第11話 姉貴が彼女に変な事を教えそうで心配だぞ
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アッコちゃん
来週、土曜日なんだけど、もし予定空いてたらルスツの遊園地一緒に行かない?
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これを、先週アッコちゃんに教えて貰った折り方で・・・
よし! 出来た!
さてと、先週みたいに失敗しないように。
アッコちゃんの机に目掛けて・・・
投げた瞬間、折り畳んだ手紙は、シュッと勢いよく飛んで行き。
そのまま、アッコちゃんの机に着地すると、そのまま彼女の手元までススっと滑って止まり。
アッコちゃんがそれに気づき、拾い上げて手紙を広げると。
目で内容を確認しているのを、僕はドキドしながらまっていると。
えっ!? っと、アッコちゃんが驚いた表情を浮かべる。
直ぐに僕の方を向いて、口パクで『ほんとに?』っと聞いてくるので、コクっと首を盾に降る。
ニコッと僕に微笑み掛けてくれ、すぐに手元で手紙を書き始める。
前週より、少し机を近づけて座っていた僕等は、手渡しでアッコちゃんから手紙を貰い。
受け取った手紙をすぐに確認すると・・・
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来週、土曜日は予定無いから。たぶんだいじょうぶだと思うけど。
放課後、アキラの家でお話しよう?
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クゥ~ 予定なし! ついでに、放課後のお家デートまで決定だ~!
来週の遊園地デートに思いを馳せて、1人浮かれていたのだが。
隣に座っているアッコちゃんの表情がすぐれないというか。
あんまり嬉しそうじゃないのが、凄い気になってしまい。
しばらく、アッコちゃんのことを見つめていると・・・
「―――またコソコソしてる」
アッコちゃんとは反対側から、急に声を掛けられ。
何だっと思い、振り返ると。
コッチをジーっと睨みつけた、藤澤君と目が合ってしまう。
「えっと、どうしたの?」
「なんで、そんなにアッコちゃんと仲が良いんだよ?」
「だから、なんでキレてんの? 藤澤君には関係ないだろ?」
「ふん! アッコちゃんとコソコソしやがって気に食わないんだよ」
「そんな事言われてもな~」
「それに、この間からなんなんだよ、他人行儀に藤澤君とか当てつけのような呼び方は!」
えっ? 呼び方?
なに、そこにも怒ってたの?
それにしても、先週からずっと怒ってて。
週が明けても、まだ怒りが治まらないとか、どれだけ怒ってんだか・・・
この状態で、アッコちゃんと付き合ってるとかバレたらどうなっちゃうんだ?
まぁ、剛にバレてる以上は、コイツにバレるのも時間の問題なんだけど。
先週のアッコちゃんとの一件以来、藤澤君・・・元い、藤さんとは冷戦状態で。
何を話しても機嫌が悪いので、ずっと無視してアッコちゃんの方ばかりを見ていたのだけど。
無視ているのが癇に障ったのか、日を追うごとに機嫌が悪くなり・・・
アッコちゃんと手紙を交換する度に、こうやって絡まれ続けているのだ。
まあ、ヘタに謝った所で済みそうにないし。
常に喧嘩腰で話してくるので、極力会話も避けながら過ごしてるわけで。
休み時間はアッコちゃんと木下とお話をして。
授業中は、なるべく存在を感じない様に時間が過ぎるのを待つ生活を繰り返し。
この日もようやく6時間目まで終ろうとしていた。
―――キンコンカンコ~ンキンコンカンコ~ン♪
最後の鐘が鳴り、帰りの会も終り。
先生への挨拶が終わって、皆一斉に帰る準備を始めていると。
アッコちゃんが僕の方を見て。
「佐久間君?」
「一緒に帰る?」
「うん」
なんだろうな、ルスツの話をしてから、ずっと浮かない顔してるんだけど。
どうしたんだろう?
アッコちゃんと一緒に教室を出ると、そのまま二人で階段を降りはじめた。
背中に、何やら睨みつける不穏なオーラを感じてしまったが、それを無視してアッコちゃんと会話していると。
「ねえ、どうしたの? 何か元気ないけど? また嫌がらせでもされたの?」
「ううん。 佐久間君がずっと傍に居てくれる間は、びっくりするくらい何もされないよ」
そっか、それは良かった。
でも、嫌がらせじゃないとすると何だろう?
