第42話 お姉ちゃんの彼氏・・・
待ち合わせ場所のベンチに座って待っていると、後ろからアッコちゃんの声が聞こえて。
振り返ってみると、仲良し橋を渡りながらこっちに向かって手を振りながら走って来るアッコちゃん姿があった。
「おはよ~! 待った?」
はぁ~ 癒される~
朝一で見るアッコちゃんマジ天使だ。
雲の隙間から差し込む朝の光で色鮮にきらめく紅葉に包まれた公園で、フリフリの白いミニスカートをヒラヒラさせながら弾けるような笑顔で走って来る姿ははまさしく天使そのもの。
はぁぁ・・・可愛いランダムフリルのフレアのミニスカートに、ふわふわニットにあのちょこんと乗ったベレー帽とか可愛すぎる。
そんな可愛い彼女が、向こうから走って来て、僕に抱き着くように胸に飛び込んで来て。
「おはよう! あきら!」
くぅぅぅぅ! 可愛い!
ただ残念なのは俺が身長が低いせいで、あっこちゃんと目線がほぼ同じだということ。
これが上目使いで下から覗くようにいわれてたら、もっと可愛かったはずなのに・・・
はぁ、なんで俺はこうも身長が低いんだ。
「どうしたの? あんまり元気無いみたい・・・」
僕の顔を覗き込む様に心配してくれるあっこちゃんに。
「ううん。あっこちゃんの顔みれたから、いまはすっごい元気!」
「本当!? 私もアキラの顔みたら元気でちゃった。 ふふふふっ」
はぁ、ええこや~
もう、可愛すぎるダロ~!っと叫びたくなってしまうくらいだよ。
でも、アッコちゃんは天使の様に純粋で可愛らしいっていうのに・・・
そんな天使のような女の子に抱き着かれて、俺は何て不純なんだ・・・
もう下腹部で眠っていたアイツが『ヤアっ』と言ってニョキっと反応してしまっている俺は最低だ。
「でも、アキラ君、なんか疲れてる感じがするけど、本当にだいじょうぶ?」
まぁ、それは、そうでしょう。
「ちゃんと眠れたの? なんか目の下クマ凄くない?」
「イヤ、今日アッコちゃんとデートだって思ったら、嬉しくて中々眠れなくてさぁ」
昨日・・・昨日ねぇ・・・
昨日はなかなか、眠りにつくことが出来ず・・・
眠る前の美姫の会話が頭の中にチラチラと出て来たせいで、悶々としてしまい、中々寝付けずにいた。
僕にさんざん、甘えたい時は言ってねなんて、僕が心の中に隠していた欲求を野に放つようなことしておきながら。
一緒に寝だした美姫は、僕のことなんて待ってもくれず。
モノの数分で寝息をかき始めて、完全に熟睡モードになっていて。
お姉ちゃんに甘えたいという気持ちを、罪悪感や倫理観に遠慮といった色んな気持ちが我慢していたのに。
でも、1時間以上も寝付けず、お姉ちゃんの腕枕で、隣に寝ていると・・・
どうしたって悶々としてきてしまうというか・・・
目の前にあるおっぱいが気になって来るわけで。
ダメ、絶対にダメって思いながら我慢をしていると。
寝ていた美姫が、急にモゾモゾと動きだして、寝苦しそうに声をあげ・・・
『―――暑い・・・』
その後も、モゾモゾっとしている美姫に、布団の中で蹴られてしまい。
相変わらず寝相が悪いなっと思っていると、自分の足に絡みつく美姫の足が妙にスベスベで、気になって手を伸ばしてみると。
なぜか、美姫がパンツ一枚になっていて。
蹴られた時に、こいつが自分でパジャマを脱いでたんだと思いながら、寝苦しそうな美姫がモゾモゾ動く度に、少し緊張しながら隣で寝ていると。
その・・・なんていうか、スベスベの美姫の足の感触に、悶々として初めてしまい。
すると、昨晩の美姫の言葉が頭に浮かんできてしまい・・・
僕の誘惑へのハードルを不正行為のごとく下げていき・・・
まあ、なんていうかその・・・美姫のお陰で少しすっきりして、なんとか眠りに付くことが出来たというか・・・
ようやく、ウトウトして来たと思いながら、浅い眠りの中で夢を見ていると。
急に何かから落ちるような感覚で、びっくりして目が冷めた。
何が起こったんだと思い、周りをキョロキョロすると。
何故かベッドの下に落ちていて、僕の周りには、布団や一緒に寝ていたぬいぐるみ達がさんらんしていた。
