第15話 初めての彼女とのデートは朝から緊張する
「ほら~! アキラ! 急ぎなさいよ!!」
「ちょっと!! まって、姉ちゃん・・・」
「もう! アッコちゃんだってずっと下で待ってるんだから~ 何やってんのよ~」
「まって、まって」
えっと、親父に借りたカメラ持った・・・
予備のバッテリー、充電もOK。
メモリスティックーも64Mが5枚、OK
お金もOK。
アッコちゃんの好きなお菓子に~
「アキラ!!」
「ハイ! いま行きます!」
あ~アッコちゃんとの初デート。
初めての遊園地デート。
めっちゃ緊張する~
もう中身32歳のオッサンとか関係ないし。
タイムリープなのか、時代逆光の転生なのかもうワケわからないけど。
もうこの2週間、小学5年生として過ごして、もう完全に心まで小学5年生に溶け込んじゃってるよ。
最初は、小学5年生相手にとか、色々と抵抗感があったけど・・・
もう関係無い、アッコちゃんが好き。
小学5年生のアッコちゃんがめちゃくちゃ可愛い!
だから、残り半年アッコちゃんが転校するまでの時間、これでもかってくらい思い出いっぱい作らないと・・・
「アキラ!!!」
「ハイ!!!」
本当に忘れ物ないかな・・・
俺、いっつも肝心な時に忘れものしちゃうし・・・
「おはよう! アキラくん!」
「あっ・・・おはよう・・・」
えっ? アッコちゃん?
その服・・・
「アッコちゃん?」
「えへへ・・・ 似合ってる?」
嘘だろ!! 何この天使・・・
スカート? いっつも、長いパンツとかばっかりで・・・
足なんて見たことなかったけど。
ヤバい・・・可愛すぎるこの子。
「可愛い・・よ。すっごく・・・ カァ~」
ヤバい、尊とすぎて直視出来ん。
天使がおる・・・
「・・・何、照れてんのよこの子・・・バカなの?」
んぐっ? 姉貴・・・
「あら~ アッコちゃん! スカート可愛い~ もう本当にうちの子になっちゃえば良いのに~」
「え~ それは~ アハハハ」
「うちの子になったら俺と結婚出来ないじゃん・・・」
「ハッ? 朝から何バカなこと言ってのよ。さっ行くわよ」
「じゃあ、お姉ちゃん二人のことよろしくね」
「えっ? 分かってるって~ じゃあ、行ってきま~す」
「行って来ます」
「アキラ~ 手つなごう ニコっ」
あっ、ハイ。
ていうか・・・
2日前から急にアキラって・・・
なんか、まだ全然呼ばれ慣れてないんだが。
「アッコちゃん?」
「なに?」
「なんで、急に名前呼びなの?」
「えっ? イヤだった?」
えっ? なにそんな悲しそうな顔・・・
「イヤ、、全然嬉しい! でも、ちょっと照れちゃうっていうか・・・緊張しちゃうっていうか」
「だって、希美が、彼氏なのに名前で呼ばないのっていうから・・・」
「そっか、それでか・・・」
木下・・・
ありがとう・・・
「あっ、そうだ。アッコちゃん?」
「なに?」
「酔い止めとか飲んできた?」
「イヤ、飲んでないけど」
「念のために、酔い止め飲んでおいた方が良いよ。ハイ・・・」
「えっ? だいじょうぶだと思うけど・・・」
「う~ん、ルスツまで結構、車で時間かかるから念のためにね?」
「う~ん・・・アキラくんがそこまで言うなら、ありがとう」
「ハイ、お水」
「うん、ありがとう」
「ジーーーーー」
「なに? ねえちゃん?」
「お前、自分の彼女にはめちゃくちゃ優しいのね・・・」
「当たり前だろ、そんなの。 何、バカにしてんの!」
「別に~ なんかガキのクセして、ちゃんと彼氏してんだなって思って」
なんだコイツ。
ガキガキって、いっつもガキ扱いしやがって。
親に迷惑かけた比率じゃ、俺が向こうにいた時点じゃ1:9で断然お前の方が迷惑かけまくってんだからな!