玄関で先に靴を履き替え。
すぐさまアッコちゃんの元へ駆け寄ると、彼女に手を差し出すと。
アッコちゃんが靴を履き替えている間中、彼女の体を支えていると。
見た目は子供、頭脳は大人の名探偵の漫画に出て来る、真っ黒に塗りつぶされて目だけ白く抜かれた犯人のようなヤツが、玄関の隅から俺達をずっと睨みつけてるのを見つけ。
しつこいな~っと思いつつ、ここまで露骨にアッコちゃんとべたべたしてるんだから、もうそろそろ俺らの関係に気づいても良い頃だと思うんだけど・・・
まぁ、それでも面倒くさいので完全放置プレイで、アッコちゃんが靴を履き替えると、そのまま二人で並んで玄関を出る。
そして、俺の家に向かって二人で歩きだした。
「ねえ?」
「なに?」
「藤澤くんっと喧嘩でもしてるの?」
「なんで?」
「だって、先週からずっと佐久間君のこと怖い顔で睨みつけてるから。 どうしたのかなって思って」
「まあ、なんていうか・・・お年頃の男子が掛かる病気というか。 とりあえず、なんでも無いから気にしないで良いよ」
「気になるよ~ 授業中、佐久間君の方を見たら、いっつも怖い顔した藤澤君と目が会うんだもん」
「あ~ ひょっとしたら、アッコちゃんのこと好きなのかもね~ アハハハ」
「もう、そんなわけ無いじゃん。 好きな人に向かって、あんな風に睨んだりしないでしょ? わたし、藤澤君になんかしたのかな? なんか、色んな人に嫌われてる気がするんだよな・・・」
う~ん、こうやってアッコちゃんって当時は自分で追い詰められて行ったのかな?
鬼ごっこの時に抱き着いてた連中も、アッコちゃんだ好きだったからなのに。
でも、アッコちゃんはそれをイジメだと思ってたみたいだし。
藤澤君・・・元い、藤さんの件もな~
「えっと・・・だいじょうぶ。 それだけは無いから、アッコちゃんの杞憂だから、気にしないで良いよ」
「杞憂ってどういう意味? もう、佐久間君って、なんでそんな難しい言葉沢山知ってるの?」
「えっと、杞憂は。 心配しなくて良いことを、無駄に心配しちゃうって意味かな。 まあ、心配不要なことを、わざわざ心配しちゃうと良くないって意味だよ」
「ふ~ん、まあ、そうなら良いけどさ・・・でも、怖いよ」
「まぁ、時間が解決するよきっと。 基本的に、普段鬼ごっこで遊んでた連中は全員アッコちゃんの味方なのは確かだし、誰もアッコちゃんのこと嫌いとか思ってるヤツは居ないから安心して」
「そうなの? どうしてそんなことわかるの? 皆に、何か聞いてくれたの?」
「まあ、そのなんだ。 アレだよアレ、好きな女の子に意地悪したくなっちゃうっていうあの病気に掛かってるだけだから」
「えっ? それって、どういう意味? えっ? じゃあ、皆・・・何? 本当は、わたしのことが好きってことなの?」
「まあ、あんまり言いたくないけど、アッコちゃんが安心できるなら。 本音をバラしちゃうけどさ」
「なんで言いたくないの?」
「だって、アッコちゃんのことを好きだなんて、アッコちゃんがわざわざ知る必要なんて無いじゃん。 俺一人だけが、アッコちゃんのこと好きだってだけで充分なんだから」
「えぇ? もう何言ってんの? なに? それって焼きもちかなんか?」
「別にライバルだなんて思ってないけど。 邪魔者は極力少ない方が良いでしょ?」
「アハハハ、そういことか。 もう、バカだな・・・わたしは佐久間君が好きなんだから。 そんなこと気にしないでも良いのに。 ふふっ、バカ」
「だから言ったでしょ? アッコちゃんはもっと自分に自信を持って良いって。 本当にアッコちゃんは可愛くて、本当の美少女なんだからさ」
「も~う! また、そうやって恥ずかしいことをさらっと言う! 恥ずかしいから、ダメだよ・・・照れちゃうでしょ」
「照れて、顔を真っ赤にしてるところも可愛くて好きなんだけどな~」
「も~う! バカ! ダメだって・・・」