時計を見ると、夜中の1時で、目の前のは布団も何も掛けずに、1人でベッドに寝る美姫の姿があり。
しょうがないなと思いながら、布団を持って美姫に掛けようと、ベッドに眠る美姫を見ると。
パンツ一枚で横を向いて寝ながら足を大きく開いて、胸がはだけまくった美姫がベッドの中央で1人、グーグー寝息を立てていた。
その姿、なんていうか・・・めちゃくちゃエッチだったというか・・・
美姫には、悪いっと思いながらも、なんていうかその・・・見とれてしまって、しばらくベッドに座って美姫をジーっと眺めてしまい。
床に落ちた可哀そうなぬいぐるみ達をそのままにして、ベッドの下に落ちた布団をずり上げながら美姫と自分に布団を掛けると。
美姫の腕を勝手に枕にして、彼女の足に自分の足を絡みつかせると、美姫に抱きついた。
ドキドキしながら、美姫に抱き着きながら、また悶々としながら、お姉ちゃん起きて・・・
僕・・・お姉ちゃんとエッチなことしたくなっちゃったよ。
でも、やっぱり、寝てるお姉ちゃんに、こんな・・・と悶々と心の中で1人エッチな要望と戦っていると。
『だからね、アキラ? お姉ちゃんのことを見て、ドキドキしたら、もう我慢しなくて良いのよ』
昨晩、眠る前に美姫に言われた言葉、また頭の中に浮かんできてしまい。
お姉ちゃん、ごめんねっと言いながら・・・
まん、なんですか、そんな献身的なお姉ちゃんに、僕は甘えまくってしまったというか。
お姉ちゃんのお陰で、構って貰たくて、甘えたかった思いもある程度満たされた僕は、再度眠りについてた・・・
しばらくたってから、急に息苦しくなって来ちゃって、あまりに苦しくて目が冷めたると。
美姫にめちゃくちゃギュって抱きしめられてて、おっぱいの顔面全体包まれていて、めちゃくちゃ窒息しい状態になっていて。
このままじゃ寝れないって思い、必死の思い出ベッドから抜け出すと。
そのまま、床に散乱していたぬいぐるみ達を、ギュッと抱きしめると。
自分の部屋から出て、美姫の汚部屋に入って行き、アイツのベッドで眠ることにした。
ただ・・・マジ、ここからは本当にホラーだったんだけど。
眠っていると、なんか顔が濡れるなっと思って、何か違和感を感じてフッと目を覚ますと。
俺の部屋で寝ていたはずの美姫が、何故か俺を抱っこしながら寝ながら泣いる姿が目の前にあって。
マジこいつ何なんって思ったけど、とりあえず涙拭いてあげようと思い、テッシュで目元の涙を拭いてあげていると・・・
急にガバって起きてさぁ、数秒間目があってめっちゃ怖くて蛇に睨めらたカエル見たいに動けなくなってさぁ。
そしたら、急に抱き寄せられて、そのまままた抱っこ状態でもう完全に身動きできなくなって、結局寝る前と同じ状況になちゃって。
それからしばらく眠れないから、また美姫に甘えてはじめたら、美姫が寝ぼけて俺の頭をヨシヨシってしてくるから、そのまま甘えてたら。
急に寝ながら美姫が泣きだして。
『アキラのバカ! 1人にしないでよ~』
シクシクと泣きながら寝言言い続ける美姫が可愛そうに見えて来て。
しょうないなっと思いながら、美姫のウェストあたりに腕を回して、ギュッと抱きしめると。
泣いていた美姫が、少し安心したような表情を浮かべえてスヤスヤ眠り始めたと思っていると。
『アキラ・・・好きよ・・・』
美姫の寝言を聞いて、『僕もお姉ちゃんが大好きだよ』っと言うと、美姫がぼそぼそ寝言はしゃべり始めたので、それにひとつひとつ返事して。
そんな、美姫がまた可愛く見えて来て。
そのまま、しばらく美姫に甘えていると、次第にウトウトしてきて、ようやく朝までぐっすりと眠る事が出来たってわけなんだけど。
それにしても、美姫のあそこまで強烈なメンヘラムーブも初めて見てしまい・・・
あの人精神内科にでも行った方が良いんじゃないのかと思ってしまう。
そんなに普段満たされていないんだろうか・・・
確かに、雄太ともルスツで喧嘩ばっかりしてたし・・・
ひょっとして辛いのかな?
