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第40話 ロト6・・・


『アキラー!! イケーーー!!!!』


えっ!?

姉ちゃん? ・・・っとアッコちゃん!?

ちょと! めっちゃ動揺して、噴かしちゃったじゃん!


「アキラ~ ナイスホームラン!」


うう・・・秀樹め・・・


「アキラ~ ナイスシュー! 低ければ・・・」


くうう・・・剛・・・


『はぁ~ マジ?』


うう・・・ みんなの声が・・・

もうなんで来るかな~

なんで2人来ちゃうかな~


『自分で切り込んで行ったクセに・・・』


こいつら、マジで性格最悪だよな。


監督とコーチの前では良い子ちゃんのフリしやがって。

フィールドに出て、見られてないとすぐこれだ。

裏では、派閥ごとの悪口の言いあい。

もうめっちゃギスギスなんだけどこのチーム。

 

だから、こいつらと一緒に中学行っても勝てないんだよ。

クソ共が・・・


絶対中学行ったら、俺バスケしよ。

ヤダ、こんなチームメイト。

こいつらマジ嫌い・・・


『佐久間~ ナイストライ!!』


えっ? コーチ・・・

マジ、コーチだけだよなこのチームでまともなの。


まあ、今日に限っては、秀樹と剛が意地悪言うのは。

なんとなく想像付くけど・・・


「ねえ、アキラ~ 今日のアッコちゃんめちゃくちゃ可愛くない?」

「はっ? 剛さ~ 集中しろよ・・・」

「・・・・・・」


イヤ・・・なに?

その軽蔑のまなざし?


「声援受けた瞬間にカチコチになって、フェンスに向かってロングパスしたヤツは誰だっけ?」

「うるさいな・・・」


完全にブーメランだった・・・

もう、二人共勘弁してよ~


しかも、美姫・・・

アッコちゃんにお前のスカート履かせたな?

もう、リンクコーデみたいな事しやがって・・・

なに姉妹ごっこ楽しんでんだアイツ。


「アキラ~ 姉ちゃん・・・本当に綺麗だよな~ あの胸たまんないんだけど」

「剛さ~ アッコちゃん好きとか、美姫が可愛いとか・・・どっちだよ」

「ううう・・・あんな可愛い子が二人共アキラのモノだなんて思うとイライラしてきた」

「もう、お前うるさい。 ポジション戻れよ」


「アキラさ~? 自分で行くならせめて枠に蹴ろや!」

「あ~すいませんね~ キャプテン・・・」


でた・・・一番ムカつくヤツ。

PTAで幅利かせてる親のお陰かしらんけど、学校でもデカい顔しやがって。

しかも先生や監督の前だけは良い子ちゃんぶってよ~


陰では、毎回試合で負けた時の戦犯みつけては、イジメてるとか。

マジ、こいつキャプテンに選んだヤツ誰だよ?


背がでっかい以外才能ゼロのくせして、足元のテクニック全然無いクセにさ。

紅白戦じゃ、俺や秀樹、それに剛にいっつもチンチンにされるくせに。

ヘディング以外存在価値の無い、ただデカいだけの野郎がよ~!

あ~ ストレス溜まるわ~ このチーム・・・


「なんだ!? お前その態度!?」

「ハァ? お前が裏走りで、敵のマーク外さないからパス出せなかったんだろ? 俺が今切り込んだのは仕方無くだよ! ボール欲しかったら、サボらないでちゃんと走れや!」

「なっ!? お前ッ・・・」

「なんでもかんでもロングボールで、頭によこせってバカかよ。 ポストプレイは下手くそ! 裏走りは常にサボってしね~わ! なんだお前? わかった、次から全部お前の足元にピンポイントでパス入れるから、悔しかったら敵を背負った状態で、そのまま反転してゴール1本決めて来いや! それが出来たら、お前の気がすむまで謝ってやるよ! どうだ!? アン!? 山崎さんよ~!」


ふん、バカが・・・

お前が如何にテクニックが無くて、下手くそかって言うのを、完全に思い知らせてやる。

せいぜい、親が見てる前で大恥掻けやクソが・・・



◇◇◇


 