そう言って、さらに顔を真っ赤にしたアッコちゃんが、歩きながら僕にぴったりとくっ付いてくると。
そのまま、腕をギュッと掴まれてしまい、そのまま抱き付かれてしまった。
周りには、他にも数人、同じ学校の生徒がいるのにっと思いながらも。
嬉しくて、歩きにくいのを我慢して、そのままアッコちゃんがしたいようにしていると。
「ねえ? ルスツさ、誘ってくれてすっごい嬉しかったんだどさ」
「うん」
「お母さんに、二人で行くって言ったら絶対ダメって言われると思うんだ」
「ああ、それなら問題無いよ。 俺の姉ちゃんの彼氏の車で連れてってもらうから」
「お姉ちゃん、彼氏いたの?」
「俺も、先週初めて知ってんだ」
「どうやって知ったの?」
「えっ? 先週アッコちゃんの事、途中まで送ってッタ帰りに、公園の駐車場で変な車見つけて」
「変な車?」
「いかにもカップルがイチャイチャしてそうな車?」
「そんなのわかるの?」
夕暮れ時の、公園の駐車場に男女が乗ってて、ただ停まってる車なんて、カップル以外いないって。
「だって、男女で車に乗ったまま、ただ停まってるなんて怪しいじゃん」
「そっか~」
「しかも、車の中でキスとかしてたし」
「キス!? お姉ちゃんだったんでしょ? そんなの見ちゃってショックじゃなかったの?」
えっ? う~ん、ショックではなかったような気がするけど。
なんか、今思い出しても、なんかモヤモヤはするんだけど。
「嫌、別に・・・ちょっとモヤモヤはしたけど」
「だよね、可哀そうに。 落ち込まないで、寂しかったら慰めてあげるから」
「えっ? あぁぁ、うん・・・じゃあ、お願いしようかな・・・」
「うん、お部屋で、またヨシヨシってしてあげるね」
まぁ、それはそれで嬉しいけど。
なんだろうな・・・スッキリしないこの感じは・・・
土曜日、帰って夜一緒に寝る前に、久しぶりというか。
アイツが久しぶりとか言うから久しぶりなんだろうけど。
記憶が無いから、初めて美姫とキスしちゃったような気持ちになったけど。
キスしたら、気持ちが落ち着くのかなって思って試してみたけど。
なんか、余計にモヤモヤしだして、もう・・・俺ダメだ・・・
こっちに戻って来てから、ずっと美姫にペースを乱されてるような気がする・・・
「てか、美姫のことはどうでも良くて。 ルスツに誘われて、俺の姉貴の友達の親と一緒に行くって言えば、普通にオッケー貰えるとおもんだよね」
「嘘付くの?」
「でも、まあ姉貴の彼氏だし、もう大人だから、多少の嘘は許容範囲でしょ?」
「う~ん、そうかな~ 佐久間君、口が上手いから、言われてみるとそんな気がしてきちゃうんだよな~」
「だから、そんな感じで親に聞いて見て」
「うん、ちょっと今聞いて来る~ 後で佐久間君の家に行くね~ また後でね~ バイバイ!」
そう言って、アッコちゃんがパッと離れて、僕を置いて走って行ってしまい。
あっと言う間に見えなくなってしまった。
あれ~ ウチにで一緒に遊ぶって言ってたはずなのにな~っと思いつつ。
1人でトボトボお家へ帰った。
玄関に入って、靴を脱ぎながら「ただいま~」っと言うと。
リビングから、母親が出て来て出迎えてくれ。
「おかえり。 アレ? 今日は1人なんだ?」
「えっと、もうちょっとしたらアッコちゃんが来るかも」
「そう」
「ねえお母さん?」
「なに?」
「来週、土曜日さ~姉ちゃんが、姉ちゃんの友達のお父さんと一緒にルスツ行くんだって」
「ふ~ん、そうなの?」
「でね?一緒に連れってくれるって言うんだけど。その・・・」
「なによ?」
「あの・・・お小遣いなんかいただけないでしょうか?」
「いくら?」
「7~8千円くらいあれば・・・なんとかなるとは思うのですが・・・」
「はぁ~お父さんと相談してみる」
「お願いします!」
意外とすんなり行っちゃったけど。
なんだろうな、やっぱり夢の世界なんだろうか?
