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第3話 小学校のスクールカーストに負けてたまるか

はぁ~ なんで、俺が溝口を泣かしたからって職員室に呼ばれて、先生にあれこれ言われないといけないんだよ!


あ~ マジイライラする。

本当に学校の先生っていうのは、表面上のことしか見ないで物事判断しやがって、バカばっかりだ。

泣かした方が100パー悪いのかって?


ふん! はなっから悪者扱いしやがって・・・

中身32歳の俺に内容も碌に把握もしないでバカみたいに丸腰で説教なんて始めやがってよ~

逆に論破されて、ぐうの音も出ないで黙りこくりやがって、あんな奴が教師やってたなんて今思うとぞっとするけどな。

まっ、そのせいで、アッコちゃんも俺も、当時不条理な陰湿ないじめにあってしまって、泣き寝入りするしかなかったわけだけど・・・


ふん、溝口と川上のバカがよ!

逆に呼び出しくらって、今頃説教ってか~?

ざま~みろってんだ、クソが。


泣かされたとか、マジでチクってんじゃねっつ~の。

チッ! おかげで休憩時間無駄になったじゃん!

こんな事している暇なんて無いのに。

1分1秒、アッコちゃんとの時間無駄に出来ないっていうのに・・・


本当に学校の先生って断片的な所しか見ないで、一方の話だけ聴いて決めつけて沙汰するあの姿勢マジでイラつくわ~

あんな事やってるから、学校からイジメが無くならないんだって。

チクったモン勝ちで、多数派が勝者ってか?

あ~マジでイライラする、ここ最近の会社でのイライラ、全部あのセンコーにぶつけてやったよ・・・


休み時間も終わりかけで、自分の教室へ戻ろうと扉を開けた。


『ガラガラガラ・・・』


その時、背後に忍び寄って来るバカの気配を感じて。

咄嗟にさけると・・・


案の定、ボールを持ったバカが、俺に目掛けて振り下ろして来ていたみたいで。

不意打ちを狙って確実に当たると思い込んでたのか、大きく空振りをしたものだから。

直ぐに敵意剥きだして、俺の事を睨みつけてきたわけだが・・・


しっかし、コイツにもよく小学校の頃にはよく絡まれてたというか。

体格と腕力には自信があるこのデブ・・・


負けず嫌いで、気は強いクセして、何かと俺に対抗しようとしては失敗して。

そして、負ける度にシクシクと泣いて、皆から同情を買おうとするめちゃくちゃ厄介なヤツというか。

ただの害悪アンチみたいなヤツで。


勉強は出来ないし、運動能力が極限までに低いせいで、せっかくの腕力も活かせないクセして。

イジメっ子同士で徒党を組んでから急に強気な行動に出始めて、マジで面倒くさいヤツだったんだけど・・・


「何やってんだよ? 谷口?」

「あん? 別になにもやってね~し」


はぁ? 相変わらずバカ丸出しだなコイツ・・・


「今、そのボールで俺の顔殴ろうとしてただろ?」

「ああ? してね~し、ぶつかりそうになっただけだし」

「はあ? デブが頭の悪い言い訳してんじゃね~ぞクソが、俺は今めちゃくちゃ機嫌が悪いの知ってんだろうな!? 泣かすぞガキ!」


谷口と高橋か・・・

なんか、知らないけど、こいつ等から無駄にヘイト買ってたんだよな~

まっ、基本的にただのやっかみで絡まれてたわけだけど・・・


まあ、昔っから勉強もスポーツもそれ以外も、何やらせてもすぐに平均以上出来ちゃうから、それで妬まれてたような気がするけど。

さっきの朝の騒ぎも、なんかずっと視線感じてたしな~

あ~ 面倒くさい。


小学生の頃は、めっちゃ小さかったからな~

って、実際に今・・・めっちゃちっこいわけで。

実際、谷口と高橋とは身長差は15cmか20cmくらいあったんだろうか?


