第102話 夜先に寝られちゃうと、ひとりで寂しくなっちゃうだけど・・・
ダメだ!
絶望的に眠れない!
こんなゆかりちゃんに腕枕をされて。
パジャマ越しの解像度高めのおっぱいの感触を顔いっぱいに感じているだけで。
さっきの、お風呂場で見たゆかりちゃんの裸が瞼の裏に浮かんで来て。
ただただ、悶々としてしまい、僕の下腹部のアイツは、もう1時間も前から行き場が無く、右往左往している状態だ・・・
ていうか、なんでウチの姉ちゃん達はこうも二人揃って寝つきが良いんだろう・・・
いっつも、僕よりも爆速で先に寝てしまうわけで。
毎夜、毎夜、取り残される僕はどうしたら良いんだよ。
ゆかりちゃんと一緒に過ごせることは、とても幸せだし嬉しいのに。
でも、夜中に1人だけ取り残されてしまうと。
また、過去の記憶が蘇って来て、色んな感情が爆発しそうになり、寝る前みたいにまた塞ぎ込んだ気持ちになって来てしまう。
こと恋愛関係や女性関係に関しては、成功体験の少ない僕は、どうしてもネガティブな方向へと考えがちになってしまう。
イヤ・・・実際に美姫やゆかりちゃんとの記憶通り、幸せだった時期よりも、失って悲しくて、苦しい思いをした期間の方があっとう的に長いから。
僕が何かにつけて、諦め体質になることはしょうがないというか。
嫌でも思考がそっちに行ってしまうわけで。
そして、子供の体を取り戻して、また改めて実感していることがある。
僕は、やっぱり生粋の弟で、末っ子体質なんだと・・・
前の人生では、もう大人になっていて、人に甘えることを我慢して、平然を装うことを覚えてしまっていたし。
好きな人に甘えられたいという願望も、みっともないし、余計な軋轢を生んだり、空気が悪くなるくらいなら我慢した方がマシだと、全てを大人だからという理由で我慢してきたことに気づいてしまい。
美姫に、良いよっと言われて。
ちょっとずつ、調教されていくうちに、小学生という免罪符は、僕が我慢していたこと全てが許されるような気がしてきて。
最初、美姫の制服姿を見てドキドキしてしまい、あぁ・・・美姫に甘えたいなっと思っていたら、美姫は敏感に感じ取って、僕が欲しそうにしているものを差し出してくれた。
僕がそれに飛びついても、怒ること無く、優しい表情を浮かべて、僕を見守ってくれていたのがとっても嬉しかったんだ。 でも、最近はなんていうか、優しい表情というよりは、好きな人を見るようなトロンっとした目をして、うっとりとした表情に変わってしまっているんだけど・・・
そう、何が言いたいかというか。
僕はいま、圧倒的にゆかりちゃんに甘えたい!
そして、カマって欲しいんだ!
そして、いま僕はゆかりちゃんとぴったりくっついて、彼女の傍にいるのに。
なぜか、孤独な気持ちでいっぱいなのだ・・・
僕は非常に面倒くさい性格だ。
お姉ちゃんに近くで、僕の一挙手一投足すべてを見ていて欲しいって思ってしまう子だから、一緒に買い物していて、テンションの上がるものを見つけた時に「ねえねえ、これ見て!」っと隣を見た時に、お姉ちゃんが僕のそばを離れて違う所にいるだけでめちゃくちゃ寂しい気持ちになるし、自分はお姉ちゃんに必要とされてないんじゃないかとネガティブな思考になってしまうくらい、かまってちゃんレベルがアレで・・・
突然こうして一緒に寝ていても、先にお姉ちゃん達が寝てしまっては、もう僕はこの静寂な夜の中、この世に1人だけ取り残された気持ちになってしまうわけで。
だから・・・なんていうか、いま・・・とっても孤独なんです・・・
ゆかりちゃん・・・目を覚まさないかな?
