第19話 私と結婚したいって言ってたのに・・・
「ハイ、着いたよ~ 二人とも~」
「サンキューで~す。 雄太さ~ん」
先に車から降りて、車の横で伸びをしていると。
「アッコちゃん、降りれる?」
「うん、ありがとう」
アキラが、先に降りてきて。
後部座席に残っている、アッコちゃんに手を差し出して、彼女を支える姿を見てしまい。
本当、コイツ、自分の彼女にはめちゃくちゃ優しいじゃん。
あんな、エスコートとか、どこで覚えんたんだコイツ?
めっちゃ、良い男じゃん・・・
なによ、小さい頃はお姉ちゃん、お姉ちゃんってくっついて離れなかったクセして。
それに、僕大人になったら、美姫姉ちゃんをお嫁さんにするねって、ニパ~ってしてくれてたクセに!
何なのよ、お姉ちゃんには疲れって一言も労いの言葉も無いし。
なんだろう、なんか、アッコちゃんに弟盗られたみたいで、すっごい寂しいかも・・・
「どうしたの美姫?」
「えっ? イヤ・・・」
「アキラ君がどうかしたの?」
「別に~! ふん、この間まで、お姉ちゃん、お姉ちゃんって、秀樹君と一緒にどっちがお姉ちゃんと結婚するかって喧嘩してたクセしてさ」
「なに? アッコちゃんにヤキモチ焼いてるの?」
「違うもん!」
ヤキモチなんて焼いてないもん。
ただ、ちょっと寂しいだけだし・・・
それに、家じゃ私に甘えて、足にスリスリしてくるし。
抱っこしても、最近は嫌がらないで、むしろなんか恥ずかしそうにしちゃって、めちゃくちゃ可愛いし~
先週なんて、なんだかんだで2回、一緒に寝ちゃったし~
ふふっ、それにあのキス・・・絶対お前、今でも私のこど好きだろ!?
あんな、ポヤ~って腑抜けた顔しちゃってさ、バカ。
アッコちゃんより、ずっとずっと、私の方が、アキラとは色々進んでるんだから!
「イヤ、でも美姫さ~ 俺、今日、弟君にめちゃくちゃ敵対視されちゃったんだけど・・・」
「なんで? いつ?」
「イヤ、その・・・先週の胸触ったことでさ。 美姫のおっぱいしつこく触るようなら、お前殺すって言われちゃってさ・・・その時の顔がめちゃくちゃ本気っていうか、怖くてさ・・・」
「えっ? アイツ、そんなこと言ったの?」
なによ、それ・・・
やっぱり、めちゃくちゃ気にしてたんじゃないアイツ。
もう、なによ~ やっぱり、焼きもち~?
「それに、美姫はああ見えてスッゴイ繊細だから、もし傷つけたら許さないってめちゃくちゃ牽制されたんだけど・・・」
「はぁ? なんなのアイツ?」
「何か、めちゃくちゃ大事にされてるじゃん美姫・・・」
「そっ、そんなの当たり前じゃない。 今でもラブラブで、一緒に寝たりするし、この間も可愛くチュってキスしてくれたし~ ソファでくつろいでたら、お姉ちゃんって言って甘えて抱き着いて来るしね~」
抱き着かれたのは足だけど、まぁ嘘は言って無いし。
先週のアレは、明らかにヤキモチだって、今確信したし・・・
もう、本当に素直じゃないんだからアイツ。
あ~あ、どうしたら、昔みたいにもっと素直になってくれるんだろう?
