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第109話 ゆかりちゃん抱き枕・・・

「ただいま~」

「お帰り~ 遅かったわね?」

「えっと、剛と秀樹と、ちょっと公園で遊んでた。 あれ? お姉ちゃんは?」

「まだよ、お父さんが帰ってくる前に、お風呂入っちゃってね」


「え~ でも・・・美姫のこと待ってないと怒られちゃうし」

「もう、あの子も困ったわね・・・どこほっつき歩いてるのかしら・・・」


「知らないけど・・・買い物でもしてるんじゃない? 明日からでしょ、修学旅行?」

「まったく・・・だから、昨日のうちに準備しちゃいなさいって言ったのに・・・あの子は・・・」


母さんとそんな会話した後、自分の部屋へ戻り、美姫が帰ってきたらすぐにお風呂に入れるように、着替えを出そうとタンスを空けると。


ふわ~んっと良い香りがしてきて。

完全に忘れてたよ・・・これの存在。


ゴクリ・・・


ゆかりちゃん。


9月の末にタイムリープでこの時代に飛ばされて来た当初は、まだ32歳の感覚が強かったのだが。

あれから、1ヵ月半近くを過ごして、もう精神年齢から、周りの女の子を見る目など、微妙に小学生の感覚に戻って来ているのも感じていたわけなんだけど・・・


こう、ゆかりちゃんが謎に俺の部屋に残していった、金曜日に着ていた服一式を見てると。

妙に、エッチな気持ちになって来てしまう。


イヤ、女の子の脱いだ下着や服をみてるだけで、こんなにエッチな気持ちになっちゃうなんて。

俺って・・・もう完全に思春期の小学生になってしまってるんだろうか?


なんで、こんなにドキドキしちゃうんだろう。


ゆかりちゃん・・・


ゆかりちゃんとのあの日の記憶を思い出して、妙に恋しくなってしまう。

彼女が恋しくて、スカートにニットを手に持ち、ギュッと抱きしめてみる。


すると、また、ゆかりちゃんの石鹸の様な香りがフワりと香って来て、より鮮明にゆかりちゃんとの記憶が蘇る。

そのまま、しばらくゆかりちゃんの服を抱きしめながら、ゆかりちゃんの事を考えていると。


一昨日、ゆかりちゃんにギュッと抱きしめられて、キスをされてしまったことを思い出してしまう。


ゆかりちゃん・・・


あの後、ゆかりちゃんとエッチしていた夢を見たとカミングアウトしたのに。

僕を蔑むことも無く、どん引くわけでも無く・・・


ゆかりちゃんは、妙に納得がいった感じの表情で、どちらかというと、なんかこうハニカムような照れた表情にかわって、それから、妙に僕にべたべたして来て・・・


「私もね・・・その、お年頃の女の子だから。 そういうことにもね、興味っていうか、無いわけじゃないのよ。 でもね、私達・・・まだその、再会して間もないでしょ? お互い、なんていうの? もう少し、こうゆっくりと愛を確かめ合って、距離を縮めて行くのが良いと思うのよ。 別に、アキラのことが嫌って言ってるんじゃないわよ。 でもね、エッチってなると、その・・・やっぱり、心の準備っていうかね。 ねぇ・・・わかるでしょ?」


なんて、めちゃくちゃ早口で言われてしまい。

そんな反応もなんか、デジャブというか、美姫の時と同じような反応というか。


「あのね、どうしてもしたいっていうなら、さっきしたみたいなことなら、私全然平気よ。 事前に美姫から話を聞いてたから、ある程度は覚悟していたつもりだから。 でも、いざその・・・アキラの愛を全身で感じていたら、なんていうか、その・・・あの感覚がちょっと怖いっていうか。 アキラね、ちゃんと私の事ギュッと抱きしめてくれてたら、たぶん大丈夫なんじゃないかな~って思っちゃうだけど。 さっき、ほら、アキラ、寝ぼけてたでしょ? だから、その、まだ不安っていうか・・・怖いっていうか・・・」


はぁ・・・本当にゆかりちゃと美樹って血は繋がって無いのに、本当の姉妹みたいにてソックリっていうか。

同じような反応をするのは何でなんだろう?


