第129話 どうして、私の大好きな男の子が、私の生徒なの・・・
はぁ~ やっぱり、1人になると一気に寂しくなっちゃうな。
てか・・・なんなのよ、あの子~
いきなり、ほっぺにキスなんかして!
びっくりして、思わず車出しちゃったじゃない。
も~う! ああいう事自然にしちゃうし!
それに、私のこと可愛いとか、照れずに普通の顔してさらっと言っちゃうし。
そもそも、初デートで、私の事を喜ばせたいからって、いきなりサプライズでコンサートチケットなんて買う?
あの子、小学生よ・・・
も~う・・・なんなのあの子は、本当に小学生なの?
あんなオシャレなカフェとか、素敵なレストランとか普通に知ってるし。
一緒に居る時の会話だって、私の話をうんうんって、茶化しもせず、暇そうな顔一つしないで楽しそうに聞いてくれてさ・・・私の気持ち理解したうえで、それで色々話してくれるし。
それに、何なのよ~ あの女の子をエスコートする感じ!
わたし、あんなことされた事無くって、一瞬固まっちゃったじゃない。
何が、お姫様扱いされても良いくらい可愛い女の子よ。
もう! なんで、さらっとあんな事言えちゃうのよ~
あ~! もう!
素敵すぎて、なんか弄ばれてるみたいで、逆に憎たらしくなってくる・・・
なのに・・・先輩との話きいた途端、あんなシクシク泣いちゃってさ。
大人っぽいなって思ってたのに、急に年相応の子供みたいになっちゃうし。
なんなのよあのギャップは・・・
可愛くって、愛おしくって・・・もう、私どうしたらイイのよ。
ずっとドキドキしっぱなしだよ。
そうだ! 思い出した。
アイツ~ 恋人ごっこがイヤなんて言ったら。
色々したくなっちゃうとか、マセたこと言っちゃってさ。
もう・・・ダメよ・・・
そこは超えちゃいけないんだから。
でも、そうだよね・・・
思春期の男の子だもんね。
色んなことしたくなっちゃうよね。
でも・・・アイツ・・・
普通、そういうのしたくても隠さない?
なに、さらっと、エッチしたい的なこと言ってるのよ!
もう・・・アイツ、可愛いし、優しいくせして。
なんで、ああいうところは、普通にエッチな男の子なのよ?
女の子みたいな可愛らしいお顔しているのに!
もう・・・エッチなんてダメよ・・・
アキラのバカ・・・
・・・・・・ううん・・・そもそも・・・デートもだめか。
ああ、どうしよう。
ダメなんだよなこんな事。
イケないことだって、分かってるけど。
なんか、あの子と話していると、もっと仲良くなりたいって思っちゃう。
一緒に話していると本当に楽しいんだもん。
あの子と音楽の話していると、本当に楽しい・・・
小学生なのに、本当にピアノが好きなんだなって感じちゃうし。
誰の演奏が素敵だったとか、わたしが聞いた事無いピアニストの話とか色々聞かせてくれて、すっごい楽しい。
この間、音楽室で一緒に楽譜の見直ししている時だって、あんなに音楽性を理解したうえで、的確にアドバイスくれちゃって。 本当に、あの子がいなかったら、今回の劇の音楽絶対あんなスンナリ行かなかったもの。
でも、あの時間・・・本当に楽しかった。
放課後、学園祭の準備してるみたいで、ちょっと学生に戻ったような気持ちになっちゃたもん。
それに・・・ちょっと寒いなって思ってたら、自分の着ていたブルゾンを私の膝の上に掛けてくれちゃって。 ほんのり、彼の温もりが残ったパーカーがすっごい暖かくて・・・
あの子の優しさを感じて・・・ドキっとしちゃったんだから。
あの日からだよな・・・
もっと、この子と沢山話したいって思い始めたの。
でも、私もバカだな。
恋みくじの結果を真に受けちゃって。
本当に、あの子が運命の子なんじゃないかって思っちゃったりして。
それに、林先生とのことだって・・・
あの日、あの子が心配そうな顔で私の事を見つめるから。
思わず、近くに呼び寄せちゃって・・・
あの子が聞き上手だから、ペラペラと林先生の愚痴を聞いて貰っちゃって。
あの子なりに、一生懸命慰めてくれたりして、なんか、あの時の二人だけの空間が暖かかったくて、あの子に話を聞いて貰ってただけなのに、ちょっと心が軽くなって。
もっと、この子とずっとお話したいな~って思って。
イケない・・・ここは学校だし、この子は生徒って自重しようと思ってたのに・・・
