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第21話 ファーストキス?

「アッコちゃん、次は何に乗る?」

「もう、しばらくここで休憩してようよ。 また倒れられたら困るもん、だから、ほら、無理しないで横になって?」

「アッコちゃん・・・」

「膝枕、してあげるから、早く横になって」


僕の方を向いてニコッと微笑みながら、膝の上をポンポンっと叩くアッコちゃん。

本当に良いのかなっと思いつつ・・・

恐る恐る、アッコちゃんの太腿の上へ、顔を上にして寝転がる。

すると、僕のことを見下ろすように見ているアッコちゃんと目が合ってしまい、恥ずかしくなって寝返りを打ち、アッコちゃんのお腹の方へ顔を向けてしまうと。


「ふふっ、甘えん坊さんだな」


ヤバイ、この体勢・・・後頭部で感じるよりも、ずっと生生しい感触が頰から感じちゃう・・・

しかも、目の前はアッコちゃんの・・・


くぅぅぅ・・・もう、さっきまで治まってたのに。

この柔らかい太腿の感触と、アッコちゃんからする良い香りで、あっという間にアイツが起き上がってくるし。

ダメだ・・・もうギンギンで、エッチなことしか考えられなくなっちゃうよ。


はぁ・・・こんな不純物の塊のような僕に・・・

こんな風に、優しく頭をなでなでしてくれるなんて。

アッコちゃん・・・天使過ぎるだろ・・・


それにしても、アッコちゃんの肌スベスベだな~

うぶ毛も何もない本当にスベスベで綺麗な白い透き通るような肌・・・

ヤバイ、こんなの気持ち良すぎてクセになっちゃうよ~


でも、なんでこんなにもアッコちゃんにドキドキしちゃうんだろ。

相手は小学5年生なのに・・・普通に同年代の女性にしか見えないというか。

イヤ、同年代なのは間違いないんだけど、なんていうか、子供に見えないんだよ。

夢で長年、この姿のまんまのアッコちゃんを見続けて来たからなのかな?


