第69話 君の笑顔はいつだって俺のことを幸せな気持ちにさせるんだ
はぁ・・・結局あんまり眠れなかったし。
美姫が余計なことばっかり言うから。
アッコちゃん・・・もう目を覚ましたかな?
今頃、冷静になって、昨日のこと思い出して・・・
きっとショックを受けてるよね?
俺のこと恨んでるかもしれない・・・
俺のせいで、すべての不条理がアッコちゃんへ向いちゃったんだから・・・
もう会いたくないって思ってるかもしれない。
それに、アッコちゃんとのご両親ともどんな顔して会えば。
あんな守りますなんて、大見得を切ってたのに。
大人の知恵を持って、小学5年生に戻っても、結局は俺はダメダメ人間のままじゃないか・・・
はぁ~ 本当ならいまごろ芸術の森で、ご飯を食べてる所だったのかな?
アッコちゃん・・・
『トゥルルルルル トゥルルルルル』
『ハイ、佐久間です』
『ハイ、あっ、昨日は・・・イエ・・・』
誰だ? 昨日? 先生か?
『ハイ、ハイ、アキラに? エエ・・・イエ・・・』
なんだ? 何話してるんだ?
『ハイ、では午後に伺います。ハイ、ハイ、ごめんください』
なんだ?
「お母さん、誰?」
「ん? アッコちゃんのお母さんから」
アッコちゃんのお母さん?
「なんて?」
「何か、アッコちゃんがあんたに会いたいって言ってるって」
グッ! 胸が・・・
ハァ、ハァ、ハァ・・・
「アキラ?」
「えっ?」
「だいじょうぶ?」
「うん・・・」
どんな顔して会えば・・・
昨日だって、結局最後は警察や救急隊の人任せ・・・
「午後から、病院行く?」
『答えは全部アッコちゃんが教えてくれるわよ・・・』
姉ちゃん・・・
「辛いなら、止めとく?」
「イヤ、行くよ」
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・
ちゃんと向き合わなきゃ。
アッコちゃんの気持ち。
ちゃんと聞かなきゃ。
◇◇◇
緊張する・・・
会いたいけど・・・怖い。
心臓が、ドキドキしちゃうよ・・・
「母さんは、待合室で待ってるね」
「うん・・・」
1人、彼女の病室の前で立ち尽くす。
ううん、変なこと考えちゃダメだ。
アッコちゃんが会いたいって言ってくれたんだから。
そして、意を決してノックをする。
『は~い』
中から、アッコちゃんママの声が聞こえて来て。
目の前の扉があけられる・・・
「あ~ アキラくん! 良く来てくれたわね~ さあ、早く入って」
「ハイ・・・」
アッコちゃん・・・
「遅い!!!! 遅い! 遅い! 遅い! 遅い!」
えっ!? アッコ・・・ちゃん?
怒ってる・・・?
「もう!! バカ!!」
「えっ・・・あっ・・・ごめん・・・」
アッコちゃんの勢いに、思わず謝ってしまう・・・
「ふふふっ、じゃあ、ママはちょっと出かけてくるね」
そう言い残して、アッコちゃんのママが病室からいなくなる。
病室にアッコちゃんと二人だけ・・・
「しかも手ぶら!?」
「えっ? あっ、イヤ・・・ あの・・・」
ヤバイ・・・花・・・母さんが持ってる。
バカなのか、うちの母さんは?
お見舞いの花持ってくなよ・・・
「もう! 何やってたの! ず~っと待ってたのに! 全然来ないんだもん!」
「あっ、えっ、だって・・・あの・・・ごめん」
めっちゃ怒ってる・・・
「ごめんじゃないよ! 昨日だって、あんな真っ暗な林の中に1人ボッチにしてさ! めちゃくちゃ心細かったんだから! バカ!」
「ごめん、でもあれは、救助隊を呼ばないとって・・・」
うわ~ これ・・・もう嫌いって言われるパターンか?
「来てくれた時・・・めちゃくちゃ嬉しかったのに。 アキラくんに助けて貰えるって・・・嬉しかったのに~ すぐいなくなっちゃうだもん! バカ! バカ! バカ!」
「ごめん! ごめんなさい! アッコちゃんの事助けなきゃって必死だったから! ごめんなさい!」
「もう! 許さない!」
「ごめん・・・」
あ~ 嫌われちゃった。
しょうがないよな・・・
やっぱり、叶わなかったのかな?
