第57話 別れ話するのに、弟同席させるのヤメテくれん?
秀樹が帰って、もうこの家には誰もいない。
アッコちゃんと、二人っきり・・・
二人っきりならエッチな事しても良いって前言ってたし。
あ~なんか間違いが置きそうな予感がする。
「もう、なに? さっきから、くすぐったいよ~」
「だって、金曜日アッコちゃんと、学校で別れてからずっと会え無かったから寂しかったから」
「寂しかったの?」
「うん・・・」
「それで、そんなに私にくたって寄り添て、甘えてるの?」
「うん、だって、アッコちゃんを近くで感じてないとすっごい不安になるから」
金曜日学校が終わってから、今日だってさっきまで丸1日だよ。
付き合い始めて、こんなに会え無かったのなんて、初めてだもん。
ううう、アッコちゃん・・・スリ、スリ、スリ。
「もう、甘えん坊さんだな~ てか、アキラくん? この石造ってどうやったら反応するの?」
「えっ? う~ん、お城に戻って、色々人に話しかけたら何かわかるかもよ」
「そうなんだ~ 行ってみよ~っと」
なにかエッチなイベントが発生しないかちょっと期待したけど・・・
アッコちゃんが、ドラクエしたいって言いだして。
今現在、ドラクエを俺の膝の上で一生懸命プレイ中・・・
エッチなこと・・・期待して1時間。
本当は20分程度で突破できる謎解きに、1時間かかってる所だ。
井戸の上のおばあさんに話かけて、へんてこな真珠を持って、石造に行かないと。
次のイベントのフラグが立たないんだよな~っと思いつつ。
でもあんまりネタバレをすると、アッコちゃんの機嫌が悪くなるから。
小出しにかつ、ぼかしたヒントを出しながら誘導しているところだ。
アッコちゃんRPG苦手なのかな?
でも、楽しそうだからイッカ。
1時間ゲームを1人でする美少女、全然見てるだけで飽きない。
アッコちゃん・・・大好きすぎる。
スリスリしたい・・・
「ちょっと、くすぐったい! クビにキスするのヤメテ!」
「だって・・・」
「もう、くすぐったい。 キャハハハ、やめて~」
「アッコちゃん・・・好き・・・」
―――ただいま~
あれ? 美姫? 遅くなるって言ってなかった?
玄関が開いた音と同時に、下から美姫の声が聞こえて、時計をチラっと見た。
ありゃもう17時だ・・・
―――アキラ~ いるの~?
美姫がドスドスっと足音を立てながら階段を上って来て。
無神経に、扉を勢いよく開けてズカズカと部屋に入って来た。
また、邪魔者が・・・
でも、もうアッコちゃんもお家に帰る時間だもんな。
「アッコちゃん来てたの?」
「あっ、美姫ちゃん。 おじゃましてます」
「ちょっと、あんた達、エッチな事してなかったでしょうね? そんなヒラヒラした格好して・・・」
「えっ? 美姫ちゃん・・・顔が怖い・・・」
「イヤ、してね~し」
何を言ってんだ? こいつは?
てか、制服着てる。
あれ? 友達と遊びに行ってたんじゃないんだ。
「本当に? くすぐったいとか、何か声してたけど?」
「イヤ! ねえちゃん。 あれは、俺がアッコちゃんに、ちょっとスリスリしてただけだから」
「アッコちゃん、もう17時よ、家に帰らなくても大丈夫?」
「えっ!? 本当だ!? 帰らないと~!」
美姫に言われて時計を見たアッコちゃんが慌てて帰る準備をしだして。
アキラくん、またねっと言いながら部屋を出ると、そのまま急いで階段を降りて行った。
僕もアッコちゃんを追って、階段を降りていくと。
もう、玄関で靴を履き終えていたアッコちゃんが僕の方を見て。
「じゃあね~ アキラくん?」
「アッコちゃん? 明日は?」
「明日も会えるよ!」
「じゃあ、明日また遊ぼう!?」
「うん! じゃあ、10時に来るね?」
「うん!」
「じゃあね~ バイバイ」
「バイバ~イ」
なんか、あっという間だったな・・・
はぁ・・・急にまた寂しくなって来た。
「じゃあ、アキラ? 行くわよ」
「えっ? 何? どこに?」
はっ? 行くわよってどこにだよ?
◇◇◇
なんで?
えっ? これどういう状況?
はっ? なにこれ?
