第45話 小学5年の普通の男子に恋愛なんて無理ゲーだった・・・
イヤ・・・まいったな・・・
「あんなの辛すぎるよ~ え~ん、え~ん・・・」
「そうだよ・・・ なんで、なんで最後 ピー***ネタバレ防止***ー じゃうの?」
イヤ、まあそういうストーリーだし。
そこまで・・・イヤ、まあ泣くか?
超純愛だしな・・・主人公のウィノも可愛らしいし。
「アキラ・・・どうしよう・・・」
こいつは、まったく感動も、涙腺崩壊もしてないな。
どっちかというと、面白くなかったって顔してるし。
まあ、小学5年の男子にはこの映画は早いか・・・
でも、女の子2人とも、ここまで泣かせるとは・・・
やっぱり、あの映画、良い映画だよな~
久しぶりに見たけど、やっぱり良かった。
純愛だよな~
「藤さんは、あんまりおもしろく無かった感じ?」
「えっ? だって、オッサンと若い娘の援助交際だろ? あれ・・・」
う~ん・・・
そういう見方もあるのか?
斬新な感想だなそれ・・・
たしかに、テキストにしたらそうかもしれないけど・・・
オッサンと若い女性のラブストーリーだからな~
木下・・・藤さんに映画の話題はするなよ。
どうして、あそこで感動しないの?
なんて疑問・・・もっちゃダメだよ。
そもそも、通常スペックの小学5年生に、そこまで男女の恋愛を感じ取る機微なんて無いんだから・・・
そうだな~
あと、5~6年待たないとお前ら女子と同じ目線には行けないかもしれん。
特に藤さんはダメだ。
俺が、ジャ〇プの漫画でア〇ズを面白いと言ったら、藤さんはエロい所以外面白く無いと言い放った男だからな・・・
藤さんに恋愛をどうこう語るのは、ムズ過ぎる。
ハン〇ーハンター、ナ〇ト、ONE P〇ACEをこよなく愛する男子だし。
花さか天使テン〇ンくんがめっちゃ大好きな男子なんだから。
そう下ネタが好きで、いまだにウ〇チで笑っちゃうガキなんだよ・・・
「アッコちゃん、ほら涙拭いて」
「うん・・・ありがとう・・・」
藤さん!
ほら!
ハンカチだせよ!
ほら!
そこ!
木下の涙拭いてあげて!
「アキラは、優しいな~」
イヤ、イヤ、イヤ・・・
コイツ本当にポンコツだな。
「お前ちょっとこい・・・」
「なんだよ!」
バカが・・・
こんなのあまりに木下が不憫すぎる・・・
「藤さんさ~ 木下のことどう思ってるワケ?」
「う~ん・・・ なんか最近ちょっと可愛いかもって・・・」
「一緒に居て楽しいとか?」
「そうだね、この間も一緒にゲームした時、なんかめっちゃ楽しそうに笑ってて、何か可愛いな~って思ったかも」
やっぱり、ちょっと、好きになりかけてるじゃん。
「藤さん、女の子が泣いてる時に、さりげなくハンカチとか出されて、涙拭きなよなんて言われたら、女の子はめっちゃ嬉しいはずだよ」
「へ~ そうなんだ・・・ でも俺、ハンカチなんて持ってきてないや~」
マジかこいつ?
でも、たしかに・・・
いっつも、されげなく剛の服で手拭いてるところしか見たこと無い。
「あのさ・・・藤さん、このハンカチ上げるから」
「えっ? ハンカチ、別にいらないよ」
そうじゃね~よ バカチンが~!
「お前のために上げるんじゃね~ バカチンが~!」
「ハハハハ!♪ 何それ~ 金八のモノマネ? 似てね~! キャハハハ」
・・・・・・藤さん・・・
「イヤ、そうじゃね~から。このハンカチをさりげなく、木下に差し出すの!」
「あ~なるほど・・・」
「だから、ほら! ハンカチやるって、まだ間に合うから! お願い!」
「なんで、アキラがそんなお願いするんだよ?」
わかれよバカがよ~
「木下が今日、藤さん誘ったのは、どうしてだと思う?」
「えっ? チケット余ってたからでしょ?」
「そうだけど。 でも、なんで相手が、藤さんだったか考えろって!」
「えっ? アッコちゃんが、予定あるからって言ってたけど・・・」
伝わらんかな~
そっか~ 伝わらんか~
って・・・もう!!
