第48話 何かタイムリープしようとしたら女神に怒られた・・・
今頃、小西のバカ。
俺の家に電話かけてんだろうな。
ふん、捕まってたまるかって。
急げ~ 円山キッドランドに・・・
タイムリープで過去に戻って、黒板に落書き書いた犯人見つけて。
絶対に証拠をつかんでヤル。
そして、さっきの小西とのやり取りをもう一度繰り返して・・・
それもICレコーダか何かで音声録音してやって、アイツを社会的に抹殺してヤル。
まさか、イジメを見て見ないフリするとか、アソコまでクズだったとは・・・
一度家に帰って、親に見つからない様に自転車を持ちだし、円山キッドランドを目指す。
円山動物園に併設されてる、子供頃に親に良く連れてって貰ってた遊園地だ。
2010年に閉円してしまったのだが、ドラゴンやちょっとしたジェットコースターがあって。
動物園に行ったついでに乗りものにも乗って楽しかった思い出の場所だ・・・
でも、いまは2000年・・・
すっかり忘れてたけど、まだキッドランドがあるんだ。
タイムリープに必要な第一段階の高い所から落ちて、あの浮遊感による胸のクワって感じになるヤツ。
キッドランドにあるドラゴンに乗れば、行けるっていうのはルスツで検証済みだ。
後は、第二段階だ。
大人の俺がタイムリープした時は、東京の銀座線。
子供の俺に戻ってから経験した2回目のタイムリープは札幌の地下鉄。
3回目は、ルスツで乗ったジェットコースターだ。
だから、おそらく一定以上のスピードで直進するような乗り物に乗れば、タイムリープの第二段階はクリアできるんじゃないかと今は思っている。
キッドランドにも、ショボいけどループコースタってジェットコースターがある。
あれで行ければ、ラッキーだけど・・・
でも、キッドランドのジェットコースターはショボいんだよな・・・
スピードも遅いし、距離も短いし。
ワンチャン、タイムリープが出来ない恐れだってある。
でも、その時は、自転車で地下鉄の円山駅まで速攻行って、地下鉄に乗ればOKだ。
保険もバッチリ、あとは実行に移すだけなんだ。
本当は、ロト6の高額当選のために考えていたキッドランドを使ってのタイムリープだけど。
俺は、黒板に落書きした連中の現場を押さえて、確実な証拠を手に入れるんだ。
そして、あの教師失格の小西・・・アッコちゃんのためにアイツにも・・・
そのために、いまから俺はタイムリープをするだ!
しっかし、最近は何があるか分からないと思って、準備しておいたよかった。
常に1万円は隠し持って学校行ってたお陰で、家に入らずにチャリを回収して出てこれた。
入園料だって全然問題無いしだ。
でも、戻るとしていつに戻る?
あの黒板の落書きっていつ書いたんだ?
学校なんて早くたって朝7:45にならないと入れないだろうし。
あの落書きの内容だし・・・
まあ4~6人で書けば、10分くらいで書けそうではあるけど・・・
でも、誰にも見られない様に、事を済ますんだったら、この3連休で学校に入って書いたとか?
とりあえず、1日前の月曜日に戻って、学校を調べてみるしかないよな。
まずはなによりも、タイムリープしないと・・・
ふふふっ、来てやったぜ! 円山キッドランド!
小学5年生でチャリで円山まで・・・
イヤ、知ってはいたけど、めっちゃ坂ばっかりで超疲れたよ。
来るのにかなり時間かかっちゃったな~
えっと・・・
回数券と乗り放題のフリーチケットどっちを買おうか?
ん? 関係無いや。
タイムリープしたら、お金なんて戻ってくるようなモンだし。
関係無いフリーチケットだ!
よし・・・さっそく、ドラゴンだ。
『安全バーが降りたら、しっかりと捕まってください。では行きま~す プルルル』
よし、これでタイムリープの第一段階は・・・
ゆっくりと、ドラゴンが動き出す。
次第に、ふり幅が大きくなり・・・
来る・・・来るか?
一番上まで来た~ ん~ 落ちる落ちる落ちる。
クワッ・・・ キタ~ この感覚!
