第36話 姉ちゃんとお風呂なんて・・・
あ~あ、アッコちゃんの家の前に着いちゃう・・・
朝から一緒で、1日中一緒に居たのに、どうしてこんなに寂しい気持ちになっちゃうんだろ。
まるで、遠距離恋愛していて、久しぶりにあった時の別れ際と同じような気持ちなんだけど・・・
「アキラくん、ありがとう。今日すっごい楽しかった~」
「うん、僕も楽しかった・・・」
車の後部座席でアッコちゃんの手を握りながら別れを惜しんでいると。
美姫が助手席から、バックミラー越しに後ろを見ながら・・・
「アッコちゃん、明日10時にウチに来るんだよね?」
「はい、お姉さん。明日楽しみですね?」
そっか、明日は姉ちゃんとアッコちゃん二人でお出かけするんだっけ。
そんな会話をしているとあっという間に、アッコちゃんの家の前に到着した。
2ドアの助手席側から、アッコちゃんを降ろすと、美姫が再度助手席に乗り込んで来た。
そして、助手席側の窓を美姫が明けてくれて。
「じゃあ、アキラくん。明日のサッカーの試合頑張ってね」
「えっ? あっ、うん、ありがとう」
最後の別れを忍ぶように、助手席の空いた窓から、手を出すとアッコちゃんが手を握ってくれて。
「アキラくん・・・次は月曜日かな?」
僕の手を握って、モジモジしながら、寂しそうな声で聞いて来るアッコちゃんに。
「明日、試合11時からだから、午後には家に帰って来るよ。 姉ちゃん、明日何時くらいに帰って来る?」
「ん? そんなに遅くはならないでしょ。 多分、そんな遅くならないから、夕方から遊べるんじゃない?」
「じゃあ、アッコちゃん、また明日会えるね?」
「そっか! そうだね、じゃあまた明日!」
と言ったもの・・・この繋いだ手を離すには、あまりに後ろ髪を引かれてしまうというか・・・
明日会えるとわかっていても、どうしても名残惜しい気持ちが抑えることが出来ずに居ると・・・
「どうしたの? アキラくん? 手・・・離してくれないの?」
「えっと・・・その・・・お別れの~」
「なに?」
イヤ・・・そんな怪訝な顔しなくても・・・
「イヤ、その~ お別れのキスなんか~」
「ダメだよ。 お家の前だもん・・・」
急に下を向いてモジモジしてしまう、アッコちゃんの姿を見て。
確かに、お家の前じゃ流石にだよなと思って、諦めてアッコちゃんの手を放すと。
アッコちゃんが後部座席に座っている僕に、顔を出せとチョイチョイっと手で手招きをするので。
助手席のシートと、ドア脇の車のフレームの間から顔をひゅこっと出すと・・・
「もう・・・しょうがないな。 チュッ」
「えっ? アッコちゃん・・・」
「もう、どうして別れ際はいっつも、そうやって寂しそうな顔するの? ヨシヨシ、寂しくないからね。 また明日会えるから」
アッコちゃんを遊んだ後は、だいたい僕が別れを渋って、寂しいアピールをしてしまい。
いい加減、アッコちゃんも付きあって2週間で扱いになれたらしく。
手慣れた感じで、僕を安心させるように、いつものように僕の頭をヨシヨシしてくれた。
「じゃあ、また明日ねアッコちゃん」
「うん、また明日、バイバイ」
「バイバイ」
「じゃ、アッコちゃん、明日待ってるね。もう暗くて危ないから、すぐ家に入るのよ」
「ハイ、じゃ、また明日」
アッコちゃんがバイバイっと手を振ってくれて、それに返していると、無情にも車が走りだしてしまった。
後部座席で振り向いて、アッコちゃんを見るが、すぐにその姿も見えなくなってしまい、後部座席で寂しさに耐えていると。
いつもここが定番の場所なのだろう、川沿いの公園のテニスコート脇の駐車場へあっと言う間に到着した。
美姫が先に車を降りて、助手席を倒してもらい、僕が続いて降りると。
美姫が雄太に今日はありがとうって言いながら座席を戻してドアを締めた。
まあ、当然僕がいるので、あの日のように美姫と雄太がキスすることもなく、あっさりとバイバイと言うと。
車がゆっくりと走り出して、先週のようにプップッと2回クラクションを鳴らして走り去り。
突き当りの角を曲がる前に、パッ、パッ、パッ、パッ、パッっと5回ブレーキランプが点灯させてから、角を曲がり消えていった。
それから、美姫が僕に向かってスッと手を出してくるので、いつものように手を繋いで家に向かって二人で歩き出した。
「時に、姉ちゃんさ?」
「なに?」
「あの、最後角曲がる前に、ブレーキランプが5回点滅する意味とか知ってんの?」
「ん? なにそれ?」
えっ? 嘘・・・お前知らないの?