「山崎~お前ボール取られすぎだろ?」

「すみません・・・」

「せっかく、佐久間から絶妙なスルーパスを何本も貰って、ゴール前で全然仕事出来ないってあれは無いだろ」

「すみません・・・」

「相手のディフェンダーに体でも当たり負けるわ、お前を何で前線に置いているのか理解してるのか?」

「すみません・・・」


「それにしても、佐久間からの清水へのあの絶妙のパスからのボレーシュートは見事だったよな~!」

「ありがとうございます! でも、山崎君がディフェンダーを引き付けてくれたおかげで出来たスペースだったんで、ナイスチームプレイだと思いました!」

「そうだな! うん、そういう意味では山崎、トップとしては良い仕事だったな。 佐久間さすが中盤の要だな良くゲームを見てる!」

「・・・・・・」


ふふふっ、どうだい。

まったく活躍出来なかったのに、チームに貢献したとか言われちゃう惨めさは~

お前にボール集めまくったお陰で、相手ディフェンダー全員中央に寄ったせいで、秀樹とか剛がドフリーだったからな~

ああ~ 気持ち良い~!


「アキラ~ ナイス!!」

「イヤ~ 秀樹こそ~ ナイスシュー」

「見たかよ山崎の顔、あれ相当ショック受けたぞ」


プライドズタボロだなあれは。

ふん、どうせ中学行ったらお前のテクニックの無さが速攻バレて、ディフェンダーにコンバートされるんだから、遅かれ早かれだし。

 

「アキラ~ もう! 目の前で、山崎と喧嘩始めた時にはヒヤヒヤしたけど・・・ 良かった~」

「剛心配しすぎ」

「なに? こうなるわかってたの?」

「イヤ、皆もわかってた事じゃん。 俺が改めて、皆にわかりやすいようにゲーム組み立てただけだし」

「イヤ~ アキラも秀樹もナイスだったよ~」


『アキラ~ さっきナイス!! 山崎いい気味だったな~!』


「あ~い! サンキュー」

「なんだよアイツら、いっつも山崎にへこへこしてるクセに」


小学生の手の平返し、相変わらずエッグいな~


「ねえ! 二人ともさ、この後マック行かない? それからゲーセン行こうよ~!」

「イイね~ 剛~ アキラは?」

「えっ? じゃあ、俺も行く~」


そう言って、マックへ向けて3人で歩きはじめる。


「ふ~ん、今日は良いんだ~ 最近女と遊んでばっかで、めっちゃ付き合い悪かったクセして~」

「秀樹・・・なんなのその意地悪な言いかた。 まだ朝のことを根に持ってるのか?」

「なになに? 朝の事って!?」

「剛はうるさい!」


「え~ 秀樹がさ~ 好きな女が居て~ 告白するって話~」

「アキラ! うるさいぞお前!!」

「ニヒヒヒ」

「えっ? 秀樹好きな子いるの? 誰? 俺の知ってる人?」

「あ~ 剛も数回遊んだことあると思うけど、3組の小菅瑠奈って覚えてる?」

「小菅瑠奈?」


マジか? こいつ・・・

お前とも話してたじゃん。


「ほら、アッコちゃんと木下と一緒に公園で、数回鬼ごっこしたじゃん」

「あ~あのポニーテイルの・・・ 吸血鬼みたいな顔した女か」


吸血鬼?

あ~ 八重歯がデカくて、笑った時に・・・

たしかに・・・吸血鬼っぽいかも。

でも、そんな事いったら、秀樹が~


「剛・・・誰が吸血鬼だって?」

「えっ? 秀樹・・・ あっ、ごめん・・・」

「だめだろ? 剛~ 秀樹の大事な関節キスの相手なんだから~」

「えっ? 秀樹!? 関節キスしたの!? 女子と!?」

「・・・・・・」


顔真っ赤にしちゃって~

可愛いノ~ 秀樹~


3人で他愛のない会話をしながら、マックに向けて歩いていると、大きなスーパーの前にある宝くじ売り場から聞いたことのあるCMが流れていて、ひとり歩きを止めてしまう。



『・・・息子は1億円持っている。 毎週誰かに1億円のチャンス! ロト6!』



えっ? ロト6・・・

オ~ めっちゃ懐かしい~ このCM・・・


SM〇Pのなかい君が出てたヤツ。

そっか・・・ロト6って・・・


『ロト6いかがですか~? あたなの好きな数字を選ぶだけで、毎週1億円のチャンスですよ~!! 初回当選者は2名! 次回は皆さんの番ですよ~!』


ロト6・・・

そっか、自分で数字選んで・・・


!!ピコン!!


