第103話 えっ? それってなに? マーキング? 女の子怖い・・・
イヤ、イヤ・・・
なんて言えば良いのさ?
心当たりって。
お母さんが後ろに居るし・・・
もし本当のこと言っちゃったら、ゆかりちゃんが出入り禁止になっちゃうじゃん・・・
「ん? どうしたの?」
「えっと・・・先生あの・・・とってもデリケートな・・・その・・・」
「デリケート・・・?」
不思議そうに首をかしげる先生・・・
チラっと、母親をみると・・・
なんとなく心配そうな顔をした母親がいるのだが。
こんな本当の事は、母親だけには聞かれたくないワケで・・・
「えっと・・・お母さん?」
「はい?」
「えっと・・・その、お母さんに聞かれたくない話もあるかもしれないので、二人でお話させてもらってもイイですか?」
「えっ、はい・・・」
そういって、診察室を出て行く母親を見守っていると・・・
「さてと、アキラ君?」
「はい・・・」
「なにか心当たりはありますか?」
「えっと・・・その・・・」
「うん」
イヤ、でも診察結果話すときに言うだろ?
「あの・・・先生?」
「なんだい?」
「お母さんには言わない?」
「ハハハッ、大丈夫。 患者さんの秘密は守る決まりだから、心配しなくて良いから話してくれる?」
本当かな・・・
「本当に言わない?」
「だいじょぶ~ 信じて。 守秘義務は絶対に守るから」
えっと・・・
「その・・・姉ちゃんの友達で、小さい頃から大好きだったお姉さんが、最近お家にお泊りに来て・・・」
「うん」
「姉ちゃんと、お姉さんと3人で一緒に寝ることになっちゃって・・・」
「うん・・・」
「その・・・お姉さんが僕の事、ぬいぐるみみたいにギュッと抱きしめてくれて・・・ それで・・・」
「うん」
「一晩中・・・その、緊張とドキドキで・・・ずっと眠れなくて・・・」
「ほう・・・」
「それで学校行って・・・急に立った瞬間に、目の前が真っ暗になって、気づいたら保健室で寝ててって感じで・・・」
「ふむふむ、今日も少し血圧が高いみたいだけど・・・」
えっ? 俺血圧高いの?
小学生なのに?
「えっと、昨晩も、その大好きなお姉ちゃんが泊まりに来ていて、また一緒に寝ることになって・・・それで、すぐ寝れなくて・・・」
「なるほどね・・・そのお姉さんが大好きなんだね?」
イヤ、大好きって・・・ドストレートで聞いて来るやん。
えっ・・・そんな事聞く?
「えっと・・・胸がドキドキしちゃって、緊張しちゃうっていうか・・・」
「ふむふむ・・・そうか、そうか・・・」
マジ・・・恥ずかしい・・・
「学校で倒れる前に、立ち眩みも多かったって聞いたけど」
イヤ、それに関しては思い当たるフシはあるけど。
理由なんて、絶対言えないからな・・・
「遊園地でちょっとフラットしてたのは・・・その、彼女との初デートで、前の晩眠れなかったからだと思うけど・・・」
「ほう・・・彼女?」
「はい・・・同級生の彼女と・・・」
「ハハハッ、アキラ君はモテモテだね~?」
なんか、めっちゃ恥ずかしい・・・
「えっ? イヤ・・・」
「ハイ、ハイ、ハイ・・・じゃあ、最近は寝不足になることが、良くあったって事だよね? 他になんかあるかな?」
他? 他って?
ああ・・・イヤ・・・でも、そんなの関係ないだろ・・・
「それ以外には・・・・・・その、お姉ちゃんと寝てる時に・・・その・・・」
「なに?」
「男の子の・・・その・・・」
「男の子の?」
「その・・・寝てたら、勝手に出ちゃったっていうか・・・」
「出ちゃった? ・・・・・・・・・・・ん? ああ! えっと・・・おチン〇ンから?」
イヤ、先生・・・おちょんちょんって・・・
ドストレートやん?
もう、恥ずかしくて、俯きながら、黙って頷くと・・・
「ハイ、ハイ、ハイ・・・・・・うん・・・なるほどね・・・」
なにが分かるんだよそれで・・・
「なるほどね・・・うん、ありがとう。 診察はこれで終るから、待合室に戻って良いよ~ それで、お母さんと話しいたから、診察室に来るように伝えてくれる?」
「ハイ・・・どうも、ありがとうございます」
そういって、病室を出ると心配そうにこっちを見る母さんに
「なんか、先生がお話あるって」
「えっ? そう・・・」
そう言うと、いそいそと診察に入って行く母親を見送って、待合室のイスに座って待つことにする。
てか・・・あの質問で何かわかるのかな?
