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第118話 浮気ばっかりしてると、お仕置きするぞ


 暇だ・・・・・・

 死ぬほど暇。


 アッコちゃん、風邪治ったかな~

 会いたいな・・・


 はぁ~ 暇だ~


 youtu〇eも無い、ニコ動もない。

 アマプラもネトフリもなんにもない。

 そもそも、ネットが遅すぎる。


 2000年・・・超暇・・・

 俺、この時代に1人でどんな遊びしてたんだっけ?


 てか、午前中はあんなに晴れてたのに。

 雪振って来たし・・・


 ゆかりちゃん達、今日帰って来るんだよな~

 飛行機ちゃんと飛んでるのかな?


 はぁ~ 会いたいな・・・

 ゆかりちゃん。


 『アキラ~!?』


 ん? 親父?


 階段の下から、親父に呼ばれて。

 気怠そうに、部屋から出て、1階に降りて行くと・・・


「お前も行くか?」

「どこに?」


「お姉ちゃんを迎えにだよ」

「えっ? 姉ちゃんを迎えに?」


 ん? 千歳に行くの?


「ちょと! お父さん!? ダメよ。 この子、学級閉鎖で外出はダメなのよ」

「え~ こいつ全然ぴんぴんしてじゃん。 宿題も全部終わったんだろ?」

「ぴんぴんしてるけど・・・」

「もう、昨日の夜から暇だ騒ぎしてるんだから、連れてったって良いだろ?」


 そっか・・・千歳に行ったら、ゆかりちゃんに会える!


「俺! 行きたい!!」

「もう・・・じゃあ、ちゃんと暖かい恰好していくのよ?」

「は~い」


 やった~ 親父~♪

 たまに、良いことするじゃ~ん♪


 もうすでに、家の前で、エンジンをかけて車を出して待っている親父の元に、走って行く。

 そして、車に乗り込むと、千歳空港に向けて走り出した。


 札幌市内から、千歳空港までは車で、だいたい1時間ちょっと。

 車で走っていると、さっきまで雪が降っていたのが、ウソのように晴天に・・・


「オッ? 晴れたな? これなら、問題無く、飛行機も降りれるな」

「うん、そうだね」

「美姫が帰って来たら、またうるさくなるな~」

「ハハハ・・・そうだね・・・」


 1週間ぶりか・・・

 月曜日の朝は、美姫にめっちゃ早起きさせられたんだっけ。

 今生の別れかってくらい、いってらっしゃいの挨拶をさせられたっけ。


 てか、昨日届いた絵葉書・・・

 修学旅行なのに、体験学習とか多すぎで、自由時間が少ないとか、めっちゃ愚痴ってたな。

 旅行中の、絵葉書にあんな愚痴を、たらたらたら書くヤツもあいつくらいなんじゃないか?


 美姫が帰って来るって、ことは、ゆかりちゃんも一緒なワケで・・・

 はぁ~ 1週間ぶりにゆかりちゃんに会えるのか~


 しかも、セーラー服姿のゆかりちゃんか~

 木下の家でばったり会って、公園でお話した日以来だな。

 制服のゆかりちゃん・・・



 ◇◇◇



「よかったね~ 晴れて~」

「ん? うん・・・」

「なに? どうかしたの?」

「ん? お父さんが迎えに来てくれてるって。 ゆかりも乗ってく?」


「良いの?」

「良いでしょ、来た時も乗って来たんだから」

「えへへへ、じゃあ、お願いしちゃおっと」 


 あ~ 1週間ぶり・・・

 長かった~ 帰ったら、アキラとお風呂に入って~

 今日は、絶対に一緒に寝るんだから。


 それにしても・・・先生の挨拶長すぎ~


「先生話長すぎ・・・」

「もう・・・聞こえるよ?」

「だって・・・」


 はぁ~ 早く帰って、アキラに会いたいのに・・・


 『ハイ、じゃあ、来週の火曜日からは報告会に向けての事後学習が始めるけども。市内では、風邪が流行ってるという話なので、今週はゆっくり体を休めて体調を整えて下さいね。 では、解散!』


 はぁ~ ようやく解散だ~

 えっと・・・お父さんは・・・


 ん!? アキラ!?

 あの子・・・迎えに来てくれたの!!


「ん? アキラ、来てくれてる!? あっ!? こっちに気づいた!」

「アハッ! こっちに走って来る~」


 ふふふっ、アキラの大好きなお姉さんが帰って来たわよ。

 さあ~ 大好きなお姉さんの胸に飛び込んでおいで! アキラ!


「キャ!? もう・・・危ないでしょ!?」


 えっ・・・?


「えへへへ、ゆかりちゃん、お帰り~♪」

「え~!? なに!? ゆかり!? その子弟~? 可愛い~♪」

「ううん! 私の彼氏~ 可愛いでしょ~♪」


 はぁ!?