「私だって、本当はエッチはしたいってずっと思ってたのよ・・・友達にも数人、もう経験しちゃった子がいるし。 その子達が、彼氏とラブラブの話を聞いてたら、羨ましいな~って思ったし。 でも、実際に、アキラに、あんな風にイカされちゃって・・・すっごい気持ちよかったんだけど。 でも、そんなアキラとエッチなんてしちゃったら、どうなっちゃうんだろうって思うと、やっぱり怖くて。 だからね、その・・・もう少し時間ちょうだい。 少しずつ、アキラと経験積んだら、私もね・・・その心の準備が出来ると思うんだ。 だからね、なるべくアキラの所にお泊りに来るようにするから、 一緒にその・・・大人の階段上りましょ? ダメ?」


めちゃくちゃ、早口で捲し立てられたんだけど。

要するにもうちょっと待てということみたいで。

でも、てっきり怒ってると思っていたゆかりちゃんは、案外怒って無くて。

どっちかといったら、照れてるというか、恥ずかしがっていたというか、そんなあんな姿が奥ゆかしい女性だなって感じて、とっても好感が持てるというか。


やっぱり、性格までゆかりちゃんは素敵な女性なんだと感じてしまって。

ゆかりちゃんがゆっくりと愛をはぐくみたいということなので。

僕だって、ゆかりちゃんの言うこと尊重したいし。


何よりも、言葉の節々から、僕への愛を感じて。

将来の不安を払拭させるような、ゆかりちゃんからの絶対的な愛をもらったような気がして。

ゆかりちゃんが心の準備が出来るまでというなら、ぼくはいつまでだって待つよ。


でも・・・ゆかりちゃん?


これは、ゆかりちゃんからのどんなメッセージと受け取れば良いのでしょうか?


