第152話 記憶力ニワトリさんなの?
「ふふふっ」
「なに?」
「ん? 何このキャリーケース? ちゃんと家出じゃん」
「だってお着替えとか・・・」
「もう、そんなに私とずっと一緒に居たいの?」
「・・・・・・だって・・・今だけかもしれないじゃん・・・」
アキラ?
「なによ、今はって」
「今だけなのかなって。 ゆかりちゃんに、こんな優しくしてもらえるの」
「何よ、その私が居なくなっちゃうみたいな言い方~」
この間から、私がお嫁にいっちゃうとか・・・
この子、本当になに言ってるの?
「イイの!」
また、すぐこれだ。
ん?
反抗期?
アキラ・・・反抗期なの?
「もう・・・どうしちゃったの?」
「イイの・・・」
反抗期だと思ったら、イジケちゃって。
もう、なによその顔。
私にギュッとしてって言ってるようなその顔?
「ふふふ、甘えん坊さんだな~ まっ、私は嬉しいから良いけど。ハイおいでギュってしてあげるから」
ぷっ!
本当に、素直に来るもんな~
そのクセして、私の前でモジモジと・・・
「もう、何照れてるのよ! ホラ!」
「ハイ・・・」
もう、可愛いな~
アキラ・・・大好きよ・・・
もう、バカね。
今だけのわけないじゃない。
ずっと、こうしてソバにいてあげるわよ。
アキラこそ、アッコちゃんとか言う事仲良くして。
そのうち、私の事相手にしてくれなくなるんじゃないの?
結局は若い子が良いとか言ってさ。
ん?
もう、思春期で反抗期?
なんで、もっと昔みたい甘えてこないのかしら?
抱き付くのを遠慮しているのがモロわかりなんだけど・・・
やっぱり、恥ずかしいのかな?
「もう、まだお部屋寒いんだから、くっ付いてないと寒いでしょ?」
「ゆかりちゃん・・・」
「なによもう甘えん坊さんのくせして」
この子、しばらく会わないうちに私とのこと忘れちゃったのかな?
お風呂初めて入った時、私のこと直視出来ずに照れまくってたし・・・
まるで初めて私の裸見るみたいに。
あれって、そんな昔でもないのにな・・・
忘れちゃったの?
二人っきりの時は、いっつもしてたのに。
ていうか・・・私がさせてたんだけど・・・
それにしても、さっきからアキラったら、おっぱいが当たってるからって緊張しちゃって。
ここ数日一緒に寝ててもそうだけど・・・
こいつ、本当に覚えて無いのかな?
う~ん・・・
とういうことは~
ふふふっ。
それだけ、私が成長したってことかしら♪
そうよね・・・あの頃はまだ・・・
やっぱり、好きな男の子に毎日されると大きくなるって本当だったのね。
アキラに合わないこの2年で、おっぱいこんなけ成長したんだから。
美姫には敵わないけど、これでもDカップまで成長したのよ。
ふふふっ、アキラが照れちゃうくらい成長しちゃうなんて、ウソみたい♪
寝てる私のお胸をサワサワしちゃうくらい、アキラだって興味深々なんでしょ?
あの頃は、意味もわからずしてくれたんだろうけど・・・
いまは、違うわよね?
ふふふっ、さりげなくおっぱいに手なんて当てちゃって~
おっぱいが好きって。
アキラも男の子なんだな~
可愛いな~
もう、思い出すな~
あの時みたいに・・・
でも、さすがに今同じことしたら。
う~ん・・・ヒナにも犯罪って言われちゃったしな~
やっぱり、ダメよね?
「アキラ?」
「・・・?」
「おっぱい好き?」
「はぁ!? なに!? いきなり・・・」
ふふふっ、初心な反応しちゃって~
「ねえ? 私と毎日してたこと覚えて無いの?」
「えっ? なに?」
こいつ、本当に覚えてないの?
もう・・・そんな?
印象にも残らないくらい胸が無かったって事?
