第30話 タイムリープがアトラクション化してきちゃった
「イッタ~イ!!」
「美姫大丈夫?」
「雄太もぶつけてたよね? ごめんね・・・」
美姫・・・お前ってマジバカなん?
イヤ、さっきの反省を踏まえて、食後フライングカーペットは却下して。
ゴーカートにそれぞれ乗ろうってなったんだけど・・・
アッコちゃんは物凄い慎重運転でノロノロ走ってたのを。
なんの対抗心かしらんけど、物凄いスピードで美姫が追い越してったんだよな・・・
抜いた瞬間『イエ~イ!! 私の勝ち~!!』って満面の笑みで・・・
そのまま、俺らの方よそ見して、直進続けて、コースわきのタイヤバリアに突っ込んでったけど・・・
ぶつかった衝撃で、ゴーカートの後ろちょっと浮いてたし。
スッゴイ衝突音だったし・・・普通に事故・・・
マジ、美姫・・・大丈夫なのか?
美姫には運転させない方が良いかもしれない。
マリカでも、いっつもコースアウトしまくってるし。
こいつ絶対センス無い・・・
ん? 思い出した・・・
コイツ1回、車で人ひいてたっけ。
なんか軽くぶつかったとかで、いつだあれ?
美姫が就職してすぐくらいじゃなかったっけ?
う~ん こいつやっぱりセンスが無いんだな。
なんだろうな~
足裏の感覚バグってんのかな?
昔1度だけコイツの運転する車乗ったけど、アクセルワークが超雑だったの覚えてるし。
ピアノのペダリングもガンガン音鳴らすし。
微妙なコントロールが出来ないんだろうな~
「お姉さん大丈夫かな?」
「どうだろう・・・脇腹ハンドルにぶつけたって言ってたけど・・・」
どうしよう・・・
美姫のためにタイムリープでもする?
う~ん それもそれでめんどいな。
「あっ! アッコちゃん?」
「なに?」
「午後から絶叫系に乗るでしょ? ドラゴンみたいにスカートめくれちゃったらイヤだから、このショートパンツに着替えてきたら?」
「えっ? ショートパンツ?」
「ちょっと! アキラ! それ私の昔の服じゃん!」
「えっ? ああ、ごめん・・・ 昨日姉ちゃんのクローゼットから発掘したヤツ借りちゃった」
「昨日?」
「そうだよ、あまりにクローゼットが汚いから、そのまま整理しちゃったけど・・・」
「あ~そう言われたら、ちょっと綺麗だったかも・・・ って違うわよ! 何、人の服を勝手に!」
「イイだろ? これ、中学位に履いてたヤツ。 もう着ないヤツだろ!?」
「そうだけど~」
タイムリープしても、この流れは変わらないんだな~
「可愛い妹のために、服くらい提供しろよ~」
「アッコちゃんはイヤじゃ無いの?」
「えっ? 迷惑じゃなければ、貸していただいても良いですか?」
「良いけど・・・」
「じゃあ、アッコちゃん、履き替えて追いでよ~ 気兼ね無くジェットコースターにも乗れるから~」
「うん! じゃあ、ちょっと待ってて~」
「あんた、そのリュックに何入ってるのかと思ったら、アッコちゃんの服まで用意してたの?」
「そうだよ。何があるかわらかないじゃん。一日アッコちゃんが楽しく過ごしてくれるように準備万端なのだ!」
はぁ~これで、アッコちゃんのパンツはもう見れないのか・・・
シクシクシク・・・ううう、アッコちゃんへの優しさと、俺の中の欲望の葛藤が・・・
「お待たせ~!」
「アッコちゃん、スカートシワにならないようにたたんで、俺のリュックに入れなよ」
「イイの?」
「ふふっ、そのために、このリュック持ってきたんだから~ 任せて~」
「ありがとう、アキラくんは優しいな~♪」
さて、この後どうするのかな~
「姉ちゃん達どうするの?」
「えっ? ちょっと、まだイタイから、ここでしばらく休んでる・・・」
「あっそう・・・ じゃあ、俺らジェットコースター乗って来て良い?」
「良いわよ。 じゃあ、また後でね」
「じゃあさ~ アッコちゃん、次はハリケーンに乗ろうよ~」
「ハリケーン? どんなヤツ?」
「ブランコみたいに、揺れまくるジェットコースター。 足が宙に浮いた状態だから超怖いヤツ~」
「え~ わたし・・・だいじょうかな・・・」
「せっかく来たんだから乗っとかないと~」
「でも~ お姉さん、痛そうだったね?」
「まあ、自業自得だからな~」
「すっごい音してたけど・・・」
「まあ、あれは完全な事故映像だったね。ナハハハ」
「お姉さんって負けず嫌いなのかな?」
「まあ、それはあるかも・・・」
ゲームでも負けるとムキになってたし。
トランプも勝つまで止めないしな~
「なんかさ~ 私に対抗心持ってるような気がすんだよな~」
「それは・・・なんとも否めないかも・・・」
「なんで?」
「イヤ・・・なんか、姉ちゃん、俺のことめっちゃ好きらしいから」
なだろうな、雄太に言われるまで自覚無かったけど。
よくよく考えたら、そんな気がしてきたな~
「そうだよね・・・お部屋でアキラくんと遊んでる時も、何回もピッタリくっつきすぎじゃないとか言われたもんな~」
「言ってたね・・・」
「やっぱり、私とアキラくんが仲良くしているのイヤなのかな? わたしやっぱり嫌われてるんじゃ~」
「そんなこと無いって~」
『左右の安全バーにしっかり捕まって下さい。 Behappyの合図でスタートします。 では皆さんご一緒に~ Be happy~』
「スタートしちゃった!」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ~」
「足ブラブラで何か怖いよ~」
「大丈夫だって~」
「アキラくん!! 下何も無いよ!! キャーーーーーーーーーーー!!!!」
うう、さすがに、真下の地面まで超見える~ 怖え~!
