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第108話 もう二人して、モテ期ってこと?


 今日もアキラくんは、サッカー少年団か・・・


 はぁ~


 お昼休みに、図書室のカウンター裏で、隠れてお話しただけだったな。


 てか・・・希美は良いとして。

 なんで、さおりんまで居るんだろう?


 いっつも、別の子と一緒に帰ってるよね?

 しかも、なんか二人とも機嫌悪いし。


 なんで?


「アコ? 良いの?」

「え!? なにが?」

「そうだよ、良いの?」


 なに? なんなの?


「アコが甘やかすから、あんな調子に乗ってさ!」

「だから、希美なに?」

「あいつ、2組の女の子達からプロフ帳書いてってお願いされて、めっちゃデレデレしてたんだよ!」


 プロフ帳くらいなら別に・・・


「しかも、彼女はいますかって質問に、秘密とか書いてたんだよ! もう浮気する気満々じゃん!」

「え~ 別に秘密でも良いと思うけど。 それに、プロフ帳書くのなんて浮気じゃないし・・・」

「アコ! そんな風に甘やかしたらダメだよ!」


 もう・・・なんで希美がそんなに怒ってるの?

 逆に、私のこと書かれても、なんか他の組の女の子からイジメの標的にされそうで怖いんだけど。


 なんか、アキラくんの傍をウロチョロしてる女って思われてるみたいだし・・・


「アコ、あいつ1組じゃ全然モテないからって、他の組の女の子に急にモテだして良い気になってるよきっと」

「え~ さおりんまでなに?」

「ピアノの指導の時だって、女の子の手を触ったりして、さりげなくボディータッチとかしてるし」


 ボディタッチ?

 う~ん・・・アキラくんなら、やりそうだけど・・・


 なんで、さおりんまでそんなに怒ってるんだろう?

 まるで、自分の彼氏を盗られたみたいに・・・


 まあ、モテてまんざらでも無さそうな顔してたけど。

 だからって、浮気してるわけじゃ無いしな~


 それよりも、清水君が話して事の方が気になるよ~

 彼がモテちゃって、他の女子から、私が敵視されてるって怖すぎだし。


 私のことを、他の組の男子が好きとか言ってるのも、何か微妙な気持ちだし。

 もう二人して、モテ期ってこと?


「あいつリコーダーの指導の時も、他の組の女子に囲まれてめっちゃ良い気になって吹いてたし・・・ なんなのアイツ? ピアノだけじゃなくって、リコーダーまで上手なんだけど!」

「えっと・・・リコーダーまで上手って、もうそれってアキラくんに嫉妬してるように聞こえないけど?」

「なんで、私があいつに嫉妬しないといけないのよ!?」


 まあ、ちょっとデレデレしているのはアレだけど。

 希美がリコーダー得意じゃないから、アキラくんに嫉妬してるようにも聞こえるけど?


「それだけじゃないよ、アコ!」

「なに? さおりんまで、なんでそんなに怒ってるの?」


「アイツ、遥ちゃんと二人っきりで、ずっとコソコソ話しちゃってさ~」

「えっと、それってまた楽譜の相談とか、色々あったんじゃないの?」

「なんか、二人して深刻な顔して話してたと思ったら、最後の方やたら楽しそうに笑ってイチャイチャしてたし・・・」


 深刻そうな顔?


 てか、イチャイチャって・・・

 相手は、先生だよ?


「なに? 深刻そうな顔って?」

「恋みくじがどうとか、なんかデートがどうとか、中華がなんとかって・・・チラっとしか聞き取れなかったけど!」


 あ~ それって、先週の6年生の先生とのデートの話?

 そっか・・・遥ちゃん、まだ落ち込んでたのかな~


 アキラくん優しいからな~

 放っておけなくって、元気づけようとしてたとかじゃないのかな?


 朝から、なんか遥ちゃん元気なかったみたいだし。


「しかも、他の組の女子のピアノ、めっちゃ下手くそなのに、やたら優しく、上手い上手いとか言っちゃってさ! なのに、私にはずけずけとアソコがダメ、ココがダメとかめっちゃ言ってくるし!」


 もう、だから~ それって、さおりんが、他の女の子に嫉妬してるように聞こえるんだけどな~


 なに? さおりん?