いきなりあの子が・・・
『先生? 俺とデートしない?』・・・なんて言うから。
自分の生徒なんだから、こんなのダメって自重しなきゃって思ってたのに。
残業代の代わりにお願いごと聞いあげるなんて、約束した手前・・・なんか断れなかったし。
・・・・・・ううん・・・ちがうな。
嬉しかったんだ・・・デートしないって言われて。
すっごい、ドキっとして、久しぶりに心が躍ったんだよ。
あの日からだよ・・・あの子に喜んで欲しくて・・・
あの子に言われるがまま、ef-〇eなんて行っちゃって、店員さんに相談に乗って貰ってデートに来ていくお洋服なんて買って。 美容室行ったり、なんか、ウキウキで準備しちゃって・・・
あんな風にウキウキした時間過ごしたの、本当に久しぶりだったのに・・・
でも、学級閉鎖になっちゃうし。
ずっとお仕事決まらなかった事とか、就任早々に滝野の事件とか・・・林先生の事とか、デート出来なくなっちゃったとか・・・ つくづく自分がついてない人だって思ったら悲しくなって来て。
なんか、寂しくって・・・つい、あの子を荷物運びに誘っちゃって。
イケないってわかってても・・・あの子と二人でお話したくて。
ご褒美に良い所連れて行ってあげるなんて言って。
本当は、自分にご褒美が欲しかっただけなのに・・・
でも、あの子・・・あんな素敵な高台のカフェに連れてってくれるんだもん。
お店に入って、目の前に札幌の街並みがパッって広がって、一瞬で現実から夢の世界に連れてかれちゃったんだよ。
あの子にまるで魔法をかけられたような気分だった・・・
普通に私が話す内容にも、同年代みたいな返答してくれるし。
大人の気持ち理解して、色々話聞いてくれて。
本当に、あんな楽しい時間久しぶりだった・・・
そうだよ・・・思い出したよ。
ちょっと、ポーっとしてたら・・・
『笑ってる遥ちゃんが一番可愛いから』
なんて、可愛い顔してさらっというから、それにまたドキッとしちゃうし。
あげくは、kitaraのチケットを買ってたの無駄になっちゃったなんて言い出すし。
もう・・・あんな事されて・・・速攻落ちちゃったじゃない!
同い年じゃ無いし・・・生徒だし・・・ダメだって分かってても。
あの子のこと、好きって思っちゃったんだもん。
この子ともっと一緒にいたいって思っちゃったのよ・・・
なのに、あの子・・・
『今先生優しさに飢えてるだけだって・・・』とか言っちゃうし。
わかってて、優しくしたんじゃないのかよ。
優しさに飢えてる女の子に、あんな優しくしちゃってさ・・・
優しい君と、絶対デートしたいって思っちゃったんだもん。
あの子と、約束通りデートしたいって。
もう、デートをOKしてくれただけで、また楽しくなってたのに・・・
『遥ちゃんに元気になってもううために買ったチケットだしね』
なんて、またとどめのドキっとするような事言うし。
あの時のあの子の顔、帰ってもずっと思い出しちゃって。
ずっと1人でポーっとしてたんだから。
アイツ、本当になんで、次から次へと、女の子の心をグラグラさせるような事言うんだよ?
もう・・・これだから、先輩と良い・・・
アキラと良い・・・天然モテ男は性質が悪いのよ。
素敵すぎて、絶対嫌いになれないもん。
でも・・・
どうしよう・・・
バレちゃったら。
もう、二度と彼には会え無くなっちゃうし。
先生の仕事だって、もう二度と出来なくなっちゃう。
地元に帰っても変な噂されて、帰れなくなっちゃうかもしれない。
ダメだってわかってるのに。
でも、ダメ・・・もうあの子のいない生活なんて考えられない。
もっと、仲良くなりたい・・・あの子と色んなお話をしたい。
楽しい、音楽の話をもっと一緒にしたいのに・・・
なんで、あの子は小学生なの?
どうして、私の大好きな男の子が、私の生徒なの・・・
どうして・・・私の恋はいっつもこうなの?
わたし、神様に意地悪されちゃうようなことしたのかな?
でも・・・アキラとの関係だけはお願い。
このまま・・・そっと見守っていて欲しい。
男女の関係になりたいとか、そんなんじゃないから。
ただただ、愛おしいあの子と一緒にいたいだけなの・・・
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