めっちゃ恥ずかしいんですけど・・・
「えっと? 美姫姉ちゃん? なんで俺・・・膝の上に座らされてんの?」
「これでイイの! こうしてないと、冷静で居られ無いんだから」
イヤ、俺、ぬいぐるみかよ?
姉ちゃんの膝の上に座らされて、抱っこされてるって。
しかも、ここファミレスね? フ・ァ・ミ・レ・ス!
さらに、ド近所のファミレスなんだよ!
一番同級生に目撃される可能性が大きい、週末のファ・ミ・レ・ス!
もう、こんなところ、誰かに見られたら、確実に週明けバカにされちゃうよ・・・
もうめっちゃ恥ずかしい。
さっきも、バイトの店員のお姉さんに、可愛い~とか言われて笑われたし。
死ぬほど恥ずかしいんだけど。
てか、なんすかこの人達・・・
さっきから、一言もしゃべら無いんですけど。
この二人って、いっつもこうなの?
ハ~ なんか、午前中にティファニーであったばっかりで、夕方にまたこんな所で会うなんて。
「そういえば、美姫姉ちゃん? なんで制服なの?」
「今日は、模試だったからよ」
あ~ 友達と待ち合わせって言ってたから、てっきり遊びに行ったのかと思ったら。
模試ね・・・
てか、見るなよ~
あっちのテーブルのカップルに笑われてるし。
制服着たJKに膝の上に乗っけられて抱っこされてる男の子って・・・
なんだよ、この羞恥プレイ。
恥ずかしすぎだろ!
てか、なに?
この二人・・・
別れ話し? めっちゃ空気重いんだけど。
そもそも、そんな場に弟同伴とか、マジでヤメてくれん?
恥ずかしいし、気まずいし・・・俺どうしたら良いのさ。
それにしても、美姫って、午前俺が雄太にダル絡みしたの知ってるのかな?
俺ひょっとして、これから、二人から責められたりしちゃう感じ?
なにこれ・・・どういう状況?
店に来て約30分、最初に飲み物を注文する時に軽く会話してから、まったくの沈黙状態。
そんな状況に先にしびれを切らしたのは、勿論、ウチで一番我慢が出来ない女なのだ。
「―――話ないなら帰るけど」
ヒィ! 怖い・・・抑揚の無い、いつもよりも少し低い声。
マジで怒ってる時の、美姫の声なんですけど・・・
お前! なんか言えよ! バカなのか!
そんな俺のアイコンタクト通じたのかわからないが、それまで閉じていた重たい口を開いて。
「イヤ、えっと・・・」
オイ! 重たい口を開いて、イヤ、えっとって何だよ! バカなのかテメーは!
イヤわかるよ、美姫のこと怒らせたくなくて、慎重に言葉選んでたら、しゃべれなくなるヤーツね?
めっちゃ気持ちわかるけどさ~
それ、逆効果だから~
もっと、頑張ってでも普通に話す努力しないと・・・
そんな雄太の心配をして、頭の中で勝手に実況開設していると。
「さっき本屋で、10分会話が続かない彼とは別れた方が良いって書いてあった・・・」
あ~ 美姫姉様!? 手出しちゃったの?
手出しちゃったか~ その手の本に手はだしちゃダメなのよ・・・
そういう心理の時に、そんな内容の本を読んだら、そうなのかって思って、簡単に迎合しちゃうんだからさ~
まったく、そういう本を書くヤツはだいたい人の気持ちのわびさびが分からない、自信過剰なコミュ力お化けが書いてるんだよ。
こういう緊張感のある間柄だと、どうしたって、スポスポ言葉なんて出て来るわけないんだからさ。
しかも、相手のことが好きで、大事な大事なほど、言葉って慎重になるだろうし。
だったら、相手に共感を持って接しましょう系の、啓発本の方がよっぽど人に優しいっていうか。
思いやりのあるひとが書いている本だと思うワケなんだけど・・・
まあ、そんな本を手に取るきっかけ作った雄太も悪いっちゃ~悪いんだけどさ・・・
これまで、付き合って来て、毎回そうだったわけじゃないだろうに。
こんな、重苦しい雰囲気の空気の中で、美姫ちゃんさ~ 今日の制服姿もカワイウィネ~なんてバカみたいなテンションで気軽に話せるヤツなんてそうそういないだろ。
そりゃ、10分会話も続かないって美姫さん・・・
でも、雄太! ここで何か言葉を返さない、本当に終わっちゃうぞ!
お前、それでも良いのか!? お前の美姫への好きって気持ちはそんなもんなのかよ!