「へ~ 可愛い彼氏だな~♪ えっ? 弟じゃないの?」

「オイ! 違うだろ!! この子は、私の弟よ!!」


 こいつ・・・何が彼氏だ!?


「えっ? 美姫の弟なの? たしかに、言われたら、顔ソックリかも・・・」


 当たり前だろ!


「もう! アキラ! なんで、ゆかりに抱き着くのよ! この浮気者!」

「え~ だって・・・ゆかりちゃんと会うの1週間ぶりなんだもん!」

「ハァ~ 私とだって、1週間ぶりでしょ!?」


 こいつ・・・本当にゆかり、ゆかりって~

 ぐぬぬぬ・・・


「え~ 美姫姉とは6日ぶりだけど、ゆかりちゃんとは8日ぶりだもん!」

「そうだよね~♪」

「へ~ ゆかりのこと大好きなんだね~ 可愛い~♪」


「でしょ~ 私の小さな彼氏なんだ~♪」

「お前らの交際なんて、私の目が黒いうちは絶対に許さないからな!!」

「へ~ でも、この子が噂の、美姫の弟くんか~ 確かに可愛いね~ ブラコンになるのも頷けるわ」


 もう・・・うるさいぞお前らは・・・

 さっさと、散れ! 帰れ!!


 アキラとの感動の再会だったのに・・・

 くそ~ ゆかりのヤツ~


「アキラ~ お土産いっぱい買ってきたんだよ♪」

「本当? 嬉しい!! ん? あれ・・・アキラって?」

「ふふふっ、良いでしょ。 私の彼氏だもん」


 こいつ・・・調子乗りやがって~

 もう! 絶対ゆるせん!!


「オウ! お帰り! 楽しかったか?」


 ん? お父さん・・・


「もう、集団学習やら、体験会とかで、なんか自由時間少なかったよ・・・」

「まあ、スタディーツアーって言うくらいだからな、普通の修学旅行とは違うんだろ」


 もう、お父さんもゆかりみたいなことを・・・


「さっ、じゃあ帰るぞ。 ゆかりちゃんも送って行くよ」

「はい! ありがとうございます!! じゃあ、皆~ バイバ~イ」


 『うん、バイバイ♪ アキラ君もバイバ~イ!!』


 ・・・アキラのヤツ。

 鼻の下伸ばしやがって。


 こいつは、本当に浮気者ね!

 なによ、私とエッチした夢みたとか、私の心を弄んだクセに・・・

 もう! 浮気者!!


「もう! アキラはこっち!」

「アン! 美姫!! ひっど~い! アキラだって、私と一緒にいたいのに!」

「美姫・・・痛い・・・」


 ふん! アキラは私のモノなの!!


「美姫姉! 痛い!」

「ん? あっ、ごめん・・・つい・・・」

「ついじゃないよ! もう、俺の事ぬいぐるみか何かと思ってないか!?」

「そんなことないもん。 あんたが、浮気するから悪んでしょ!」


「ハハハハ、帰ってそうそう、うるせ~な~」

「もう! お父さん、うるさい!」

「アキラ? 寂しかった?」

「うん・・・寂しかった・・・」


 アキラ・・・そんなに寂しかったの?

 そっか、もう大丈夫よ。

 今日からは、またずっと一緒だからね。


「ゆかりちゃん、次はいつウチ来る?」

「う~ん、さすがに今日は家に帰らないとだからな~」

「お前は、家は出禁だぞ!」

「美姫姉ちゃんは黙ってて!」


 はぁ!?


「う~ん、日曜日は?」

「あ~ 日曜日はちょっと、予定が・・・」

「予定? 遊びに行くの?」

「うん、ちょっと約束があって・・・」


「帰ってくるの遅いの?」

「たぶん、夜ごはん前には帰ってくると思うけど~」

「ふ~ん、おじさん、明日お泊りし行っても良い?」

「ん? ゆかりちゃんの、パパママが良いっていうなら、構わんよ~」


「じゃあ、日曜日の夜に行っちゃおうかな~ お土産持って♪」

「お土産買ってきてくれたの?」

「そうだよ~」


 ふん、お土産なんて、私だって沢山買ってきてあげたんだから。

 そんなんで、アキラの気を引けると思うなよ・・・


 てか、こいつ。

 日曜日もうちに泊まって行く気か?

 また、アキラの事・・・


 ん? でも、日曜日・・・

 ピアノ先生の家で、カフェのバイトだった。

 うっ・・・家に帰るの20時くらい。


 それまで、コイツとアキラを二人っきりにさせちゃうのか?

 もう・・・アッコちゃんと良い、ゆかりと良い。


 なんで、こうも二人っきりにさせると危なそうな連中がうじゃうじゃしてるんだよ。

 もう、急にモテだして、なんだこいつは・・・


 本当に浮気者め~

 もう・・・今日は絶対に離さないんだから。

 お風呂でも、ベッドでも、絶対にギュッとしてやるんだから。

 浮気ばっかりしてると、お仕置きするぞ・・・


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