タンスに置いてある、ゆかりちゃんのストッキングと下着・・・


はぁ~ ゆかりちゃん・・・会いたいな・・・


ゆかりちゃんに会いたい。

またギュッとされたいし、またキスして欲しいよ。


いつもと違って、妙にしずかな家の中で、一人部屋にいると、またスッゴイ寂しくなって来てしまう。


ゆかりちゃんのストッキングと下着、それとスカートにニットを持って。

ベッドに上がって、少し大きめの自分の枕にゆかりちゃんのストッキングを被せて、その上からスカートを枕に履かせてみる。


そして、ゆかりちゃんのブラを枕に着せると、その上からニットを着させてみる。


なんとなく、マネキンのようだけど、ゆかりちゃん抱き枕の完成だ・・・


そのまま、ベッドにゆかりちゃん抱き枕を寝かせると、添い寝をするような感じで横になる。

ゆかりちゃんのニットの腕の部分を、自分の体に巻き付けて、そのまま枕をギュッと抱きしめてみると。


なんとなく、ゆかりちゃんに、抱かれているような気持ちになってくる。


ゆかりちゃん・・・


クンクン・・・石鹸の香り・・・

ゆかりちゃんの香りがする。


ぐすっ・・・


なんか寂しいよ・・・

ゆかりちゃんに会いたいな。


また、ギュッとされたい。


ゆかりちゃんの、石鹸の香りを感じながら、枕をギュッと抱きしめてるだけで。

僕の、おちょんちょんは、もうかなり元気君になってしまったわけで・・・


どんどんエッチな気持ちになってしまう。

ニットの中に手を入れて、ゆかりちゃんのブラをサワサワと触ってみる。


すると、ゆかりちゃんのお胸をパジャマの上から触れた時の感触を思い出してしまう。

どんどん、鮮明になる感覚と映像で、本当にゆかりちゃんと一緒に寝てる気持ちになってきてしまって。


そのまま、枕をまたギュッと抱きしめて、ゆかりちゃんの石鹸の香りを確かめると。

スカートにてを伸ばして、そのままスカートの中に手を入れてみる。


枕に履かせて、ストッキングの感触をサワサワと確かめていると。

もう頭の中は、ゆかりちゃんの体を触っているような気持ちになってしまい。


もう、妄想が凄いことになって来てしまう。


軽い出来心だったんだけど・・・


もう、ゆかりちゃんと普通にベッドでエッチをしているような気持ちになってしまい。


手に握ってした、ゆかりちゃんのパンツ・・・


ごめんなさい。


ゆかりちゃん、僕やっぱり悪い子です。

もう止めらないです・・・


ゆかりちゃん・・・ゆかりちゃん・・・


会いたいよ、ゆかりちゃん・・・


ゆかりちゃん・・・


その後は、もうゆかりちゃんのスカートの中に潜って、ストッキングをスリスリしてみたり。

ニットを半分まくり上げて、ブラをあらわにして、スリスリしてみたり。


ゆかりちゃんが悪いんだよ。


こんなもの、僕の部屋に置いて行くから。

もう、私を1日だって忘れないでねって言ってるみたいだよ。


そのまま、ゆかりちゃん抱き枕にいっぱい悪さをしてしまう僕・・・

ゆかりちゃんが悪いんだからねっと、言い訳しながら。


ゆかりちゃん・・・ゆかりちゃん・・・



 ◇◇◇



ゆかりちゃん抱き枕に、思いつくだけの悪さをしてしまって。

いつのまにか、裸になって枕をギュッと抱きしめていると・・・


妙な、背徳感に襲われてしまう。


でも、ゆかりちゃんが悪いんだもん。

あんな風に気持ち弄ぶから・・・


前の人生で、あんなに好きだったんだもん。

本当に恋してただもん。


そんな、彼女から、この時代に来て、同じように弄ばれて。

気持ちが蘇らないワケないんだよ。


それなのに、こんな悪い子になっちゃいなさいセットまで僕の部屋に置いて行って・・・

ゆかりちゃんの思惑通りか知らないけど、まんまと悪い子になってしまったじゃん。


お陰で、すっかり僕の下腹部にいるアイツは、落ち着きを取り戻し、静かにスヤスヤとまた眠り始めることが出来たけど・・・


男の子のとしての本能は満たされはしたけど。

それでも、ゆかりちゃんに会いたい気持ちはまったく満たされないワケで。


色々、ゆかりちゃん抱き枕とのアフターピロー妄想をしていると。


『アキラ~!! お風呂入らないの~!』


!? びっくりした~


「お姉ちゃんが帰って来たら入るって言ったでしょ!」


『もう、お父さん帰って来ちゃうわよ!』


「じゃあ、お父さんの後に、美姫と一緒に入る!」


まだ、ゆかりちゃん抱き枕のことを抱きしめていたい気持ちをいったん抑えて。