「ほら・・・毎日してくれてたじゃん」
「してくれた? 僕が?」
まあ・・・正確には、私がさせてたんだけど・・・
こいつ、本当に忘れてるんだ?
記憶力ニワトリさんなの?
「もうイイよ・・・こうやってギュって抱きしめて同じように抱っこしてあげてるのに、思い出さないとか・・・アキラのバカ」
「ん? 抱っこされて・・・僕なにしてたっけ?」
私、アキラに本当に女として見られて無かったのね。
なんか、ちょっとショックかも・・・
小学2年生とか3年生の頃のこと思い出せっていうのが無理なのかな?
「もうイイワよ、覚えて無いなら・・・」
「ゆかりちゃん?」
こいつ、2~3年前の事覚えてないとか。
こんな記憶力で美姫より良い学校なんて行けるのかな?
「ねえ? 私と毎日一緒に居た頃のことってどれくらい覚えてるの?」
「えっと・・・えっと・・・」
なに・・・その反応?
「アハハ・・・昔のことはイイじゃない。大事なのは今、この瞬間じゃん」
なんか・・・コイツ、本当に口が上手いというか・・・
小学生の誤魔化し方かそれ?
「ふん、もう良いわよ。 てか、ランドセルも持ってきたの?」
「うん、明日から学校始まるらしいから」
「ふ~ん、明日ら学校なんだ」
「あっ!」
「なによ? どうしたの?」
「忘れてた・・・」
「なにを?」
「秀樹に連絡するの・・・」
秀樹・・・
「連絡って?」
「イヤ、毎日俺の家に向かいに来てくれるから」
そういうことか。
「じゃあ、いま電話したら? 私の携帯貸してあげるわよ」
「良いの?」
「うん、だって連絡しないとなんでしょ?」
そういって、アキラを膝の上から降ろして、鞄から携帯を出してアキラに手渡すと。
電話番号を覚えてるのか、手慣れた様子で携帯をかけ始める。
「あっ、佐久間ですけど。秀樹君いますか?」
電話番号は覚えるくらい記憶力はあるのに。
私と2~3年前にしてたことは覚えてないって。
私ってアキラにとって、そんな存在だったのかしら・・・
なんか、ちょっと凹んじゃうな。
「あっ、秀樹? うん、明日から。 うん、でね、ごめん俺いまちょっと他の人の家に居るから、明日迎えに来なくても大丈夫だから」
確か、アイツって、私の家も知ってたよな?
ここに迎えに来させたら良いのに。
「えっ? 他の人って。 それは内緒。 うるさいな~ 良いだろ。 じゃあ、そういう事だから、また明日学校でね。バイバイ」
「イイの? そんな雑な扱いで?」
「えっ? 良いの!」
「てか、秀樹ってあのクソガキでしょ?」
「えっ? うん、ゆかりちゃんが嫌ってる・・・」
ん? そうか・・・
私がアイツを嫌いって言ったから気をつかったのかな?
「ウチに迎えに来てもらえばよかったのに」
「え~ イヤ・・・てか秀樹に、ゆかりちゃんの家に泊ってるのバレたくないっていうか」
「なんで?」
「イヤ、その・・・色々と追及が面倒くさいっていうか~」
なるほど、男の子同士も色々あるのね。
「それにしても、友達の電話番号は覚えてるのに。 小さい頃の、私との思い出は全然覚えて無いのね?」
「えっ? えっと・・・そんなこと無いよ。 ちょっと、ここ2年くらい会ってなかったから、その・・・なんていうか・・・」
「ふ~ん。 でも、たった2年しかたってないのにな~」
「ハハハっ、・・・一緒に居たら、そのうちちゃんと色々思い出すと思うよ」
本当かな? 高校の時がどうとか変なこと言うクセに。
数年前の事は、なんか記憶があいまいなのよね。
なんか、大人っぽい雰囲気でしっかりしてるのに。
記憶力はおじいちゃんって感じなんだよな~
甘えてくれる姿とかいじけてる姿は、変わらずアキラなんだけど。
ここ数日一緒にいて、色んな表情みていると、なんか不思議な子。
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