第75話 誕生日パーティーは突然に・・・
「アハハハ、なんか災難だったね~ でも、ピアノして指揮するアキラくんカッコイイんだろうな~」
「えっ? そうかな?」
「絶対カッコイイよ! もうめちゃくちゃ見て見たい!」
えっ? イヤ~ アッコちゃんにそんなこと言われたら~
ピアノ~ やらんでもないけど・・・
「他にどんなのあるの?」
「えっと、楽器パートと、劇の役者かな」
「へ~ くるみ割り人形か~ なんか素敵だったな~ この間のバレエ・・・ 音楽もなんか可愛かったし~ 少女役とか憧れちゃうな~」
主人公の少女くららの役か~
俺・・・芸術鑑賞のバレエの記憶が一切ないからあれだけど。
たぶん、小さい少女役の子が、可愛らしく舞ってるの想像しているんだろうな?
アッコちゃん手足すらっとしてるから、白いドレス着て踊ったりしたら可愛いんだろうな~
「来週、それぞれのやりたいモノ決めるって言ってたけど」
「そうなんだ~ ねえ、ママ~ 私いつ退院できるの?」
「えっ? う~ん、早ければ日曜日にはって言ってたけど・・・」
「本当!?」
そっか・・・早くても日曜日なんだ。
じゃあ、土曜日の誕生日は、病室なんだ・・・
ハァ~ これで動物園の、デートプランは完全に白紙だな。
「アッコちゃんママ?」
「なに?」
「ちょっと、お話があるんですけど。ちょっと外で・・・」
「良いけど、じゃあちょっとアコごめんね」
「え~? なに? 二人して~!」
ちょっと、ぷんぷんして、ほっぺたをブクっとさせたアッコちゃんを病室に置いて、病室を出る。
「どうしたの?」
「えっと、誕生日って・・・そのまだ退院無理なんですよね?」
「ああ、土曜日ね。 そうね~ 先生の話じゃ日曜日って言ってたから・・・」
「たとえば、ケーキとかって持ってきて、アッコちゃんに食べてもらうとかって、大丈夫だったりしますかね?」
「あら♪ 誕生日のお祝いしてくれるの!?」
「本当は、円山動物園でデートしようって約束してたんですけど・・・ だめそうだから・・・」
「う~んそうね・・・ 動物園はちょっと難しそうね・・・ でも、車いすなら外出とか出来ないかな? ちょっと先生に聞いてくる♪」
そういって、なんとなくルンルンした背中で歩いて行くアッコちゃんママの背中を見ながら。
土曜日・・・どうしたもんかな~っと、色々誕生日のことを考えていると。
「アキラくん♪ 車イスでなら、外出しても良いって~ どうしようか?」
「えっ!? マジっすか? じゃあ、僕がレストンランか、カフェを予約するんで~ そこで誕生日パーティしませんか?」
「良いわね~ でも・・・いまからお店の予約なんて出来るかしら?」
「そこは、僕に任せて下さい! 色々片っ端から、お店に連絡してみます!」
「本当!? うわ~ なんか急に楽しみになってきちゃった~ も~う、アキラくんって本当にアコの事大好きなのね~?」
イヤ・・・そうストレートに言われると、急に恥ずかしくなってくるんだけど・・・」
「ごめんね、待ったアッコちゃん」
「もう! なに二人で話してたの?」
「えっと内緒っていうか~ アッコちゃんゴメンね。 俺ちょっと今日予定出来ちゃって~ もう帰らないといけないんだけど・・・」
「え~ なんで!?」
「ごめん、あと明日はピアノのレッスンがあるから来れないから。次は土曜日に来るから、それまで待ってて?」
「え~ 明日これないの? もう・・・アキラくんが来なかったから、暇で死んじゃう・・・」
うっ・・・そんなこと言われると、胸がズキっって。
でも、土曜日は素敵な誕生日パーティーを開いてあげないと。
「ごめん。 この埋め合わせは絶対にするから! アッコちゃん、また土曜日ね」
「もう・・・わかった・・・ バイバイ・・・」
シュンっとするアッコちゃんの顔を見て、心がまたズキっとしてしまうけど・・・
断腸の思いで、病室をあとにすると、急いでバス亭まで走ると、ちょうど来たバスにそのまま飛び乗る。
あ~あ、携帯電話を持っていれば、すぐ片っ端からお店に電話するのに~っと思いつつ。
小学生の不便さにイライラしながら、バスの席に座って、土曜日のアッコちゃんの喜ぶ顔を想像すると一人ニヤニヤしてしまう。
◇◇◇
「え~ 佐久間~ すご~い♪」
「本当、佐久間君すご~い♪」
イヤ、君達を驚かすためにお店予約したわけじゃないし・・・
「え~ 素敵~」
「えっと~ 良いから、早く準備するよ~ ハイ、クラッカーね。 で、アッコちゃんが来るまで姿を見られない様に、皆ここに隠れて、声出さないように! わかった!」
『は~い』
急遽、アッコちゃんの誕生日パーティー開催を計画してから。
大急ぎで、お店の予約をしたんだけど。
でも、アッコちゃんを喜ばせるなら絶対ココだろというお店があったんだ~
タイムリープしてくるまえの俺、通称前世の俺が大学時代に、好んで来ていたこのお店!