そんなことを考えながらボーっと待っていると、診察室から母親が出来て・・・
「さてと、お薬貰って帰ろうか?」
「えっ? もう良いの?」
そう言って、母親と診察室を出て、会計を済ませて処方箋を貰って病院をあとにすると・・・
「とりあえず、脳とかそういう所には問題は無いっていうから、とりあえず安心ね・・・」
「えっと・・・先生はなんて?」
「ん? う~ん・・・多感な時期だから、色々感じ取って夜眠れないとか色々あるみたいだから、とりあえず気持ちを落ち着かせる漢方を出すから様子見てくれって」
「はあ・・・漢方・・・」
まあ、どこも悪くないから、漢方で様子みって感じ?
なんだ・・・興奮しないで、寝ろってこと?
「最近、アッコちゃんの事とか色々あったもんね・・・ ごめんね、なんか悩んでるの気づいてあげられなくって・・・」
「えっ?」
悩んでる? イヤ・・・滝野の事とか、イジメ問題なんて、もうとっくのの遥昔の話になってしまっているんだが・・・
いま、一番ホットの悩みというか・・・俺の心を揺さぶってるのは、ゆかりちゃんなんだけど・・・
「アキラ、がんばってたもんね・・・」
「えっと? お母さん? あの、滝野の事とか、イジメの事とかだったら、もう大丈夫だから。 もうアッコちゃんと二人で乗り越えたから、もう全然平気だから」
「本当に?」
「うん!」
でも・・・よかった・・・
ゆかりちゃんが原因だって思われずに済んで。
でも、滝野のこととか、イジメ問題とか、確かに色々あったっちゃ~あったから・・・
それがカモフラージュになってラッキーだったかも。
はぁ~ でも・・・朝のゆかりちゃん。
めっちゃ優しかったけど・・・どこまで本気なのかな?
はぁ~
「なに? なんか悩み事であるの?」
ヤベ・・・母さんの前で・・・
溜息漏れてた。
「あっ! お母さん、携帯電話貸して?」
「えっ? なんで?」
「アッコちゃんに、診察終わったって電話する約束だったんだ」
「あ~ なるほどね・・・ ハイ、どうぞ」
えっと・・・アッコちゃん・・・クルクルピッピッっと・・・
『トゥルルルル トゥルルルル トゥルルルル』
「ハイ、岩崎です」
えっ!? お父さん・・・
アッコちゃん!! 約束が違う!!
「あっ! 佐久間と申しますが、亜希子さんはいらっしゃいますか?」
「ああ! アキラ君か・・・ちょっとまって・・・」
ヤベ・・・めっちゃドキドキした~
もう、アッコちゃん、電話にすぐ出れるようにしておくって言ったじゃん!
「アキラくん!?」
「アッコちゃん~ もう・・・電話すぐ出るって約束してたのに~」
「ごめ~ん・・・ だって、いまちょうど自分の部屋にいたから」
「お父さん出て、めっちゃ動揺しちゃったよ」
もうマジビビった・・・
「アハハ、ごめん、ごめん。 何? 終わったの?」
「うん、いま病院出たところ」
「え~ 何時ごろ家に帰るの?」
「えっと、ちょっと待って」
「お母さん、もう家帰る?」
「そうね~ ヨーカドーで買い物して帰るからすぐよ。 アンタが食べたいモノあれば、それ買って帰るけど」
「マックに寄ってく?」
「マック? それでも良いわよ」
「アッコちゃん、えっと・・・ お昼買って帰るから、1時くらいには家に帰れると思う」
「そっか~ じゃあ、お昼食べたら、アキラくんのお家に行くね♪」
「うん! じゃあ、待ってる~」
「うん、それじゃ、また後でね~ バイバイ」
「うん、バイバイ」
1時にアッコちゃんか~
秀樹は夕方って言ってたから、2時間くらいは二人っきりで過ごせそうなだ~
「あっ、ありがとう」
「なに? アッコちゃん来るの?」
「うん、お昼ごはん食べたら、遊びに来るって~」
「そう、じゃあ、マックで何か買ってく?」
「えっ!? 良いの~?」
「うん、良いわよ~」
オ~ 今日のお母さんはちょっと優しいぞ・・・
病人効果か?
ウフフフ~ シェイクにポテトにパイ買って貰おう~っと♪
あ~ ナゲットも欲しいな~♪
◇◇◇
『ピンポ~ン ピンポ~ン』
ん? アッコちゃん?
「アッコちゃん!?」
「ウワ! びっくりした~!」
「エヘヘヘ、ごめん。 嬉しくって」
「もう! いっつも、いっつも、急に扉開けて、びっくりするから~!!」
「そんなにびっくりするかな?」
「扉空く勢いがすごいんだよ!」
そっか・・・アハハハ。
てか? えっ? うわ~ キャワイイ~♪
なに、そのお姫様スタイル・・・
「えっ? アッコちゃん、また洋服買ったの?」
「ん? スカートだけね~♪」
「フリフリで可愛い~♪」
「だって、ルナの服見て、なんかエッチな顔してたから、こういうの好きなのかなって思って!」
るなっちの・・・?
