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第120話 ふん! マーキングよ!


『ガチャガチャガチャ ガタン・・・』


・・・? 下から?


ん~ 朝か・・・

意識が少しずつ覚醒していく・・・


う~ 鬱陶しい・・・というか苦しい・・・


えっ? こいつ、一晩中俺を抱っこしてたのか?

腕とか痺れてないのかな?


!? てか、なんでコイツ裸なんだ?

え!? パジャマは!?


えっ? ちょっと待て・・・パンツも?

履いて無いし・・・


って、あれ?

なんで、俺まで裸なんだ!?

えっ!? いつ脱がされたんだ? あれ?


ちょっと、待て待て・・・

昨日から、なんか美姫が変だよ!


昨日ゆかりちゃんを家まで送って行って。

それで、親父と美樹と三人で帰って来きて、久しぶりに皆揃ってソファーで話をして。


なんか、話がつまんないから、二階に上がってゲームしてたら。

なんか、不満そうな表情の美姫がいきなり部屋に入って来て。


ん!っとか言って、僕の膝の上に足を投げ出してくるもんだから。

歩き疲れてマッサージでもして欲しいのかと思って、モミモミしてたら。


違う!って怒られて・・・

なんだよって聞いたら。


甘えないの!?って怒りだして・・・


イヤ~ だってさ美姫・・・

白のソックスに素足って・・・


イヤ、まあ、素足も嫌いじゃないけどさ。

まだなぁ~ 夏服のあの白セーラーに、素足で白ソックスなら可愛いな~って思って。

なんか、こうムラムラしちゃうかもだけどさ~


冬服の分厚い生地で、重々のスカートに、しかも修学旅行帰り直後の、あの長~いスカートに素足で白ソックスで甘えろって言われてもな・・・

あんまりこう・・・刺さらないとうか。


夏服のあの白セーラーで、ブラが透け透けで。

お腹がチラっと見えて、腰で折り返したあの短いスカートに綺麗な素足がスラっと見えて、それで足元がお上品なあの白ソックスならまだしも。


イヤ、まあせめて、腰折り返しのミニスカートで現れてくれたら、まだムラムラ要素もあったのに。

あんな優等生丸出しの、ド標準制服で、俺の前に現れやがって・・・

まったく、美姫はまだ僕の好みを分かってないんだから。


まぁ、優等生丸出しのゆかりちゃんと車の中でイチャイチャしてたのは悪いなとな思うけどさ。

思った以上に、美姫の姿が刺さらなかったんだから、しょうがないじゃないかよ・・・


エッチな気持ちになら無いならって、今度は急にお風呂入るって言いだして。

まぁ、お風呂はなんていうか・・・


脱いでる最中から、美姫の裸を見ちゃって、ドキドキしちゃったし。

勿論、入る前に、入念にウォーミングアップで美姫の下着でって思ったけど。


なんか、下着の香りをかいだ瞬間、なんかこう・・・スーツケースの嫌な匂いがして萎えちゃって。

しょうがないから、そのままお風呂入ったんだけど・・・


あのバカ、どんなけ欲求不満が溜まってたのかしらないけど。

お風呂入るなり、ギューっと抱きしめて来て。

しかも正面からギューギューするから、賢者効果を纏ってない状態であんな事されたら。

僕だってその気にはなっちゃうけどさ・・・


キッチンに母さんいるのにマズイだろって言ったのに。

それなのに、バカみたいにこのまましようとかいきなり言い出すしさ。


嫌だって言ってるの、ギューギュー自分ばっかりアレでさ。

でも、あんなにギューギューされたら、僕だって・・・

危うくだったよ、まったく。

お母さんにバレたら本当にどうする気だったんだよ・・・


なんか、僕がギリギリで、ヤバイって言って、湯船から上がってさ。

その後、僕の姿ジーっと見て来て、もう羞恥プレイも良いところだよ。

危うく、お風呂の湯の張り直しだったんだぞ・・・美姫のバカ・・・


それから妙にご機嫌になってさ。

体から、髪まで全身美姫に洗われて。

もう、なんかもう、色んな尊厳を奪われた気持ちになっちゃってさ。


その後も、ぬいぐるみを片時も離さない少女のように、俺の手を引っ張って、常に美姫の膝の上に座らされて過ごしていたらさ。


母さんはあいかわらず、仲良いわね~なんて呑気な事を言うし。

親父は、ひとり溜息をついて、俺を憐れそうに眺めていたけど。

明日は、ゆかりちゃんが来るから、それまで頑張れと、意味不明な激励を残してリビングからいなくなるし。


散々美姫に良いようにされて、悶々としまくってベッドに入ったから。

僕だって、美姫にずっと甘えたくて、1週間我慢してたわけだし、二人っきりになったらそれなりに気持ちがはいっちゃうっだろ。 逆に僕にされたら、イヤだのダメだの・・・我儘なんだから・・・

