第142話 美姫似のAVって、ちょっと気になるかも
「てか、幸兄学校に友達いたんだね?」
「うるさいな・・・」
学食で昼食をとった後、幸ちゃんは講義に行っちゃったんだけど。
代わりに、さっき一緒だった、幸ちゃんと小学校から一緒だという、ウェイ系の田辺さんっていう人と。 千絵さんって呼ばれていた二人が、図書館とかいつもサークルが練習している合奏室なんか学内を案内してくれて。
ウェイ系の田辺っていうヤツが、やたらとゆかりちゃんにべたべたしてくるのにイラっとしたけど・・・ でも、幸ちゃんにあんな友達がいたなんて知らなかったな~
いっつも、幸ちゃんって一人のイメージだったからな。
「幸ちゃんって、小中学校って、付属だっけ?」
「そうよ、幸兄は昔は秀才って言われて、将来は東大かなんて言われて、学校も教育大の付属に行ったのにさ。 高校は東高だし、その後教育大になんて行くから、残念秀才なのよ~」
「うるさい・・・俺は教育大が好きなだけだし」
「はぁ? あんな遠いいし、冬吹雪いたら行けなくなっちゃうような場所なのに?」
まあ、数百メートル先はもう石狩市だしな。
冬は石狩ブリザードで、数メートル先の視界も奪われる過酷な地だよな。
俺も、正直あそこには通いたいって思わなかったもんな。
「いいだろ? ごみごみして無くって」
「なんか、幸兄って人嫌いなのかと思ったけど、あんな風に人付き合いしているなんて意外だったな~ しかも吹奏楽って・・・家族に内緒にしなくてもね~」
「うるさいな・・・」
「でも、兄貴がバイオリンって、似合わね~ キャハハハ」
「うるさいぞ!」
まあ、確かに、幸ちゃんにバイオリンは似合わないよな。
そのがたいなら、せめてチェロとかだよな~
「幸ちゃん、チェロの方が似合うのに」
「チェロ? なんで?」
「だって、幸ちゃん、体でかいから」
「千絵さんにも最初言われたよ。 どうせ始めるなら、団員不足だからチェロやれって」
「どうしてチェロにしなかったのさ? チェロ弾ける男の人なんてカッコイイのに」
「アキラ・・・お前、チェロがいくらするのか知ってるのか?」
「え~ わかんない。 高いの?」
「バイオリンは4~5万で買えるのに・・・チェロはお前、全部セットで30万とか掛かるんだぞ」
へ~ チェロってやっぱ高いんだ~
大きいし、バイオリンに比べて台数出ないからかな?
まあ、そりゃ~ ハードル高いか。
それに、この車・・・チェロだと運べなさそう。
「え~ でも、チェロカッコイイけどな~ 美姫も前、チェロの無伴奏組曲聞いてスッゴイ良いって言ってたのに~」
「えっ!? 美姫ちゃんが?」
「ちょっと! アキラ! 止めなさいよ! また、この人無駄遣いするわよ!」
「えっ、イヤ・・・まさか、いまさらチェロに転向とか?」
「チェロ・・・」
幸ちゃん? ヤバいな・・・マジで買いそう。
えっと・・・話題変えよう!
「そう言えばさ~ 幸ちゃん、前より小奇麗になった?」
「ん? なんだよそれ?」
「イヤ、前はもっとなんかこう・・・毎回同じヨレヨレのポロシャツに、ちょっと匂うジーンズばっかり履いてたよね?」
「塾で生徒に汚くてキモイって言われてから、服とか綺麗にしてるからな・・・」
「アハハ~ 塾で他の先生に怒られたんだよね? 生徒からクレーム来たから、清潔にしてこいって~」
「ゆかり、うるさいぞ!」
まあ・・・あのジーンズ臭かったからな~
そりゃ、塾にあの恰好で来たら、女子中学生とかにメチャクチャ言われそうだよな。
でも、お陰で小奇麗になったのは良かったんじゃないのかな?