だから、捕まったり、取っ組み合いのパワー勝負になると、超デブの谷口にはパワー負けして、しょっちゅう負けてたんだけど。

スピードじゃかなわないのを知ってる要るから、だいたいやる時はいっつも今みたいに不意打ちばっかりの卑怯者だったんだけど・・・


でも、今の俺には柔道の知識があるんだよな~

高校の頃、無駄に体育の柔道の授業が実践的で、クラスの半分以上が黒帯並みの腕前になるとか意味不明な環境で3年間鍛えられたからな・・・


まあ、いまの俺ならこのデブも簡単に投げ飛ばせる気がするっていうか・・・

まっ、しかけてきたらの話だけどなんて思っていると、マジでバカみたいに胸ぐらを掴んで気やがって。


ふっ、いつものデブの重さを生かした単純なパワープレイか・・・

豚に見合いに、ふんふん言いながら、俺の胸と肩を掴んでグイグイ押し倒そうとしてくるバカ丸出しの攻撃だ・・・


そんじゃまっ・・・遠慮無く。


バカの奥襟を掴んでがっちりと決めた瞬間、あっ・・・イケるなこれと思った瞬間には。

次の瞬間に、デブの巨体は完全に俺の腰に乗っかってしまい、そのままフンっと腰を回転させてやった。


まあ、当然こんなバカに引き手を丁寧に残して、ケガをしないように気遣うようなことなんかするわけもなく。

逆に、腰の高さから、真っ逆さまに学校の固い床目掛けて、容赦なくたたき付けてヤルと・・・


『ド~ン!! ゴツ!!』


硬質な床に頭を打ち付けた時の、あの特有の鈍い音をさせながら床に沈んだデブが。

受け身も取れずに、思いっきり頭を床に打ち付けてしまい。

もう、その後は・・・もともとただの泣き虫野郎の弱虫君なわけで・・・


『ピギャー』


まあ、予想はしていたけど・・・

喧嘩売ってきたクセに、簡単に泣くとかマジダッセーヤツと思いながらも、自分の行動を正当化する意味で・・・


「オイ? お前が仕掛けて来たんだからな。 俺は正当防衛をしただけだが、わっかってるよな!?」

「―――オイ! 何、谷口泣かせてんだよ!」


はっ・・・出て来たよ・・・

優等生ぶったイヤなヤツが。


「うるせ~な~高橋! 誰がどう見たって正当防衛だろ!? 何か文句あんのか? コラ!」

「あんな投げ飛ばすことないだろ! 危ないしケガしたらどうするんだ!!」

「はぁ~いっつも自分は空手やってるから言う事聞けとか言って絡んで来るテメ~だけには言われたくね~な~オイ!!」

「何!? 今は空手は関係ないだろ!」


「だったら、この件は、谷口と俺の二人だけの問題だ! 外野のテメ~はもっと関係ないだろ!! 優等生ぶって絡んでくんな、このクソガキが!!」

「なっ! でも俺は学級委員長だから・・・」

「学級委員長は、ボールでいきなり殴りつけてくるようなヤツを擁護するのかよ? しかも、その後にいきなり胸ぐらつかんで暴力ふるうコイツを擁護すんのか? ああ!! どうなんだよ!! コラ!!」

「そんな・・・ところまでは見てなかった・・・」


見てなかっただ~? 嘘つけクソが。

谷口のすぐ後ろで、ジーっとこっちを見たただろうお前はよ!


「断片的な結果しか見ないで、野次馬根性で関わってくんなって! 優等生は、黙って席に座ってろボケが!」

「なにを!!」


『何やってるんだ!?』


まっ、この時間に揉めてたらこうなるわな・・・

チャイムと同時に教室に入って来た、担任のバカが怒鳴り散らすわけだけど・・・



「先生!! 佐久間君が谷口君を!」

「はぁ? 何言ってんだよ高橋!?」


『また佐久間か・・・お前今日どうしたんだ?』


ふっ、また断片的な状況だけ見てすぐそれか・・・

優等生の殻をかぶった良い子ちゃんをそんなに信頼して良いのかよ?