 アキラくんの事、ひょっとして好きだったりするの?

 なんか、自分のモノを取られたみたいな感じの言い方に聞こえるんだよな~


 私たちの前で、あっちゃんとか・・・

 ワザと特別感あるような呼び方するし。


 ていうか、お昼休みに、全部アキラくんから話聞いてるから、別に私そんなに怒るような事ないんだよな。


 他の組の女子がピアノが間違いだらけで困ってるって言ってたし。

 なんで、あの曲やるって分かってて、立候補出来たんだろうとか、普通に愚痴ってたしな~


 プロフ帳も初めて書いたよ~っとか普通にべらべらしゃべってたし。

 浮気する気があったら、普通そんなこと話さないと思うしな~


 次から次と名前も知らない人達から、相談されて疲れた~ってグテッてなってたし。


 そのあと・・・


 もう・・・


 周りにに人がいるのに、私に甘えて来ちゃってさ~

 あんな所、もし他の組の女子に見られたら、もっと目を付けられそうで怖いんだよな~


 いくら、図書室のカウンターの下で、あゆみちゃんの陰で他の人から見えないからって。


 ・・・・・・あんな所でキスしちゃうしさ。


 ぜったい、あれ・・・あゆみちゃんには見られてたよね?


 もう、なんかいっつもあゆみちゃんばっかりに、図書委員の仕事押し付けるみたいで気が引けるんだよな~


 でも・・・


 最近、アキラくんとあゆみちゃんが図書委員の当番の時以外、二人っきりでいられないし。

 午前中も、二人で、カーテンにくるまってお話してたら、石川くんに邪魔されるし。


 なんか、アキラくんと一緒にいる時間が少なくなった気がする・・・ 

 あ~あ・・・今日はもうアキラくんに会え無いのかな?


 土曜日は、清水くんに二人っきりになるの邪魔されたし。

 昨日は、修学旅行前だからって、美姫ちゃんに邪魔されるし。


 今週は、美姫ちゃんがいないから、二人っきりなんだけどな~



 ◇◇◇



「もう! アキラばっかりズルい!」


 うっせ~な~ こいつは・・・

 練習終わってから、ずっとこれだよ。


「秀樹も、るなっちとアッコちゃんっとイチャイチャしてるしさ!」

「はぁ!? 俺、別にイチャイチャなんてしてないだろ?」


 秀樹とアッコちゃんがイチャイチャ?

 なんだそれ?


「してるじゃん、三人でなんか、ウフフ、アハハって言って、楽しそうに柔軟しちゃってさ!」


 三人で?


「秀樹、アッコちゃんに何してるの?」

「はぁ? 何にもしてないって、山崎がアッコちゃんに絡んでて、それでアッコちゃんがイヤがって、俺の所に避難して来たって言うか・・・」

「山崎!?」


「もう・・・これ言ったら、絶対アキラがブチギレると思って言わなかったのに・・・剛!!」

「ふん! 俺ばっかり、なんであんな思いを・・・」


 山崎ってなんだよ?

 あいつ、アッコちゃんに何したんだ?


「あの、アキラ? アッコちゃんと、るなっちが柔軟してて、ハジメ君が途中であの二人に割り込んで来て、何かるなっちとハジメ君で柔軟初めてちゃて。 それで、アッコちゃんが1人浮いてた所に、山崎が一緒に柔軟しようって誘いに行ったら、アッコちゃんに断られて。 その時に、アッコちゃんから、俺が呼ばれて、山崎から避ける感じで俺と一緒に組んで柔軟してたってだけだから」

「別に・・・良いけど・・・」


 なんか、秀樹とアッコちゃんが手を握ってる姿もちょっとイヤだけど・・・

 山崎のヤツが、なんでアッコちゃんに?


「あの、アキラ?」

「なに!?」


「イヤ、怒ってる?」

「別に怒って無いし!」


「イヤ~ 声が明らかに怒ってるよね?」

「てか、山崎のヤツがなんで、あっこちゃんに?」

「えっ? イヤ、最近山崎のグループで、あっこちゃんが好きとか言うヤツが増えてて・・・ 山崎もなんか、アッコちゃん狙ってるみたいで・・・」

「はぁ!? なんで!?」


 何で、そんな事になってる?