そのままベッドから出ると、美姫や母親に見つからない様に、ゆかりちゃん抱き枕から衣服をはがして、また大事にクローゼットへと隠した。


『―――ただいま~!』


玄関が開いた音と共に、美姫の声が聞こえて。

やっと帰ってきたのかと思い、玄関まで迎えに行くと。


何か両手いっぱいに買い物をしてきたらしく・・・

修学旅行の前日にいったい何をそんな大量に買って来たのかと思って美姫を見ていると。


「遅くなってごめんね~ 明日から会え無いのに、寂しかったよね?」

「ん? イヤ、俺も帰ってくるの遅かったし」


明日からしばらく美姫が居ないのか・・・

なんか、そう思うとなんか急に寂しくなってきたっていうか。


「今、これ部屋に置いてくるから、ちょっと待っててね。 すぐ一緒にお風呂入ろうね?」

「うん・・・」


すぐお風呂にと言われ、忙しなく僕の前をさらっと通りすぎて、さっさと2階へ上がっていく美姫の後ついて、階段を上がりはじめると。

腰で折って短くなったセーラー服のスカートからは、美姫の太腿辺りまで見えてしまい。

うぅぅぅ、このお姉ちゃんの綺麗な足と、1週間もお別れ何てと思いながら、そのまま美姫について行き。


美姫が自分の部屋に入って、荷物を置いて明日の準備やら色々忙しなく自分の部屋の中を動き回るのを、部屋の入口に立ちながら、美姫のことを目で追っていると。


「ん? どうした、アキラ?」

「ううん、別に・・・」


「なに、そんなところでずっと突っ立って、どうしたのよ?」

「ううん、別に・・・」


なんか忙しそうにする美姫の姿を見ていると。

お姉ちゃんに甘えたいなんて、言い出せなくて、モジモジしていると。


「あ~あ、明日からしばらくアキラに会えないの嫌だな~ 連れってちゃおうかな~」

「うん・・・無理だよ・・・」


「そうだよね~」

「うん・・・」


母親から借りたスーツケースを開いて、さっき買って来たお菓子屋やら何やら、大量にスーツケースに詰め込み初め。

しまいに、閉まらなくなったと、バカみたいに悩み始める美姫を後ろからジーっと見て。


閉まらなくなるよりも、スーツケースの重量オーバの方がヤバイんじゃないかと思い。

いったん部屋を出て、洗面所から体重計を持って、姉ちゃんの部屋に戻ると。


「ねえ?」

「な~に~ いま忙しいから~」


スーツケースの上に乗っかり、体重を掛けながら、一生懸命締めようと頑張っている美姫がいて。

ただ、どう考えても閉まりそうにないわけで・・・


「ねえ? それよりも、そんなに詰め込んで重量オーバー大丈夫なの?」

「重量オーバー? えっ? なにそれ?」


マジかよコイツ・・・


「預け荷物は20キロまでだよ、そんな詰め込んだら絶対重量オーバーになっちゃうけど・・・」


そう言うと、急に心配しだして、青ざめる美姫に、しょうがないなぁと思いながら。

体重計をスーツケースの隣に置いて、美姫に片方を持って、スーツケースを体重計に乗せるように言って、2人でスーツケースを持ち上げ、重さを計っていると。


「も~う! さっさとお風呂・・・って――――――な~に、やってのよあんた達?」


美姫が帰って来たのに、いっこうにお風呂に入ろうとしない僕らに怒って2階まで来たのだろう。

体重計で、バカみたいにスーツケースの重さを計っている、僕らの姿を見て、呆れたような声で聞いて来た。


「えっ? イヤ、だって、お姉ちゃんが重量オーバーの事、なんも気にしないでバカみたいに荷物つめこんでたからさ」

「ちょっ、アキラ? お姉ちゃんに向かってバカみたいって何よ!」

「はぁ・・・美姫・・・学校からの連絡でちゃんと書いてたでしょ? お母さんも言ったわよね? な~に、そんな大量に持ってくの?」


それから、母親を交えて、スーツケースの重量測定を開始すると。


「・・・嘘、超えてる」

「・・・超えちゃったるね、姉ちゃん」

「こんなの、持った瞬間に分かるでしょ。 本当美姫は・・・」


呆れた母親と僕とで、美姫のスーツケースの中身チェックしだすと。


ボディーソープ・・・シャンプー、リンスにトリートメントの新品のフルボトル・・・

いつも使っている、お姉ちゃんの愛用の化粧品やら香水、これまた新品がまるまるそのまま一式・・・

そして、いつの間に持ち出したのか、僕の漫画が数冊に、小説が数冊・・・

そして、これまたいつ勝手に持ち出したの知らない、俺のゲームボーイカラーにカセット数個。

そして、謎のコート・・・


11月の広島と京都の気温を知ってるんだろうか?