イヤ・・・まあ、あれはその・・・
スカート見てたっていうか、パンツ見てたっていうか・・・
「イヤ、アッコちゃんめっちゃ可愛い! お姫様みたい!」
「えっ!? 本当? エヘヘヘへ~ 嬉しい♪」
「てか、早くあがって~♪」
「うん、おじゃましま~す♪」
イヤ、親父がどっか出かけていて良かった・・・
こんな可愛いアッコちゃんを見せたら、親父のことだから、またウザいモード全開になっちゃうよ。
「早く、部屋行こう」
「えっ? もう、なんでそんな急ぐの?」
「親父が帰って来るとウザいから・・・」
「えっ? お父さん?」
「なんか、アッコちゃんの事大好きみたいだから・・・」
「え~ そうなの? 良かった~ なんか嬉しい」
「えっ? なんで?」
「だって~ アキラくんのご両親に好かれるってすっごい嬉しいよ」
「そう?」
「そうだよ! だって、お嫁さんになるなら重要でしょ?」
「ああ・・・確かに・・・」
お嫁さんって言葉を、アッコちゃんから聞くと、なんかやっぱり照れちゃうな・・・
うふふふ、お嫁さんか~
「うわ~ なんか、アキラくんのお部屋にくるの久しぶり・・・」
「ん? そっか・・・」
「そうだよ・・・滝野の行く前の週に来たのが最後だもん」
「そっか・・・」
そっか、タイムリープしちゃったから、夕飯食べてったイベントは無くなったんだよな。
今日は、あれから初めてだったけ・・・
ん? アッコちゃん? なんでウルウルしてるの?
「なんで泣いてるの?」
「ん? なんか、またココに来れて嬉しいなって・・・」
キュ~ン・・・この子はなんでこんなに可愛いんだろう・・・
もう、たまらず、アッコちゃんをギュッと抱きしめてしまう。
「アキラくん・・・好きだよ・・・」
「うん、俺も、アッコちゃんが大好きだよ」
そう言うと、またウルウルした目で、僕を見つめてくるから。
アッコちゃんって、本当に目が大きくてぱっちりしてるから、瞳に吸い込まれそうになっちゃうよ。
でも、目線が一緒っていうのが、なんとも悲しい・・・
早く大きくなって、アッコちゃんの上目使いがみたいな、なんて思ったりもする。
「アキラくん・・・」
「うん」
そういうと、アッコちゃんが目を瞑って、少し首を傾けてくれた・・・
いつぶりだろう?
アッコちゃんとこんなキスをするの・・・
神社じゃ、ダメって言われて出来なかったから。
アッコちゃん・・・
大好きだよ。
今日は、僕からちゃんとキスをしてあげる・・・
「アキラくん、大好き・・・」
「うん、俺も・・・」
また、お互い抱き合っていると・・・
「エヘへ、ドラクエしたいな~♪」
「ふふふっ、まだ全然最初だったね?」
「うん・・・」
「じゃあ、座って待ってて、準備するから~」
そう言って、いつもの場所にアッコちゃんを座らせると。
ゲームの用意をしようと、テレビの前でカチャカチャしていると・・・
「アキラくん?」
「なに?」
「これ・・・なに?」
なんか、急に怪訝そうな声色で、聞いてくるアッコちゃん。
なんだ? っと思い振り返ると・・・
「えっ!? なに? ・・・・・・それ?」
一瞬頭が?マークでいっぱいになってしまう・・・
「なに? ってわたしが聞きたいんだけど! 何これ! ストッキングに、女の子のパンツ! それにブラに、この可愛いスカートとか! なにこれ!?」
えっ? ・・・・・・そのスカートなんか見覚えが・・・
!? 昨日ゆかりちゃんが着てたスカート!?
ってことは、ストッキングとパンツにブラって・・・それゆかりちゃんの?
えっ? なんで、ゆかりちゃんの着替えた服がここにあるんだ!?
えっ? どういういこと!? パニック!?
「えっと? どうしてそれがココにあるのか分からないけど・・・ それはお姉ちゃんのお友達の服だよきっと」
「なんで、美姫ちゃんのお友達の服がココにあるの!? しかも下着まで!」
「イヤ、わからないって! 昨日、友達が泊まりに来てたから、たぶん美姫の部屋が汚くて、ここで着替えたのかも・・・ 俺午前中から病院行ってたから、全然しらない。 本当! マジ信じて!!」
「本当に!?」
「本当! 本当!! 冤罪! 冤罪!!」
「う~ん・・・・・・」
難しい顔で、こちらをジーっと見つめるアッコちゃん・・・
てか、ゆかりちゃん、勘弁してよ。
そんなトラップ仕掛けてくなんて酷いよ~
なにそれ? マーキング?
もしそうなら怖いんだけど・・・
「てか、それってどこにあったの?」
「ん? ベッドの下に畳んであった!」
「畳んでた? てかさ~ 俺が、そんな姉ちゃんの友達の服を勝手に持って来てたら、そんな綺麗に畳むとかすると思う?」
「う~ん・・・わからない。 アキラくん、意外と几帳面だから・・・」
え~ 几帳面って・・・そんな疑われ方ある~?
ちょっと・・・もうマジで、ゆかりちゃ~ん!!
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