えっ? 北海道の大スターのあの歌の歌詞なんだが?
年代超えて、知ってるんじゃないの?
「あっそう、知らないだ?」
「なんか意味でもあるの?」
「イヤ、別に知らないなら良いよ。 姉ちゃんは、そのままで居てよ」
「なによ? なんか、バカにされてるみたいで腹立つな~」
「で、明日、アッコちゃんとの買い物はどこに行くの?」
「ん~ 適当に街まで行ってブラブラするよ~」
街って・・・なんか、久々に聞いたんだけどそれ・・・
人によって違うんだけど。
どうしてか、北海道の人は、街の栄えている所へ行く時に街に行くと言うひとが結構いて。
渋谷に行くとか、三茶に行くとかでは無く、札幌では大通り周辺のデパートはショップが集まって栄えてる場所に行くことを街に行くと言うひとがいるのだ。
「そういえばさ、アッコちゃん・・・もうすぐ誕生日らしんだ~」
「へ~ いつ?」
「今月の28日なんだけど、それでさぁ~」
「なに?」
「明日アッコちゃんと買い物に行って、一緒にブラブラするなら。 アッコちゃんが興味ありそうなモノが会ったら、後で教えて欲しいかなって」
「ハァ、誕プレ用に情報が欲しいと?」
「まぁ、そうなんだけど・・・」
「イヤよ、教えない」
えっ? 美姫・・・さん?
なんで?
「だって、あんたさっき私の誕生日の話、無視したでしょ!」
「無視? したっけ?」
「『あっそう』とか言って、流して無視したじゃん。 可愛くない」
「え~ ごめん・・・全然違う事考えてて、全然話を聞いて無かったんだよ~」
「アッコちゃんのことで、エッチな想像してるからよ。まったくもう・・・」
「ちなみに~ 姉ちゃん・・・誕生日って何日だっけ? 11月にじゅう~ 何日だっけ?」
「11月の23日よ! もう! ひっどい! わたしの誕生日覚えてくれて無いの!?」
「ごめんって、本当にゴメンって!」
「イヤダ! 許さない!」
出たよメンヘラ美姫・・・
もうなんでコイツは、こうも自分中心なんだよ~
そもそも、弟が姉ちゃんの誕生日覚えて無いとか、けっこう普通じゃね?
「お願い許してよ。 ねえ、許して!」
怒って、口も利いてくれなくなってしまい、この状況を打破しようと。
お姉ちゃんに許してもらうために、美姫の腰にひしっと抱き着いてスリスリしながら、甘えん坊作戦に出る。
「お姉ちゃ~ん、ごめん。 許して~ お願い、ねえ・・・お姉ちゃんに無視されたら僕寂しくて死んじゃう」
「うっ・・・くっ・・・」
「お姉ちゃ~ん、ごめんなさい・・・お姉ちゃん、大好きだよ・・・ごめんなさい」
「うっ、くくく・・・」
そして、急にお姉ちゃんが立ち止まって、どうしたんだろうと抱き着いまま、お姉ちゃんを見上げていると。
急に姉ちゃんが僕をヒョイっと持ち上げて、抱っこされてしまう・・・
「もう、それズルイわよ!」
「だって、お姉ちゃんに無視されたら、本当に寂しくて、悲しい気持ちになっちゃうんだもん」
「わかったわよ、許してあげる!」
「本当!?」
「もう・・・何なの、もっと昔は素直で良い子だったのに・・・」
ブツブツと文句を言いながら、僕を抱っこしたまま歩き出す美姫に。
「ねえ、お姉ちゃん。 それでね、明日さ~」
「―――アキラ~ 帰ったらお風呂一緒に入ろうね~」
えっ? なんで急にお風呂の話?
しかも、僕の話を遮って急に何?