連日の20度超え、札幌との気温差は最大10度以上・・・

この時期の京都なんて、北海道人からしたら、もう普通に夏なんよ・・・初夏よ、初夏!

最低気温だって10度以上は確実だろ?

なんなんだ、この必要以上の防寒着は・・・こんな厚手のタイツが必要なんだよ?

お前、今日の最低気温5度の札幌で、その薄手の肌が透け透けの黒色ストッキングで過ごせてるヤツがなぜ!?


はぁ・・・こんなの、絶対重量オーバにするに決まってんじゃん・・・


「母さん・・・」

「はぁ・・・美姫・・・」

「なっ、なによ? 全部必要なんだもん!」


イヤ、イヤ・・・漫画はいらないし、小説も一冊位にしておけよ。

それに、ボディーソープにシャンプ、リンス、トリートメント一式なんて持ってくバカいるのかよっと思いながら。

美姫にそれを言ったところで、聞き分ける美姫では無いのは、母親も僕も十分に理解していて・・・


「ねえ、母さん? なんか、詰め替え出来る、プラスチックの容器とか無い?」

「あるわよ」

「あるんだ?」

「どれくらい必要? 一緒に行って、その容器見ても良い?」


二人して、立ち上がり、スタスタと歩き出して。

僕等に見捨てられたと感じたのか、泣きそうな顔をして、スーツケースの前に座ったままの美姫をその場に残し。

母親と一緒に、階段を降りて行き、玄関下の物入れから、母親が出して来た、大きさ違いの大量のプラスチック容器を見て。


「これ全部新品? なんに使うようで買ったのコレ?」

「お父さんが何かに使うかもしれないって、無印に行った時に大量に買って来たのよ・・・」


美姫の無計画と、どこか抜けた性格は、親父ゆずりなんじゃないかと思いつつ。

ただ、これが美姫を救う事になるとは、親父・・・ナイスだぜ。


「でも、こんなのどうするの?」

「えっ? 美姫に全部置いてけって言っても、絶対言う事聞かないでしょ? この容器に詰め替えれば、かなり重量減るでしょ?」

「あ~ なるほどね。 賢いわね、あなた」


まあ、こんなの常識というか。

そもそも、旅行や出張でシャンプーリンス、ボディーソープなんか持って行くバカはそもそもいないだけど。

旅慣れてない初心アルアルというか・・・

たまに、新人と出張行くと、バカみたいに一式スーツケースの中に詰め込んで、さらにヘアーセット用のスプレーまで詰め込んで、没収されてる姿を何度か見たことがあるので、美姫のあれを見ても飽きれはしたけど、美姫らしいなっと思って見ていたのだ。


母親から、詰め替え容器を受け取った僕は、姉貴の元に戻り。

それぞれ、容器に詰め替えるように言って。

詰め替えが終わった容器から、僕が油性マジックで、ボディーソープ、リンス、シャンプー、トリートメントっと、次から次へと書いて行き。

一通り、書き終わると、漫画は全部没収して、荷物の詰め込み方が絶望的に下手くそな美姫に変わって、それらを詰め込み、全部元通り収納が終わると、スーツケースをいとも簡単に閉じ。


美姫に言って、再度スーツケースの重さを計ると・・・

13kg・・・って、どんなけなんコイツ?