まぁ、1週間ぶりで気持ち入っちゃって、なんていうか、やり過ぎたというか、若干ライン越え的になったのはごめんだったけどさ・・・


美姫がお風呂場で挑発してくるから悪いんだよ・・・

でも、ライン越え過ぎたみたいで、美姫は泣いちゃうし。


美姫の事を慰めて、ヨシヨシってして、機嫌直して貰ってから、2回戦はじめさせてもらってさ。

それでも、多少は遠慮したのに、美姫はすぐにクテってなっちゃうし。

もうちょっとって甘えたら、ほんとに次が最後って泣きの1回みたいになってさ。

これ以上したら、お姉ちゃん本気でエッチしたくなっちゃうからダメって言われてさ。

もう疲れたから無理とか言っちゃって、先に寝ちゃうし・・・


でも、寝る前は・・・少なくとも上半身だけはパジャマ着てたし・・・

なんで、こんな・・・


一番中、この抱っこの体勢でギュッ~っとされるとは思わなかったし。

しかも、謎の裸・・・なんだこれ?


「ん・・・うん・・・ ん?」

「・・・・・・おはよう」

「ふふっ、おはよう。 アキラ・・・チュ~ッ」

 

んんん・・・美姫・・・!

もう、目覚めてすぐ何!?


「アキラ・・・大好きよ・・・ zzzzz」


えっ? なに? 寝ぼけてる?


「アキラ・・・もっとして・・・」


こいつ、また、夢見てるのか?

もっとしてって何!?


もう~ 抱きしめられた状態で身動き取れないよ~

美姫・・・起きて~

どうしよう、抜け出せない・・・


「お姉ちゃん・・・」

「・・・zzz」


「美姫姉ちゃん・・・」

「・・・うん・・・好きよアキラ・・・ zzz」


「美姫?」

「・・・うん、良いよ・・・入れて」


こいつ・・・なんかヤバイ夢見てないか?

も~う、なんでパジャマ着て無いんだよ~

 

「美姫ダメだよ」

「・・・良いのよ・・・怖がらないで・・・zzz」

「美姫! 起きて!!」

「ん? ・・・・・・?」


ヤバイ・・・寝ぼけてる。


この、寝ぼけてボ~っとしている美姫が一番怖い・・・

えっ? 蹴られる? いつもの寝起き悪いパターン?


うう・・・怖い・・・


「アキラ・・・」


えっ? ちょっと? 寝ぼけてる?


「アキラ・・・」

「えっ? 何してんの?」

「良いのよ・・・」


えっ? 美姫?


「美姫? 起きたの?」

「怖がらないで」

「イヤ・・・そうじゃ無くって・・・」

「うん・・・もう良いのよ我慢しなくて」


ダメだ、完全に寝ぼけてる・・・

ちょっと、何してんの!?


寝ぼけて、起き上がって俺を見下ろす美姫の肩を持って、ゆっさゆっさと起こそうと揺さぶってみる。


「ねえ! 美姫!! ダメだよ! そんなことしちゃ!!」


もう、美姫に乗っかられて身動き取れないよ~


「ん? ――――――アキラ?」


やっと起きたか?

あたりをキョロキョロして、現状把握をしようとする美姫・・・


「ん? ――――――あれ?」


目をぱちくりして、いま自分がどういう状態なのか一生懸命把握しようとしてるみたい・・・


「アキラ? なんで裸なの?」

「知らないよ、姉ちゃんが脱がしたんじゃないの?」

「―――? あっ? うん・・・脱がしたかも」


脱がしたんかい!?


「どうして?」

「だって、直接触れたかったんだモン」


なに言ってんだ? まだ寝ぼけてるのか?

こいつ、夢遊病か?