まあ・・・当時付き合っていた彼女とか、その他もろもろ・・・女子と来ていたお店だ。
ダメ元で電話したら、快くOKをくれて大感謝!
ちなむと、アッコちゃんが入院している病院からも近い。
急遽声をかけたわりに、木下にあゆみちゃん、藤さんに剛、小沼にハジメ君っと以外と皆が来てくれたのにもびっくり。
親父に頼んで、皆をお店まで送って貰って、当然ちゃ~ 当然なんだけど・・・
おしゃれで可愛いお店に、テンション爆上がり中ってわけ。
「え~ あっちゃん? なにそれ?」
「オイ! ヤメロ!」
「はぁ? なに、さおりんいまの?」
「なんでも無いよ~ あゆみちゃ~ん」
「イヤ、聞こえた! アキラ~? なんであっちゃんなの?」
剛うるせ~ 泣かして~
「懐かしいね~」
「ヤメロ! 美姫姉! それ以上はダメだぞ!」
「え~ずる~い・・・」
くそ・・・小沼のヤツ・・・
「小沼! お前な!」
「わかったって~ うるさいな~ で? なんでピアニカなんて持ってきてるのよ?」
「え? アッコちゃんが来たら、俺がバースデーソングを弾き始めるから、お前らそれに合わせて歌え!」
『命令かよ!』
「イエ・・・すいません・・・ あの、歌ってください・・・」
「まっ、アコの為だもん、そんなあんたに言われなくても歌うけどね~」
ちっ! 木下・・・あいかわらず・・・
「でも、アキラ? なんでこんなお店知ってたの?」
「えっ? 本屋でporocoで見たことあって、誕生日パーティーならここしかないかなって思ったの」
「へ~ おしゃれだもんね~ ここ」
そう、藻岩山のふもとにいくつかオシャなカフェが点在してるけど。
ここは、ケーキも美味しくて、昔から重宝しているお店なのだ。
建物の老朽化でいったん、閉店してしまってショックを受けてたんだけど。
その後、リニューアルオープンして、2022年の時代にも残ってるお店なのだ。
前世の俺が札幌に帰省した時にも、ちょくちょく来ていたお店。
「えへ~ あっちゃんのお願いならしかたがないな~ ね~ あっちゃ~ん」
「剛・・・お前いい加減にしないとみんなにばらすぞ!」
「なに?」
「ハルちゃん先生の、おっぱぃ・・・・」
「うわ~!!!!!!!! うそ! うそ! うそ! もう言わないから! それだけは!」
ふん、お前がハルちゃん先生おっぱいをモミモミしたこと、皆にバラされたく無かったらおとなしくしろ、バ~カがよ~
「えっ? 剛、ハルちゃん先生に何かしたの?」
「えっ? 藤さん? えっと・・・なんでも無い・・・」
「また、そうやって秘密かよ」
「え~ イヤ~ これはね~ 剛?」
「ダメ! 絶対にダメ! クラス中の女子から何言われるか分からない!」
「あ~ そういうことしたのか・・・ でっ? なにしたの?」
イヤ、藤さん・・・結構しつこいのね・・・
『え~ ママ~ 何ここ?』
ん? アッコちゃん!?
「皆! スタンバイ!」
♪~ ♪♪~♪♪~♪~♪~ ♪~ ♪♪~♪♪~♪~♪~
ハ~ピバースデ~トゥーユー ハ~ピバースデ~トゥーユー
ハ~ピバースデ~ディア アッコちゃん!!
♪~ ♪♪~♪♪~♪~♪~
ハ~ピバースデ~トゥーユー
イエ~イ♪ パン、パン、パン!