ずっと、この姿のアッコちゃんに恋をしてたから、どうしたってドキドキしちゃうんだよ。

決してロリコンってわけじゃ無いんだ・・・


アッコちゃん以外の同級生の女子は、皆あまりにガキ過ぎて何とも思わないし。

アッコちゃん以外は、だいたい中学生や高校生の時の見た目で更新されてるから、実際今アイツ等を見ても本当にガキンチョにしか見えないのに。

どうしてなのか、アッコちゃんだけは特別というか、普通に大人の感覚が残る自分と同い年の女の子にしか見えないというか・・・


ただの子供じゃ無くって、本当に可愛くて可憐な少女に見えてしまって、ドキドキしちゃうんだよ。


「もう、あんまり無理しないでね。 アキラくんに倒れられたら困っちゃうだから」

「えっ? あっ、そうだよね・・・ごめん・・・」


心配するように、僕の頭をヨシヨシっと撫でてくれるアッコちゃん。

それが、本当に嬉しくて、相手が小学5年生の女の子なんて、もうどうでも良くて。

ただただ、彼女の優しさに甘えたくなってしまう。


でも、せっかく掴んだこの幸せも、そんなに長く続かないんだと思うと急に寂しくなってしまい。

このまま時間が止まれば良いのになんて思ってしまうが。

僕は未来を知ってるから、どうしたってこの先に辛い別れが有る事を自覚してしまうわけで。

そんな、心細い気持ちになってしまうと、どうしたってアッコちゃんに甘えたくなってしまう。

自然と、アッコちゃんの太腿にスリスリとほおずりをしてしまい・・・


「ふふっ、もうくすぐったい。こらっ」


ふふっ、良いな・・・何かこのイチャイチャしている感じ・・・

ずっと、こうしていたのにな。

あぁぁ、ダメ・・・もう泣いちゃいそう・・・


「ごめん・・・ぐすっ」

「えっ!? アキラくん? なんで泣いてるの? やっぱりまだ具合悪いの?」


俺の瞳から落ちた涙がアッコちゃんの太腿にポツンと落ちたせいで、泣いてることに気づいたらしく。

心配にそうにアッコちゃんが僕の顔を覗きんでくる・・・


「イヤ、ごめん。 あんまりに幸せで、もしアッコちゃんが居なくなったらどうしようって思っちゃって」

「なんで、そんな悲しいこと考えてるの? ずっと一緒だよ」

「うん、そうなんだけど。 そうなんだけどさ・・・アッコちゃんの家って転勤が多いんでしょ?」

「う~ん、そうだけど・・・でも、今回は少し長くいられるってパパが言ってたよ」


そうなの?


えっ? 俺が過去を変えたせいで、転校の時期もずれたりしたのか?

たしかに、この間もアッコちゃんが怒って帰って、焦ってタイムリープで少し前の時間に戻ったら、少し過去が変わったし。

えっ? じゃあ、転校の時期もひょっとして少し伸びたり、ワンチャン無くなったりするのか?


だったら、俺、マジでこのままアッコちゃんとずっと一緒にいたいし、そのまま結婚したい!


聖子には悪いと思うけど・・・

でもこの先、聖子に会ったとしても、このままアッコちゃんと居られるなら。

僕はずっとアッコちゃんと一緒にいたい。


この初恋の、天使みたいなアッコちゃんとずっと一緒にいたい。

そして、この世界でまた23歳の夏に新宿の高級ホテルにアッコちゃんを連れてって。

そこで、この世界のアッコちゃんにプロポーズするんだ!


もうアッコちゃんを他の男に取られなんてイヤだ!

アッコちゃんの初恋も、初めてのキスも、初めてのエッチも結婚も子供も全部僕と一緒じゃないとイヤだ。

生涯アッコちゃんと過ごすんだ・・・もう離れたくない・・・


「コラっ、くすぐったいよ~ そんなにスリスリしないでよ」


アッコちゃんと離れたく無いって思いが募り過ぎて。

甘えん坊モード全開になってしまい、アッコちゃんに縋るようにスリスリしていると、怒られてしまい。

軽く頭をポンと、げんこつで殴られてしまう・・・


「だって、アッコちゃんの膝枕、落ち着くし。 すっごい気持ち良いんだもん」

「落ち着くの? でも、そんなにスリスリされたら、ちょっと恥ずかしいよ」


ヤバイ、さっき怒らせたばっかりなのに・・・


「ごめん、気持ちが昂っちゃって、エッチなこと考えてたわけじゃないんだよ? だからその・・・」

「ふふっ、もう、わかったよ・・・でも、やっぱり恥ずかしいから、出来ることならもう少し気持ち抑えてくれたらわたしも」


そう言うと、アッコちゃんは自分の口に手を当てて、僕から少し視線を外して、顔を真っ赤にして恥ずかしがってしまい。

純粋な少女のように恥じらうその姿が、最高に可愛くて。

もう彼女のことは大好きなのに、さらに惚れてしまうというか。

あまりに可愛い彼女の表情に、ただただ見とれてしまってポーっとしてしまい。


「・・・・・・アッコちゃん・・・好き」


気持ちを抑えろと言われたばかりなのに、気持ちの昂りを抑えきれずに、思わず声にもならない声で、そんな言葉を発してしまう。

そんな声がアッコちゃんの耳に届いたのか・・・


恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていたアッコちゃんが、また僕の方へゆっくりと視線を戻すと。

恋に鈍感な僕でもすぐにわかるような、目をトロンっとさせてまるで恋する少女のような表情を浮かべて僕を見つめて来ると。


彼女の手が優しく僕の頬を包んだと思うと、本当に愛おしそうな表所を浮かべながら、優しく僕の頬を撫でて来て。


少しずつ、少しずつ、本当に時間がゆっくりと流れているんじゃないかと錯覚するぐらいゆっくり。

徐々に、彼女の顔を僕の顔に近い付いて来て・・・


えっ? えっ? アッコちゃん?


