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第147話 おばさん、僕ね・・・もうちゃんと男の子なんだよ?


やばい、おじさんに、ゆかりちゃんを嫁にやらんって言われてツイムキになっちゃったよ。

てか、ゆかりちゃんメッチャ驚いてたな。


俺ってそんな頭の悪い子って思われてたんだろうか?

これでも、一応小樽商大現役で合格したんだけどな~


高校だって、一応は美姫よりは上の、旭ケ丘だったし。

俺、そこそこ上の方だったんだけどな~


まあ・・・旭ケ丘選んだ理由は、女子の制服姿が可愛いのに憧れたって不純な動機だけどさ。

あんな女の子に囲まれたいとか思ってしまったばかりに・・・


イケイケ女子にイジられまくるっていうね。

まあ、そのお陰で地味で女子と話せない初心なアキラ君はどっか行っちゃったけど・・・


いま思うと、頑張って、家近の西高行けばよかったのかな?

あの坂・・・マジ修行だったしな~


でも、今回大人の知識を持ってこのままもう一回人生やり直すってことだろ?

何気に、英語が苦手なのも社会人時代に克服したから。


俺、ワンチャン西高に行けるんじゃね?っとか思ってるんだけど。

でもな~ 西高・・・私服だしな~

ガオカのあの可愛い制服を近くで見れるのは捨てがたいし・・・

やっぱり、高校は制服女子が良いもんな~


アッコちゃんって、こっち戻って来たら高校はどうするんだろ?

それ聞いてから決めても良いかもな~


うふ♪ 何気に、アッコちゃんと同じ高校とか行けたら素敵かも。

恵庭から通学って大変そうだけど・・・


アッコちゃんと一緒か~

なんか、想像つかないな・・・

本当にそんなことあるんだろうか?


もし、アッコちゃんとずっと一緒に入れるなら、大学は東京に行かないとだよな~

向こうの大学のレベルとか全然調べて無いけど、どうしよう?

今から高校の参考書とか買って勉強しておいた方が良いのかな?


まっ、いっかどうせ6年生からしばらく暇だし。

ちょっと色々調べて準備始めようかな~


「アキラちゃん?」

「はい?」


「この後、お家に帰るの?」

「えっと、そうだね・・・偵察もかねていったん帰ろうかな」

「ふふふっ、偵察ね」

「17時前には帰りますので」


てか、ゆかりちゃんママって、本当にゆかりちゃんに似てるよな。

こんな綺麗な人が、なんであんな顔の怖い人と・・・


「ゆかりに付き合って、そんな無理しないでも良いのよ」

「ん~ ゆかりちゃんに黙って勝手に帰ったり出来ないよ」


「アキラちゃんは本当に優しいわね?」

「そんなんじゃないよ。 今は、ゆかりちゃんと一緒に居たいって思うから。 ゆかりちゃんが心配なのもあるし」


「ねえ?」

「なに?」

「アキラちゃんは、あんな年増の女で良いの?」


えっ・・・年増って・・・


「・・・おばさん?」

「だって、あの子と6歳も離れてるのよ?」


まあ、そうだけど・・・


「ゆかりちゃんはあまりに綺麗で可愛くて、憧れみたいな存在だから」

「本当にあの子の事好きなの?」


えっ? さっきからなに?

どうしたの急に?

俺が子供の好きで一緒にいると思ってる?


「おばさん、僕ね・・・もうちゃんと男の子なんだよ?」

「そんなの分かってるわよ」


なに、バカな事言ってるの見たいな顔で?


「分かってて、一緒にお風呂入ったり、一緒に寝るの許してくれてたの?」

「まあ、本人が望んでやってることだし。 むしろアキラちゃんがイヤなんじゃ無いの?」

「う~ん・・・恥ずかしいは恥ずかしいかもだけど・・・」

「けど?」


うう・・・言いづらい。


一緒にいたいし、一緒にお風呂も入りたいし、一緒に寝たいなんて。

言いづらいよ~


「今はまだ、ゆかりちゃんに・・・甘えていたいっていうか・・・」

「ふふふっ、アキラちゃんはまだまだ子供ね~ ふふっ、そっか甘えたいか・・・」


子供って・・・


そんな、甘えたいってダメ?