そんな事を考えながら、洗面所で手を洗って。
そのまま、玄関ホールへ戻り、階段を上って自分の部屋へと向かう途中。
2階に上がった瞬間、扉が開けっ放しの美姫の部屋が目について。
相変わらずの部屋に入ってみると、すぐ扉の脇に、いつ脱ぎ散らかしたのか分からない美姫の下着が散乱しているのをジーっと見つめてみるものの。
やっぱり、なにも感じないんだよな・・・
エロイとも、何かエッチなことしたいとか、美姫の下着を見ても全然何も感じない。
はぁ~ これが正常だよな・・・
なのに、どうして、美姫の足を触ってる時はあんなにもドキドキしちゃうんだろう。
それに、昨日の晩のキスだって・・・
どっちの俺の反応が正常なんだろう?
もう、全然わかんないよ。
その後も30分近く、美姫の部屋でボーっとしていたが、まったくエッチな気持ちにもならないし、答えなんか出そうにないので、あきらめて自分の部屋に戻り、カバンを降ろして、ベッドへボフッと倒れるように寝転がると。
昨日の美姫とのキスのことを思い出してしまう・・・
すると、やっぱりドキドキとして来てしまい。
いったい、自分がどうかしちゃったんじゃないかと思っていると。
玄関の呼び鈴が鳴り、誰かなっと思っていると。
「―――アキラ~! アッコちゃんが来たわよ!」
1階から母親の大きな声がして、急いでベッドから起き上がって部屋を出ると。
すでに階段を上がって来ていたアッコちゃんと目があった。
「・・・あっ、いらっしゃい」っと声尾掛けると。
「ねぇ! 聞いて! ルスツに行っても良いって!」
えっ?
「本当?」
「うん! お小遣いもくれるって~」
「良かった! やったね!」
「うん! 嬉しい!」
そこまで話すと、アッコちゃんは残りの階段を上り切って。
僕に飛びつくように抱き着くと、えへへへっと照れ笑いをして。
そのまま、二人で部屋へと移動した。
◇◇◇
「ね~え、佐久間君! 私イヤ・・・ヤダ! こんなのしたくない!」
「え~ 始めたばっかりじゃん」
「無理!無理!無理!・・・怖い!」
「だいじょうぶだって、俺が付いてるから」
「イヤッ! もう~無理~!」
そんな、暴れなくても・・・
アッコちゃんが、したいって言ったから~
「イヤ! 怖い! もう無理、これ以上入るの無理!」
「抱っこしてあげてるじゃん」
「それでも無理!」
「もうちょっとだから、もうちょっと」
「え~ん・・・ぐすっ」
「えっ? そんな、泣くほど無理なの?」
アッコちゃんがしてみたいって言ったのに。
怖いっていうから、ギュッて抱きしめて、後ろから抱きしめてあげてるのに。
でも、そんなに暴れられたら、俺も・・・アッコちゃん・・・
もう出ちゃう・・・
「もう、無理~」
「本当にダメ?」
「もう本当に無理・・・イヤ!」
「あっ!? ―――あぁぁ・・・」
俺も・・・ある意味無理っていうか。
もう、パンツの中に・・・
「バイオ全然面白くない!」
「やりたいっていったのアッコちゃんじゃん」
「だって・・・こんな怖いって思わなかったんだもん」
「怖いよって言ったけどな・・・」
「だって、皆が面白いって言ってたから・・・ぐすっ」
「アッコちゃんホラー苦手なの?」
「苦手・・・ゾンビとか本当に無理」
もう、ギュッって抱き着かれてめっちゃ嬉しかったけど・・・
お尻でグリグリされて、俺の方が全然無理だったんだけど・・・
「じゃあ、他のゲームにする?」
「うん」
「スマブラする?」
「ヤダ! 佐久間君手加減してくれないからイヤ!」
先週、初めて一緒にゲームした時は、まだアッコちゃんと何を話して良いかわからなくって。
色々考えてたら、無意識で気づいたらフルボッコにしちゃって泣かしちゃったんだよな~
「じゃあ、マリカやる?」
「マリカならヤル~ えへへ」
ていうか、パンツどうしよう。
何か、冷たくなってきたんだけど。
イヤ、こんなのバレたら、めっちゃ軽蔑されて、嫌われるんだろうな。
先週、抱っこしてあげてから、アッコちゃんが妙に抱っこが気にちゃったんだよな~
毎回、生理現象を我慢するの大変なんだけど。
そんな事を考えつつ、二人で並んでマリカに集中していると・・・
『―――ただいま~』
あれ? 美姫が帰って来た?