ドギマギしながら、ただただ戸惑うことしか出来ずに固まっていると。

アッコちゃんの顔がどんどん近づいて来て。

アッコちゃんの顔との距離が10cmくらいになった瞬間・・・


–––––––パサッと、彼女のショートボブのサラサラの髪が僕の顔に覆いかぶさり。


その瞬間、周りの光が遮断されて薄暗くなり。

まるでアッコちゃんと僕の顔を周りから隠すように閉ざされた空間が出来上がる。


もう、恥ずかしさと嬉しさと感動とで感情がグチャグチャになりながら。

アッコちゃんが顔を極限まで近づくまで待って、ゆっくりと瞳を閉じた・・・


頬はアッコちゃんの可愛らしい手に包まれて、口は彼女の柔らかい唇で塞がれ。


彼女の髪は僕の顔や首筋をサワサワっと悪戯してくる。

甘えるような可愛い彼女のキスは、可憐で愛らしいアッコちゃんのイメージそのままだった。

ゆっくりとゆっくりと、そして、ほんとうに、ほんと~にわずかに口をアムアムってしながら、愛おしそうにキスをされ。


アッコちゃんが本当に僕のことが大好きで、めちゃくちゃ僕を信頼してくれてるのかた伝わってくるようなキスだった。


前の人生を含めても、こんなにも甘くて可愛らしい天使のようなキスはされたことがなくて。


キスしている間は、二人の周りだけ、まるで時間が止まったようで。

嬉しさと、キスが出来た感動で、感情が抑えきれず。

嬉しいのに、嬉しいはずなのに、瞳からは涙が大量に溢れて来てしまい。

大粒の涙が、次から次へと頬を伝って流れ始めてしまった。


あぁぁぁ、信じられ無い・・・


アッコちゃんと・・・


あんなにも恋焦がれて、何十年も片思いし続けた相手と・・・


嬉しい・・・ついに叶ったんだ・・・


あんなにも思い続けた相手と・・・


–––––––––・・・すき。


ふっと、キスの感触が薄っすらと無くなったと感じた瞬間。

アッコちゃんの、可愛い天使のような声が僕の耳を震わせた。


そして、またゆっくり、ゆっくりと、ハムハムっと可愛らしく甘えるようなキスがはじまり。

アッコちゃんとの長い長い、ファーストキスで僕はもう全身とろけまくっていると。


ふっと、周囲に明るさが戻る・・・


–––––––––・・・へへへ、ちょっと恥ずかしいね。


照れながら、天使ような笑顔でそういうアッコちゃんに僕の胸は貫かれてしまう。


その瞬間、僕は、一目惚れの時と同じような衝撃を受けてしまい。

さらにアッコちゃんへの恋心がはち切れそうになってしまうと。


嬉しくて、嬉しくて・・・嬉しいはずなのに、瞳からはまた大量の涙が溢れ出して。

視界は涙で歪んでしまって、次から次から頬を伝って涙が流れていくのとを感じていると。


「えっ!? なんで泣いちゃうの? えっ? 嘘・・・嫌だった?」


余りに大量の涙を次から次へと流す僕を見てびっくりして不安にさせてしまったようで。

アッコちゃんが心細そうな表情を浮かべて、しきりに僕のあたまをヨシヨシしてくれた。


「違うんだ・・・あのね、僕、めちゃくちゃ嬉しくて、初恋の相手とのキスで、その、感動しちゃって」

「うふっ・・・もう、感動って・・・大袈裟だよ。 もう泣いちゃうから、キスしたのが嫌だったんじゃないかって心配しちゃったでしょ?」


「イヤなワケないよ・・・あんなに甘くて可愛らしいキスをされて嫌なわけないじゃないか。 もう好き、アッコちゃんが好き、好き、好き、好き」


「うふっ・・・もう、言い過ぎ、バカ・・・恥ずかしいよ~」


「だって、好きなんだもん。 どうしよう、もう気持ちが次から次へと溢れてきちゃうよ~ アッコちゃんが好き過ぎて、どうしよう・・・もう僕ドキドキが止まらないよ~」