ヤバくない・・・

これ来週の当選番号知ってから、タイムリープで少し前の日に戻れば・・・

俺、億万長者?


えっ、ヤバッ!


1億円・・・もし当たったら・・・

 

あれじゃん!


アッコちゃんが名古屋に転校になっても、会いに行けるじゃん!

1億円あれば何回名古屋に行けるんだよ?


これだ~!!!!


これしかないじゃん!

しかも、ルスツに行けば簡単にタイムリープ出来ちゃうだろ?


バスでこっそりルスツに行って『ハリケーン』に乗れば一発でタイムリープ出来ちゃうじゃん。


キチャーーーーーー!!


これで、母さんと契約した、お風呂掃除にトイレ掃除、それに買い物代行でせっせと数百円を稼ぐ生活からもおさらばじゃん!

俺って・・・マジ天才かもしれん。


って・・・待てよ。


でも、そんなことして倫理的に問題ないんだろうか?

だって、良く漫画とかで見るじゃん、時空警察がいきなり捕まえに来るとか・・・


どうなんだろう?


あのいっつもタイムリープの時に出て来るお姉さん・・・

あの人に何か言われて、タイムリープさせないとか言われたら?


イヤ・・・十分にありうるよな。

タイムリープだぞ、こんなのめちゃくちゃ悪用可能な能力じゃん。

そんな制約があったって不思議じゃないぞ・・・


えっ? ちなみに、今回の当選者って、1位が2人・・・

当選金額が4550万円か・・・


あっ? 先週が第1回目だったのか。

そっか、ロト6・・・2000年発売だったっけ。


どうしよう、なんか変な制約があったらイヤだな。

ちなみに、今タイムリープしたとして、あの数字で買っても当選者は3名になっちゃうから。

取り分、だいぶ少なくなっちゃうな~


どうせなら、キャリーオーバーとか出てめちゃくちゃ当選金額多い時にがっつりやるべきなのでは。

どうしよう、お金掛けてルスツまで行って、もしあの夢の中のお姉さんにタイムリープさせないって言われたら。

ちょっと・・・それはリスキーだな~


かといって、エスカレータであんな所からダイブして落っこちるのも・・・

今までは、たまたまケガをしなかったから良かったものの。

もし、ケガしたら一貫のオワリじゃんか・・・


う~ 東京の後楽園みたいに、街のど真ん中に遊園地が札幌にもあればな~

 

ん?


あるじゃん・・・


まだこの時代なら、円山に遊園地!

2010年に閉園しちゃったけど・・・

この時代ならまだ。


ごめんね~札幌の人にしか分からないよね?

こんなネタ~


イヤイヤ・・・そんなことより・・・


円山の遊園地には、確かバイキングにループコースタっていうジェットコースタも・・・

てか、あそこのループコースタってちょっとショボくなかったっけ?

でも、ルスツに行くより全然お手軽じゃん!


バイキングの落ちる時に、タイムリープの第一段階はクリア可能なのはルスツで実証済み。

最悪、ループコースタじゃダメなら、円山の地下鉄駅まで速攻行って、地下鉄乗っちゃえば。


ナ~ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ!


俺様、天才!!


キチャ~!! よし、そうと決まれば、いつやるかだよな?

来週からの当選金額見て、キャリーオーバが出た時狙いだな。


くぅ~ 完璧じゃん!


アッコちゃん・・・俺・・・絶対に名古屋まで会いに行くよ!

よし! 目指せ2億円!! だぁ~!!!!


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