第59話 お父さん呼びチャレンジはドキドキだ・・・
「着いたぞ~」
ん? 五天山公園か。
「じゃあ、荷物を運ぶの手つだってくれる~?」
「あっ、ハイ!」
よし・・・ここはアピールしなくては。
アッコちゃんを嫁にもらうためにも、好感度のステータスを上げとかないと。
子供のうちから、実績積み上げて、大人になる頃には快諾してもらえるための、関係構築をしないと・・・
「さて、じゃあ火を起こさないとな~」
「あっ、じゃあ僕がやります!」
「えっ? じゃあ、お願いしようかな? でも大丈夫?」
「ハイ、アッコちゃんのお父さん、任せてください!」
『お父さん』呼びチャレンジ・・・
ドキドキだったけど・・・とりあえずOKっぽいな。
アッコちゃん・・・の!・・・お父さんはクリアだな。
でも、めっちゃまた怖い声で何か言われるかと思ったけど。
よし・・・ちょっとずつ詰めるか。
「アキラくん? 火起こしなんてやったことあるの?」
「ん? 案ずるな嫁よ・・・ うちはしょっちゅう庭でジンギスカンをやっているのだ・・・ 火起こしは心得ておる」
「なに嫁って~♪ てか、なにそのしゃべりかた~ 変なの~」
さて・・・と・・・
バーベキューコンロに着火剤と、炭をセットしないと。
「えっと・・・これって、前に使った炭だよね?」
「よくわかんないけど、いっつも使い終わった炭、そこに入れてたと思うよ」
「じゃあ、まず着火剤と新聞紙をねじってセットして~ で、前使った炭を上に置いて、大きい炭で回り囲むようにして~」
「なんで、前使った炭なんて使うの?」
「前使った炭の方が火が付きやすいからね~ これで、マッチで火をつけてある程度火種が出来るまで放置したら、あとはひたすらウチワで仰ぐ」
よし、炭に火だねが出来始めたな・・・ 後は、ひたすら・・・フン! フン! フン! フン! フン!
フン! フン! フン! フン! フン! フン! フン!
は~ しんどい・・・ フン! フン! フン! フン! フン!
「あっ、火~ ついて来た~」
「そうでしょ・・・ ゼエッ、ゼエッ、ゼエッ・・・ 縦に風が抜けるようにしているから、あとは横から適度に風送って置けばつくよ・・・」
「へ~ アキラ君凄いわね~ うちのお父さんより、火をつけるの早いんじゃない?」
イヤ、アッコちゃんママ! それは言っちゃダメなヤツ!!
へんな対抗心燃やされて、俺の立場がもっと悪くなるヤ~ツだから。
「はあ? もう火が付いた? へ~ 凄いな~」
「あっ、ありがとうございます。 お父さん」
「・・・お父さん・・・?」
うっ? ヤッバイ・・・捕まった・・・
「もう! お父さん! そんな怖い顔しちゃダメでしょ!」
「えっ? ああ・・・うん・・・」
お父さん・・・
攻めてみたけど・・・やっぱダメっぽい。
この人・・・やっぱり間違いないっす。
娘大事過ぎて、彼氏アンチ系パパだ・・・
「もう! 何? パパ・・・アキラくんがせっかく火つけてくれたのに~!」
イヤ、ダメダメ、そんなパパさんを攻めたら、ヘイトが俺に来る・・・
「あはは・・・ごめんごめん、アコ・・・」
「なんか、すいません・・・お父さん」
「・・・お父さん?」
ダメだ、いちいちリアクションが怖すぎる・・・
お父さんチャレンジ・・・無理無理・・・
ちょっと、まだ全然無理みたい。
くぅ~ イイもん。
だいじょうぶ、時間はまだまだあるんだ。
12年かけて信頼関係を構築して・・・プロポーズの時には。
でも・・・こんな感じのお父さんってことは・・・
大学生とかになってお泊りデートなんてしちゃってバレたら、超怒られるのか?
門限とか超うるさそうじゃん!
イヤ・・・待て、待て、アッコちゃん、確か大学は東京に行くはず。
アッコちゃんと一緒に東京に逃げれば良いだけのこと。
そうしたら、お互い一人暮らしだから、お泊りし放題~♪
ヌハ~ ハッ ハッ ハッ ハッ ハッ ハイ俺の勝ち~♪
高校生までは良い子ちゃんしていれば・・・
俺の逃げ切り勝ちなのでは?