「はっ? なんで、いきなりお風呂の話になるかな? 嫌だって言ってるじゃん。 もう、なんで美姫はいっつも、話題をコロコロすぐ変えちゃうかな」
「じゃあ、アッコちゃんの欲しいモノ調べるの、わたし、協力しな~い」
「はぁ!? なんで?」
えっ? なに、この人!?
なんで、そんな意地悪言うの?
あれ? ひょっとして、アッコちゃんにヤキモチ焼いて、意地悪する気なんじゃ!?
「アキラがお風呂入ってくれるって言うなら、協力してあげても良いのにな~」
「えっ・・・お風呂って、そう言う事?」
「28日か~ ふふふっ、それまでず~っと、アキラと一緒にお風呂入りたいな~」
「28日までって何よ!? まさか、ギリギリまで教えてくれないってこと!?」
「だって~ アキラはアッコちゃんの欲しいモノが聞きたいんでしょ? 私はアキラと一緒にお風呂に入りたいの! ここはお互い協力しあうべきだと思うんだけどな~」
「うぅぅぅ、姉ちゃん・・・汚いぞ!」
「汚いって人聞きが悪いわね~ これは、高度な交渉術よ。 でっ、どうなのよ? 私と一緒にお風呂入る? それとも情報諦める?」
「うぅぅぅ・・・・・・入るよ・・・」
くそぉ・・・脈略無くお風呂の話題出して来たから何でだよって思ってたら。
こんなトラップ仕込んでくるなんて・・・
てか、美姫とお風呂はダメなのに。
コイツ、自分が貞操の危機にあること分かってんのか?
俺、まじで最近のこの優しいお姉ちゃんバージョンの美姫に対して、マジで我慢し続けられるか、本気で自信ないんだよ・・・
いまだって、ずっと、抱っこされながら歩いてるせいで、美姫のおっぱいの感触がモロに伝わって来て、かなりヤバイって言うのに!
「お姉ちゃんとのお風呂はマズいんだよ。 絶対お姉ちゃん後悔しちゃうよ? それに絶対僕のこと嫌いになっちゃうもん!」
「なんで私が後悔するのよ? それに、わたしがアキラのこと嫌いになんてなるワケないでしょ?」
「お姉ちゃん、僕もう・・・カラダはちゃんとした男の子になっちゃってるって知ってる?」
「どういうこと?」
「だからその・・・お姉ちゃん見たいな、可愛い人の裸なんて見ちゃったら、もう色々と反応しちゃうんだよ・・・」
「えっ!? ちょっ、なに? いきなり可愛いとか何よ? それに反応しちゃうってなに?」
「お姉ちゃん、自分がもうどれだけ綺麗な体してるから知らないんでしょ? それに、お姉ちゃんの体は色々魅力的過ぎてダメなんだよ・・・」」
「なっ!? なに!? 急に、なんで、急にお姉ちゃんのことそんなに褒め出すの? なに? 綺麗って・・・そんな・・・」
なに、そんな動揺してんだコイツ?
「僕も、もうちゃんとした男ん子なんだよ? まだ背も低くて、こんな風に抱っことかされちゃってるけどさ・・・」
「だから、なに?」
「お姉ちゃんの裸なんて見ちゃったら。 どうしたって、体が反応しちゃうんだよ。 現に今だって、かなりマズイのに~」
「今もマズいってなに?」
「絶対嫌ったり、軽蔑したりしない?」
「しなって言ってるでしょ、しつこいな~ なに、そんな心配してるのよ?」
「だから、いまも、もう・・・その男の子の生理現象が発生しちゃってて。 お姉ちゃんとぴったりくっついたり、裸なんて見たら、もう我慢出来なくなっちゃうんだよ・・・」
「ん? 男の子の生理現象? ん? なに? どういこと?」
「ちょっ・・・姉ちゃん? あんまり腰の辺りギュって強く抱き締めないで・・・」
「ん~ なんか、当たってるけど。 アキラ、おチンチン大きくなっちゃってるの?」
「もう・・・お姉ちゃんのバカ。 だから、ダメだって言ったのに・・・」
余りに恥ずかしくて、姉ちゃんにギュッと抱き着いて、首元にひしっと顔をつけて、美姫からの目線から逃れると。