それに毎日速攻家に帰ってくるけど、高校に友達がいないんじゃないかと心配になってしまう。
ちゃんと楽しく生活してるんだろうか?
なんか、とっても心配になってくるんだけど。
とりあえず今は美姫のことは忘れよう。
せっかくアッコちゃんと二人っきりなんだから。
「そっかぁ、でも私と一緒だね。 実は私も嬉しくて昨日は寝付け無くてさぁ、まだちょっぴり眠たいんだぁ。 ふふふっ、私達って本当に相性良いね、心のどこかで結ばれてるみたい」
「そりゃそうだよ、こんなにもアッコちゃんのこと好きなんだから」
「もう、またそうやってさらっと恥ずかしいこと言う。 でも、本当に大丈夫? 無理しないでも良いよ、映画ならまた今度一緒に行けるし。 今日はお家で遊ぶ?」
「イヤ、アッコちゃんとデートなんだよ? 多少無理したって平気だし」
「無理はダメ! アキラくんが倒れたら私本気で困っちゃうんだから。 この間ルスツ行った時も倒れちゃった時も、私本当に心配してんだから!」
「ごめんって、心配かけてごめんね。 でも、本当に寝不足ってだけだから、今日は本当に大丈夫だから安心して」
とりあえず、このままここで話していても、なんだと思い。
アッコちゃんと二人で、川沿いの公園の中の小道を二人で、駅に向かって歩きだした。
「ねぇねぇ聞いて、昨日さぁ美姫ちゃんといっぱいお洋服見たんだよ。今日のも可愛いんだけど、まだ他にもアキラが好きそうなの買ったんだ~」
そう言って、繋いだ手を前後に振りながら嬉しそうに話すアッコちゃんの横顔を見て、また胸がほっこりと暖かくなっていたのだが。
それよりも、また・・・美姫ちゃん?
「ねえ、その美姫ちゃんっていうの、めっちゃ気になるんだけど?」
「だって、お姉さんが、美姫ちゃんか美姫お姉ちゃんのどっちかで呼んで欲しいっていうから。なんか美姫お姉ちゃんって言いずらかったから、美姫ちゃんって」
「あっそう、美姫の要望だったのね・・・なんか納得」
「おもしろいよね? 美姫ちゃんって」
てか昨日二人で、どんな会話したんだろう?
めっちゃ気になるな~っと思いながら、アッコちゃんと手を繋いで歩いていると。
自分達が歩いている小道から、公園の木々の向こう側の車道に、なんか見慣れた車が止まっているのが目に入り・・・
「ねえアッコちゃん」
「なに?」
「あの車ってさぁ」
「あっ、あれって」
やっぱそうだよね。あっこちゃんもそう思うよね。
てか、なんでいるんだアイツ。
美姫のヤツ、デートともお出かけとも、何にも言って無かったのに・・・
ふん、そんなのどうでも良いや、
少し驚かしてやろうかな・・・
そう思い、アッコちゃんの手を弾いて、公園の木々に隠れるように車の後方へ近づくと。
バレない様に、しゃがみながら、運転席側に回り込み・・・
「ワァ~~~~!!!!」
「ワァ~~~~!!!!」
アッコちゃんっと二人で、立ち上がったと同時に大声で運転席に叫ぶと。
北海道の大スター、大泉なんとかさん張りの派手なリアクションでびっくりする雄太がいた。
そして、胸を押さえながら目を丸くした雄太が、こっちを見て来て、僕らの存在に気づき。
ウィーンっと音を立てながら運転席の窓が開いていった。
「ちょっと、何やってんの? びっくりするでしょ」
「それはこっちのセリフだっつーの、何やってんの雄太?」
「えっ? だって昨日の夜からメールしてるのに全然返事ないし、電話しても出てくれないし。 朝になっても全然返事帰ってこないし、さっきからずっと電話してるのに出てくれなくて。 こんなこと、今まで無かったから、めちゃくちゃ心配で・・・」
「出るわけ無いじゃん」
昨日一緒にお風呂入ってから、ご飯食べて。
それからずっと、一緒にゲームして、ベッドでイチャイチャして・・・
まぁ、そのままアイツは寝ちゃってたし。
いまだって、おっぱい丸出しで、パンツ1枚でがーがー寝息立てて寝てたんだから。
とわいえ、そんなことになってるなんて、知りもしない雄太は、この世の終りかといった感じの表情をしながら、運転席から身を乗り出すようにして。
「なんで!? なんでわかるの!?」
イヤだって・・・
「イヤ、だって。 昨日はお風呂入った後、美姫がしつこくてずっとゲームしてたし。 その後は疲れたって言って、速攻寝ちゃったし。 さっき、僕が家出る時、ちらっと見たら、まだベッドでがーがー寝息立てて寝てたモン」
「え~ マジかよ~」
それを聞いて、運転席でがっくりと肩を落とす雄太。
う~ん、ちょっとくらい返事が来なかったくらいで、こんなに狼狽えるとか、こいつもまだまだ若いな・・・
そのうち、なんですぐ返事くれないんだ、とか文句言いだすんだろうな~
まぁ、美姫がそんなこと言われたら、絶対逆ギレするのなんて目に見えてるんだけど。
なんか、恋愛経験無さそうだからなコイツ。
いった、何通メール送ったんだ?