「姉ちゃん、もう夢じゃないよ! 現実! 現実!!」

「現実・・・ん? でも・・・一緒・・・」


一緒ってなにがだよ!?


「ここに・・・」

「美姫姉ちゃん!! もう朝だよ!!」

「えっ? ん?」


もうお願い、起きて。

もう寝ぼけてるって~


「あれ?」

「あれじゃないって~ 起きてよ~ もう朝~!」

「・・・・・・?」


夢と現実がぐっちゃになってるのか?


「もう、美姫姉ちゃん? 寝ぼけてる?」

「寝ぼけてる? ――――――ん?」


ボ~っとしてんな~

過去一ヤバイじゃんコイツ。


「あれ? わたし・・・アキラと・・・あれ? でも、裸だし・・・あれ?」

「裸なのは、美姫姉が勝手に脱がしたんでしょ? 夢と状況近いかもだけど、いまは現実、現実、朝! 朝! 朝!」


「現実・・・・・・朝・・・・・・」


ヤバイ・・・ヤバイ・・・

早く起きて美姫・・・

もう、ライン越えだからねこんなの!


「美姫姉ちゃん!! 1週間ぶりに帰って来て一緒に寝て、もう朝だよ!!」

「1週間ぶり。 ―――あれ? 夢?」


もう、こいつなんていう夢を見てたんだよ~

てか、俺も美姫としちゃった夢を見ちゃったから人のこと言えないけどさ・・・


「―――アキラ?」

「なに?」


「する?」

「なにをだよ?」


なんか怖いことを言い出してんだけどこの人・・・


「どうして? したくないの?」

「するってなにをだよ! もう起きたんだよね!! もうどいて!」

「え~ イヤだ!」


ぐえっ! 上に覆いかぶさるなって・・・


「どいてったら~! もうダメ! ダメ! ダメ!  ダメ!」


ウゲッ・・・重い・・・


「アキラ~ どうしよう・・・」

「なにがだよ?」


「わたし、アキラとエッチしちゃったみたい・・・」

「してないから!」


「えっ? でも、裸だし・・・私・・・アキラの・・・」

「だから、してない! 危なかったけど!」


「本当?」

「本当!! だから、どいてよ~ 重いから・・・」


「・・・ヤダ」

「ヤダってなんだよ?」

「だって、せっかくアキラを独り占めしてるのに・・・朝なんてイヤ!」


なに言ってんだコイツ?

朝が来ることに駄々こねるヤツ初めて見たんだが。


「ねえ・・・アキラ?」

「なんだよ?」


「他の人としたらダメだよ」

「もう・・・なに言ってんの? まだ寝ぼけてるの?」


「だって・・・わたし、初めてだったのよ」


初めてって・・・してないから!


「もう、なんだよ? まだ寝ぼけてるの?」

「アキラとエッチする夢みたのなんて初めてだったの!」


イヤ・・・寝言聞いてた限りじゃ、夢の中でも未遂だったのでは?

それに初めてって嘘だろ・・・

この間も、エッチな夢見てたクセに・・・


「あの、寝言聞いてる限りでは、まだだったのでは?」

「ん!? そうだよ! アキラがいれてくれないから!」


「入れないよ! お姉ちゃんが、まだエッチはダメよって言ったんでしょ?」

「言ったけど・・・でも、したくなっちゃったんだもん。 いまなら、心の準備、出来てるかも・・・」


はぁ!? なんて恐ろしいことをサラっと・・・

こいつ・・・どこまで本気で言ってんだ?


「あの・・・姉ちゃん?」

「なに?」


「心の準備とか、嘘でしょ? どうせ、ゆかりちゃんへの当てつけかなんかでしょ?」

「違うもん。 最近、ずっとアキラが冷たいからでしょ?」


そんなに冷たくなんてしてないのに・・・

確かに、ゆかりちゃんにベッタリだったかもだけどさ。


「ねえ、もうパジャマ着てよ。 なんで、俺まで脱がしたんだよ」

「う~ん、なんか、裸で抱き合ってみたくなって・・・ でも、アキラ何しても、全然起きないし・・・」


イヤ、ちょっと? 寝ている俺にいったい何をしたんだ?