「あ~ね? 生理現象って、それか。 でも、なんでこうなっちゃうの?」
「だから、お姉ちゃんにこんな抱っこされたら、姉ちゃんのおっぱいの感触に、姉ちゃんの良い香りを嗅いじゃうと反応しちゃうんだって」
「なんで?」
「もう! 分かってるクセに! お姉ちゃんのこと女の子として意識しちゃうからだよ!」
「えっ? ヤダ・・・なに? いきなり告白?」
「違うよ! バカ!」
「ふふふっ、でも、実は知ってたんだ~ アキラさ? 最近、お姉ちゃんのこと好きになったでしょ?」
「・・・そんなの、秘密だよ」
「ふふっ、秘密か・・・秘密ね~ そっか、そっか・・・秘密か~」
それから、妙にルンルンになった美姫は、僕を抱っこしながら鼻歌混じりで家まで帰ると。
僕を抱っこしたまま玄関に入り、わざわざ玄関まで母親を呼びつけると。
だっこしたままの僕の靴を母親に脱がせると、そのまま抱っこしたままリビングに入って言ってしまい。
「あらヤダ、どうしたの? 急に赤ちゃんになって帰って来て~?」
「アキラが私にくっついてないと寂しいっていうから~ ふふふっ、可愛いでしょ?」
「なんだお前? 美姫に抱っこしてもらってるのか?」
もう・・・恥ずかしくて死にたい・・・
なんで、母さんと親父にわざわざ、これを見せに来たんだコイツは・・・
「ねえ、お母さん? お風呂沸いてる?」
「沸いてるわよ?」
「じゃあ、今日はアキラと一緒にお風呂入るから」
「そう? じゃあ、先にお風呂入っちゃいなさいね。 まだ、ごはんまで時間あるから」
「は~い・・・」
母親の前で、勝手にお風呂に一緒に入る宣言をした美姫が、そのまま僕を抱っこして。
リビングを出ると、そのまま、鼻歌混じりで階段を上がり始めるので。
「一緒にお風呂ってどういうこと!?」
「お姉ちゃんに許して欲しいんでしょ?」
「それは・・・」
「じゃあ、もうアキラは私と一緒にお風呂に入るしかないわよね?」
「そうだけど、でもお風呂は本当にマズいよ・・・」
「なんで、おチンチンおっくなっちゃうだけでしょ?」
「違うよ! 僕だって男の子だよ! お姉ちゃんの裸見ちゃって、一緒にお風呂なんかで密着しちゃったら、もうお姉ちゃんに対して我慢し続けられる自信無い!」
「それって・・・なに? ひょっとして、お姉ちゃんとエッチしたいとか言ってる?」
「したいとは言って無いけどさ・・・僕だって男の子だもん、お姉ちゃん・・・自分が可愛くて、キレイは裸してるって自覚ないでしょ?」
「何言ってるのアキラ? そんなの、自覚なんてあるわよ。 それよりも、何よ~ 今日めっちゃ私のこと褒めるじゃんお前~ 何よ? 告白でもする気?」
あるんだよ・・・
イヤ、そうだよね? お前ってそういうヤツだもんね?
てか、なんで告白とか、そういう話になるんだよ?
「じゃあ、わかるでしょ? 先週だって、それで雄太におっぱい触られてたじゃん。 美姫にぴったりくっついてたら、どんな男だって、我慢出来なくなっちゃうだよ・・・」
「え~ じゃあ、アキラは、なに? 今日、お風呂で、私のおっぱい沢山さわってくれるってこと? 雄太に汚されたままのおっぱいを、アキラの可愛いお手てで消毒してくれるの?」
「なんでそうなるんだよ!? 消毒ってなんだよ?」
「だって・・・先週から、なんかずっと汚されたような気分なんだもん。 アキラにおっぱい全体的に触って貰え無いと、なんか除菌されない気がするんだもん!」
「俺は除菌スプレーかなにかかよ?」
「もう、アキラは余計なこと考えなくて良いのよ。 お姉ちゃんのこと触りたいなら、何も言わないで触って良いんだから。 昔っから、ずっとアンタお姉ちゃんのカラダにスリスリして来てたじゃない? 何を今更恥ずかしがってるのよ? 変な子ね」