6年生になって化けの皮がはがれて問題行動ばっかり起こす高橋に手を焼くともしらないで・・・


「別に、こいつがいきなりボールで殴りかかって来た上に、そのあと胸ぐら掴んで襲って来たから、正当防衛で危機を回避しただけけですけど、何か問題でもありますか?」


『ぐっ、お前はまたそうやって・・・』


「俺が悪いんですか? もしそんなことしたら、色々問題にしますけど? 良いんですか? この学校はイジメを助長する学校で、いじめの根っこを改善する気なんてさらっさら無い学校だってね!」


『ああ! もう! わかった!わかった! 谷口! お前、あとで職員室に来い!』


ふん! バカが・・・

あ~もう・・・マジでイライラする。


もうクソガキ共が、俺に関わってくんなよボケが・・・

俺にはお前らみたいなクズどもにかまってる時間なんて無いんだよ!


この半年で、アッコちゃんと仲良くなって。

転校した後も、常に連絡しあう仲にならないといけないんだ。

名古屋に行っても、2年間は手紙とか電話で関係続けないと・・・


イライラしつつ、クラスの皆からの好奇の目を感じながら自分の席に戻ると・・・


「佐久間君? なんか今日凄いね?」


アッコちゃんが優しい微笑みを浮かべながら、そう話しかけてくれたので。

声を掛けられただけで、嬉しくなった僕は・・・


「えっ? そうかな?」

「さっきも、助けてくれたし。 今も絡まれたのに凄いよ・・・」

「俺は強い男になって、アッコちゃんを守らないといけないから」

「えっ? ちょっと・・・もう・・・」


そう言うと、また下向いて顔を真っ赤にしてモジモジしちゃう彼女。

そんな姿があまりにも可愛くて、隣でずっと彼女の事を見ていたと思ってしまう。


君のその太陽みたいな笑顔をずっと守りたいと思ってしまう。

本当に、君はめちゃくちゃ可愛いのに・・・


でも、前の人生で、この頃の俺は全然知らなかったんだよ。

アッコちゃんがイジメで色々悩んでいる事を・・・


でも、今の俺は全てを知っているんだ。

小学4年生で転校して来て、しばらくして学校でイジメを受け初めて。

それが理由で、学校を休みがちだったことを・・・

学校行くのが本当に嫌で、毎朝お母さんに学校に行きたくないと駄々をこねていることも・・・


だから、あと半年・・・

残り半年だけは、俺がアッコちゃんを守ってあげるんだ。

嫌な記憶ばかりの小学校の記憶を俺が少しでも変えてあげないといけないんだ。

君のその太陽のような笑顔を守るために・・・


アッコちゃんと幸せいっぱいは会話をしていると。

斜め前に座っている溝口がわざわざ俺の方を振り向きながら・・・


「ふん! 調子乗んなんなよお前・・・」

「ああ!? なんだ溝口!? 先生に怒られて機嫌悪いからって絡んでくんなってバカがよ!」

「もう! うるさい!」


ふん、うるさいしか言えなくなってるし。

イヤ~いじめの根っこがどこにあるのかも気づけない無能教師に、くだらない因縁を次から次へと吹っ掛けてくるクソガキ。

今改めて感じるけど、マジこの学校最悪だな・・・


「まじ、今日アキラ別人だな?」

「そうかな?」

「えっ? 別人だよ」


そう言って、藤澤君が不思議そうな顔をしている。

まっ、中身32歳のオッサンだしね。

別人っちゃ~ 別人からな~

理不尽な人間関係にもまれて早10年。

会社でも家庭でも理不尽な扱いを受けて強くなった俺に、こんな小学生カーストなんかに負けてたまるかって言うの。


この世界で、俺はアッコちゃんを守る。

今日彼女の笑顔を見て、そう決めたんだ。

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