表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/167

第122話 もう・・・何で君は小学生なの?


 まあ、今日はデートだからな~

 そう思って、駐車場に車が止まったと同時に、素早く助手席から出て、運転席側に回り。


 扉を開けて、遥ちゃんへ手を差し伸べると・・・


「えっ?」


 目を丸くして、キョトンとする遥ちゃん。

 なんか、バグったロボットみたいに、稼働を停止しちゃったんだが?


「ハイ、雪降ってきたから、気を付けて」

「えっ!? ああ・・・ありがとう・・・」


 そう言って、恥ずかしそうに、差し出した俺の手を握って、車から降りてくる。

 そのまま、運転席のドアを閉めて、後部座席に置いある、遥ちゃんのカバンを取って、彼女へ手渡すと・・・


「えっ? なに? 私・・・お姫様みたいじゃない?」


 はぁ? どういうこと?


「私・・・男の子にこんなエスコートされたこと初めてなんだけど・・・」


 なんだ、そういうことか・・・


「そりゃ~ 今までの男が最悪だっただけじゃない? 遥ちゃんは、常にお姫様扱いされてもおかしくないくらい良い女なんだから、もっと自分に自信持ってよ」


「もう! だから~ なんで君は・・・そういうことをサラっと言うかな~」

「ん? なにが?」


「もう・・・何で君は小学生なの?」


 またそれか・・・

 遥ちゃん、たまにそれ言うよな~


 まあ、それを言ったら、俺だって一瞬大人になって。

 ちゃんと、遥ちゃんとお付き合いしてみたいけどさ~


「ほら、寒いし雪降ってきたら、お店に入ろ? 遥?」

「えっ!? うっうん・・・」


 そう言って、手を繋いでお店に入って行く。


 やっぱり、日曜日のお昼だから、分かりずらい場所にあるお店といえど、客席はそこそこ埋まってて。

 一番出入り口に近い、窓際に席に案内されると・・・


「遥ちゃんは、そっちの席に座ると良いよ」


 そう言って、窓側の奥の席に進めると・・・


「どうして? そっちの席寒そうだよ」

「だから、奥の方が寒くないだろ?」


 そういうと、何故かまたうっとりとした顔を浮かべる遥ちゃん。

 なんか、いちいち感動というか、そんなうっとりされてもやりずらいんだけどな~


「ねえ、どこでそんな女の子扱い覚えてたの?」

「えっ? えっと・・・いとこ?」

「また、いとこからって。 ねえ、そのいとこ、今度紹介してよ。 めっちゃ良い男なんじゃないの?」

「えっ? えっと・・・」


 えっと・・・あの人は、ただの車好きの、気の良いお兄さんなんだよな~

 女の子にモテて、カッコ良いのは、東京に行っちゃった上のお兄ちゃんの方の従妹なんだよね。


「もう、なに? 私には紹介出来ないの?」

「だって、お兄ちゃんは、普段東京だし。 モテるから、きっと彼女とかいると思うし~」

「そっか~ そうだよね~ 君にそんな女の子の扱いを伝授しちゃうお兄さんなら、さぞモテそうよね?」


 まあ、ひいちゃんと遥ちゃんが結婚したら、それはそれで、良いかもだけど。

 でも、ひいちゃん、モテるしな~


 就職で東京行く時、千歳まで見送りに行った時なんて、彼女も見送りに来て。

 目の前で、キスされた時は、美姫にガバって抱きしめられて、目隠しされたの覚えてるしな~


「えっと・・・車好きで、ちょっとカッコ良さが3割減の弟なら、ワンチャン紹介できるかもだけど」

「なに? その従妹って、兄弟なの? でお兄ちゃんがモテてカッコよくて東京で? 弟さんは札幌なの?」

「うん、弟の方は今札幌で。 今大学1年生だから~ 少し待ったら結婚もできるかもよ?」


 えっと・・・弟の方には、あんまり興味無さそうだな~

 まあ、あの兄弟・・・カッコ良さは、全て兄貴に取られた感じだもんな。


 たあちゃんもな~ めっちゃ優しいし、気の良い兄ちゃんだけど・・・

 男同士でワイワイするのが好きなタイプだし。


 遥ちゃんと趣味が合うかどうかだよな?

 たあちゃんとご飯行く時は、ラーメンとか中華だしな~


 えっと・・・話題変えるか・・・


「えっと・・・遥ちゃん。 ここのお店のパンは自家製で、ここで焼いてるんだって~」

「へ~ そうなんだ~ 楽しみ~♪」


「えっと、それとね。 やっぱり、ここは生パスタがおすすめかな~ モッチモチでスッゴイ美味しいよ。 ちなみに、僕はゴルゴン嫌いだから・・・」

「ぷっ! もう・・・なによ、ゴルゴンダメって、子供ね。 でも、生パスタが美味しいんだ~ よし、じゃあせっかくだから、この3000円のコースにしてみようか?」


 そう言って、店員を呼ぶと、コースを二つ注文する。

 