「女の子が、男の子を誘う時なんて、少なからず、その相手の事を気に入ってないと誘わないんだって!」
「えっ!? 木下が俺のこと?」
「そうだよ・・・ 分かれよこのバカチンが~」
「キャハハハ、もうそれ良いって~」
笑ってる場合かよバカが。
「藤さん、そんなじゃ木下に嫌われるか、それか誰かに取られちゃうよ?」
「えっ? えっ・・・」
「それでも良いの?」
「イヤ・・・それは~」
何に葛藤してんだよコイツ・・・
面倒くせ~な~
「ホラ! ハンカチ! 行け! 藤澤優斗!!」
「えっ!? オッ! オウ!」
やっと・・・行ったよ~
面倒クセ~
「ゴメンね・・・アッコちゃん・・・待った?」
「ううん・・・だいじょうぶ」
「そんな、悲しかった?」
「あんな悲しいお話ないよ・・・ 恋愛映画っていうから~」
「まあ、大人向けの恋愛映画だから~」
「そっか~ 大人って辛い事が多いんだね? ぐすっ」
「うん・・・そうだね、辛い事したか無いって、俺のいとこも言ってたよ」
「えっ? さっき言ってた32歳の人?」
「うん・・・」
そう、社畜で、家でも虐げられて・・・
あまりに人生辛すぎて。
こんな22年前まで逃げて来たくらいだからね。
「そっか・・・」
「アハハハ、てか、今度行く時はもっと楽しい映画観ようか~?」
「うん、そうだね。 ちょっと、今日の映画は悲しすぎるよ」
まあ、そうわ言うけど・・・
この後、人気の映画って、総じて悲劇物ばっかりなんだよな~
『世界〇中心で、愛をさけぶ』筆頭に、そんな流れが来るんだよな~
カップルの男女のどっちかが死んじゃうパターンのヤ~ツ・・・
楽しい映画か~
ハリー〇ッターは、1作目が公開されるの来年だしな~
「ねえ? アキラくん?」
「なに?」
「藤澤君と希美がなんか良い感じなんだけど」
「えっ? よかった・・・間に合った~」
とりあえず、木下の涙が枯れる前にはたどり着いたってことよね。
木下・・・ 藤さんと付き合うのって・・・
何気に、茨の道かもよ。
忍耐強く、男の子を教育してあげないと。
そいつは理想の彼氏にはならないぞ。
「えっ? 間に合ったって、どういうこと?」
「えっ? イヤ・・・なんでも」
「ん? 希美の持ってるハンカチ・・・」
ギョッ・・・アッコちゃんダメ・・・
「何か、土曜日アキラくんが貸してくれたハンカチと一緒じゃない?」
「へ~ なんだろうね? 流行ってるのかな・・・あのハンカチ・・・」
「ふ~ん、流行ってるね~」
「そっ・・・そう・・・」
「さっき、藤澤君と二人で、どこ行ってたの?」
「えっ? ちょっと、トイレ・・・」
「トイレ・・・ ふ~ん・・・」
イヤ・・・ちょっと?
アッコちゃん?
「まいっか・・・」
「・・・・・・」
「アキラくん? なんか、お腹空いたね?」
「うん、そうだね? 何か食べに行こうか?」
「アコ~」
「なに? 希美?」
「二人はこの後、どうするの?」
「えっ? どっかごはん食べに行こうかって話してたところ~」
「え~ イイな~ 藤澤君、うちらもどっかご飯食べに行く?」
「ん~良いけど。 じゃあ、アキラ達と一緒で良いんじゃないの?」
デタ! これだもん・・・ ダメだコイツ。
「え~悪いよ・・・ ねえ? アコ?」
「う~ん、私は別に良いけど・・・ アキラくんは?」
オイ! 藤澤優斗!!
本当にそれでよいのか!?
俺の目を見ろ!
「ん? 俺は全然平気だよ。 良いよね? アキラ?」
ダメだった・・・
アイコンタクト・・・通じね~
「うん・・・じゃあ、行こうか・・・皆で・・・」
「アキラくん? どうしたの?」
「イヤ、藤さんのあまりのポンコツぶりに・・・ちょとね・・・」
「藤澤君がポンコツ?」
あいつに恋愛なんて、5~6年いや、10年くらい早かったみたい。
コイツ、無駄にお顔が良いから、これから、何人の女を絶望させるのか・・・
木下・・・がんばれ。
俺にはそれしか言えない。
大事な親友を奪ってしまたお詫びに。
辛すぎて、どうしようも無くなったら、相談には乗って上げるよ・・・
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