あのまま、汚いままだったら・・・
将来、あの林先生のようになってしまうかもだしね。
「てか、幸ちゃんさ~ あの千絵さんと良い、隣にいた大人しそうな女の人とか結構可愛かったけど、美姫なんかよりあの二人の方が全然良いと思うんだけど」
「はぁ? あの二人? 無理、無理・・・俺と二人っきりなんて考えられないって言ってたから」
「イヤ、それってホラ。 なんていうか、ジョークみたいな感じなんじゃ?」
「イヤ、定期演奏会の帰りに、ちょうど1人余ってたから、俺が車で送って行くって言ったら、本気で嫌がられて、押し付け合いになってたから。 あれはジョークとかじゃなかったぞ」
「幸兄、顔怖いからさ~ どっか連れてかれるって思われちゃったんじゃないの?」
「はぁ? サークルメンバーだぞ、そんなことするワケないだろ」
う~ん、幸ちゃん、その強面の顔面のせいで苦労してるんだね~
せめて、車をもっと可愛い車に乗るとかしたら、少しは違うのかもだけど。
スープラに乗って、その顔だもね・・・
「あ~もう、俺の話はもう良いだろ。 買い物行くぞ! 買い物!」
◇◇◇
途中、麻生のスーパーで買い物をして、そのまま幸ちゃんの車で家まで帰って来ると、ゆかりちゃんとおばさん二人で、一生懸命餃子をせっせと作りはじめて。 幸ちゃんは、塾があるからとすぐまた出かけて行ってしまい、俺は1人手持無沙汰で、キッチン横で椅子に座ってゆかりちゃん達が餃子を作るのをず~っと眺めていると・・・
「アキラ~ 暇なら、幸兄の部屋で遊んで来たら?」
「ん? そうか・・・そうだね」
ゆかりちゃんに言われて、幸ちゃんの部屋に向かうのだが・・・
幸ちゃんの部屋も昔の記憶とまったく一緒だな。
昔は、ゲームが充実していたから、よくココに遊びに来てたな~
ん? そうだ!
美姫似のAV!
ゆかりちゃんから聞いて、ちょっと気になってたんだよな~
てか、幸ちゃん、AVとかエロってどこに隠してるんだろう?
ゆかりちゃんに聞くわけにもいかないし。
幸ちゃんって、無駄に頭良いからな~
簡単に見つかる所には隠さない気がするしな。
押し入れの奥とか?
う~ん・・・無いな~
どこだろう?
映画のDVDはいっぱいあるのにな~
ん? ひょっとして・・・
パッケージが普通の映画なのに、中身が違うパターンか?
そう思い、棚にあるDVDのパッケージを片っ端から開けて行くのだが。
棚のソフトを全部出したのに全然出てこない・・・
でもここまでして出てこないっていったい?
そう思って、DVDが入った棚をもう一度覗き込むと。
なんだが、棚の奥に丸い穴の開いた板がハメられてる。
その丸の穴から、DVDのパッケージらしき姿が見えるじゃないか!
もしやと思い、その丸い穴を手でつかんで板を取ってみると、奥からズラッと何やら如何わしいタイトルのDVDが・・・
えっと、美姫似のヤツって、確かJKの制服モノって言ってたよな?
えっと、ルーズソックスが似合う美人JKにXXX・・・
あ兄ちゃん、一緒に・・・ねえ、私と学校で・・・
うん・・・たぶん、この辺だな。
JKものっぽいソフトが並んだところをまとめて引き出して、パッケージを一つずつ確認していくと・・・
あった! これじゃね? なんとなく美姫に似てる!
お姉ちゃんが、全部教えてあげるねって・・・
イヤ、タイトル!?
ふ~ん、星野美鈴って言うんだこの人。
ん? これ以外にも、星野美鈴モノがいっぱいある。
ゴクリ・・・えっと・・・ちょっと観ちゃおうかな~
誰か2階に上がって来てもすぐわかるように、ボリュームを最小にして~
でも、この人・・・パッケージは本当に美姫ソックリだな?
でも、動くと別人ってよくあるし~
でもなんだろう・・・この背徳感。
幸ちゃんの部屋で、幸ちゃんのAVを・・・しかも美姫似のAVをこっそり見ようしてしている俺。
そう思っていると、本編が始まり、出て来た女優さんが・・・
あ~ 確かに美姫に似てるな~
でも、この人・・・美姫より痩せてるよな。
手足もスラっとしているし、スタイルめっちゃ良くね?
ん? そう言えば幸ちゃん・・・
美姫の手足がスラっとして、天使みたいって言ってた?
えっと・・・幸ちゃん?
もはや、その記憶の美姫は、この星野美鈴であって、美姫ではなくなってるのでは?
たしかに顔は似てるけど・・・体は美姫と全然違うよな~
顔のバランスは、正直美姫の方が可愛いしな・・・
まぁ、こっちの星野美鈴って人も可愛いは可愛いけど、美姫に比べると劣るよな。
それに、なによりも、美姫のおっぱいに比べたら、この星野美鈴のおっぱい残念すぎじゃね?