もう少し、お話したいのに。
ゆかりちゃん・・・
美姫相手にしてたみたいに甘えたい。
でも、僕には過去に過ごしたゆかりちゃんとのあの幸せな日々の記憶があるわけで、僕にとって、ゆかりちゃんはとても高貴な存在で、決して僕からそんな気安く手を出して良い存在では無かった。
彼女は、本当に僕の中にある究極の理想像そのままのような人で、僕が生涯あれほどまでに情熱的に人を愛した人なんていないし。
それに、今日の夕方みたゆかりちゃんの姿は、やっぱり過去の彼女とまったく一緒で、キラキラしていて、特別勘があって、僕にとってとても崇高な存在であることを、改めて実感させてくれた。
さらに、今日見た、窓辺で本を読みながら、天の光に包まれたゆかりちゃんは、まるで祝福を与えてくれる存在のようで、僕には本当にそれが天使のように見えて。
僕は、今日・・・本当の神を見たんだ・・・
そう、僕にとって、ゆかりちゃんは神様のような存在の天使様で、僕にとって崇高な人であり、天使様のゆかりちゃんは、気軽に手をだして良い人では無く。
なにが言いたいかと言うと・・・その・・・
美姫のようなエロイ女のように簡単に手を出せないってことなんだよ!!
イヤ、イヤ、それだと美姫には何をしても良くて、奴隷みたいな存在だと言っているように聞こえるじゃないか。
違う、決してそんなことを言っているわけではないんだ。
美姫は血のつながった家族で、僕は深層心理で彼女と繋がっている気がしてしまうし、美姫の母の様な包容力は、僕を優しく包み込んでくれて、彼女は僕に安心を与えてくれる。
故に、僕は美姫の前では限りなく赤ちゃんになってしまうわけで・・・
その、なんていうか、赤ちゃんが母親に遠慮なく甘えているだけというか、美姫が注いでくれる僕への慈愛が、そうさせるというか・・・
だから、ゆかりちゃんが神であるならば、美姫はその・・・僕に尽くしてくれる、シスターや巫女のような存在に近いというか。
それに、美姫からは、その・・・強烈に自分へ甘えろという強い強制力みたいなモノも感じてしまうし、さらに、他の人に絶対お前を渡さないという独占欲はビンビン感じるわけで・・・
美姫からはその・・・無償の愛というよりは、僕が美姫に甘えることで、愛情を僕へ注ぐといった、どこか、こう・・・等価交換みたいなものが成立しているような気がしてしまい・・・
そんな感覚が、美姫へ手を出すことのハードルをどんどん下げて行ったというか。
もう、あれから1カ月たってしまった今となっては、持ちつ持たれつの存在と言いますか。
要するに、win-winな関係であるからして、その・・・決して、美姫を軽視しているわけでは無いのだ。
そう家族の血縁故の深い精神世界のつながりをお互い感じつつも、ビジネスライクな関係が絶妙に噛み合って成立しているのが僕と美姫なのだ。
はぁ・・・美姫・・・
助けてよ・・・
エッチなことがしたいよ~
美姫にするみたいにおっぱい触りたい。
寂しさと欲望と抑圧の境界で、藻掻き苦しみ。
目を閉じて、ゆかりちゃんと一緒に眠りはじめてから2時間が経過した辺りから、僕はだんだんと壊れはじめ・・・
はぁ、はぁ、はぁ・・・
ゆかりちゃん・・・
僕・・・もう、やっぱり我慢出来ないかもしれない。
『―――私だって、アキラに美姫みたいに甘えて欲しいもん』
そんな極限状態になりつつあった僕の頭の中に、急に眠る直前の会話が蘇ってくる。
ゆかりちゃん・・・甘えて欲しいって。
美姫みたい・・・
『アキラ・・・いつか、わたしにもちゃんと甘えてね。 そしたら、わたし・・・しあわせ・・・だか・・・』
ちゃんと私にも甘えて欲しいって言ってた・・・
それが、ゆかりちゃんにとっての幸せだって。
・・・良いの?
ゆかりちゃん、本当?