「そんなの、私だって胸がなんか締め付けられるし、ドキドキは止まらないし・・・どうしてたら良いかわかんないよ・・・」


そう言って、また僕から視線を少し斜めに外して、顔を真っ赤にして恥ずかしがっているアッコちゃんがとっても可愛くて。

そんなアッコちゃんに触れたくて、僕は彼女の右手を両手で優しく握ると、そのまま僕の口元に引き寄せて、彼女の指にキスをすると。

それまで視線を少し外していたアッコちゃんが、まん丸に見開いた目で僕を真っすぐ見つめて来た。


「アッコちゃんが好き、愛してる。 一生君の事を大事にするから」

「・・・なにそれ・・・お嫁さんになってって言われてるみたいだよ」

「ハハハッ、そうだね・・・でも、それくらい僕はアッコちゃんが好き。 今すぐにプロポーズしたいくらい好き」

「もう・・・バカ・・・恥ずかしいよ・・・」


すると、顔だけじゃなくて、耳や首筋まで真っ赤になったアッコちゃんは、開いていた左手で自分の口元を隠して、恥ずかしそうに僕から視線を外されてしまう。


僕はまた彼女の右手にキスをすると、今度はギュッと目を瞑ってひたすら恥ずかしさに耐えるような表情に変わってしまう。


その様子があまりに可愛くて、愛おしくて、彼女の右手に何度も何度もキスをしていると・・・


「もう! ダメ! 恥ずかしい~」

「だって・・・好きなんだもん」


「好きでもダメ・・・恥ずかしい・・・」

「じゃあ、どうしたら良いの? 好きなんだもん、アッコちゃんのこと」

「もう・・・しょうがないな・・・」


そう言うと、しばらく躊躇していたアッコちゃんが、チラっと僕の方を見てから。

また、ゆっくりと顔を僕の方へ近づけてくるので、僕はキスをしていた彼女の右手を胸の辺りまで移動させると。


パサッと彼女の髪が僕の顔に覆いかぶさり、でもさっきのキスとは違って、今度は軽く、本当に軽くて恥ずかしさでいっぱいなんだって言わんばかりの可愛らしいキスをしてくれると。


「もう・・・バカ、私だって大好きなんだからね。でも、恥ずかしいの・・・」


そういって、もう一度だけ恥ずかしさがこっちまで伝わってくるような、軽いキスをしてくれた。

もうそれだけで、アッコちゃんがどれだけ良い子で優しい子なのかが痛いほど伝わってきて。

僕は、一目惚れしたあの瞬間のようなドキドキと、幸福に包まれてしまい思わず、アッコちゃんのお腹の方へ寝返りを打つと、そのまま彼女にギュッと抱きついてしまったのだ。


「––––––キャッ! もう・・・コラ~」


ダメだ、もう気持ちが抑えきれない。

アッコちゃん、アッコちゃん、アッコちゃん・・・

もう次から次へと溢れ出て来るアッコちゃんへの思いで、どうしようもなくなってしまい。

ギュと抱き着いて、アッコちゃんのお腹辺りにスリスリしていると・・・


「もう・・・甘えん坊なんだから・・・でも、そこは、ダメ・・・アキラく~ん、恥ずかしいよ」


少し泣きそうなアッコちゃんの声を聞いて、ハッっと我に返って、彼女の顔を見上げると。

もう、言葉の通り恥ずかしさで死にそうなのか、ぶりっ子ポーズの様に両手を口にあてて、目をギュッと瞑って顔を真っ赤にしながら耐えているアッコちゃんの姿が目に入り。


さすがにやりすぎてしまったかと思い、反省して・・・状態を起こして、アッコちゃんの隣に座り直すと。

両手で口を押させて、目をギュッと閉じて固まっているアッコちゃんを優しく抱き寄せると・・・


「ごめん・・・ごめんね。アッコちゃんのことが好き過ぎて、気持ち抑えきれなくなって、本当にごめん」

「も~う・・・お股はダメって言ったのに~ あんなに押し付けらえたら、変な気持ちになっちゃうのに~」


・・・変な気持ち?