 アッコちゃん狙ってるだ?


「イヤ・・・なんで気づかないかな~? アッコちゃんと木下さんが練習中を数回見に来てたじゃん? その時に、なんか目について、それで・・・」

「はぁ? なんだそれ?」


 アイツ・・・アッコちゃんに手を出すとかマジで許せん。

 マジで、アイツ・・・ぶっ飛ばしてやろうか。


 最近妙に挑戦的だと思ったら、そういうことか・・・

 次から次と、変なヤツが湧いてくるな~


「イヤ、マジ。 なんだそれなんだけど~」

「あいつ等、この前まで遥ちゃん騒ぎしてだろう!?」


 遥ちゃんとやりて~っとか、意味不明な奇声あげてたクセに・・・


「イヤ、さすがに、先生だから無理って思ったんじゃ無いの? それに、この間コーチに退場させられてから、遥ちゃん練習見にこないから」

「それで、なんでアコちゃんにってなるんだよ!?」


 マジ、なにそれ・・・

 てか、遥ちゃんブーム終焉するの早すぎじゃね?

 まだ、赴任して1ヵ月しか経って無いのに。


 てか、練習を見に来た女なら誰でも良いのかよ。


 ん・・・・・・?


 木下もいたのに?


 なんで?


「てか、木下も練習見に来てたじゃん! なんで、アッコちゃんばっかり」

「え~ それは・・・あの恰好だろ? スカート! 木下さんは、いつものジーンズ姿だったし」


 恰好? スカートって・・・


 ん? そういえば、なんかアッコちゃんがピョンピョン跳ねてる時、アイツらオーっとか言ってたような~


 てか、アレ、スカパンだぞ。

 まさか、あの下パンツだと思って、エロイ目でアッコちゃんの事見てたってことか?

 だとしたら、マジであいつら全員ぶっ殺す・・・


「オイ! 秀樹!」

「なに?」


「今度、るなっちに練習に応援しにくるようにお願いしろ!」

「なんで!? 無理だよ!」

「イヤ、無理じゃない! るなっちに、声援もらったら、俺が頑張れそうだから、紅白戦見に来てくれないって頼め!」


 そうだよ、るなっちが来て、あのヒラッヒラのスカートをフワフワさせて来たら、アイツらの目もるなっちに向くはず・・・

 それに、この間のバレエで、目立ってる分、あっちに皆の目が行けば。


 アッコちゃんをどうこうっていうのも無くなるかもしれない。

 まあ・・・外見がどうしたってアッコちゃんの方が可愛いけど。


 るなっちは、ガチスカートだから。

 もし、練習中に風邪でフンワリ、ラッキーパンツなんてなったら、絶対るなっち可愛い騒ぎが始まるハズ。

 なんてたって・・・クマさんパンツだから。


「秀樹! るなっちを。今度の紅白戦に絶対見に来るように誘え! わかったか!」

「え~ マジ・・・無理だって」


「これも12月に告白するための、布石だ! サッカーでカッコイイところ見せてアピールするんだよ! ゴール前、俺が絶対パス送ってやるから!」

「え~ う~ん・・・じゃあ、誘ってみようかな・・・」


「・・・・・・アキラ・・・俺は?」

「はぁ? なに剛?」

「俺もカッコイイ所みせたい!」

「誰に?」


「えっ? う~ん・・・女の子・・・」

「ざっくりしてんな~ じゃあ適当に誰か誘えよ。 そうだな・・・小沼とか? お前、2番目に好きとか言ってたじゃん」


「え~ 俺が小沼を? え~ アキラ~ 一緒に誘うの付き合ってよ~」

「剛・・・自分の事は自分でヤレ! 俺たちは、いまお前の面倒見てるほど暇じゃ無いし、余裕もないから!」

「え~ ひどい!」


 何が酷いだ・・・

 俺の周りウロウロしては、ダル絡みばっかりしてきて・・・


 午前中もアッコちゃんと、カーテンで二人っきりになってたら。

 バカみたいに邪魔して来た癖しやがって。


 マジで色々やることあるし、考えないといけない事沢山あるんだから。

 マジで、クソガキ剛にかまってる暇なんて無いんだから・・・


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