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第51話 イジメ騒動のその後


「え~ 小西先生は体調不良で長期の休暇を頂くことになりました。 代わりの先生が来るまで、今日からしばらく僕が君達の授業を担当します」


尾崎先生・・・


体調不良で長期休暇って言ってるのに、代わりの先生が来るまでって。

それもう、小西は来ませんって言ってるのと一緒じゃん・・・


あの後、俺は尾崎先生に証拠の映像、音声を提出して、その場で校長、教頭、尾崎先生とでパソコンで映像と音声を確認してもらった。 そのうえで、朝の俺と小西との会話を録音したデータもその場で再生して、皆に聞いて貰った。 もちろん、休みの日に勝手に学校に入った事は、しっかりと怒られたんだけど・・・



先生方にイジメの証拠を見せてからの対応は意外と早かった。


高橋、谷口、溝口、川上、それと長澤と小林まで、全員親が学校に呼び出しを喰らった。

 

クラスでは、尾崎先生が事情を説明して、それぞれ一人ずつ別教室に呼び出されて、過去にどういったイジメが存在していたのかクラス全員へのヒアリングが実施された。

そこで、過去のイジメも含めて、あの4人の悪行があらわになったわけだ。


まあ、俺も尾崎先生含めて、学校の対応に誠意や本気、熱意を感じた。

だから、マスコミや教育委員会へ、録音データや映像データの送付はしないことに決めた。


リコーダーやピアニカへ悪さする映像を親達が見た時は、表情は青ざめてめちゃくちゃショックを受けている様子だったけど。 人に対する妬み嫉みでしか物事考えることや、行動が出来ない子供へ育てたのはあんた達なんだから・・・ 同情する気にはなれなかった。


リコーダーとピアニカについては、親同士が話あって、新しい物を購入して弁償をするということで話がまとまったようだ。


小沼も相当ショックを受けていた様子で、ずっと教室で泣いていた・・・

まあ、完全なるとばっちりだからしょうがない。


これで、アッコちゃんへのイジメが無くなれば良いんだけど・・・

逆恨みで、変な事をしてこないか、それがいまは少し心配だ。


その後も、教育委員会のイジメ対策の担当なのか、そういった人達がウロウロして、学校は一時期騒然としていた。



最後、俺が職員室を出る時に、小西をチラっと見た時に、めちゃくちゃこっちを睨みつけていたのが最後のアイツの姿だった。 あんなクソみたいな対応してたら、こうなる事ぐらい分かってただろうに・・・ 俺は最後、お前にチャンスをやったんだ。


それを不意にしたのはお前なんだから、自業自得なのに、人を恨むなんてお門違いだ。

俺をあんな表情で睨みつけるとか、人を恨む前に自分を見つめ直せよクソが・・・

ひとり、どこにぶつけて良いか分からないイライラと戦ってたワケだけど。



なんか、今回の問題は、リコーダーの件とか、色々後味の悪いことばかりだ。

これで、しばらくあいつらも大人しくしてくれて、アッコちゃんにとって、過ごしやすい環境になれば良いのにと本気で思う。


そして、俺も教室でちょっと居心地が悪いわけなんだけど・・・

それもそうだ、小学5年生で大人の先生とバッチバチにやり有ったワケだから。

まあ、あの子達からしたら、ちょっとしたヤンキーみたいに写っているのかもしれない。


なんとなく、腫れ物を触るような接し方ばかりしてくるようになってしまった。

しばらくは、しょうがないかなっと思い、前みたいに大人しく過ごそうかなと考える。



結局、小西から謝罪なんてあるワケも無く・・・

いじめっ子組からも、ごめんなさいなんて一言も言われてない。


当のイジメっ子組は、ここ2日間はずっと学校を休んでしまってるし。

そして、小西もあの日を最後に体調不良の(てい)で長期休暇ってことになってるらしいし・・・

あくまで、表向きはだが。



そこで、新たに来た仮担任が、冒頭であいさつをしていた尾崎先生ってわけなんだけど。



いつもは、苦虫を噛み潰したよう表情の尾崎先生が、仮担任中はめちゃくちゃニコやかで。

適度に冗談を言ったりして、生徒から笑いを誘って、クラス全体が変に沈まない様に気を使ってくれてるようだった。


見てて、ああこの人は本物のプロの先生なんだなっと、ただただ関心して授業を受けていた。



「え~ 代わりの先生は、来週には来ていただける予定なんだけど、新しい先生を待ってたら色々間に合わないこともありそうなので~」


もう完全に新しい先生になるのか、まあ小西なんて二度と会いたくないから良いか。

それにしても、対応が早いなっと改めて関心する。


「よし、じゃあ次の時間は、10月21日の滝野宿泊学習の班分けについて決めたいと思うんだけど。 どうする? どうやって決める?」


『好きな人と組みた~い』

『くじ引き~』

『え~ くじ引きなんてイヤだ~』


皆な、切り替え早いな・・・

 

そうだった、滝野宿泊学習があるんだった。

札幌にある『国営滝野すずらん丘陵公園』にある青少年の家に泊まる、1泊2日の宿泊学習だ。


カレーを自分達で作る炊事学習に、滝野すずらん丘陵公園内のハイキング、夜にはキャンプファイヤーや肝試しみたいなナイトハイクなどをする。


「アキラくんと、班一緒がイイな~」


アッコちゃんがボソッと隣の席でつぶやいた。

そんなの、聞き逃がすはずも無く。


「アッコちゃん、絶対に一緒の班になろう!」

「えっ!? うん、一緒が良いね♪」


アッコちゃんも笑顔が戻ったし・・・

それだけが俺にとっての救いだ。


「あ~わかった、じゃあ、いったん好きな物同士で6~7人で班作ってみろ。それからどうするか決める! ハ~イ、じゃあ休み時間」


えっ? 尾崎マジ? お前は聖人か?


「アッコちゃん、一緒になろう?」

「イイよ! じゃあ、希美も良い?」

「もちろん、あと女の子は・・・ あゆみちゃんは?」

「ああ、イイね~」


アッコちゃんと二人で声をかけまくって、とりあえず速攻メンバーが決まった。

いつもの、アッコちゃんと俺、藤さん、木下、後は、剛と図書委員で仲の良いあゆみちゃんの6人だ。


これで炊事学習のカレーも、ハイキングも~全部アッコちゃんとずっと一緒に居られる。


「ねえ? アキラくん? 寝るのも一緒かな?」

「イヤ・・・滝野の青少年の家でしょ? 寝るのは男女別々のはずだよ」

「そうなんだ~ な~んだ・・・」


あれ・・・アッコちゃんメッチャ落ち込むじゃん。

まあ、俺もアッコちゃんと同じ布団で寝たいけど・・・

 

宿泊室は、1室12名程度で男子と女子は別部屋だ。

アッコちゃん、そんな落ち込むって・・・


なに? 俺と一夜を・・・

なんか、さっきのあの落ち込む姿から、色々とエロイ妄想を初めてしまう俺。

あんな事があったばかりで、気持ちがザワザワしていたのに、アッコちゃんとの事になると頭の中はすぐにピンク色になってしまう・・・


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