「今日はここは、私がご馳走するわね♪」

「えっ? でも・・・せっかくのデートなのに・・・」

「もう、なにカッコつけてるのよ。 コンサートチケットを用意してくれただけで、私スッゴク感激してるんだから」


 まあ、チケットの話した途端に、デートしようなんて言ってきたからな~

 でも、3000円のコースを女の子におごらせるのって、なんか気まずい・・・


「ごめんね。 僕が、大人になったらもう一回デートしようね? その時は、もっと素敵な思いさせてあげれると思うから」

「ふふふっ、そんなこと言われたら、わたししばらく結婚も彼氏もつくれないかも」

「なんでさ?」

「だって、その間に間違って結婚なんてしちゃったら、デート出来なくなっちゃうじゃない」


 う~ん・・・別に結婚してたって、デートくらい良いと思うけどな~

 旦那さんにバレなきゃ良いだけだし。


 別に不倫しようってわけじゃないんだから・・・


「そんな待つとかダメだよ~ 遥ちゃんには幸せになって貰わないとだし」

「もう、お前は私の親かよ?」


「てか、先生さ~ 変装道具を用意するって言ってたけど、どうしたの?」

「あっ!? そうだ忘れてた! ちょっと、こっちこっち」


 こっちこっちと言われて、席を立って遥ちゃんの隣に行って見ると・・・

 えっ? ・・・・・・なに? ん?


「キャハ! 可愛い~♪」


 えっと・・・先生? これって?


「も~う、コナンくんみた~い♪」

「やっぱり、それかよ・・・」


「じゃあ、先生の変装って?」

「うん! 私はコレ~」


 ・・・あっそう・・・変装ってメガネかけるだけじゃないか。

 しかも、度無しどころか・・・フレームだけだし。


「もう、これでパッと見、私達ってすぐには分からないわよ!」

「そうかな~ なんか、知ってる人ならすぐバレちゃいそうだけどな~」


「ねえ?」

「なに?」


「そのメガネあげるから~」

「うん」


「また、二人でデートしようね?」

「えっ? 良いの? 生徒とだよ?」


「だって~ この間のカフェと良い、今日のレストランと良い。 君と一緒に居ると、色々美味しくって、おしゃれなお店に行けそうなんだもん♪」

「まっ、先生が良いなら良いけどさ~」


 なんか、先生楽しそうだな~

 まっ、先週末の最悪デートの後だもんね。

 これで、少しは元気出てくれたら良いな~


「てか、その後。 あの・・・ヤツから連絡は?」

「えっ? ヤツ? あ~ 林先生か・・・金曜日も電話来たよ」


 林先生も懲りないな~

 嫌われてるの分からないのかな?


「めっちゃメンタル強いね? あの人」

「なんか酔っぱらって電話して来てたから、他の先生と飲んで、また連絡しちゃえとか言われて電話してきたんじゃないかな?」

「で? 遥ちゃん・・・」

「もう、断ったわよ。 他の人とデートの約束があるからって言ってやったわよ」


 なるほど・・・まあ、ウソでは無いもんな。


「あ~ でも」

「なに?」


「美味しい中華なら、俺より林先生の方が詳しいかもだけど・・・」

「はぁ!? 良いわよ! 中華なんて知らなくたって! 君はずっと、このままでイテ!」

「はぁ・・・」


 先生・・・そうとう中華がトラウマになっちゃってる感じかな~

 中華に罪は無いんだけどな~


「えっと~ こんど中華一緒に行く?」

「だから~ なんで中華なのよ?」


「えっと・・・中華には罪はないかなって。 ほらホテルで食べ放題とかあるじゃん?」

「そうだけど・・・でも、ホテルでって、なんであなたそんなに食に詳しいのよ?」

「えっ? だから、さっき言ってたお兄ちゃんに、色々カフェとかレストランに連れてってもらってたし。 何気に親父も美味しいもの好きで良くお店に食べに行くし」


 ひいちゃんの、影響で高校生の時から、色々食べ歩きに行ってお店を色々開拓してたし。

 親父は親父で、美味しい中華とか色々知ってるからな~


 まあ、お陰で、大学時代には、女の子とのデートには役にたったというか~

 アキラ君は良くお店を知ってるからって言われて、そこそこ女の子とデート行けたりしてたし。


「ふ~ん。 良いな~」

「えっと・・・弟の方で良ければ、合コン的なことセッティングしようか? 先生他に女の友達とかいないの?」

「大学生相手か~ う~ん・・・」


 やっぱり、あんまり気乗りしないんだな。

 大学生相手か~っていうわりに、俺は待ってくれるのか?

 なんか、この人も良くわからないな~


「あっ、でも。 友達と言えば、この間お隣の琴似小の先生と少し仲良くなったよ」

「へ~ 歳は同じくらいなの?」


「うん、私の1個上で・・・なんか、同じ悩み抱えてて、意気投合しちゃって。 今度飲みに行きましょうって約束したんだ~」

「ふ~ん、その人って札幌の人?」

「うん、そうみたい」


 ふ~ん・・・じゃあ、その琴似小の先生のお友達紹介してもらえると良いのにな。


「じゃあ、そこから、友達が増えたら良いね?」

「うん、だから、いまちょっと楽しみなんだ~」


 でも、こうやって、話聞いていると、先生って本当に出会い少ないんだな・・・

 ん? でも、前世のIT社畜時代・・・俺も別に出会いらしい出会いなんてなかったよな?


 新入社員の社外研修で仲良くなったアイツと、早々に結婚しちゃったからっていうのもあるけどさ・・・  まあ、そう考えると、業種関係無しに、積極的に外に出かけないと出会いなんて無いってことだよな~


もし気に入っていただけたり、少しでもおもしろいなと思ったら

ブックマークや目次下の☆☆☆☆☆を★★★★★へ評価していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