・・・・・・それって?


「もう、アキラくんじゃなかったら、めちゃくちゃ怒ってるんだからね?」

「えっと・・・ごめん。 本当にごめんね。 怒らないで、アッコちゃ~ん」

「もう、怒ってないって言ってるじゃない・・・でも、恥ずかしいんだよ・・・」


「ごめん、ごめんって。 でも、ファーストキスだったんだもん。 嬉しくって気持ちが舞い上がり過ぎちゃって」

「ぷっ、ふふっ・・・舞い上がちゃったの?」


「そうだよ・・・嬉しすぎて、感動しまくって舞い上がちゃったんだよ~ だから許して、ごめん・・・ごめんね、アッコちゃん?」

「ふふっ、情けない声・・・」


「だって~ アッコちゃんに嫌われたくないもん。 ごめんね・・・ごめん」

「ふふふっ、バ~カ・・・嫌いなんかならいよ~ 私だって、アキラくんのこと好きだもん。 でも、私のほうこそごめんね・・・その、ファーストキスだったのに勝手に・・・」


「ううん、謝らないでよ、嬉しかったんだから。 僕だって、ファーストキスは・・・アッコちゃんとじゃなきゃイヤだったもん・・・」

「・・・・・・嬉しかった?」


「アッコちゃんみたいに天使みたいな女の子とファーストキス出来たんだよ。 嬉しいに決まってるじゃん」

「も~う! また、そうやって・・・恥ずかしいことをさらっと・・・天使みたいって、ヤメてよ~」


「だって、アッコちゃんは本当に天使みたいなんだもん。 目はクリクリって大きくて、瞳は凄い綺麗だし。 めちゃくちゃ可愛くって、おまけに肌もめちゃくちゃ白くて、髪はさらっさらで良い香りがするし。 本当に、本当に世界中で一番可愛いって思っちゃうの」


「うわぁ~ もう・・・ダメ~ ヤメて、ヤメて、ヤメて、もう恥ずかしくて死んじゃうからダメ」

「・・・うぅぅぅ、ダメなの?」


「ダメ。 特にお外に居る時はダメ! 恥ずかしくてどんな顔して良いかわかんなくなっちゃうから!」

「じゃあ、家の中で一緒に居る時なら良いの?」


「・・・・・・良いけど。 でも・・・今みたいに沢山わ~って言うのはダメ! それに慣れるまでは、あんまり言わないで・・・もう、本当に恥ずかしくてアキラくんの顔見られなくなっちゃうから」


「いつになったら慣れてくれる?」

「そんなのわかんないよ~ もう・・・アキラくんの意地悪・・・」


そう言うと、右の頬だけぷくっと含ませて、僕の頭本当に軽くポカンっとアッコちゃんに叩かれてしまった。

でも、その怒った顔が、まためちゃくちゃ可愛くて・・・


「可愛い・・・」

「も~う、だからダメ~!」


◇◇◇


「ねえ・・・美姫・・・アレ」

「なに?」

「あそこのベンチ。 可愛い~ もう何か初々しいっていうか、純粋な二人のマジ純愛って感じで~ 何か、見てるだけで涙でそうな光景だね?」

「はあ? 何言ってんの雄太?」

「アソコだよ~ アソコ・・・ドラゴンがあって、トイレがあって、その隣の建物の前のベンチ」

「えっ・・・あ~!!!」


何よ~ あれ~ 膝枕なんかしちゃって~

お前ら小学5年生だろうが~!!


「コラ!! 離れろ!! アキラ~!!!!」

「ちょっと美姫! 揺らさないでよ!!」

「も~う!! なんでよ! ちょっと! この観覧車いつ着くの!?」

「イヤ、まだ乗ったばっかじゃん・・・」


「何よあれ~! アキラのヤツ、太ももにスリスリして~! こんな公共の場でなんてエッチな!!」

「うんうん、彼女の膝枕か~ スリスリしたくなるよな~ わかるよ~ やっぱ男の子だね~ 幸せそうな顔してるな~」

「もう! バカ! あの子達まだ小学5年生なのよ! あんなハレンチな!」

「イヤ・・・美姫、ハレンチって、いつの時代だよ?」

「あ~もう! これいつ終わるの!!」

「落ち着けって、1周、5~6分はかかるって」


もう、なに話してるのよ?