「パパ、あと何かやることある?」
「あとは、ママ達の準備が終われば、焼き始めるけど、それまで遊んできたら?」
「わかった~ じゃあ、アキラくん! あっち、皆のところに行こう!」
「うん」
イヤ~ 最後の・・・お父さんチャレンジはヤバかったな・・・
今日は、もうこのへんにしておいた方が良いかもしれん。
「オ~イ! 何やってんの!?」
「あっ、アコもヤル?」
あれは・・・スカイキャッチ。
懐かしい~
「アキラもヤルの?」
「あっ、ハジメ君・・・ てか、ハジメ君っていっつも、アッコちゃん達とこんなバーベキューとかするの?」
「えっ? ああ、何か親同士が仲が良いから、たまにかな?」
「へ~ ハーレムじゃん」
「ハーレムってなんだよ」
イヤ、ハーレムだろ、女子4人に男1人って・・・
なんて羨ましい環境なんだ。
「徳~ その子?」
「ん? あ~ 岩崎の彼氏」
イヤ、ハジメ君・・・
なんか、岩崎の彼氏って、なんか新鮮な響き・・・
でも、ゴロが、新生姜みたいかも。
「へ~ アコの彼氏?」
「あっ、久しぶり。 小菅さんだよね?」
「あ~ 前に公園で一緒に遊んだっけ」
相変わらずの、フリフリ・・・
昨日、秀樹がお前のせいで1人枕を濡らして寝たことなんて知らないんだろうな・・・
「あっ! ルナ~」
「ん? アコ」
「ねえ? 昨日さ~清水君に会ってね」
アッコちゃん? その話題は・・・
「清水? なんでアコが?」
「えっ? ああ、アキラくんと、清水君って幼馴染みだから。 昨日アキラくんの家でね」
「ふ~ん、そうなんだ・・・」
「昨日さ~ 悪い事しちゃった~ ルナと間接キスしたのしらなくてさ~」
「えっ? なんか言ったの?」
「ルナが他の人とも間接キスしてたって言っちゃったんだよね~ そしたら、なんかショック受けてたみたいで・・・」
「え~ なにそれ? ウケる♪ あいつ、私のこと好きなのかな?」
イヤ、ウケるなって。
人生初の、まともな失恋だったんだから・・・
「ねえ? 小菅さんってさ~ そんな風に男子弄んで楽しいの?」
「えっ? 別に弄んでなんかないもん。 ちょっと、良いかな~って思う男子が数人いたってダケじゃん」
良いかな~って思う人が数人いただ?
なんてヤツだ・・・
ん? 気になるヤツ?
ってことは・・・前世で俺が中1の時に、コイツにジュース勝手に飲まれたのって・・・
あれってなに?
俺のこと、ちょっと良いかなって思ってたってこと?
でも、え~?
本当かよ?
なにこいつ? ツンデレ?
普段皆に見られてる前ではツンツンしちゃうけど~
二人っきりの時だけ、デレ解放みたいな?
ん~ もしそうなら・・・
それはそれで~
じゃあ、こいつと付き合ったら・・・
二人っきりなら、甘々デレデレ生活してくれるのかな?
秀樹・・・
とりあえず、行ってみるのも、ありなんじゃ・・・
『オ~イ! バーベキュー始めるぞ~!』
「アキラくん? 行こう!」
「うん」
でも、秀樹になんて説明しようかな?
他にも気になるヤツが居るっていうのがな~
「アキラくん? 何さっきから1人で考え事してるの?」
「えっ? あ~ちょっと、秀樹のことね」
「あ~ ルナに告白するって・・・ 気になる人がいっぱいって・・・ね?」
「うん・・・ちょっとね・・・」
ん? アッコちゃんママ?
「アキラ君、いっぱい食べてね~」
「あっ、はい! ありがとうございます!」
「なに緊張してるの?」
イヤ、だって、両親の前だし・・・
「あっちゃん?」
えっ!? 小沼・・・
「何? あっちゃんって?」
イヤ、アッコちゃん・・・ちょっと・・・
「小沼! うるさいぞ! それ!」
「だって~ 私たちの仲じゃ~ん。 あっちゃん?」
「何さおりん? 私たちの仲って・・・」
「アッコちゃん・・・こいつとは、ほらピアノの教室が一緒で、3歳くらいから知ってる仲だから・・・」
「ふ~ん・・・」
あれ・・・アッコちゃん。
ちょっとムスっって・・・
そんな~ ヤキモチ?
「アコ~ あんた気をつけなね?」
「えっ? なに? 浮気ってこと?」
イヤ・・・アッコちゃん・・・
怒らないでよ。
「浮気? アコ? 私がこいつの事って勘違いしてんの? キャハハハ! ウケる!」
「えっ? 違うの! だって・・・あっちゃんとか・・・」
「違う、違う、こいつ。 あっちゃんって私に言われるの嫌がるから、いつもふざけて呼んでるだけだって」
「本当に!?」
「アッコちゃん・・・ 昔小さい頃、美姫にずっとあっちゃんって呼ばれて、それを小沼に聞かれて、それからコイツ会う度にからかってくんの・・・」
「えっ? アキラくん、小っちゃい頃、あっちゃんって呼ばれてたの? あっちゃん・・・ ふふふっ、なんか可愛いね~ あっちゃん」
「イヤ、アッコちゃん・・・その呼び方だけはやめてくれ・・・ 学校の男子に聞かれたら、俺死んじゃう・・・」
「え~ 可愛いのに・・・」
ダメダメ・・・絶対学校とかで言ったらダメだから・・・
「それより、アコ?」
「なに?」
「高橋と川上達には気を付けなね?」
ちょっ! 小沼?
「なんで? まだわたし何かされるの?」
「う~ん・・・ なんか、金曜日、ピアノのレッスン行く途中で、あいつら見かけてさ~ なんかアコにどうこうみたいな話してたの聞こえちゃって」
「えっ? なにそれ? 怖い・・・」
もう・・・怖がっちゃうから・・・
「いちおう、あっちゃんには、その事話しておいたから、コイツが何とかしてくれると思うけど。でも、気を付けるんだよ?」
「えっ? うん・・・」
だいじょうぶだよ、俺が絶対アッコちゃんを守ってみせるから。
もうあいつらに、絶対アッコちゃんを泣かせたりしないんだから。
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