怖い、怖い、 怖い・・・


「ねえ、本当に重いから! それに、もう10時だよ~」

「えっ!? 10時? え~ もうそんな時間なの・・・」


お願いだから、どいてくれ・・・


「アキラ・・・もう浮気しない?」

「そもそも浮気ってなに? 俺の彼女はアッコちゃんだし。 そもそも、この状況が俺からしたら浮気的な状況なんですけど」

「え~ アッコちゃんとは、アキラの共同所有というか・・・浮気じゃないもん」


共同所有ってなんだ!?

俺の知らん間に、そんな契約、アッコちゃんと結んだわけじゃないよな?


「じゃあ、なんだよ浮気って?」

「ゆかりよ! ゆかり!」


ゆかりちゃん?

イヤ、だって・・・


「ゆかりちゃんは・・・だって、久しぶりにあって。 なんか、嬉しくって・・・それに、ゆかりちゃん、めちゃくちゃ優しいし。 良いでしょ? 2年ぶりだもん! 少しくらい、ゆかりちゃんと一緒にいたってさ」

「はぁ~!? やっぱり、あんたゆかりのこと好きなんじゃない、この浮気者!! アッコちゃんと私がいながら!」


まあ、アッコちゃんはそうだけど・・・

美姫は、なんていうか、違うでしょ?


「だって、ゆかりちゃんはゆかりちゃんじゃん! 物心ついた時には一緒にいたし、美姫と同じでしょ? 姉弟みたいな感じだけし。 お姉ちゃんみたいなもんなんだから、美姫と一緒じゃん? 浮気じゃないでしょ?」


「はぁ? 私と同じってなによ! あんなに、アキラがしたこといっぱいさせてあげたのに! もう! アキラの浮気者~!!」

「ギャーーーー!? イタ~イ!!!!」


なんだ!? コイツ!? 噛んだ!? 肩噛んだぞ!?


「ふん! マーキングだ!!」

「マーキングってなんだよ!! バカかお前は! 吸血鬼か!」


『ちょっと~ 何やってんの~ また喧嘩~!? お父さんお母さん出かけるけど~!!』


「美姫! ヤバイ! パジャマ着て! 早く!」

「えっ? うん・・・」


そう言って、急いでベッドから出てパジャマを着る美姫・・・

自分のパンツとパジャマを着て、部屋を出て1階まで降りて行くと。


「あれ? どっか行くの?」

「うん、ちょっと温泉にね~♪ 美姫~ 後、アキラの面倒よろしくね~」

「えっ? わたし、今日お昼からピアノの先生のカフェでバイトだよ」


「あれ? そうだっけ?」

「う~ん・・・どうしましょう・・・」

「えっと・・・俺なら一人で全然大丈夫だけど・・・」


てか、その方が好都合だ。

遥ちゃんとデート行かないといけないし。


「てか、お母さん達、何時に帰ってくるの?」

「ん? 夕方には帰ってくるわよ」


たしか、カフェのバイトの時は、美姫は夜まで帰って来ないから~

遥ちゃんとお昼にデートして~


夕方から、ゆかりちゃんが家に来て、二人っきりでお家デート出来るってこと?

数時間だけど・・・ゆかりちゃんと二人っきりじゃん♪

うはぁ~ 今日なんだよ~ 最高じゃないか~♪


この肩がズキズキ、ヒリヒリするのと、朝の目覚めは最悪だったけど・・・

これからの1日考えると、なんか気持ちがウキウキして来たぞ。


「ふ~ん、じゃあちょっと出かけてくるけど、後はお願いね~」

「うん・・・行ってら~」

「行ってらっしゃい」

 

そう言って、美姫と俺を残し、なんとなくルンルンで出かけて行く二人を見送る。

美姫は、バイトの準備と言って、シャワーを浴びるのにお風呂に・・・


俺も準備しないとな~

先生とは、円山で12時に待ち合わせだし。


てか・・・今日も天気悪いのか・・・

遥ちゃんと一緒の時って、いっつも天気悪いよな?

あの人、まさか雨女なんじゃ・・・ まあ、今日は雪だけど・・・


てか、美姫のヤツ。

マジ噛みしやがってさ~ めっちゃ痛いんだけど。


玄関の鏡でみると、クッキリと歯型が・・・

マーキングとか、キスマークつける女はいっぱいいたけど。

歯型つけるバカ女は美姫が初めてだぞ。


もう、我が姉ながら、規格外すぎてついて行けないんだけど・・・


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