美姫のチ〇ビはこんな黒くないぞ!
ゆかりちゃんほどでは無いにしても、そこそこピンクというか。
美姫のおっぱいの方が、数倍形も色も綺麗だぞ・・・
それに、脚もこんなの美姫じゃない!
美姫の脚は、もっとこう、違うんだよな~
「ちょっと! アキラ!」
!? ヤバイ! どうしよう!! ストップ! ストップ!!
って・・・うわ~!! 星野美鈴がそこらじゅんに散乱しとる!!
「アキラ~?」
「えっと・・・ゆかりちゃん?」
ヤバイ・・・見つかった。
てか、いつ2階に上がって来たんだ?
「もう! ダメでしょ!?」
「えっと・・・ハイ」
「幸兄、貴重面なんだから、タイトルの順番とか変わるだけですぐ気付いちゃうんだから!」
「はぁ? えっと・・・見てた事を責めてるわけじゃ・・・」
「これ見つけたってバレちゃうじゃない! こんな美姫似のAV見てるって家族が気づいたってわかったら、可哀そうでしょ?」
えっと・・・そっち?
「この人、確かに美姫に似てるけど。 美姫より全然綺麗だし、めっちゃ痩せてるよね?」
「そうよ・・・もう、幸兄の中で美姫像はこっちに引っ張られてるのよ!」
「えっと・・・だから、手足がスラっとして、天使とか?」
「そうよ、高校入学時にフラれてそれから会ってないもん。 美姫のこと想像でしか思い出せないせいで、こっちの美姫に恋しちゃってるんじゃ・・・」
でも、俺は美姫の方が可愛いと思うし。
こんな痩せてるのなんて、美姫じゃ無いし・・・
美姫はムッチリのああじゃ無いとダメなのに。
それに、やっぱりこのおっぱいは許せない!
美姫のはもっと綺麗だもん・・・
それに、声もこの人可愛くない・・・
美姫の声の方が好き。
「ねえ? いま現在のムチムチの美姫を見たら、幸ちゃんどう思うんだろう? この星野美鈴って人、中学時代の美姫の体系っぽくない?」
「う~ん・・・確かに、中学の時の体系はこんなんだったわね。 美姫のヤツ、高校に入って太って来たからな~」
「もう! アキラ! こんなグチャグチャにして~ こんなの絶対バレちゃうよ~!」
「えっと・・・ごめんなさい。 でも大丈夫、元に戻せるよ」
「本当?」
「うん、星野美鈴だけ、まとめて出しただけだし。 順番は確かこうだったから」
「あんたも、相当記憶力良いわね?」
「とりあえず、出した順に重ねておいたから」
「てか・・・コイツ!」
「イタイ!」
何? いきなり?
「もうこんなAVなんて観ちゃって! 私ってもんがありながら!」
「え~ だって、ゆかりちゃんから聞いて、気になっちゃったんだもん」
「もう・・・マセガキなんだから。 だめでしょAVなんて!」
イヤ、それ言うなら、ゆかりちゃんだって・・・
でも、音最小にしてたのに・・・ゆかりちゃんの気配に全然気づかなったんだけど。
いつの間に2階に上がって来てたんだろう?
「てか、ゆかりちゃんが来ているの全然気づかなかったんだけど?」
「そりゃ~ あんたが、一生懸命棚をほじくりだしているところから、ジーっと見てたからね」
えっ・・・そんな前から俺観察されてたの?
俺、めっちゃ泳がされてたんじゃん。
もう、これだからゆかりちゃんは怖いんだよな。
コソコソしてても、すぐ見つかる。
「まったく、まさかと思って見にきたら、これだもん・・・」
「だって、興味はあるじゃん?」
「もう! この浮気者!」
「浮気者って・・・」
「そんなに美姫が恋しいの!?」
はぁ? イヤ、なんでそうなるの?
「それは無い・・・」
「本当かな? こんな美姫のAVなんかみちゃってさ」
「ゆかりちゃんが、美姫似のAVがあるって話をしたからじゃん・・・」
「もう・・・マセガキ」
「イタイ!」
もう、なにその鼻をツンってするヤツ?
この間からマセガキ、マセガキってさ~
基本思春期の男子の中身なんて、オッサンと大して変わらないのに・・・
もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら
ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。