アキラ・・・
「そうなんだ・・・やっぱり、仲良いんだね?」
「何? 何かすっごい嫌そうね?」
「イヤ、そりゃ・・・弟相手でも、美姫のカラダに触られるのはちょっとアレだよ・・・」
「なんで? あの子は、私のことが大好きなのよ? いっつも私の足にスリスリ甘えてくるし。 抱っこしてあげたら、ヒシって抱き着いて来て中々離れてくれないしね~」
それも、嘘は言って無いし・・・
「そうなんだ・・・美姫は平気なのそれ?」
「どうして? 弟だもん、嬉しいに決まってるでしょ?」
「あっそう・・・てか、秀樹君って誰?」
「えっ? あの子と幼稚園から一緒の幼馴染の子よ」
「結婚がどうのこうのって言われてたの何歳頃の話?」
「えっ? まだ2~3年前とか最近よ」
「2~3年前って、小3だよね・・・今でも美姫のことお嫁さんにしたいとか思ってるんじゃ?」
「まあ、思ってるかもね」
「ちょっとさ、もうあの子達、小5でしょ? もう結婚分別つく大人っていうか・・・」
「はぁ~ 何言ってのよ、まだあんな可愛い子供でしょ?」
「イヤ~ 自分だって、小5の頃ってもう結構異性の事意識しまくってたでしょ?」
「私は、意識なんてしてなかったもん」
そうよ、アキラ以上に可愛い男の子なんてクラスにいなかったし。
周りのキモイ男子のことなんて意識なんてするわけないじゃん。
初恋は基本的にはアキラだし。
まぁ、アキラを初恋に含まないなら、中学で一緒になった違う小学校から来た子が、ちょっと可愛らしくて良いかな~って思ったくらいで、気になった程度はあったけど・・・
アレが初恋だって言われると微妙だしな・・・
実際に、雄太もアキラの代わりみたいなものだし、初恋なのか疑問だし・・・
「えっ? まさかだけど、初恋の相手ってアキラ君とか言わないよね?」
「そうよ? なんか文句あるの?」
「イヤ・・・なんとなくそうかなって思ったけど、美姫って本当に相当なブラコンだったんだね?」
「何よ~ アンタだって人の事言えないでしょ? シスコンのクセに~ あの綺麗なお姉さんと滅茶苦茶仲良いじゃない! この間、街でばったり会った時、あのブスに私、滅茶苦茶睨まれたんだけど!?」
「イヤ、ブスって・・・人の姉ちゃん捕まえて酷くない?」
「フン、知らないわよ。 彼女のこと守らないで、自分のお姉ちゃんのご機嫌とりするような男なんて、知らない」
「も~う、またその話かよ~」
「ふん、アンタが最初に話始めたんでしょ?」
ふん、何よあの年増ブス・・・
私よりもちょっと背が高くて、スラっとしてるからって、何勝ち誇った顔で私を見下してるのよ。
あ~あ、思い出したけで、何か腹が立つ・・・
「でも、アキラ君って本当に美姫とそっくりだよね? パッと見た時、妹2人と手を繋いできたのかと思ったから・・・」
「そんなのあたりまえじゃない、弟妹なんだから。 昔はもっと女の子らしかったのよ~」
「あ~ ひょっとして、女の子の服着せて遊んでた感じ?」
「当たり前じゃない、妹も弟も両方欲しかったんだから」
「あぁ、そう・・・色々アキラ君も大変だね・・・美姫に気を使って。 でも、アキラ君はもう、アッコちゃんしか目に入ってないみたいだけど?」
「本当、何なのよアイツ・・・ 急に彼女作ったと思ったら、毎日毎日部屋でイチャイチャしちゃってさ。でも、良いの、あの子が帰った後は、毎日私とイチャイチャしてるから」
「対抗心がすごいな~ じゃあ、美姫は、アッコちゃんが嫌いなの?」
「あの子があんな良い子じゃなかったら、キライになったのに・・・あの子、可愛すぎるんだもん」
あんな可愛い妹、私だって欲しかったし。
昨日だってお菓子分けてくれたし・・・
めちゃくちゃ笑顔が可愛いし。
「ん? 何の? あいつら、勝手に行っちゃうわよ!?」
「えっ、別行動って言ってたからじゃ無いの?」
「え~ そんなすぐ別行動する?」
「美姫ちゃんさ~ 全然弟離れ出来ない感じだけど、大丈夫?」
そんなの、当たり前でしょ?
今までは、従順で反抗なんてしなかったのに・・・
私のこといっつも心配してくれて、あんなに優しかったのに。
なのに・・・今日なんかレモンティーくれなかったし。
なんなの! アッコちゃんが居ない時なんて、あんなに甘えて来るくクセに。
もう、足にスリスリさせてやんないんだから・・・バカ・・・
イヤ・・・ちょっと待って。
ひょっとして、反抗期ほはじまり?
イヤ、違う!
そうだ! さっき、雄太にめちゃくちゃ敵対視してたって・・・
ひょっとして、アキラの目の前で雄太とキスしたの、そんなに怒ってるの?
だから、わざとそんなに冷たい態度とって、私の気を引こうとしてる感じ?
「アキラ怒ってるのかな?」
「なんで?」
「雄太とこの間キスしているところ見られたの、そんなに怒ってるのかな?」
「えっと・・・僕は殺すって言われたよ・・・」
やっぱり、そうなんだ!
あぁ~なんであんな所でキスなんてしちゃったんだろわたし・・・
ケーキ大量に買って貰ったから、何か悪いなって思って、キスしてやっただけなのに。
はっ? それとも、ケーキ・・・
家に帰ってみたら、グチャグチャになってたから?
アキラの事、抱っこしてブンブン振り回した時に、ケーキグチャグチャにしちゃったの怒ってるの?
「イヤ、でも、さっきトイレで、俺の見てない所でならイチャイチャしても良いって言われたけど」
「アキラがそう言ったの?」
「うん」
見てない所でなら?