「だから、子供の頃のスリスリと、意味合いが変わって来るんだって」
「もう、つべこべ言わないの! じゃあ、着替え持ったら、洗面所に来るのよ」
2階について、自分の部屋の前で美姫に降ろしてもらうと、そのまま自分の部屋に入り、カバンとかを降ろしていると、隣の部屋から美姫の鼻歌が聞こえて来て。
ご機嫌な美姫の鼻歌と利きながら、クローゼットから、着替えの準備をしていると。
先に、お風呂の準備を済ませた美姫が部屋に入って来て。
「アキラ~ 早く~」
新婚さんの奥さんのように甘えた声の美姫に急かされながら、クローゼットから着替えを取り出して。
色々と思う所があり、部屋のテッシュを数枚ポケットに入れると、美姫の元へと近寄って行き。
ウッキウキの美姫の後ろについて、階段を降りて行き、二人揃って洗面所に入ると。
すぐに、美姫がスポスポスポっと、恥じらいも無く服を脱ぎだして、それを見てるだけでも、胸がドキドキしてしまい。
美姫の着替え姿を見て、固まっていると・・・
「どうしたのよ? 脱がないの?」
「イヤ、姉ちゃん・・・先に入ってて」
「さてはお前逃げる気だな?」
「ちっ、ちがうよ! 絶対に後ですぐ行くからお願い、先に入ってて」
疑いの眼差しを僕に向けながら、全裸でペタペタと歩きながら美姫がお風呂場に入って行くのを確認すると。
それから、急いで自分の服を脱ぎ、すっぽんぽんになり、脱いだ服を洗濯籠に入れようとした瞬間・・・
今、脱いだばかりの美姫の下着やらストッキングが目に留まってしまった。
えっ? なんで・・・俺どうかしちゃってるよ・・・
いつも、美姫の汚部屋で、脱ぎ散らかした下着を何度も、何度も見て来たのに。
一度だって、美姫の下着を見て、ドキっとしたことなんてなかったのに。
なんで、脱ぎたてホヤホヤの美姫の下着は、こんなにも気になってしまうんだろう。
そんな事を考えているうちに、もう無意識にそれに手が伸びてしまい。
美姫の香りが残るブラに顔を付けて、息をいっぱい吸い込むと、美姫の良い香りが胸いっぱいに広がって行き。
頭の中の何かがぱっか~んとはじけ飛んだような感覚になってしまった。
元々、抱っこされてもう限界だった僕は、美姫を先にお風呂へ入れて。
抑えきれなくなった情欲を、1人で解消してからお風呂に入ろうと思っていたわけで。
急いで洗面所の電気を消すと、お風呂場の曇り戸から見える美姫の体のシルエットがハッキリと見えて、美姫の下着にドキドキしながら見とれてると。
その場に崩れ落ちるようにペタンっと座り込んでしまい、女の子座りのまま美姫の裸と下着の魅惑で・・・
それはもう過去最速なんじゃ無いかと思うほどの速度で賢者タイムに突縫してしまったものの・・・
美姫の下着パワーがあまりに強くて、1度じゃ興奮が冷めることが無く。
美姫がしびれを切らして、「まだ~」っと声を掛けて来るまで僕は、美姫の下着で何度も何度も、最速賢者タイム獲得のタイムトライアルと繰り返していた。
「おそいよ!」
「ごめん。 精神と時の部屋で、心を整える時間が必要だったから」
「なんだそれ?」
もう、カラダを洗い終わって、先に湯船につかってる美姫をよそに。
なるべく美姫の裸を見ない様に、ひたすら無を心がけて、体を洗い終わると。
湯船の淵に寄り掛かって、足を延ばして座る美姫の、足の先辺りにスッと遠慮しながら湯船に入った。
「久しぶりね? 一緒にお風呂入るの?」
「・・・そうだね」
美姫から距離を取り、湯船の淵に顔を乗っけて、ひたすら洗い場の一点だけをジーっと見ながら。
雑念を拾わないように、ひたすら虚無を意識していた。
「ところでさ~ アッコちゃんの誕生日っていつなのよ?」
「えっ? だから、今月の28日ってさっきも言ったじゃん」
コイツはニワトリさんか?