もうそんな時間? アッコちゃん帰る時間じゃんっと思い、時計を見ると。
まだ、16:00を少し回った所だった。
あれ? 今日は帰って来るの早くね?
そんなことを考えて、ゲームをしていると。
「アキラ~? 誰か来てるの?」っと言いながら、勝手に部屋に入って来た美姫に。
「えっ? 急にドア開けるなよ!」っと返すと。
「あっ、チンチクリン・・・」
オイ! 美姫!?
その声を聞いて、アッコちゃんが美姫の方を見て、姉貴の姿を見てびっくりして。
コントローラを素早く置くと、姉貴の方へ素早く体の向きを変えると、その場で正座をしたと思ったら。
「あっ、おじゃましてます」
「あ~ この間、ちょっと会ったよね? えっと、アッコちゃんだっけ?」
「ハイ」
なんだ、この小姑への初めての挨拶みたいなヤツ・・・
「へ~ この子が、アキラのね~」
アッコちゃんを品定めするように、ジロジロとアッコちゃんを見て。
俺をバカにする時の意地悪な、ニヤニヤした顔に変わって行き。
めっちゃバカにする気満々なのが伝わってきたので。
「そうだよ、俺の彼女だから!」
「わかってるって。 でも、ちゃんと見たら、可愛い~!」
「えっ・・・えっ・・・」
急に、アッコちゃんの近くへスタスタっと近寄ったと思ったら、その場にスッと座ると。
アッコちゃんが戸惑うのも関係なしに、美姫がアッコちゃんをギュッと抱きしめて可愛い~とか言い出してしまい。
急に美姫に、ギュッと抱きしめられて、戸惑いまくっているアッコちゃんはもう、えっ、えっっとしか声を出せなくなってしまう。
「アッコちゃん。 私こいつの姉の美姫。 よろしくね」
「あっ! えっ! 岩崎亜希子です。 初めまして、よろしくお願いします・・・」
イヤ、アッコちゃんが怖がってるから!
「姉ちゃん! そのくらいにして! アッコちゃんが怖がってるから!」
「だって~ こんな可愛い子があんたの彼女だなんて思わなかったから嬉しくなちゃって。 あんたの彼女って事は、私の妹みたいなもんでしょ?」
はっ? 出たよ、ジャイアンかお前は。
お前のものは私のものじゃね~よ。
昔っから、そう言って、人のモノを取ってさ・・・
「なんだよ、その理屈。 意味不明すぎて、アッコちゃんが戸惑ってるだろ? 離れろって!」
「アッコちゃん、私に抱きしめられるの嫌? お姉ちゃんって呼んでも良いのよ?」
なんなんだよ、この人は・・・相手の気持ちも考えないでグイグイ行く感じ。
マジ、ノンデリなんだけど・・・
こういう所は、マジで秀樹そっくりだ。
・・・イヤ、秀樹が美姫の影響を受けて、そうなったと言った方が正しいのかもしれん。
「ところで、部屋で二人っきりで、あんた達、エッチなことしてないでしょうね? ダメよ!」
「姉ちゃんのバカ!何言ってんだよ!」
あ~もう! アッコちゃんが恥ずかしくなって、また顔真っ赤にして固まちゃってるじゃん!
マジで、もう! なんで、こうも美姫は余計なことばっかり・・・
「まだ小学生なんだから、エッチはダメよ」
「わぁ、わぁ、わぁ、わぁ、わぁ! アッコちゃん聞いちゃダメ!」
もうダメだ、恥ずかしすぎて、もう抵抗することを諦めて、美姫の腕の中で半分気を失ってるんじゃないか?