「あっ! 雄太~!」
「ねえ? アキラくん? あれって」
「そうみたい」
「そうみたいって、見たことあるんでしょ?」
「イヤ、暗闇でちらっと見ただけだから、ちゃんと見るのは初めてだよ」
「えっと、君が弟のアキラ君? 俺、斎藤雄太、よろしくな」
「あっ、ハイ。 今日はありがとうございます。こっちが僕の彼女の亜希子ちゃんです」
「あっ、はじめまして、岩崎亜希子です」
「へ~ 彼女可愛いね~」
「ちょっと! 雄太! この子、まだ小学5年生だからね!」
「えっ? なにそれ・・・挨拶しただけじゃん」
「可愛いは余計なのよ!!」
「あの雄太さん・・・?」
「なに・・・? アキラ君?」
「彼氏あいてにも、いっつもこうなの? あの人?」
「えっ・・・そうだね。 ちょっと気が強いっていうか・・・」
「あっ・・・そうなんだ。 なんか、すいません・・・」
「なんで、アキラ君が謝るのかな~」
「イヤ、もっと可愛らしく装ってるのかと思ったんですけど・・・」
「ああ、でも、普段は可愛いし。たまに怒った時だけだよね・・・ハハハ」
ああ・・・この人も結構苦労してんだな・・・
「とりあえず、車に乗って」
ん? これは!?
「うわっ!? 懐かし~ これシルビアのS14の前期型?」
「えっ、アキラ君、車詳しいんだね・・・」
「この子、従妹の影響で車だけは昔から好きなのよね~」
「え~ 懐かしい・・・ マジこれ~ 前期型のノーマル車なんて超レアじゃん」
「えっと・・・さっきから懐かしいとか連呼しているけど・・・ 一応まだ4年しかたってないんだけど・・・ そんなオールドカー見るような・・・」
ヤベっ・・・つい・・・テンション上がっちまった。
懐かしいとか・・・マッズイ。
「えっと、そうっすよね・・・まだ4年・・・ でも、ほらS15も出たし、最近はS14も後期型の角ばったヤツばっかりしか見ないから、つい懐かしいって・・・」
「あっ、なるほどね~ そっかそっか・・・S15出ちゃったしね。そうだよねS14の前期型なんてもう古いよね・・・」
「ちょと! 私の彼氏の車にケチつけるのヤメてくれる!」
「イヤ! そんなケチなんて・・・ S14の前期型のドノーマルなんて超レアだよ・・・」
「ごめん・・・お金無くて、改造出来ないんだ・・・」
えっ? それは・・・
たいへん申し訳無いことを・・・
「もう雄太、こんなガキの言う事なんて気にしなくて良いわよ。わたしはこの車、シルエットが綺麗で、かっこよくて好きよ」
「美姫・・・」
イヤ・・・本当に申し訳ない・・・
「アキラくん~ 車好きなんだ~?」
「えっ? うん、従妹がね、車大好きだから、なんかその影響で」
「へ~ なんかアキラの運転する車に乗ってみたいな~」
「じゃあ、大人になったら、アッコちゃんを乗せて車でデートだね?」
「うん! 絶対だよ! 約束!!!」
うわ~ 可愛い・・・
てか、もう聖子と出会うの待たずに、アッコちゃんで良いんじゃないのか?
こんな可愛い子、他に居ないぞ。
来年転校したって、2年待てば恵庭に戻ってくるんだから。
そしたら、また中学2年生からはアッコちゃんと一緒に居られる・・・
ずっとアッコちゃんと一緒で良いじゃないか?
たった2年、離れ離れになるだけだ・・・
このままこの子とずっと。
「ほら! ボーっとしてないで早く車に乗って」
「えっ!? あっはい・・・ アッコちゃん、こっち」
「うん、ありがとう!」
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