『あなたがいない人生なんて考えられない』『君なしでは生きていけない』じゃなかったのか!?
「えっ? 10分・・・えっと、イヤ、まずその・・・ごめん。 昨日は酷い事言い過ぎたかもしれない」
「かもしれない?」
あ~あ・・・『かも』とか言っちゃった。
そこは、謝るならストレートに謝んないと。
そして、すかさず、それを拾う美姫も美姫というか・・・
それにしても、何だよその含みのある言い方さ。
そもそも、誕生日を嘘つかれたってだけだろうに。
別に、連絡先を嘘つかれたワケでも無く。
そもそも、本名が全然別人だったというワケでも無く。
ただただ、誕生日を嘘ついてただけ。
しかも、出会って3カ月記念日を、誕生日と嘘をついた可愛らしい美姫ちゃん。
本当なら、11月だもんね~
でも、4月に出会って、11月までイベントごとが無くて、告白するにもプレゼントするにもきっかけがあまりに少ないって思っちゃったんだよね。
はぁ・・・我が姉ながら、なんてつつましい・・・
めちゃくちゃ、可愛いじゃねえか美姫。
それに引きかえ、自分に自信が無いからと言って。
告白して、フラれるのが怖くて、告白を先送りにしてきた、この目の前の情けない男。
3カ月記念日にプレゼントをあげたと思えば、それで済む話をだ。
これ見よがしに、嘘つかれたと言い、嘘っていうキーワードだけに、しつこく種着して。
嘘をついたという、事実だけで美姫を攻め立て、これ見よがしに、そのせいで、プレゼントさせられたことによって、損をしたとまで言いやがったこの男。
まったく、ウチの姉さんをなんだと思ってるんだ!
こんなにも可愛くて、エッチなボディの最高級グレードのJK捕まえておいて、なんだその態度!
本来なら、お前ごとき男なんかな、俺の姉ちゃんと一緒に3分でも会話で来たらありがたいと思えよな!
それなのに、お前は、俺の姉ちゃんにキスをして!
あげく、カラダは触らないでという、姉ちゃんのお願いなんて棚に上げて忘れさり!
ただただ、お前の欲望だけで、姉ちゃんのおっぱいを鷲掴みにする!
まさに、ゲスの極み!
あぁぁ、何か俺までイライラしてきた。
てか、雄太よ・・・テメー何がしたいんだよ。
嘘ついてごめんなさいとか美姫に言わせたいとか思ってんじゃね~だろう~な?
美姫は絶対に謝んないぞ。
だって、美姫は、悪いと思ってないモン。
てか、美姫と関係続けたいなら、嘘つかれたけど、なんだ~ 本当の誕生日11月だったんだ~
なんか、2回もお祝い出来て~ 逆に良かったね~ くらい言えば良いのに・・・
嘘つかれたって事実だけに執着するからこじれるのにバカなんお前?
人を幸せにする嘘なら、良いじゃんよ。
器がちいせ~な~ 相手は4つ年下のJKだろ?
「イヤ、午前中にその、アキラ君に美姫とちゃんと向き合って話しないとって言われて・・・」
「アキラに? 午前中?」
はぁ? ここで、いきなりそれカミングアウトしちゃう?
俺が言ったから、話に来ましたって、なんですかその態度?
てか、美姫に言うなよそれ・・・
お前、余計なこと言うなって俺が美姫に怒られたらどうするんだよ!
「うん・・・ それでちゃんと話しないとって思って」
「ちゃんとって何? 私は嘘つきで信用できないんでしょ? そういうことでしょ?」
「イヤ、信用できないとかじゃ無くって。 その・・・なんて言うか・・・」
「なに? はっきり言って?」
そうだよはっきり言えよ!
てか、お前・・・まさか、まったくの無策、ノープランでこの場に飛び込んできたわけじゃないだろうな?
俺に言われて、美姫と話さなきゃって脳死でアポとって、ここにノコノコ来たんじゃないだろうな?
いまの美姫は感情的にしか話出来ないんだぞ。
時間を置いた方がよかったと思うけどな~
特に美姫なんてメンヘラっターさんなんだから。
しばらく放置して、本当に別れちゃうの?
って、少し美姫が不安になって、色々考えさせてから、改めて話をした方が効果的な時だってあるのにさ・・・
あ~ もう、これ・・・
今日・・・ダメじゃね?
「イヤ、その。 だから、美姫のこと信用してないなんて一言も言って無くて。 僕が言いたいのは、その・・・」
「なにが言いたいの? はっきり言って?」
そうだね、はっきり言って欲しいよね?