パッ! パッ! パッ!
キタ! 光の点滅!!
よし! これでタイムリープの第一段階はクリアーだ。
次は、ジェットコースタ・・・
イケるのか・・・あのショボいループコースターで?
よし、今の時間は・・・9:37・・・
一定時間たつと、第一段階の効果が切れるのものルスツで経験ずみ・・・
ループコースターがダメなら、もう1回、ドラゴンからやり直さないといけないから。
第一段階クリアした後の有効時間も把握しておかないといけない。
よし、ループコースタ・・・
これで行ければ・・・
『安全バーを下ろしします、しっかりと握っていて下さい。 では行きま~す プルルル』
よし・・・行け・・・
まず登って・・・右に曲がって・・・
頼む! タイムリープさせてくれ!
よし、スピードアップ・・・
1回転して~ んんん・・・
んんん・・・ ん?
あれ?
あれがない・・・
光の『パッ! パッ! パッ!』ってヤツ・・・
やっぱり、このジェットコースタじゃダメって事?
え~ どうするよ・・・
しょうがない・・・じゃあ、ドラゴン乗ったら速攻自転車で、円山駅に行って地下鉄に乗るしかない!
とわいえ・・・ドラゴンからやり直し・・・
その前に、さっきの第一段階の効果が切れるの待たないと・・・
何分で効果きれちゃうんだろ?
今は・・・9:41か・・・
ちょっと、ベンチに座って待つか。
あ~ もう・・・もどかしい・・・
早く、効果切れろ。
今頃、学校から連絡入って、お母さんとか怒ってるかな?
でも関係無いや、タイムリープしちゃうえば全てチャラだ。
クラッ!
キタ!! 目の前が真っ暗になるヤツ!
えっ? 今時間は?
9:50・・・
ってことは、13分?
第一段階と第二段階の有効時間が13分ってことか・・・
よし、これなら自転車で、円山駅まで行って地下鉄乗るなんて余裕でしょ!
よし! それがわかれば、ドラゴンから再チャレンジだ!!
急げ、急げ!
『安全バーが降りたら、しっかりと捕まってください。では行きま~す プルルル』
そして、またゆっくりと、ドラゴンが動き出す。
次第に、ふり幅が大きくなり・・・
一番上まで・・・
ん~ 落ちる落ちる落ちる・・・
なんどやってもこの・・・感覚は・・・
クワッ・・・ キタ~ この感覚!
パッ! パッ! パッ!
ヨシ!! 光の点滅!!
これでタイムリープの第一段階はクリアー。
次は、地下鉄に・・・
急げ俺! 自転車で円山駅に行かないと・・・
ダッシュだ!!!!
駅までは、全部下り坂だ・・・
13分なんて余裕で行けるっしょ!
このために、チャリで来たんだからな・・・
よ~し、イケーーーーーー!!!!
坂道を利用して加速だ加速ーーー!!!!!!
ふっ、車に追いついちゃうよ。
なんか、ツールドフランスのダウンヒルみたい・・・
急げ! 急げ! 加速しろ!!!!
ヤバ・・・前の車に追いついて来てる・・・
今・・・俺何キロ出てるんだ?
んんん!!? カーブ・・・ ヤバイ・・・
これハンドル切ったら、確実に転倒するヤーツ!!
ダメだ! これ体重移動でバイクみたいに曲がらないと・・・
もう、なんで直線じゃ無いんだよ・・・
結局、タイムリープ・・・命がけかよ!?
よし、カーブ抜けたぞ!!
イケーーーーー!!!! ウォーーーーーーー!!!!
パッ! パッ! パッ!
えっ!? なんですと!?
今・・・光の点滅起こったか?
って、ヤバい!!
またカーブ!!
ンンンン!!!! 曲がり切れ俺~ 死ぬーーーー!!!!
ンンンンン!!!!!!! ヤバイ~これマジ死ぬヤツ・・・
ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・
抜けた・・・ よし・・・ もう坂は無いし・・・
スピード落として。
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これはフィクションです。自転車を乗る時は、
交通ルールを守って乗りましょう。
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ん? なんだいまの・・・
でも・・・行けたんじゃね?