さっきは、ちゃんとした男の子認定してくれたのに~


だって・・・ゆかりちゃんが優しくしてくれるなら。

甘えたくなっちゃうよ・・・


「おばさんさ~ 何か、面白がってない?」

「ん~ でも、アキラちゃんが本当にうちの子になったら嬉しいな~とは思ってるわよ?」


「えっと・・・うちの子って?」

「ゆかりの旦那様として、うちの子になっても良いってことよ♪」


うちの子って・・・それって、婿養子?


「ゆかりちゃんって本気なのかな? 僕のことからかってるだけないのかな?」

「う~ん・・・少なくともあの子は本気だと思うけどな~ だって今すっごい楽しそうじゃない? アキラちゃんに、もう会え無いとか言い出して、ここ2年くらいずっと元気無かったし。 一時期変な男子と付き合ってたけど、無理してそうで、なんか辛そうだったし」


それって木下兄の事かな?


「ただ・・・」

「ただ?」


「あの子のアキラちゃんへの思いがね~ こう、なんていうか~ 母性ていうか・・・異性として見てるのかは微妙よね」

「やっぱり、そう思う?」


「う~ん・・・美姫ちゃんもだけど。 アキラちゃんの事、自分の子供みたいに思ってる節があるから~ 子供の頃のアキラちゃんが可愛すぎて、ママさん気分ていうか、おままごとの延長になってる気もしないでもないのよね~」

「やっぱり、そう見えるよね・・・」


 親から見ても、そう見えるんだ。

 てか・・・美姫もゆかりちゃんも一緒ってこと?


 物心ついたころには二人共、毎日普通に一緒にいたし。

 ゆかりちゃんなんて、マジで住んでたような記憶があるし。


「同じような姉貴が二人・・・」

「もう、アキラちゃんが生まれてからは大変だったのよ」


「なんで?」

「毎日、アキラちゃんの所に行って帰って来ないから。 アキラちゃんが寝た後、夜9時くらいに毎日ゆかりのこと迎えに行ってたんだから」


俺が寝た後?


「はぁ? なにそれ?」

「だって、あの子アキラちゃんが起きてるうちは帰らないって言う事聞かないから・・・」


それでか。


毎日、普通にゆかりちゃんがウチに居ると思ってたけど。

俺が寝た後、家に帰ってたんだ。


「まっ、まだ時間はいっぱいあるんだから、ゆっくり選ぶと良いわ。 アキラちゃんが大人になるまで、ゆかりがあのままかどうかも怪しいしね」

「ゆかりちゃんが他の人とってこと?」


「イヤなの?」

「う~ん・・・いまは、ちょっとイヤかも」


なんか、いまはそんなのイヤ。

想像したくない・・・


「ふふふっ、ゆかりのこと大事に思ってくれてるのね?」

「だって・・・ゆかりちゃんが本気で僕を好きって言ってくれるなら大事にしたいんだもん。 ゆかりちゃんに好きって言われると、なんかこう男として少し自信が持てるっていうか。 それくらい、ゆかりちゃんは、僕にとって精神的支柱みたいな存在っていうか。 美姫とは少し違う存在なんだよ」


「あら!? そんなこと美姫ちゃんが聞いたら、また怒っちゃうわよ~ ふふふっ、まあアキラちゃんが本当にゆかりをお嫁さんとして欲しくなったら言ってね? ちゃんと、応援するから」


「もし・・・僕がゆかりちゃんを選ばなかったから?」

「その時はその時よ・・・まっ、そうなってもあの子は平気よ。 幸太郎と違って、すぐ立ち直って前に進み始めるわよ」


なんか、そんな事言われると複雑だな。


「あ~でも・・・そのなんていうの? 選ばなかったとしても、あの子がアキラちゃんと一緒に居たそうにしてたら、優しくしてあげてね? 無理に距離を取らないで、あの子が気持ちが整理出来るまでは一緒にいてあげて欲しいの」

「えっ? そんなの、うん・・・もう、距離を取ったり無下になんしないよ」


「ありがとう。 あの子ね、意外と自暴自棄になっちゃうところあるみたいだから。 だから、ダメだったとしても、ずっとあの子の弟のままでいてくれたら、おばさんは嬉しいかな」


自暴自棄って、ゆかりちゃんが?

