第44話 女の子二人だとつい恋バナに夢中になっちゃう
「もう! ヤメてよ! アコのバカ!」
「えへへへ、ごめ~ん」
「もう・・・」
「ごめんって~ てっきりもうそういう関係なのかと思ったんだもん」
「もう、気が早いのよ~ まだ全然なんだから・・・」
この間、プロフ帳書いて貰った後の希美・・・
『ねえ!? アコ! 見て!』
『なに~?』
『藤澤君の好きな漫画~ これ私と全部一緒なんだけど~』
『へ~ そうなんだ~』
『これってさ~ 私達めちゃくちゃ相性良いのかも~』
そりゃ~ 希美の好きな漫画って・・・
お兄ちゃんの影響受けまくりだから。
男の子と漫画の好み一緒になるのなんて・・・
『見て見て! ゲームも好きなの一緒~!!』
『へ~』
ゲームも希美・・・
お兄ちゃんの影響受けまくりだから・・・
そりゃ~ 男の子と好み被りやすいと思うけど。
『ねえ? アコ? プリクラって好きでも無い女の子と撮ったりするかな?』
『う~ん・・・ 私は好きでも無い男の子と二人ではちょっと・・・』
『そうだよね!? 普通そうだよね?』
『ねえ、これってさ~ もし告白したら行けたりしないかな?』
『どうかな~? さっきプリは、アキラくんが色々藤澤君に何か言ってくれたみたいだから・・・』
「てか、なんで二人で映画? お兄ちゃんにチケット貰ったって?」
「なんか~♪ お兄ちゃん、彼女と別れちゃったんだって♪」
嬉しそうだな~
そんなに、お兄ちゃんに彼女出来たのイヤだったんだ。
この子・・・本当にブラコンだな~
「そっか・・・あの痛がってた彼女と・・・」
「そうだよ! あんな酷い事女の子にするからフラれちゃったんだよ♪」
「お兄さん大丈夫なの?」
「なんか~ めっちゃ落ち込んでる。 で~ なんか映画のチケットくれたんだ~」
お兄ちゃんが落ち込んでるのは気にしないのかな?
なんか、可哀そうだな・・・
きっと彼女と一緒に行こうとして、映画のチケット買ったんだよね?
まっ、でもなんか希美が楽しそうだからいっか。
「でも、よく藤澤君なんて誘えたね? いつの間に?」
「え~ イヤ~ 土曜日に~ 琴似のスーパーでばったり会っちゃって~ それで、皆で行ったゲーセン行こうかってなって」
「うん、うん」
「それで~ また一緒にプリクラ撮ってくれて~ その帰りに映画行かないって言ったら~」
「へ~ OKしてくれたんだ? てか、二人っきりでゲーセンって、それデートじゃん!」
「え~ やっぱり~? そうだよね~? 興味無い女の子と二人っきりでゲーセンなんて行かないよね?」
「行かない! 行かない!」
へ~二人で・・・
それって、意外と藤澤君も?
「でも、告白はまだなんだ?」
「そんな・・・ 言えるわけないじゃん。 まだ全然仲良くないモン」
「そっか~ そうだよね。 告白は勇気いるもんね・・・」
「うん・・・」
「・・・」
「佐久間って凄いね?」
えっ?
「なんで?」
「だって・・・アコに告白して、皆の前でもアコの事堂々と守ったり」
「うん・・・ アキラくんは凄いよ。 優しいし、可愛いし、カッコイイ。 ちょっとエッチだけど・・・」
「ぷっ! なにそれ? エッチなの?」
「うん・・・ かなりエッチ・・・」
「え~ やっぱり、佐久間って最悪じゃん!」
「でも・・・ それは、それ! エッチだけど・・・わたしイヤじゃないから」
「えっ? なに!? アコ!? もうそんな・・・」
ん? なに? そんなことって・・・
そんなこと? キスってこと?
「えへへ、ファーストキスしちゃったんだ~ 彼と・・・」
「えっ!? いつ!?」
「一昨日・・・ ルスツで・・・」
「どっちから?」
希美・・・めっちゃ聞いてくるじゃん・・・
「私からしちゃった・・・」
「アコから!? えっ? アコからキスしたの?」
えっ・・・なに? だめ?
「うん。 すっごい彼が可愛くって、愛おしく思っちゃって・・・ つい・・・」
「ついって・・・ そんな、ファーストキスでしょ? ついって・・・」
「だって、わたし・・・彼に体全身でキュンキュンしちゃったんだもん。 そんな経験したこと初めてだったから・・・」
「体全身でキュンキュンって・・・ なにそれ? 胸がキューってするのと違うの?」
希美は、キュンキュンしたことないのかな?