嘘ついたの謝れってね~
でも、謝る気無いもんね~? ね~ 美姫ちゃん?
だから、この話オワリなのよ。
もう詰んでます・・・これ・・・
はい残念・・・雑魚乙って感じかな?
GG
てか雄太のヤツ、さっきから俺の方をチラチラ見てくるけど、なんなんだよ。
俺、助け舟なんて出せないよ。
だって無理だもんコレ。
それに、俺だって美姫と同じ気持ちだもん。
それに、俺・・・美姫のおっぱい鷲掴みにしたこといまだに根に持ってるから。
それに、美姫とキス・・・お前ごときが美姫とキスって・・・俺の姉ちゃんだぞ!
だから、ぜって~ お前にだけは助け船なんて出さない!
お前が、嘘ついたの謝らせたいっていう気持ちを我慢して、美姫を許して。
心が狭いこと言ってゴメンって、誠心誠意お前がだ・・・
お・ま・え・が!
美姫に謝らないと、先に続かないんだよこの話は!
あ~ もう帰りたい。
それにしても、助け船だ~
延長サスペンデッドにするしか無いぞこんなの。
「姉ちゃん? もう今日帰らない? 雄太も考えまとまってないみたいだしさ」
「・・・んんん」
「姉ちゃん? 僕お腹すいた~」
美姫に最大限の甘えん坊さんの弟ムーブをかまして。
ウルウルした瞳で美姫を見上げて、可愛さアピールをする俺。
「そっか・・・ごめんね、アキラ・・・ じゃあ、帰ろっか」
「うん♪」
雄太・・・これで時間は稼いでやったからな。
これはルスツに連れて行ってくれた礼と、武士の情けのようなもんだからな。
後は、自分で何とかしろよな。
「じゃあ、雄太、私達帰るね」
「えっ? ああ・・・うん・・・」
◇◇◇
家に帰って来るなり、いつものように制服のまま、ボフッと音を立てて倒れ込むようにソファーにうつ伏せになる美姫。
もうかれこれ30分このままだ・・・
あまりに動かないので、心配になりソファーの近くまで行き。
美姫の頭をヨシヨシしながら、慰めてあげてるのに、まったく反応が無い。
「お姉ちゃん、晩御飯どうする?」
「うん・・・」
「食欲無いかんじ?」
「たべる・・・」
食べるんだよ・・・
えっと、食欲正常っと。
「なんか作る?」
「いらない」
「ピザでも取る?」
「うん・・・」
はぁ・・・ピザなら食うと。
素直でよろしい。
そう言えば、昨日もこんな感じでずっと死んでたっけ。
でもなぁ~ 俺だってさ、ずっと我慢してたけど。
無理だよ、こんなの・・・
だって、僕の大好きな綺麗な脚が・・・
昨日とまったく同じような状況なんだよ。
お姉ちゃんにアレはダメよって言われちゃったけど・・・
でも、これは・・・
我慢しろって言う方が無理があるというか。
どうしてお姉ちゃんって、こうもエロイかな~
イヤ、女子高生がソファーでスカートまくれて、パンツ丸出しで脚まで綺麗に見えちゃってるって。
別に姉ちゃんじゃなくてもエロイちゅ~の!
こんなの、我慢するなんて無理だよ。
お前をそんなエッチな子に育てた気はないとか言われても・・・
お姉ちゃんが、いっつも僕を誘惑してくるんじゃないか。
ダメだ、ダメだと頭ではわかっちゃ~いるけど。
どうしたって、我慢なんて・・・
くぅ、グハッ!?
はぁ、はぁ、はぁ・・・
また現れたな・・・俺の内なる破滅の暗黒神が・・・
グゥハッ! ヤメロ、俺の右手を勝手に。
くぅ、ダメだ。
昨日お姉ちゃんに怒られたばっかりだろ!
ダメだ、こんなの・・・
ふっ、何を良い子ちゃんぶってんだよ。
美姫だって、こんなのクセになっちゃうとかエロエロな事言ってたじゃないか?
うん、それはそう。
でも黙れ!
彼氏と別れる寸前で、シナシナになってる可哀そうなお姉ちゃんにそんな事をするなんて。
昨日は、まだ、雄太と喧嘩になったとか聞く前だったからアレだったけど。
色々、首をつっこんだあげく、別れそうになってて、めっちゃ落ち込んでる美姫にそんな・・・
ダメだ、ヤメロ・・・
お姉ちゃん! ダメ~ 逃げて!!