う~ん・・・あんまり想像つかないな。


まあ、言われないでも、ずっとゆかりちゃんの弟なのは変わらないよ。

ゆかりちゃんが、一緒に居たいって言ってくれるなら。

その時は、ずっと一緒にいるもん。


「さっ、美姫ちゃんも学校行っただろうし。もうお家に帰っても安全じゃない?」

「うん、そうだね」


もう、8:30だもんね。

さすがに学校休んで待ち伏せとかしないヤロ。

その思い、いったん洗濯物を風呂敷にくるんでゆかりちゃんの家を出た。


うぐ!? 寒い!!


ううう・・・確か明日から最低気温マイナスになるとか言ってたよな~

今日も、ほぼ0度に近いんだろ?


これはもう寒くて自転車なんて無理だな。

ゆかりちゃんも、少し厚手のタイツ履いてたしな・・・


朝のゆかりちゃんの生着替えシーンを思い出しながら。

恥ずかしい風呂敷を抱えて、スタスタ歩いて自分の家に帰って行った。


「ただいま~」

「ん? 偵察?」


「まあそんな感じ。 それにメールとか、色々しないといけないし。 あっ、ゴメン。これ洗濯物です」

「ハイハイ・・・出張ご苦労様」


「美姫はどんな感じだったの?」

「ふふふっ、昨日も今日もすっごい静かだったわよ~ いっつもやかましいのに、こんな静かな家も久しぶりね~ あっ、そういえば・・・」


「なに?」

「う~ん、自分の部屋に行けば分かるわよ」


はぁ? なんだよ・・・自分の部屋に行けばわかるって。

そう思い、玄関からそのまま2階へ上がり、自分の部屋の扉を開けた。


!? うぐっ! なんじゃこりゃ!?


なんで・・・こんな汚く・・・


自分の部屋の惨状を見て唖然としていると、下から母さんが・・・


「あんたの部屋に住んでたみたいだから~ お掃除よろしくね~」


アイツ・・・俺の部屋で・・・

もう! なんで、パジャマと下着が脱ぎっぱなしなんだよ!


はぁ~ もう・・・ ん?


って・・・なんで、ここにも下着にタイツ。

これ、日曜日、バイト行く時に来てた服か?


あいつの辞書に、洗濯物を出すって言葉はないのかよ。

てか、お風呂入る時に着替えたんじゃないのか?

なんで、俺の部屋に抜け殻が散乱するんだよ。


イヤ、待て・・・

アイツ、二日分ここに抜け殻があるってことは。

美姫のヤツ、昨日はお風呂入らず寝たな・・・

アイツが部屋に脱ぎ散らかしてく時って大抵、寝落ちしたまま次の日起きて、慌てて起きて出かける時だから。


てことは、日曜日帰って来てお風呂入らず寝て。

どっか出かけたのか、慌てて起きてここで着替えてそのまま。

んで、昨日も帰って来てそのままってことなん?

あいつ、ひょっとして二日風呂入って無いんじゃ・・・


美姫の部屋でいつ着ていた服か分からない下着を見ても、汚いなって感じてしまうだけど。

それは、なんていうか、いつの下着か保証が無いからで・・・

下着が4枚も5枚も落ちてると、もう何週間前のなんだって感じてしまい、汚ないなって感情しかないのに。


なぜだ・・・

俺、やっぱり最近どうかしちゃってるんじゃ。


美姫と離れて、丸二日・・・

う~ん・・・ちょっぴり美姫のことが恋しいというか。

それに、一番古くても昨日の朝に脱ぎ捨てたわけで・・・


みっき~


はぁ・・・


お部屋の扉に鍵をっと。

日曜日のバイトに行く時着ていた一式を持ってベッドへ行くと。

お胸いっぱいを美姫の香りで満たした僕は、そのまま・・・


はぁ、お姉ちゃん・・・

昨日も全然、僕のことなんて心配してくれなかったし。

傷口痛むとか、大丈夫なんて一言も言わなかったんだモン。

もう、美姫・・・僕のこと大事じゃないの?