「全然違うの・・・ 彼とぴったりくっついてると、なんか全身がキュンキュンしちゃって、変な気持ちになっちゃうんだよ・・・」
「・・・ 恋ってそこまでなの? てか、ぴったりくっついて・・・」
「わたしもうアキラくんのこと好きすぎて・・・ もう私、彼としか結婚出来ないかも・・・」
「結婚!?」
「うん・・・もう他の誰かの所なんてお嫁に行けない・・・」
「ゴクリ・・・ それって、彼ともうそういうことしちゃったってこと?」
ん? どういうこと?
「なに? そういうことって?」
「えっ・・・ その・・・ お兄ちゃん達がしてたようなこと?」
!? バカなの!
「えっ!? エッチってこと!? それはまだだよ~ 彼もまだそれはしないよって言ってくれたもん。 大事にしたいって・・・」
もう・・・希美・・・ なんて事聞いてくるのよ・・・
「そっか・・・ じゃあなんで結婚?」
「えっ? もうヤダ・・・ そんなの恥ずかしくて言えない・・・」
お股グリグリされたとか・・・
めっちゃエッチなキスされたとか・・・
そんなの言えない・・・
「やっぱり、なんかエッチな事したの?」
「希美のお兄ちゃんがしてたみたいな事はしてないから! そんな、わたし・・・まだそんなの無り・・・」
そんな、私の・・・にアキラくんのをなんて・・・無理だよ~
してみたい気持ちも無くはないけど・・・
アキラくんなら・・・
「えっ? アコ・・・どんなことしてたのか知ってるの?」
「うん、アキラくんがエッチって、どうやってするのか教えてくれたから・・・ でも、そんなのまだ無理・・・ 怖いし・・・」
「佐久間ってやっぱり、色々知ってんのね・・・ へ~ でもそれ以外のエッチな事ってなによ?」
「もう! 教えないって~! 恥ずかしいもん! てか、早く行かないと映画始まっちゃうよ~!」
「あっ!? 本当だ! ヤバイ! 話に夢中になり過ぎた!」
もう・・・希美・・・
事情聴取が厳しすぎ・・・
『お待たせ~ ごめんね~』
「ていうか、藤さんと木下は何の映画観るの? 俺とアッコちゃんはオータムインニューヨーク観るけど」
「えっ!? 二人もそれみるの?」
「希美も?」
「だって・・・お兄ちゃんがくれたチケット・・・それだったんだもん」
アキラくん、大人の恋愛映画って言ってたもんな~
希美のお兄ちゃん、高校生だから・・・
「ふ~ん、じゃあ、もうそんなに時間無いから、行こうよ。 アッコちゃん、なんか売店で飲み物買おうよ~」
「うん、そうだね~ 飲み物は私がだすよ~」
へへへ~ お母さんに言ったら、お小遣いもらっちゃったんだ~
彼氏と映画デート・・・なんか夢みたい。
ついこの間まで、こんな風になるなんて思わなかったのにな~
「えっ? 誘ったの俺だし、俺がおごってあげるよ」
アキラくん・・・ やっぱりかっこいいな~
昨日も、サッカーめちゃくちゃ上手だったし。
清水くんと一緒に点決めてたし。
私の彼氏、もうめっちゃ素敵!
「アッコちゃん、腕に抱きついて・・・そんなされたら・・・」
ん? また・・・
もう、本当にエッチだな~
これだけで、もう・・・そんななの?
「エッチ」
「だって・・・」
「ふふふっ、可愛い」
「もう・・・アッコちゃん・・・」
「アコ~」
「なに?」
「二人の席はどこ?」
「アキラくん? どこ?」
「俺らの席は~ Lの11と12」
「希美は?」
「Gの11と12」
「へ~木下のお兄ちゃんめっちゃ良い席じゃん。彼女と来たかったんだろうな~ 可哀そうに・・・」
「えっ? なんで佐久間、お兄ちゃんが彼女と別れたの知ってるの?」
「だって、妹に恋愛映画のペアチケットを上げたって事は、約束してた子と行けなくなったってことでしょ? 木下の兄ちゃん、彼女部屋に呼んで、ねえ? そういうことしてた相手だって言ってたから、別れて行けなくなったから、妹にチケット譲ったのかな~って」
やっぱり、アキラくんって凄いな?
よく、それだけでわかるな?
「なんだお前は? 名探偵コ〇ンか?」
「ぷっ」
「なに? アコ?」
「イヤ、皆アキラくんに・・・ 名探偵とか聞くから」
「えっ? 皆?」
「早く行こう! 始まっちゃう!!」
『うん』
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。