この感じだと、昨日のよるから鬼限しまくってるんだろうな・・・
それ、女の子がされて一番嫌がることなのに。
わからんか~ まだ・・・
でも、待てよ・・・
ということはコイツいま、めちゃくちゃ暇なんじゃね?
「ねえ雄太? ヒマ? 暇だよね?」
「なに? てか、その雄太、雄太って・・・アキラくん?」
「ねえ、ねえ、どうせここにいたって美姫来ないからさぁ、アイツが起きるまで暇なんだガラ、俺とアッコちゃんをさ~ファクトリーまで連れてってよ」
「う~ん、まあいいけどさぁ、本当に美姫ちゃんまだ寝てるの? 他の誰かと出かけちゃったとかじゃないんだよね?」
「他の誰かと? イイや、ぐっすりと熟睡状態だったよ。あの感じはだいたい昼過ぎまで起きてこないよ」
「そっか・・・まあ良いか。 ちょうど、アキラ君にも色々と聞きたいこともあったし・・・」
聞きたい事?
なんだっと、思いつつ、ここから送ってもらえるなら超楽だし、地下鉄代も浮くし一石二鳥でラッキーっと思いながら、ずけずけと助手席側から雄太の車へと乗り込むと。
「ねぇ・・・なんで?」
バックミラー越しに俺に話しかけて来る雄太に。
「何でと言いますと?」
「なんで二人して後部座席に座るワケ? 狭くないそこ、どっちか助手席に座ればよいのに」
「え~ やだよ、なんでアッコちゃんと隣が良いに決まってんじゃん、バカなの雄太」
「だからさぁ・・・その雄太って・・・・・・しかもバカって・・・・・・まあ良いけどさぁ」
「雄太さん、ごめんなさい。 アキラくんと二人送ってもらっても良いですか?」
「アッコちゃんは本当に、お行儀が良いよね~ それに引きかえアキラ君は・・・」
「なに? 俺がなんかした?」
「なんか、アキラ君。 俺のこと年上って思ってないでしょ?」
まぁそれはそう、実際年下だし。
それにJKの年下の美姫に尻にしかれた情けない大学生としか見て無いし。
「う~ん、だって雄太って、めちゃくちゃヘタレっていうか。 遊園地でも、ずっとうじうじしてたし。 美姫の事、手が負えなくなって俺に助け求めてきてさ、情けない」
「あれは悪かったよ~ でも美姫があんな風になるなんて思わなかったんだもん」
「だもんじゃね~よ、いくつだお前可愛い子ぶんなキモいな。 お前が美姫のことしっかりとリードしないから・・・まったくヘタレがよ。」
イヤ、別に良いや・・・
美姫があんな風に、メンヘラムーブかまして来たのを、コイツにどうこうしろって言う気もしないや。
「てか、何? 聞きたいことって~」
「ねえ・・・ ルスツの帰りにさ~ 美姫が誕生日来月って言ってたと思うんだけど・・・ あれって本当?」
「はっ? 11月の23日だよ」
「それって本当なの?」
「なんでだよ? そんなことウソついてどうするんだよ?」
「イヤ・・・俺、美姫の誕生日に7月23日だって思ってたんだけど・・・」
「なんで?」
「美姫が7月23日って教えてくれたから」
「だから、俺その日にレストラン予約して、プレゼント買って、その日に美姫と付き合う事が出来たんだけど」
7月23日? なんだそれ?
なんのゆかりもない日だな?
「謎だね? そんなの本人に聞けよ。 俺は知らん」
「え~ なんだよ~ 俺プレゼント損じゃん」
「ん~ 別に損してないじゃん」
「なんで?」
「だって、それで美姫と付き合えたんだろ? ていうか、お前ら出会ったの4月って聞いたけど、なんで付き合ったのが7月なんだよ? お前さ~ 3カ月何してたの?」
「えっ・・・イヤ・・・ずっと美姫の学校帰りにカフェに一緒に行ってお話したり、ファミレス言ってご飯食べてお話したり」
「それだけ?」
「それだけ・・・」
「パパ活やん!」
「パパ活ってなに?」
あっ・・・えっ?