――――――あぁぁぁ・・・これは・・・
とっても、心地が良きであります・・・
そして、僕の心を静めるような、この温もり。
そして、大好きなお姉ちゃんの香り。
はぅ~ ダメよって言われても。
はぁぁ・・・たまらんです、このサラサラな感触。
お姉ちゃんの香り・・・
今日は、お姉ちゃんと明日まで二人っきり。
そう・・・誰も俺を止める人がいない。
お姉ちゃん、逃げて・・・
僕は、僕は、もう・・・理性を手放して・・・
あぁぁ、お姉ちゃん。
そんな、可愛い反応しないで。
お姉ちゃん、お姉ちゃん・・・
大好きだよ、僕のお姉ちゃん・・・
もう、いつまでだってこうしてられる。
お姉ちゃん・・・
「―――だぁ~! もう! 昨日それはダメって言ったでしょ! バカ! エッチ!」
「えっ? はっ!?」
「ハッ! じゃないわよ! あんた、ワザとやってるでしょ!?」
「イヤ・・・俺の内なる破滅の暗黒神が・・・」
「もう、バカな事言ってんじゃないわよ~ バッカ~」
はぅ! また、その・・・甘えた感じのバッカ~って。
しかも、ハニカミながらの上目使い風の、アザトヒロインのようなそのリアクション。
姉ちゃんこそ、ワザとだろそれ・・・
そうやって、可愛い自分を演出して、弟を篭絡しようと・・・
「もう制服しわになっちゃうでしょ!?」
「それは僕のせいじゃないもん! お姉ちゃんが制服着たままソファーにダイブするからだろ!」
「じゃあ、アキラが制服脱がせて、着せ替えてくれればよかったでしょ!?」
イヤ・・・そんな無茶苦茶な・・・
「じゃあ、着替えさせてあげるから、バンザイしてよ」
「えっ? えっ、えっと・・・こう、したら、良いの?」
なんで・・・そんな素直に。
えっ? そんなこと、えっ?
本当に脱がせてしまいますけど?
「じゃっ、じゃあ・・・脱がすよ?」
「うん・・・」
イヤイヤ、えっ? これってなに?
触るのはダメだけど、脱がすのありって・・・
お姉ちゃん?
「アキラ・・・スカートも・・・」
「えっと、イヤ、これ腰の所で折れてて、ファスナーが・・・」
「もう、しょうがないな・・・うんしょ、うんしょっと・・・コレでイケる?」
「まぁ・・・」
イヤ、ますますアレなんですけど?
「ねぇ、アキラ・・・寒い。 服・・・持って来て?」
くぅ~ もうどんだけ可愛いんだよお前は!
上目使いで、そんな可愛くお願いしてくんなよ~
もう、お姉ちゃんのバカ~
僕は、お姉ちゃんの前から走って消えると。
そのまま、脱がせたセーラー服の上下を手に持って、二階へ駆け上がり。
お姉ちゃんの部屋で、セーラー服にハンガーを掛けて、壁に掛けると。
そのまま、クローゼットを漁って。
今、一番見たい美姫の姿になるよう。
チェックのミニスカートに、お腹がチラ見えする丈のオフショルキャミを手に持って、急いでリビングに戻り。
バンザイをする美姫にスポットキャミを被せ。
脚を僕の膝に投げ出してくる美姫の足にスカートを通して、そのままずり上げて行き。
タイミングよく腰を浮かせるように美姫がソファーの上でジャンプした隙に、スポットスカートをはかせ。
ワォ! かわゆい・・・
可愛すぎるよ、お姉ちゃん!