もう、さっき教えたばっかりなのに・・・
「で? アッコちゃんが欲しいモノを私に調べて貰いたいのね?」
「まあ、そうだけど。 もうイイよ、どうせ協力してくれないいでしょ?」
「協力しなくもないんだけどな~」
「ん? えっ!? マジ!?」
思わず、テンションが上がってしまい、不覚にも美姫の方を見てしまった。
その瞬間、水面に浮かぶ綺麗な二つの谷間が目に飛び込んで来てしまい。
さらに、水面下でゆらゆらと揺れながら、ぼんやりと見えるおっぱい本体までも見えてしまい。
これはマズイっと思い、速攻目線を外して、お風呂の淵にしがみついた。
イヤ、セーフだ、まだ賢者タイム効果が継続していて、ギリギリでそれを乗りきることが出来た。
「どうしたのアキラ? 何恥ずかしがってるのよ?」
「だから・・・姉ちゃん、無理。 そんなの直視出来ないよ~」
「え~ 何よ~ おっぱい触ってくれるって約束したじゃない!」
「してないよ! お風呂に入るまでは約束したけど、おっぱい触るなんて言って無いから!」
も~う、もう、もう、もう・・・美姫のバカ・・・
何を言ってるんだよ、僕を誘惑してどうする気なんだよ~
「アキラ? これからもお姉ちゃんとお風呂一緒に入ってくれて、毎日一緒に寝てくれるって言うなら~ アッコちゃんの事、協力してあげても良いよ~」
「えっ?」
「どうする? 最後のチャンスよ?」
ぐぅぅぅ・・・汚いぞ美姫!
てか、どうしてそんなに俺とお風呂に入りたいんだよ・・・
「ずっとっていつまで?」
「お姉ちゃんが満足するまで?」
「そんなの、エンドレスじゃないか!?」
「そんなこと無いも~ん。 ただ、アキラとずっとお風呂に一緒に入って、一緒に寝たいだけだもん」
「なんで僕とそんなに入りたいのさ?」
「だって、アキラが傍に居ないと、落ち着かないのよ・・・何か、寂しいっていうか。 お姉ちゃん、アキラがいないと本当にダメなのよ」
「今までだって、別に僕がいなくて平気だったんでしょ?」
「平気じゃないから、アイツと付き合い始めたんじゃ無い。 アキラが悪いのよ。 あんなにコバンザメみたいにずっと私の後ろくっついて来てたのに、急にカマってくれなくなるから」
「急にって、別にそんな急じゃなかったでしょ? それに、お姉ちゃんが中学生になって色々時間が合わなくなっただけじゃん?」
「それだけじゃないもん! 絶対、アキラ、私の事避けてたもん! 寂しいの! ずっと寂しかったの!」
「も~う・・・子供みたいに駄々こねるなよ~」
「だって、アキラのこと好きなんだもん。 好きな子に相手にされないのがどれだけ辛いかわかる? 初恋の相手がこんな傍にいるのに、相手にされてない女の子の気持ち考えたことある?」
「えっ!? イヤ・・・姉ちゃん? 初恋って、僕ら弟妹だよ? 何言ってんの?」
「だって、好きになった相手が、たまたま弟だっただけなんだもん・・・」
なんかすっげ~可愛いこと言ってんだけど。
話してる内容めちゃくちゃなんだが!?
「だって、姉ちゃん、弟妹じゃ結婚なんて出来ないんだよ? 知ってる?」
「知ってるわよ! しょうがないでしょ、純粋に恋しちゃったんだもん!」
「そんなこと僕に言われても・・・」
「赤ちゃんの頃は、自分の子供の様で母性を刺激されてお母さんみたいな気持ちだったけど。 大きくなるにつれて、どんどん可愛くなるアキラに、いつのまにか恋しちゃってたのよ」
「はぁ・・・妹が欲しかったって、罵声を浴びさせられた記憶があるんだけど、気のせいかな? それから、しばらく女装させられた記憶もあるんだけど?」
「あの時は、マイブームが妹だっただけでしょ? ちょっとした気の迷いよ。 それに、妹が欲しいのはいまでも変わって無いもの。 お母さんも持って頑張ってくれれば良かったのに・・・」
イヤ・・・なに、いきなり生生しい話しヤメて?