ウ~ これは・・・ヤッバイ・・・ 何この浮遊感・・・
怖い・・・ 下に何も無いのヤバすぎ!
ん~く~!! 宙返りも・・・ Gがヤバすぎ・・・
「キャーーー!!!! 落ちる~!!!!」
アッコちゃん、過去一叫んどる・・・
落ちる・・・ マジ・・・ これは
く~ この胸のゾワってくる感覚~
パッ! パッ! パッ!
えっ?
いま、光の点滅した?
そんなに落差あったのか?
って・・ う~ また宙返り~ めっちゃ左右に揺られるって~
「キャーーー!!!! キャーーー!!!! キャーーー!!!! 」
アッコちゃん、相当ヤバそう・・・
うううう・・・ これは・・・
「キャーー!!! 無理!!!! うぐぐぐぐぐぐ・・・・」
あっ、アッコちゃんイヨイヨダメなヤツ?
怖すぎて、声も発せなくなって来たじゃん・・・
う~ この直線のきりもみ状態・・・エグイ・・・
パッ! パッ! パッ!
えっ・・・ また光った?
あれ? どういうこと?
『お帰りなさ~い。ベルトを外して、お疲れさまでした~ 足元に気をつけてお降りください』
「え~ん 怖かったよ~」
「さすがに・・・これは~ ちょっと頭フラフラするかも」
「わたしも・・・なんかちょっと気持ち悪い・・・」
「ちょっとベンチで休もうか?」
「うん・・・ アキラくん?」
「なに?」
「横になっても良い?」
「良いよ。ほら、俺の太ももに頭乗せて横になりなよ」
「へへへっ、何んか午前中と逆だね・・・」
「ふふっ、そうだね」
ん? ここは、なんかさっきと一緒だな~
アッコちゃん可愛いな~
でも、さっき何とも思わなかったけど・・・
ちょっと自分の股間の所にアッコちゃんの顔があるって思うと~
なんだろう・・・エロい気持ちになってきちゃった。
ヤッバイ・・・気持ち落ち着かせないと。
さっきも、タイムリープ中の謎のお姉さんにもエッチな事ばっかり考えてって怒られちゃったし・・・
目を閉じて~ 落ち着かないと・・・
アッコちゃん・・・
頭を撫でてると、この髪の感触がなんか気持ちい良いんだよな~
ああ~ずっとこうしていたいな~
なんか、暖かいし、眠くなって来たな~
ウツラ・・・ウツラ・・・
・・・・
・・・
・・
・
うっ! 眩しい!
キチャ~ タイムリープ!
「1日に2回は初めてね~」
でた、謎のお姉さん。
「どこまで戻したいの?」
「あの? これって、不可抗力でタイムリープのモードになったら必ずタイムリープしないとダメなの?」
「う~ん・・・ しなくても良いけど・・・」
「その時は、どうなるの?」
「えっ? ただ、そのまま目覚めるだけよ~ じゃ今回はタイムリープしないってこと?」
う~ん・・・どうしよう・・・
ハッ!
「えっと・・・ さっきと同じで、お昼食べ終わった直後くらい?」
「ふ~ん、どうして?」
「姉ちゃんが事故る前まで戻したいから・・・」
「ふ~ん、優しいのね~ イイワ~ じゃあさっきと同じ時に戻してあげる BeHappy~」
イヤ・・・Behappyってアトラクションかよ!
そう言われて、少しずつ意識が覚醒していく・・・
・・・・
・・・
・・
・
「アキラくん! アキラくんってば~!」
「えっ!? なに?」
「もう! ごはん食べてすぐ寝ちゃったら牛になっちゃうよ?」
「えっ? アッコちゃん? 牛?」
キョロキョロ・・・
さっきご飯食べてたところだ。
またタイムリープしちゃったよ。
てか、今回はジェットコースターしか乗ってないのに・・・
なんだ、確かにあのジェットコースター浮遊感があって、落ちるような感覚あったし。
きりもみ状態だったけで、直線あったし・・・
こんな方法もあるのか?
「なに? ボーっとしてるの?」
「えっ? 俺いつから寝てたの?」
「お姉ちゃんにパフェを食べさせて~ 雄太さんがトイレ行ってくるって言ってすぐ寝ちゃったよ」
なるほど、本当に同じ場所にもどった・・・
てか、午後一なに乗ったら良いんだよ~
姉ちゃんが変な対抗心で事故らないヤツで、アッコちゃんと仲良く出来るヤツ~
あ~ もう、なんで俺が美姫のためにタイムリープしないといけないんだよ~
まあ・・・でも、痛そうな美姫みているの可哀そうだったから、まいっか・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。
 