そして、ミニスカから見える脚がまた綺麗だな~
しかも、今日のお姉ちゃんは最高です。
なんてったって、パンツの色が白なんですもの・・・
この間のレオパード柄パンツにはドン引きしたけど。
くぅ~ こんな可愛い着せ替え人形がこの世にあって良いのかよ。
はぁ~ ずっと見てられる・・・
「ねぇ・・・アキラ?」
「な~に・・・お姉ちゃん?」
「あのね、私に見惚れてところとってもゴメンだけど。 もう夏じゃないのよ?」
「わかってるけど、家の中は夏みたいんなもんじゃん? それで良いと思うんだけどな~」
「ねぇ・・・私、可愛い?」
「うん、めちゃくちゃ可愛いよお姉ちゃん」
「もう、どうして、お前の目がそんなハートマークになってのよ? お姉ちゃんだって、そんな目でジロジロ見られてたら勘違いしちゃうじゃない・・・バッカ」
はぅ~ また、その少し頬をぷくっとさせてのバッカ・・・
そうやって、逆に俺のことを勘違いさせようとしてるのはお姉ちゃんの方だろ。
「ねえ? アキラ? 昨日と良い、今日と良いさ・・・お姉ちゃんにあんなことして、どうする気よ?」
「どうする気って言われても。 お姉ちゃんが悪いんでしょ。 パンツ丸出しにして、そんなソファーで無防備に・・・」
「しらないわよ。 スカートがめくれてたんだったら、直してよ・・・」
「そんな、勿体ない事出来るわけが・・・」
「もう、アキラのエッチ! お姉ちゃんがその気になってたらどうする気だったのよ! 責任とれるの?」
「そんなこと言ったって、甘えて良いっていったのお姉ちゃんじゃん」
「言ったけどさ・・・言ったよ。 でもさ、アキラ・・・どこまで、その気なの? お姉ちゃん、本当に、本当にその気になっちゃっても良いの?」
「そんなこと言うけど。 じゃあ、昨日お風呂で僕の事抱きしめて、その気にさせるようなことしてくるけど。 お姉ちゃんこそ・・・じゃん?」
「今日は、お父さんもお母さんもいないのよ?」
えっ!? なに・・・それ?
急に、何か意味深なこと言いだすじゃん?
お姉ちゃん!?
「なにそれ・・・何が言いたいのさ?」
「少しくらいなら、声だしてもバレないよ。 どうする、アキラ?」
「どうするって言われても、良くわかんないよ、そんなの」
「そうやって、都合悪くなったら弟みたいになるし! ダメ! アイツに傷つけられて、お姉ちゃんの心はもうズタボロなのよ! アキラがちゃんと慰めてよ!」
「慰めるって言葉に、色んな意味合い込めて言わないでよ! お姉ちゃんこそエッチじゃん!」
「なによ~ 私、なにもエッチなことしたいとか、エッチなことしてなんて言ってないわよ~ な~に~ アキラ~ 色んな意味合いを込めるって、どういうこと? お姉ちゃん、初心でまだ処女でなにも経験ないからわかんな~い。 ね~ぇ、お・し・え・て? アキラ?」
「うぅぅぅ・・・それ、もう色んなこと知ってる人の感じでしょ! 何が初心だよ! 経験ないだけで、色んなこと知ってるようにしか見えないよ!」
「なによそれ~! 本当に知らないモン! この間、アキラが寝ぼけて夜這いして来た時、お姉ちゃん初めて・・・」
「夜這い? 初めてって?」
「だから、アキラが寝ぼけて、お姉ちゃんのカラダにね。 ・・・とかして、・・・して、・・・とかしてくるから、お姉ちゃん・・・それだけで気持ちが良くなちゃってたのに。 アキラが、私のことギュッと抱きしめて、大きくなったアレでイジメてくるから、その・・・お姉ちゃん、変になっちゃって。 たぶんね、アレって・・・アレだと思うんだ」
「イヤ・・・えっ? それって、この間の夜のこと?」
「そうよ、ルスツから帰って来た夜よ。 アキラも、私と一緒で気持ち良くなって、あんな風になったんでしょ?」
「えっ? イヤ、だって。 えっ? お姉ちゃん・・・アレって」
「だから、たぶん、アレ・・・わたし、イッチャッタんだと思う・・・あの時」
「僕がやったの・・・それ?」
「そうよ、さっきみたいにされたら、お姉ちゃんもうダメなの・・・バッカ。エッチ」
俺の内なる破滅の暗黒神よ・・・
寝てる間に、この俺の肉体を乗っ取って何を・・・
とんでもね~ことしてくれたな~オイ!
しかも、さっきみたいにされたらって。
じゃあ、さっさと止めてくらたらよかったのに、あんな・・・お姉ちゃんが可愛い反応するから。
うぅぅ、ダメだ・・・
封印しないと。
美姫の誘いに安易に乗り過ぎなんだよ。
あんなの、絶対誘ってるとかしか思えないじゃん。
やばい、マジでヤバイ・・・
このままお姉ちゃんに流され続けたら、もういつかは・・・
差し迫って、今のお姉ちゃんのオーラが、今日もうすでに危険だと言ってる気がする。
ダメダメだ、マジで自重しないと、こんなの危険が危なさ過ぎるよ・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
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