「えっ!? えっ!? えっ!? 何? これ!? えっ? 皆どうして?」
「ようこそアッコちゃん! お誕生日おめでとう!」
「アキラくん! これなに!?」
「サプライズの誕生日パーティーだよ~!」
「え~ うそ!? 皆・・・ありがとう・・・ えっ!? どうして!? もう! えっ? ぐすっ・・・
えっ? そんな・・・泣かないでよ・・・
「えっ!? ちょっ! アッコちゃん・・・ そんな、泣かないでよ・・・」
「ごめん・・・ だって、めちゃくちゃ嬉しかったんだもん・・・ 入院してたし・・・デートも行けなくなって・・・ 今年の誕生日はなんもないなって・・・」
「アッコちゃんママに相談したら、外出OKもらって、それじゃって。 皆に声かけて来てもらったんだよ」
「うん・・・ 皆・・・ありがとう・・・ すっごいうれしい ぐすっ・・・」
「アッコちゃん・・・涙拭いて。 いつもみたいに笑ってよ」
「うん、すんすん。 そうだね。 ぐすっ、エヘヘヘ。 嬉しい! ありがとう!」
よかった~ アッコちゃんの笑顔が見れて・・・
まああいつらの食事代とか、俺が全部出したから、コツコツ貯めていたお歳玉貯金も、もうこころもとなくなっちゃったけど。
こんなに、よろこんでくれたんだもん。
やっぱり、アッコちゃんの笑顔は、プライスレスだよね♪
◇◇◇
「はぁ~ 楽しかった~」
「アキラ君に感謝するのよ~」
「うん! アキラくんありがとう! でも、いつからこんな計画?」
「木曜日、アッコちゃんの外出許可貰ってからかな」
「え? あっ!? ママと一緒にどっか行っちゃった時ってこと? えっ?」
「私もびっくりしたよ。 夕方に話して、その日のうちに連絡来て、土曜日の14時に予約とれたって言うんだもん」
まあ、お店のひとがすっごい良い人で、速攻OKしてくれたからな~
「アキラくん本当にありがとう。 私、友達にこんな誕生日祝ってもらったこと初めて・・・ 本当にすっごい嬉しい♪」
「あっ・・・それでね?」
「うん? なに?」
「えっと・・・ 皆の前じゃ、恥ずかしく渡せなかったんだけど・・・」
「うん・・・」
「これ、誕生日プレゼント」
「えっ!? プレゼント?」
「うん? なんで? どうかした?」
なんかめっちゃ、信じられ無いみたいな顔だけど・・・
「ごめんね? さっき、皆から誕生日プレゼント貰った時に、アキラくんからは無いのかなっておもちゃってて。でも、あんな素敵な誕生日会開いてくれたんだから、それで良いかなって思ってたのに・・・ プレゼントとか言うから・・・ ぐすっ」
「えっ? なんで、また泣いちゃうの? ちょっ、アッコちゃん?」
「もう! 1日で何回私のこと喜ばせたら気が済むの!」
「ごめん・・・だって、皆の前で渡すの恥ずかしかったんだよ~ ごめんね・・・何回も泣かせちゃって・・・」
「ううん・・・ぐすっ。 でも嬉しい♪ えへへ、ぐすっ ねえ? 開けて良い?」
「うん・・・」
うわ~ ドキドキする・・・
なにコレ? とか言われたら・・・
「うわ~ 3丁目〇タマのぬいぐるみだ~ 可愛い♪ アキラくん! ありがとう!」
えっと・・・ ぬいぐるみだけじゃないんだけどな・・・
「ん? なんかこの子・・・ なにコレ?」
「えっと・・・それはね。 僕とペアのネックレス・・・」
「アキラくんっとペア?」
「そう、こうやって、合わせると~ ピッタリハマって、一つになるってヤツ。 あんまりだった?」
「ううん。 え~ ヤダ・・・ わたし、こんなネックレスとか貰うの初めてだよ。 しかもペア? アキラくんと? もう・・・ぐすっ・・・」
「え~ そんな~ 泣かないでよ~」
「もう、3回目だぞ! なんだよ・・・デート行けなくなってすっごいへこんでたのに・・・ しかも昨日は来てくれないし、今日だって夕方にならないと来れないって言ってたクセに・・・」
「ごめん」
「もう! 嬉しすぎる! ぐすっ・・・ もう、アキラくんのバカ♪ 大好き・・・」
「アッコちゃん・・・」
「えへへへ。 ねえ、これ・・・つけて?」
「うん」
ヤバイ・・・なんか、ドキドキしちゃう・・・
なんだろう、結婚式で嫁に指輪はめる時みたいな緊張感なんだけど。
「アキラくんとペア?」
「そうだよ、ペア」
「もう・・・大好き・・・ チュッ、好き!」
「えっ!? イヤ・・・またそうやっていきなりキスするし・・・」
「もう! だって嬉しかったんだもん! アキラくん・・・今日は本当にありがとうね。 人生で一番素敵な誕生日だったよ♪」
「人生って・・・大袈裟だな・・・」
「そんなことないモン。 いままで、こんな素敵な誕生日過ごしたことないもの・・・アキラくんって本当にすごいね? なんか魔法みたい♪」
「だって、アッコちゃんの為なら・・・ なんでもしてあげたいんだもん」
「なんか、へへへ。 幸せってこういうことなんだね? もう、周りがキラキラして見えちゃうよ・・・」
「俺は、アッコちゃんが可愛いすぎて、キラキラして見えちゃうけど・・・」
「もう・・・ バカ・・・ チュッ♪」
「ん!? へへへ・・・」
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