とりあえず、これでなんとかなりそうだと思って、隣を見ると、まるでマジックでも見たかのようにポカーンとした美姫がいた。


「よかったね、これで心配ないよね?」

「・・・うん。 凄い! 何アキラ!? 魔法みたい!」

「アハハハ、まあ・・・なんていうか、常識?」

「なによ・・・お姉ちゃんが常識無いみたいに!」


まあ、常識ないからそうなってたのは否定しようがないのだけど・・・

ただ、美姫の場合、向こうで色々無駄遣いして、バカみたいに荷物が増大しないことを祈るだけだよ・・・

それでも、これでミッション完了なわけだけど。


母親はすぐにお風呂入れってまた言ってくるだろうし。

もう、美姫に甘えてる時間も無いかもと思っていると。


隣に居た美姫が、今度はリュックに荷物を大量に詰め込み始めていた。

なにやってるんだろうなっと呆れながらも、もう時間も無いしと思いつつ。

美姫の隣にゴロンと寝転がると、何も言わず、美姫の足に抱き着いてスリスリしていると。


「ふふふっ、ごめんね。 そっか、ずっと甘えたかったのね、だからずっとモジモジしてたのか」


優しく僕へ微笑み掛けながら、僕の頭をヨシヨシと撫でながら、片手で忙しなく荷物をリュックに詰め込む美姫の隣で、僕はこれから1週間会えなくなる美姫の足を十分に堪能していた。


「もう、アキラ、くすぐったいから、太腿の内側さわらないで、それにお尻触り過ぎよ」


だって・・・昨日は触れなかったし。

今日だって、こんなに遅く帰って来るから・・・


「もう、どんなけお姉ちゃんのこと好きなのよ。 ふふっ、でもよかった~ ゆかりが来た時は、また盗られちゃうって思ってたけど。 ふふふっ、やっぱり、アキラは私のことが大好きなのね~ でも・・・アキラ~ そんな足のつま先までスリスリしないでよ、こしょばしいよ~ もう、さすがにお姉ちゃんもそこまでされたら、恥ずかしいよ~ ねえ、だいじょうぶなの・・・臭くない? もう、どんなけ私の足が好きなのよ・・・」

「・・・今日は臭くないから平気だよ。 むしろ、大好きなお姉ちゃんの香りがする」


「今日はって何よ? たまに、臭いみたいじゃないのよ!」

「・・・うん、だって、たまに臭いもん」

「はぁ? ちょっ・・・って、あんた。 ひょっとして、昨日帰って来た後、ピアノ弾いてる時、いつは足元でスリスリしてくるのに。 ソファーの背もたれに顔を乗せて、恨めしそうにジーっと私のこと見つめるだけで、全然甘えてこなかったけど・・・あの時って!?」

「うん、ちょっと臭かった。 だって、昨日はずっと姉ちゃんブーツ履いてたから・・・」


「はぁ~ なんか、いますごく恥ずかしくて死にたい気分になっちゃったんだけど・・・」

「今日は大丈夫だよ、お姉ちゃん、大好き・・・」

「も~う・・・なんか、あんたの将来が心配になってくるんだけど・・・」

「お姉ちゃんが、全部許してくれるから甘えちゃうんだよ。 それに、お姉ちゃんが、こうなるように躾けたんだよ」


「だって・・・こんなにもアキラが私にハマるなんて思ってなかったんだもん。 嬉しいけど、ちょっぴり、恥ずかしいよ・・・」

「お年頃の男の子に飴の与え過ぎはダメなんだよ、お姉ちゃん・・・」

「あんたがそれを言うな! コラ! ねえぇ、もう終り! お風呂入るわよ、早くしないと本当にお母さんに怒られる!」

「え~ まだ、全然たりないのに! ヤダ!」

「も~う、修学旅行から、帰って来たらね?」

「1週間もお預け?」

「ふふっ、1週間お姉ちゃんのこと思い続けて、我慢してなさい。 ほら、こっち来て、抱きしめてあげるから」

「うん・・・」

「もう、甘えん坊さんだな。 好きよアキラ・・・チュッ」


はぁ~ 今、美姫が身に着けている下着は、後でゲットするとしてもな・・・

11日までか・・・長いよ・・・


でも、ゆかりちゃんの抜け殻と、美姫の脱ぎたて新鮮なホカホカ下着セットがあっても。

スケジューリングがあれだよな。

下着はなま物だし・・・


もっても、水曜日くらいかな・・・

はぁ・・・名残惜しいよ、お姉ちゃん・・・


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