「ていうか寂しいとか言ってるけど。 アイツと仲良くしてて、別に寂しそうになんか見えないけど?」
「何よ? 雄太のこと言ってるの? 何なのよ先週からずっと焼きもち焼いちゃってさ~ アキラがお姉ちゃんのこと避けて寂しいから、しょうがなく一緒にいるだけでしょ? 別にアキラが嫌なら、アイツとすぐ別れたって平気だもん」
「嘘つけよ。 別れたら、別れたで、寂しいとか言い出すクセにさ・・・」
「アキラがちゃんと、毎日一緒に居てくれるなら大丈夫だもん。 だから、毎日一緒にお風呂入ってよ。 それで、毎晩一緒に寝てよ? 今もそんな離れちゃってさ。 もっと近くに来てよ、お姉ちゃんに抱き締めさせて?」
「だから、美姫の近くは色々危ないから・・・」
「ねえ? お願い・・・アキラ? 傍に来て? ダメ?」
―――なにそれ、姉ちゃん、可愛いかも・・・トゥンク・・・
何その、瞳ウルウル、ぶりっ子モード全開のヤツ。
うくぅ、攻撃力半端ないんって・・・しかも、裸だし・・・
「アキラ? ねえ、傍に来て?」
うぅぅぅ、そんな寂しそうな顔して、目までウルウルさせられたら、放っておけないじゃないかよ・・・ズルいよ、姉ちゃん・・・
美姫のキュルルルン攻撃に完全敗北の僕は、スススッと美姫の傍に寄っていき。
美姫が座っている足の間に吸い込まれると、そのまま美姫にギュッと捕まってしまった。
必死に死守してきたのに、美姫の至高のおっぱいと、スベスベの肌の感触にやられた僕の体からは、賢者効果がその瞬間霧散していってしまった。
ダメ、こんなの・・・
めっちゃエロすぎる。
美姫のおっぱいの感触を頭と背中に感じて、背中からお尻に掛けても、ぴったりと吸い付く美姫に肌の感触を感じてしまうし。
目の前には、美姫の適度のムチムチした足が僕を包み込んで、もうこんな風にされたら僕は・・・
「はぁ~ 久しぶり・・・アキラ・・・大好き・・・」
「姉ちゃん、そんな、あんまりスリスリしないで~」
「ふふっ、照れちゃって可愛い。 本当、最近のアキラは可愛いよね? どうしちゃったのよ、急にお姉ちゃんに甘えてくれるようになってさ。 でも、嬉しいな・・・好きよ、アキラ」
はぁ~ ダメだ~
美姫に後ろから色んな所にキスされて・・・
もう、もう、もう・・・マジで無理・・・
「でも、こうしてお風呂で抱きしめてると、やっぱりアキラも大きくなったよね? ずっと、赤ちゃんみたいに思ってたのにな。 なんか、寂しいな・・・」
「お姉ちゃんが思ってる以上に成長してるんだよ・・・僕だって、もうちゃんとした男の子なんだから」
「うん、そうだね。 ふふっ、またおっきくなってる・・・可愛い・・・」
「ちょっ! お姉ちゃん!? なに、ちょっ! ちょんちょんとかしないでよ!?」
「ふふっ、良いでしょ? アキラのおチンチンも全部私のモノよ。 赤ちゃんの時、オムツ返る時に散々摘まんだり、引っ張ったり、触ってたんだから。 今更でしょ?」
「うぅぅぅ、そんなわけないだろ・・・バカなの?」
赤ちゃんの時と、今を一緒にするなよ・・・
てか、赤ちゃん時代の俺に何してたんだよコイツ?
今、サラっとヤバイこと言って無かったか?
「姉ちゃん、恥ずかしいから、そんな肩とかにキスしないでよ・・・」
「もう、逐一恥ずかしがるな~ なんなんだお前は、少しはお姉ちゃんの好きにさせてよ。 久しぶりなんだから~ あ~もう、食べちゃいたいのに・・・」
なんて横暴・・・
そして、なんかめっちゃ怖いこと言ってるし・・・
もう、何か色々マズイし、ダメ!
「はぁ~ 幸せ~ 私のだいじなだいじなアキラ。 お願い、お姉ちゃんのこと1人にしないで・・・寂しいのは嫌い・・・」
「お姉ちゃん? 寂しくないでしょ。 雄太が居るじゃん・・・」
「もう、別れる・・・」
「なんで?」
「アキラが傍に居てくれたら、それだけで十分。 アキラがキスしてくれたら、それだけで幸せだから。 アイツはただの穴埋めだもん・・・」
「とか言って、意外と依存してたりするクセに。 いなくなったら、それはそれで、寂しいとか言い出すクセにさ」
「そこまでわかってるんだったら、アキラが全部埋めて? アキラがいれば平気よ・・・」
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
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