初恋の人と結ばれるなんて・・・
でもだって・・・
助け呼ばないとって必死だったから。
「寂しかった!」
「えっ?」
怒って・・・
「寂しかったの!」
「うん・・・」
「もう! ギュッってしてよ!! バカ!!」
「えっ? アッコちゃん?」
「もう! いっつもエッチな顔してギュってしてくれるクセして! 一番ギュってして欲しい時に、なんでしてくれないの!!」
「ごめん・・・」
えっ? アッコちゃん、ギュってしてって。
良いの? 俺と・・・また?
えっ・・・そんな・・・
「ギュってしてよ」
「うん、ごめん・・・」
「謝ってばっかり・・・バカ・・・」
「ごめん・・・アッコちゃん・・・」
「ギュってして・・・」
さっきまでの怒った顔から急にへにょってした顔になる彼女・・・
「アッコちゃん・・・ごめんね・・・」
そう言って、ベッドで起き上がっているアッコちゃんをギュッと抱きしめた。
「アキラくんのバカ・・・ もう離さないでよ・・・ 私の手ずっと握っててよ・・・ ずっとソバに居てよ・・・ アキラくんが居ないと不安でいっぱいなんだから・・・ ぐすっ」
「アッコちゃん・・・ごめん・・・ ごめんね」
彼女が泣き始めて、それにつられて僕まで泣いてしまう・・・
二人で抱き合ったまま、えんえんっと泣いてしまった。
左腕に包帯が巻かれて、右腕だけを僕の背中に回して抱き着いてくるアッコちゃんを感じながら・・・
情けなくて、ウジウジした俺でゴメン・・・
あんなに、もう同じ過去は繰り返さないって決意してここに来たのに。
もう離さないよ・・・
ずっと君の手を握ってるよ。
君が不安にならないように、ずっとソバにいるから・・・
アッコちゃん・・・君が好き・・・
君のことが大好きだよ。
アッコちゃん・・・
「えへへへ、泣き虫!」
「アッコちゃんだって・・・」
そう言って、またいつもの太陽のような笑顔で笑ってくれる彼女・・・
とてつもなく、愛おしい・・・
「アッコちゃん・・・大好きだよ」
「わたしも、アキラくんのこと大好き・・・助けてくれてありがとう・・・すっごく嬉しかったんだからね」
「うん・・・」
そういって、また泣き始めてしまった俺を見て
「もう、なんでアキラくんの方が泣いちゃうの? 怖い思いしたのわたしなんだけど!」
「ごめん・・・」
「ほら・・・泣きやんでよ・・・」
「うん・・・」
彼女がやさしく、指で涙をぬぐってくれて。
それから、またニコっといつもの様な、はじける笑顔を僕にくれる。
この子はやっぱり天使だ・・・
最高に優しくて、そして最高に可愛い・・・
最高な俺の彼女なんだ・・・
アッコちゃん、ありがとう。
そう思って、アッコちゃんを見つめていると。
アッコちゃんの顔が近づいて来て・・・
優しい・・・本当に優しいキスをしてくれた・・・
「もう・・・なんで私からなのかな?」
「ごめん・・・」
「もう、謝るの禁止ね!」
「うん・・・ごめん・・・」
「こら!」
「はい!」
そういって、二人でケラケラ笑って見つめ合う。
病室に差し込む、秋の優しい光に包まれて。
まるで、綺麗な光が射しこんだ、ヨーロッパの協会にいるような気持ちにさせる。
だって、ここにこんな可愛らしい天使が笑ってるから・・・
君の笑顔を見ていると、本当に悩み事も、イヤな事も全て忘れてしまいそうになるよ。
なんで、君の笑顔はいつだって俺のことを幸せな気持ちにさせるんだろう?
もう迷ったりしない、アッコちゃんが俺を思ってくれてる限り、俺は君のそばにいる。
俺が、君のその笑顔を絶対に曇らせない、君のソバにいて守ってみせるよ。
俺がんばるよ、イヤがんばれる。
こんな素敵な笑顔を見て入られれば、俺ずっとがんばっていけるよ。
俺・・・今日、本当に君に救われた気持ちでいっぱいだよ。
ありがとう・・・アッコちゃん。
俺のこと、好きになってくれて、ありがとう。
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