あ~ 気になる~

もうあんなの、普通に男と女じゃん!

小学5年のガキのクセして~ マセタ事やってんじゃ無いわよ!


「なんか良いな~ ああいうの・・・」

「何!? わたしに膝枕しろって言ってるの?」

「ああ・・・そうだね~ 美姫の膝枕・・・良いかも羨ましいなぁ」

「・・・なんかエッチなこと考えてるんでしょ? この間だって?」

「えっ? イヤ、エッチなことなんて考えないよ~ 彼女の膝枕は、男にとって夢なんだよ・・・」


もう・・・なんか、最近の雄太・・・

なんだかんだでエッチなことしてくるっていうか・・・

この間だって、キスしている時におっぱいに手を乗せて来てさ。

美姫が大事だから、エッチなんてしなくても僕は平気だよとか言ってるクセに・・・


「うぅぅぅ、ラブラブのカップル見て、なんでこっちが恥ずかしい気持ちにならないとイケないのよ~」

「そんなに恥ずかしい気持ちになるかな~? 良いじゃん、てか、あの二人の光景はなんていうか、美しいっていう言葉が似合うけどな~」

「はぁ!? さっきから雄太何言ってんの? あんた夢見すぎなのよ、もうこれだからロマンチは・・・」

「だって~ あんな初恋の二人が、ベンチで膝枕で仲良くしてるって、初々しすぎて素敵すぎるじゃん」

「何言ってんの!? アキラの初恋は私なんですけど!」


「え~? それまだ言うの? それって、子供がお父さんと結婚するって言ってるのと一緒だよね?」

「はぁ~!? 違うわよ!!」

「・・・そうかな~?」

「ん? んん!? ちょっと!!!! アッコちゃん!? 何やってんの!!!」

「えっ? ああああ!!! うわ~」


ちょっと! ダメ! ダメ!ダメ!ダメ!ダメ!

そんなの、まだ早いわよ!! ダメ~!!!!


「––––––––– ・・・あ~ ・・・・・・しちゃったね?」

「–––––––––––– ・・・」


「–––––––––––––––・・・ねぇ? 長くない?」

「・・・えっと、そうだね・・・ちょっと、長いかな?」

「あのガキ! アキラのこと食べてるんじゃないでしょうね!? コラ! アコ~!! クソガキ~!!!!」

「ちょっ! 美姫! 落ち着いて・・・ゴンドラ揺らさないでよ!!」


長い、長い、長い、長い、なにやってのよ~アイツ等・・・

AVじゃないのよ!? 遊園地にベンチで何イヤらしいキスしてのよ~!!

私だって、アキラとあんなエッチなキスしたことないのに~!!

もう! コラ! そんなに長く口塞がれたら、アキラが死んじゃうでしょ!


「離れろ~!!! キスヤメロ~!!!」

「もう美姫~!!!! 聞こえちゃうって~ ・・・・・・ん? あっ、ほら! キス終わったみたいだよ?」


「あれ? アキラくん泣いちゃったみたいだね~ 可愛い~な~ さっき俺に安心してください毛は生えてないですとかバカな事言ってた子とは思えない純粋さ・・・」

「・・・嫌だったのよ・・・なのに、無理やりアッコちゃんされ。 あのガキ・・・うちの弟になんて事してくれたのよ~! あんな天使みたいな笑顔して~! アキラを襲うなんて許せないんだから!!」

「イヤ、どう見ても嫌っていう顔じゃないだろ? 泣きながら、なんか嬉しそうに笑ってるし。 どっちかっていうと嬉し泣きだろ? あれ?」

「嬉し泣き?」

「たぶん、大好きな女の子にキスされて、びっくりして嬉しくって泣いちゃったんだよ~ わかるな~ その気持ち~」


ああ・・・そういえば。

この人に初めてキスしてあげた時、泣いてたっけ・・・


なんで?