うぅぅ、そんなに傷ついてるの?
ごめんってアキラ・・・
ダメだ、今日家に帰ったら、アキラにちゃんと謝ろう。
あの子、私に気を使ってすぐ遠慮しちゃうから・・・
今日は、アキラがしたいことしてあげなきゃ。
「あのさ~ 美姫? まさかだけど、まだ弟とお風呂とか入って無いよね?」
「えっ? 2年前までは入ってくれてたけど」
「入ってたんだ・・・でも2年前って美姫、中3だよね? それなりに体だって成長してたんじゃ・・・」
「なんで? ダメなの? 可愛い私の弟よ」
「えっと、お風呂入って、変な事とかしなかったの?」
「なんで? 弟妹よ、するわけないでしょ? 仮にされても私は平気」
「あっ、そう・・・」
なに言ってるの雄太?
あの子がどれだけ私を愛してるのか知らないの?
私が傷つくことをあの子がするわけないじゃない。
そうだ! 今日、帰ったらアキラにお風呂入ろって言ってみよう。
最近のあの子の私への懐き方見てたら、絶対入ってくれそうだもん!
うふっ、絶対そ~しよ~っと!
なんか、アキラとお風呂入れるって思えたら、なんか急に楽しくなってきちゃったな~
「てか、今でも一緒に入りたいの?」
「えっ? 今日久しぶりに誘ってみようかなって思ってたところよ」
「マジかよ・・・ 俺的にそれ微妙なんだけど・・・」
「なんでよ?」
「だって、他の男に美姫の裸見られたく無いし・・・」
「私の、弟よ?」
「イヤ、アイツはめっちゃ良いヤツだと思うけど、美姫のこと絶対女として見てるよアイツ?」
「ハッ!? あの子!? ひょっとして!」
「なに?」
「ひょっとして、あの子・・・巨乳が嫌いなんじゃ!?」
「ぶっ! なに、バカなこと言いだしてるんだよ!?」
「だって、アッコちゃん、ド貧乳の洗濯板じゃん!」
「小学5年生だろ? まだ成長前じゃん?」
「私は小学5年生からお胸は成長し始めてたモン!」
「美姫は巨乳だからアレだけど、小学5年生の女の子なんてあんなもんだろ?」
「じゃあ、なんで?」
「なにが?」
「アッコちゃんだって童顔じゃん! 私も童顔だし! なにが違うのよ!?」
「アッコちゃんが童顔って、イヤ、だから小学5年生だし、何に張り合ってんの?」
「うううう・・・」
「でも、安心したら?」
「安心って?」
「アッコちゃんがいなくなるかもしれないって言ってたよ」
「アキラが、そう言ってたの?」
「あの子のお父さんって転勤多い人なんだって。 だから、一緒にいれる間は思い出いっぱい作るんだって、すっごい寂しい顔して言ってたよ」
「えっ・・・」
なにそれ?
アキラ?
「えっ!? 美姫!? なんで泣いてるの?」
「だって、なんなのそれ? もう別れがわかってるから、一生懸命あの子に尽くしてるって事? そんなのアキラが可哀そうすぎるじゃない。 せっかく彼女が出来たのよ!?」
あんなに私の事を好きって言ってたのに。
急に彼女作ったから、変だと思ってたら、そんあ落ち?
なんなの、その出来の悪い映画のシナリオみたいな展開・・・
そんなの、アキラが可哀そうすぎるわよ。
本当に、アッコちゃんと離れ離れになったら、あの子どうなっちゃうの?
あんな小さな体で、そんな悲しみに耐えられるわけないじゃない。
だからなの? だからそんな全力でアッコちゃんに尽くしてるの?
もう・・・なんて健気な子。
もうアキラ・・・なんて良い子なの・・・
「ちょっと美姫?」
「ううう・・・アキラが可哀そうだよ~ あんな小さな体で、全力で彼女に尽くして。未来にある悲しみまで耐えようとしてるなんて・・・」
「イヤ、あいつ結構、中身大人だと思うだけど・・・」
「まだ子供だよ!」
「まあ・・・俺におチンチン見せて、毛無いですけどっとかバカな事言ってたから・・・まあ、まだ子供なんだろうけど・・・」
「はあ? なにそれ?」
「アキラ君が大人だねって言ったら、そんな事してきたんだけど」
「なにやってんのよ、あの子・・・バカなの?」
「バカだけど、彼女を本気で好きで、今一緒にいる瞬間をすっごい大事にしようとしてるのだけはわかるよ」
「私が邪魔しちゃいけないってこと?」
「そうだね・・・だから、弟がいなくて寂しいには俺が埋めてあげるからさ」
「雄太・・・」
「美姫、好きだよ」
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