先ばっかりスリスリしないで~」
「えっ? だって・・・お姉ちゃんの脚がとっても良い香りがして、あまりに綺麗だから・・・」
「ふふふっ、なにそれ? どうしたの? 今日はやけにお姉ちゃんに甘えるじゃん?」
「だって・・・お姉ちゃんが優しいから、なんか甘えたくなちゃったんだもん」
「ふふっ、な~にそれ。 じゃあ、今日は久しぶりにお姉ちゃんと一緒にお風呂入っちゃう?」
「えっ!? ダメだよそんなの・・・ムリムリムリ!」
「どうしてよ~ そんな私の脚にスリスリするくらい好きなら、お姉ちゃんと一緒にお風呂くらい入れるでしょ?」
「無理だよ・・・お姉ちゃんの裸を見ちゃうなんて、恥ずかしく無理・・・」
「え~ もう・・・ケチ・・・」
そんなケチとか言われても、いきなり、美姫とお風呂なんて無理だよ、何十年ぶりだと思ってるんだよ。
それに、なんか記憶の美姫と違うっていうか、優しい美姫が逆にちょっと怖いし・・・
それにしても、俺はタイムリープして、お姉ちゃんの脚に抱き着いてスリスリとか、冷静に考えたら俺どうかしてるぞ・・・
高校生の美姫があまりに可愛く見えて、美姫が優しくしてくれたからってダメだろこんなの・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。