男ってファーストキスすると泣いちゃうもんなの?


ふん! でも、アッコちゃん・・・アンタ、ファーストキスって思ってるかもしれないけど。


ざんね~ん!!


アキラのファーストキスの相手は私でした~!!

ハイ、わたしの勝ち~!!


「美姫? ニヤニヤしてどうしたの? ちょっと怖いよ?」

「えっ? 何幸せそうにしているのか知らないけど、アキラのファーストキスの相手は私だから!」


「え~ それ、相手がワケわからない時代に、強引に奪った系のキスだろ? お父さんが、3歳くらいの娘のキス奪っちゃうヤツと一緒なんじゃ~」

「違うもん! あの時はもう5歳だったもん!! それに、アキラとは小3まで毎日キスしてたもん!」

「イヤ、5歳でも、それはノーカンのヤツだろ? でも、小3まで毎日キスって、それ本当? ・・・てか、なんで?」

「違うもん! 美姫お姉ちゃん大好きって、ウルウルした瞳で見つめられて、私のほっぺに小さな手を添えてくれて、可愛らしく甘々の、長くて官能的なキスをしてくれたもん!」


「イヤ、官能的って、相手は5歳児だろ? ていうかさ・・・美姫?」

「なに? なにちょと引いてるのよ?」


「イヤ、そうじゃ無くて、あの二人の前で、アキラ君のファーストキスの相手は私でした~なんて絶対言っちゃダメだからね?」

「はぁ!? なんでよ!?」


「なんでよ、じゃないでしょ? 二人の純愛を汚しちゃダメだって!! 今日はあの二人のとったら、生涯忘れられない思い出になるんだよ?」

「なに、どういうこと!! 雄太!? わたしのキスは汚いって言いたいの!? 私のファーストキスの相手がアキラだって聞いて、思い出汚されたって言いたいの!?」


「イヤ・・・今、そういう事を言ってるんじゃないんだけどな~ 二人の素敵な思い出なんだから邪魔しちゃダメってこと! そりゃ・・・アキラくんがファーストキスの相手って言われると、なんかうって来るものは有るけどさ・・・」

「なんでよ? だってアキラのファーストキスの相手はわたしだもん! それは変わらない事実でしょ? そう言う雄太だって、どうせお姉ちゃんがファーストキスの相手なんじゃないの!? いっつもお姉ちゃん、お姉ちゃんって、シスコンみたいなこと言ってさ!」

「イヤ・・・そんなワケないじゃん。 それに、俺は姉ちゃんとキスした記憶なんてないモン」


「てか見てよ~ アキラくん、アッコちゃんの手にキスして。 アハッ、アッコちゃん、めちゃくちゃ照れちゃって・・・カワイイな~」

「なんなのあんた? さっきから、アッコちゃん、アッコちゃんって・・・可愛いだ? なんなの? あんたロリコンだったの?」

「だからなんでそうなるかな~? 違う、違う! あまりに純粋な姿で、初々しさが溢れて可愛いなって言ってるだけだよ」

「ふ~ん、どうだか・・・車降りた後も、ヒラヒラ風でなびいているアッコちゃんのスカートガン見してパンチラ見ようとしてたクセに?」

「はっ!? してないよ~!!」

「嘘ばっかり。 目線見てたらわかるんだから、このロリコン!」

「ロリコンじゃ––––––・・・・あっ! 美姫! アレ!!」


「––––––––– アッ~!! 何またキスしてるのよ! もういい加減にしなさいよ!!」

「アハハハ、本当に好きなんだね~」


はっ? 何言ってんだコイツ・・・

アキラ、あのメスガキに、良いように弄ばれてるだけなのに・・・

てか、なんかいアキラのこと食べたら気がするのよあの子わ~!!

可愛い顔して、悪魔かアイツ!!