今の坂道下って来た時、絶対光点滅したよな?
これでタイムリープ成功なんじゃね?
後は・・・寝るだけ・・・
寝るだけ・・・
なんか、やっぱり俺のタイムリープって・・・
超ダサい・・・
普通さ~ さっきの自転車で道交法無視しちゃってさ~
車並みのスピードに達して、イケーーー ウォーーーって言って。
光が点滅した瞬間に、タイムリープ! イエ~イ、大成功!!
みたいの、映画とかアニメじゃ定番じゃんかよ~
なんで、俺はこの後、寝ないとタイムリープが出来ないんだよ?
はぁ~ とりあえず・・・
寝るところ・・・
円山公園の中で寝るしか無いか。
あそこで良いか・・・グランド脇の東屋みたいな所・・・
よし、ここで。
ハァ、ハァ、ハァ・・・
自転車全力で漕いだせいで、息が・・・寝れないよ~
第一段階と第二段階の間は13分だったけど、寝るまでの時間はある程度猶予があるのは知っている。
1回目タイムリープした時だって、寝るまでは少なくとも1時間は立ってたはずだ・・・
よし・・・落ち着いて来た・・・
このまま、眠って・・・
・・・・・・
・・・
・・
・
ん!? 眩しい!!
夢・・・か?
夢の中? キタ・・・タイムリープじゃん。
「もう! 危ない事するわね!?」
えっ? 怒られてる・・・
「死んじゃったら、タイムリープ出来なくなっちゃうのよ!」
あれ? いつものお姉さんめっちゃ怒ってるヤン・・・
「だって・・・」
「だってじゃ無いでしょ!! あなたが死んだらどうするのよ! バカ!」
イヤ、そんなアッコちゃんみたいな口調で言われても・・・
なんでそんなに怒るかな~
もういいから、さっさとタイムリープさせてよ~
「もうあんまり無理しないで、お願い! 分かった!?」
ん~? この言い聞かせる感じ、美姫っぽくもあるな・・・
「イヤ、いいからタイムリープさせてよ?」
「もう・・・この子は~ ふん、知らない!」
え~ うそ~ん。 何この人?
タイムリープの女神か何か?
女神が『ふん、知らない』とかプンプンしちゃって、イジケちゃうとか・・・
なに、メンヘラ女神? なんか、マジ美姫っぽいけど・・・
でも、この怒った感じ・・・アッコちゃんっぽいっていうか・・・
なんだ? この女神?
「あの~ ごめんなさい。 次からちゃんと気を付けますので、なにとぞ・・・今回だけは・・・?」
「・・・もうしない?」
「えっと・・・なるべく善処します」
「もう! 絶対ヤルでしょ? まあいいわ、どこに戻すの?」
「えっと・・・ じゃあ、昨日のお昼ごろまで戻していただければ・・・」
「もう・・・ ブツブツブツブツブツ・・・・・・」
ウワ~ まだなんか怒ってるじゃん・・・
なにこの人?
「じゃあ、月曜日のお昼ね、もう無理しちゃダメなんだからね!」
「ハイ・・・」
そう言われて、少しずつ意識が覚醒していく・・・
・・・・
・・・
・・
・
「アキラくん? アキラくん?」
ん? ここは・・・
「アキラくん? ハンバーグ来たよ。 起きて~」
「えっ? 俺・・・寝てた?」
「もう、うちらがトウモロコシ食べたいって騒ぎだしたら、急に寝ちゃったんだから~」
あ~ あの時・・・
ってことは・・・ここは昨日のお昼・・・
よし、タイムリープはとりあえず成功だ。
これで、黒板の落書き犯の証拠・・・
俺が完璧に抑えてやるぜ、見てろよイジメっ子ども。
それと、クズ教師の小西・・・絶対に証拠抑えてやる・・・
本日より、新たに「地味で恋愛偏差値0の彼女が恋をしたら、彼氏のコーデで北海道の奇跡にされちゃった」の公開を始めました。もしお時間があれば、こちらもよろしくお願い致します。更新頻度はゆっくり目の予定です。
( URL https://ncode.syosetu.com/n3749ht/ )
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