そっか、パパ活って最近の言葉?
「えっと・・・援助交際とかわらないじゃんそれ」
「援助交際!? 俺そんなことして無いよ!」
「イヤイヤ、高校帰りの、制服来た巨乳美少女JK連れて、カフェとかレストランで、お話して楽しく時間過ごすって。 JKと一緒にウハウハって、性的欲求満たすだけなんだから、そんなの援助交際と一緒じゃん。 どうせ、制服来た美姫と一緒に居て、青春取り戻そうとか思ってたんじゃね~の~ キモっ! そんなの普通に援交じゃん」
「えっと・・・アキラ君ってエスパーか、占いしか、何かなの? 霊的な能力で人の記憶とか読み取る能力あったりする?」
「はっ? 長く生きてればさ~ お前見たいな、他力本願で自分に自信が無いウジウジした男の思考なんて、手に取るようにわかるんだよね~」
「長く生きてって・・・君小学生だろ? なんか前世の記憶でもあるの?」
ヤバっ・・・
会社のウザいメンヘラ新人の愚痴聞いてる気分になってついイラっとしてしまった。
もう、行動パターンも思考パターンも、どいつもこいつもテンプレばっかりで、同じことしか言わないからモロわかりなんだよ。
「わかった!」
「なに? なにがわかったの?」
「お前さ~ 美姫の事好きになったのいつだよ?」
「えっ? 出会って、2回目のデートくらいの時に好きになってたかも・・・」
「それなのに、その後2~3カ月延々だらだら、代り映えしないデート繰り返してたの?」
「まあ・・・そうかも・・・」
「告白する気あった!?」
「だって・・・どうせ俺なんか、美姫みたいな可愛い子は無理だと思ってたから・・・」
「それだよ! それ!」
「それ?」
「お前さ~ 美姫に告白しやすい環境整備してもらってんじゃね~よ。 ひょっとして、7月23日って出会って3カ月目とかじゃ無かったのか? 記念日的な?」
「ハッ!? そうかも!」
「雄太さ~」
「ゴクリ・・・なに?」
「ダッサ! お前さ~ 超ダッセ~じゃん。 そんなんだから今だ童貞なんだよ」
「なんで・・・それ・・・お?」
「だって、美姫がまだだって言ってたから。 美姫とヤッテないんだったら、童貞ってことでしょ?」
「君は名探偵コ〇ンかよ!?」
「良いね~ それ~ 見た目は子供、中身は32のオッサン。名探偵アキラ!」
うん、間違ってね~
しっくりくるね~
「てかさ、お前さ? イヤ、イイや・・・
「なに? なんなの? 言い掛けて辞めないでよ?」
別にコイツになんかいったところでな~
美姫も、別にコイツに依存してる感じないし。
むしろ、いますぐ別れても良いとか、さばさばしてるし・・・
「とりあえず、あんまりカッコ悪いこと繰り返してたら、美姫にフラれちゃうよお前?」
「えっ? なに!? 美姫・・・そんなこと言ってたの?」
「それは、秘密だな。 佐久間家の門外不出の秘匿事項なんでね。 あっ、雄太~ サンキューもう着いたっぽいからソコで降ろして~」
「えっ? ああ・・・イヤ、なんか色々ありがとうね?」
「まあ、今度相談事があれば、いつでも連絡したまえ。 有料で相談に乗って上げるから~ 今日のはタクシー代ってことで許してあげる。サンキュね~ 雄太~」
「えっ・・・ うん。 じゃあ、またねアキラ君。 アッコちゃんもまたね?」
「あっ、ハイ・・・ ども・・・・」
はぁ~ アイツ・・・マジ大丈夫か?
社会出たら、苦労しそうだな、アイツ・・・
『アキラがイヤっていうなら別れるよ』
美姫がそんなこと言ってたって言ったら。
多分あいつ死んじゃうな。
それで、死ぬほど鬼電しまくってあげく・・・
なんか、別れが早まりそうだな。
俺のせいなのか?
イヤ、そもそも、美姫がカラダを触られたくないって思ってたってことは、そこまでの存在だったって事だろう。
まっ、俺には関係ないし、美姫が相談してきたら、考えようかな・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
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