絶対同姓から嫌われるタイプだろアイツ!!


「––––––ちょっ!! アキラ!? 何やってのよ!?」

「えっ? うわっ、アキラくん・・・それは・・・」

「ちょっと! 何やってのよ! アキラ! コラ! 早まるな! バカ!!!!」

「あっ、アキラ君・・・抱き着くの止めたよ?」

「当たり前でしょ! 何、遊園地のベンチでおっぱじめようとしてんのよあの子!!」

「イヤ・・・おっぱじめるって・・・美姫さ? 言葉が・・・」


ふぅ~ ようやく膝枕も止めたか・・・

も~う、アイツ、今日家に帰ったらただじゃ済まさないんだから!

もう! もう!もう!もう!もう! 浮気者!! 絶対に許さないんだから!

絶対、同じ事してもらうんだから!


あのメスガキ・・・私を怒らせたことを後悔させてヤル。

JKの豊満ボディー舐めるなよ! アキラなんて、一瞬で篭絡させてやるんだから!

もう、今日は家に帰ったら逃がさないんだから、とっ捕まえてお風呂入れて、嫌がっても絶対に一緒に寝てヤル。


「あっ? また抱き合ってる・・・」

「えっ? くっ・・・あのクソガキ・・・私がいないからって調整に乗りやがって~ コラ~!! 離れろ~!!」

「でも、アッコちゃん・・・恥ずかしそうだけど、何か幸せそうな顔してるよ? アキラくんもアッコちゃんのこと気遣ってるっていうか、何か良いな~ 俺もあんな恋がしたいな~」

「はっ? そんなに同じ事したかったら、アッコちゃんにお願いしたら良いんじゃない? このロリコンヤロ~が!」

「だから、なんでそうなるかな~ 僕はあの二人が! あのふ・た・り・が! ああしてるのが微笑ましって言ってるのに~」

「ふん、ごめんなさいね。 どうせ、私はあんなこと出来ませんから・・・可愛くない女でスイマセンね~!」

「別にそんなこと言って無いじゃん・・・どうして、美姫はいっつもそうなんだよ・・・」

「ふん、雄太が意地悪なこと言うからでしょ? なんなのよ、結局、カラダが目的ってこと? 何が僕は純愛を好むからよ・・・嘘つき!」


まだ、エッチは嫌だって言ってるのに、どんどんスキンシップ増えてるし、何なの?

本当はキスだって少しアレなのに、雄太があまりにしたそうにするから頑張ってしてあげてるのに・・・

あんなにギュッとか抱きしめられたり、胸だって足だってペタペタ触れたくないのに・・・


「ん? あ~調子のってスリスリするから、アッコちゃんに頭叩かれてるよ~ アキラ君も好きだね~ 男の子だね~」

「もうイヤ・・・見てらんない・・・」


「あっ? どっか行くみたいだね?」

「ちょと! こら! 待ちなさい!! もうダメ! 二人っきりなんて~!!!」


「あ~ 走って行っちゃったね~ ああいう所は小学生だよな~ でも、手繋いで走ってく姿も可愛いな~」

「・・・ちょっと! あっちドコ?」

「えっ? ウルトラツイスターの方じゃないの?」


もう! あとちょっとで着くって言うのに!!

もう何で観覧車なんて乗ったのよわたし~


「雄太! うちらも、ウルトラツイスター乗るわよ!」

「えっ? スペースショットが怖いから、フリーフォールで体慣らすんじゃ無かったの?」

「もう!! 危なくて、あいつらを二人っきりなんてさせられないわよ!!!」

「・・・・もう美姫さ~ どんなけブラコンなんだよ~」

「だって・・・まだお姉ちゃん離れは早いわよ~! まだ10年は早い!!! ダメ!!!」

「10年って・・・美姫さ? アキラ君が可哀そうだよ、それに、俺もちょっと可哀そうだよ」

「可哀そうなのは私よ! こんな所で弟を取られちゃうなんて全体にイヤ! アキラ~!!!!」

「声デカいって・・・」


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