も~う、アッコちゃんに、なんてことを・・・
「時に、あんたら土曜日行って良いって言われたの?」
「それならOK問題無し! 姉ちゃんの友達のお父さんに連れてってもらうって言っておいたから」
「へ~ お母さん信じてた?」
「うん、全然怪しんでなかったよ」
「そう、なら良いけど・・・」
「ねえ! もう良いでしょ! それよりも、もうアッコちゃんのこと放してよ」
「分かった、分かったって。 じゃあ、アッコちゃん。 これからよろしくね~」
「えっ、はい。こちらこそ・・・」
そう言うと、制服のまま1階段を降りて行き。
しばらくすると、1階からピアノの音が聞こえ始めた。
イヤ、アイツ・・・絶対ピアノ上手いアピールだろ、わざと聞こえるように・・・
「ねえ? 佐久間君?」
「なに?」
「お姉さん、綺麗だね?」
「まあ、黙ってれば可愛いんだけどね。 でも、性格はすっごい悪いよアイツ、すぐキレるし」
「でも彼氏いるんだよね?」
「イタみたいだね」
「キスしてたの見たんだよね?」
「うん、先週ね」
「ショックだよね、あんな綺麗なお姉ちゃんを他の男の人に取られちゃったら・・・」
「アッコちゃん、あの・・・何か色々勘違いしてるようだけど、俺なら平気なんだけど」
「無理しなくて良いよ。 本当は嫌なんでしょ? 私だったら、あんな綺麗なお姉さんが居たら、絶対に他の人に盗られたくないって思っちゃうよ」
そうですか、今の言葉美姫が聞いたら飛び上がって喜びそうだけど・・・
「でも、弟妹でもさ。 あんなに綺麗なら好きになったりとかしないの?」
「はっ? アッコちゃんの方が、断然可愛いだろ?」
「もう嘘ばっかり。 私、あんなにお胸無いし。 スタイルだって良くないもん」
「イヤ、イヤ、アイツはもう高校生だから。 単純比較とか無理があるって、アッコちゃんだって高校生になったらアイツ以上に綺麗になるって」
「そうかな?」
「絶対そうだよ」
「でも、本当にお姉ちゃんのこと好きになったりしないの? あんな綺麗なお姉ちゃんと一緒にいたら変な気持ちになったりしない?」
「無いよ・・・そりゃ、裸とか着替え中の姿見ちゃったら、そういう気持ちも多少は沸いちゃって、その・・・なんか変な感じになっちゃうけどさ・・・」
「変な感じって、さっきみたいに?」
「えっ? さっきみたいって?」
「バイオやってる時、固くなってたよね? なんか急に感触なくなったけど・・・」
ヤッバイ、怖がってるから全然気づいてないのかと思ってたのに。
しっかりとバレてたし、しかも感触無くなった所まで気づかれちゃってるし・・・
「イヤ、アッコちゃんが暴れるから・・・」
「ねえ? さっきみたいに抱っこして、くっついてたらダメなのかな?」
「なんで・・・そう、思うの?」
「さっき、お姉さんが言ってたし。 エッチはダメよって」
「そんな、抱っこくらいなら問題ないでしょ」
抱っこはしたい! でも、それを今エッチ認定されてしまっては困る・・・
アッコちゃんと気軽に触れ合えなくなるのはイヤだ。
「そうだよね、抱っこは問題ないよね。 お父さんにもしてもらうし」
「そうだよ。抱っこは全然OKだよ・・・」
「でも、エッチはダメって言った時、なんであんなに騒いでたの?」
「イヤ、それは・・・アッコちゃんはほら、そういう話が苦手だと思って。 この間も、顔真っ赤になってたから」
「う~ん、あんまり得意じゃないけど。 でも、希美も色々知ってるみたいだったから、少しは勉強した方が良いのかなって思ったんだよね」
「イヤ、イヤ、向上心はとっても素敵だと思うけど。 まだちょっと早いよ。 中学生になってからでも、十分だと思うよ」
「そうなのかな~」
「そうだよ、だから、アッコちゃんは、今のまま。 純粋でピュアなままのアッコちゃんのままで大丈夫だから」
「う~ん、佐久間君がそう言うなら、そうするけど。 でも、本当にエッチなことしたくなったら言ってね? その時は、一緒にどうするか考えよう?」
イヤ、どこまでもピュアなんだよこの子。
真面目すぎるというか、イヤ、とっても嬉しいんだけどね。
でも、悪いヤツに引っかかったら、なんでも言うこと聞いちゃいそうで、ちょっと怖くなっちゃうんだけど。
とわいえ、アッコちゃんと美樹が接点を持つのは何かとっても危険な香りがするわけで。
アイツが禄でもない事を、アッコちゃんへ吹き込みそうで心配なのだ。
今後も、アイツとアッコちゃんとの接点には差心の注意を払わないと・・・
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