美姫のバカ・・・

バカ、バカ、バカ。


バカな美姫にこうしてやるんだから。

最低って言われても知らないんだ。

美姫のせいなんだから、美姫が悪いんだから。


美姫のせいで、一緒に居られ無くなったんだからね。

甘えられ無くなったは、全部美姫のせいなんだから。


でも、美姫がいないとやっぱり寂しいよ、バカ。

バカ、バカ、バカ・・・


―――アキラ~? 洗濯物、他にな~い? あったら持って来て~


!? ハッ!?


一階から洗濯物を持って来いという母親の声で我に返り、時計を見た。

うぅ・・・夢中になって30分も・・・


うぅぅ、なんか名残惜しい気持ちを抑えながら。

二日分の美姫の抜け殻を持って、洗濯機の中へ放り込むと。

ちょうど、母親が洗濯機を回しに来て・・・


「あっ! 美姫の服も持って来てくれたのね、ありがとう」

「えっ!? うっ、うん・・・てか、なんで、たった2日不在にしただけで、こんなになるんだろ?」

「本当よね~ あなたの綺麗好きは、ゆかりちゃん譲りなのに。 美姫ってどっちかといったら、幸ちゃんに似てるわよね? ズボラで、汚いところとか」


幸ちゃんを汚いって、母さんまで・・・

まあ、でもそう言われると、ある意味似た者同士なのかな?


「でも、まぎれもなく、あなたのお姉ちゃんは美姫なのよね~ 残念だけど」

「残念って・・・」

「本当は、ゆかりちゃんみたいに育って欲しかったのにな~」


そりゃ高望みが過ぎるだろ・・・


「無駄だよ、俺が物心ついた時には、もう美姫は完成してたじゃん」

「まあ・・・そうだけどさ・・・」


「てか、美姫のヤツ、お風呂入って無いんじゃ?」

「ん? う~ん、昨日昼に出かける前にシャワーを浴びてったみたいだけど。昨夜は入ってなかったわね」

「はぁ・・・そうすか・・・」


母親と洗濯機の前で談笑しながら。

絶妙に、証拠隠滅を図り、自分の部屋へと戻ると・・・


美姫が散らかした雑誌や漫画を片していき。

そして、飲みかけのペットボトルに、中途半端に残ったお菓子の袋も回収して掃除を続けていた。


てか、あいつは、なんでいっつもこう中途半端に放置しちゃうんだろう?

日曜日から今日の朝までの滞在でここまで汚くするって・・・才能か?

ずっと、ここでゲームしてだろうアイツ・・・


ヤツが散乱させたごみをまとめて捨てて、床も綺麗に掃除機をかけて行く。

最後に、ベッドを綺麗に整え、1時間でようやく元の自分の部屋に・・・


はぁ~ 疲れた・・・


とりあえず、一度帰って来て正解だったかも。

たった、二晩でこの荒らされよう。


ゆかりちゃんの女子力の10分の1で良いから、美姫にあればな~

もっと理想的なお姉ちゃんになるのに・・・


でも・・・どうしてだろう。

あんな、綺麗で可愛くて完璧な女の子と一緒にいるのに。

ゆかりちゃんと違うモノがどうしても食べたくなってしまうというか。


あっ、あれに近いかも。

たまに無償にハンバーガーやピザが食べたくなるあれと一緒かも。

なんか、こうジャンキーなモノがとっても食べたくなるアレだ。


はぁ~ でも、こう1時間も掃除したら疲れたかも・・・

うぅぅ、美姫の抜け殻全部洗濯機の中に入れちゃったよ。

せめて、タイツだけでも残しておけばよかったかも・・・


あ~あ・・・みっき~

もう、バカ・・・


はぁ~ 夕方まで我慢しよ。

ゆかりちゃんが帰って来たら、この心の穴を埋めて貰おう・・・


美姫・・・学校休めば会えたのに・・・

バカ・・・


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