僕は、ゆかりちゃんの腕の中から、顔を少し見上げて、ゆかりちゃんの寝顔を見た。
すると、少し顔を動かして、お胸に微妙に触れた瞬間・・・
「ん・・・」
っと、ゆかりちゃんがピクっと顔を動かしながら声を漏らした。
僕が寝つきが悪く、悶々として体温が上がっているせいか、布団の中に僕の高い体温の熱が籠り。
もう11月なのに、暑いと感じてしまうほど、もう布団のなかは真夏のような暑さで。
きっと、その暑さのせいで、ゆかりちゃんも寝苦しいのだろう・・・
眠りの浅くなっているゆかりちゃんは今にも起きそうで。
僕は軽く触れただけで、反応してしまうほど眠りが浅くなっているみたいで。
でも、2時間の苦行の末に行きついた、精神崩壊の世界に身を落とした僕は、ゆかりちゃんの妖艶な声を聞いて、もう限界を超えてしまい。
ゴクリ・・・
そっと、伸ばした右手は、ゆかりちゃんの、お胸の上にスススッと伸びて行き。
そして、お胸に触れた瞬間、暑さでしっとりとしたパジャマ越しに、ゆかりちゃんのあのおわん型のおっぱいの感触が手の平全体に広がっていき。
僕の心拍数は、もうそれだけで、最大心拍数の200bpmへ達するのではないかという勢いで爆上がりしていき。
ゆかりちゃんの寝息で上下する、ゆかりちゃんの鼓動を感じながら。
僕のボルテージはさらに上がって行ってしまう。
パジャマ越しとは言え、ゆかりちゃんのおっぱいに触れてしまうことへの罪悪感の背徳感の渦の中で。
手の平に全神経を集中して、ゆかりちゃんのそのすべてを感じ取っていた。
「んん・・・」
そして、また寝苦しのか、少し辛そうな声を出すゆかりちゃんに気をつかって。
布団をゆかりちゃんの胸の下あたりまでずらすと、それまで僕の方を向いて横向きで寝ていたゆかりちゃんが・・・
「んん・・・」
と声だしながら、寝返りを打つように仰向けになると、ようやく不快感が無くなったのか、またスースーと眠りはじめてくれた。
忙しなく動きだした、今にも起きそうなゆかりちゃんの様子を僕はじっくりと隣で見守っていたのだが。
その時に、あることに気づいてしまう・・・
ゆかりちゃんのおっぱいの膨らみがまったくといって良いほど変わらないのだ・・・
イヤ、えっ!? スゴッ!
これがどれだけ凄いかというか。
美姫は、本当に素晴らしい爆乳持ちの女性であり。
彼女のあの暴力的なおっぱいは、本当に僕の顔全体を簡単に包み込み、その圧倒的な包容力は半端ないし、なんといっても、あの天上のふわっふわの雲の上のような最高の感触はオンリーワンなのだ。
でも、美姫のおっぱいはその・・・美姫が仰向けになって寝はじめた瞬間、なんて言うかその・・・
スライムのように横にスーッと広がって行き、ブラジャーをしている時や、うつ伏せの時はあんなにも綺麗で最高な胸の谷間を僕に見せてくれるのに、なんとも残念な、姿に変わってしまうのだ・・・
僕は、美姫のおっぱいのそんな姿が唯一不満というか、もったいないなっと感じていたのだけれど。
いま、目の前にある光景は、なんなんだ!
ゆかりちゃんは、仰向けに寝ているというのに、おっぱいの谷間が全くと言って良いほど消えないのだ!
こんなおっぱいがこの世に会って良いんだろうか!?
はぁ・・・神よ・・・やっぱり、ゆかりちゃんは、僕にとっての神であり、天使なのだ。
こんなにも素晴らしい光景を僕に授けてくれるなんて。
僕はいま、ゆかりちゃんにこの世の奇跡を見せられているのだ!
はぁ~ なんてすばらしい光景なんだろう。
もう、今日からここを聖地を認定しても良いと思えるほど素晴らしいこの光景・・・
ハァ・・・ダメだ、やっぱり触りたい。
昂る気持ちを抑えながら、またドクンドクン心臓が跳ね上がる音を自分で聞きながら、恐る恐るゆかりちゃんのお胸の上に手をそっと添えると。
はぁ・・・完璧だ・・・
僕は、その手の平からの感触を感じながら、どうしてもゆかりちゃんに近づきたくて、寝ているゆかりちゃんにギュッとしがみつくと、お胸に手を乗せて、ゆかりちゃんにギュッと抱き着いた直後、しばらく間は少し気持ちも満たされていたのだが。
さっきまでは声を漏らしたり、寝返りを打ったりと、まだ、ゆかりちゃんが起きてくれてるような気がして。
僕1人、ここに残されたような感覚は無く、ゆかりちゃんと二人で寄り添っている気持ちになれていたんだけど。
深い眠りに入ったのか、まったく反応が無くなってしまったゆかりちゃんは、生きてるのか心配になるほど動かなく。 寝息も、本当に静かになって、僕はそんなゆかりちゃんの隣で、本格的に寂しくなって来てしまい。
うぅぅぅ、ゆかりちゃん、寂しいよ・・・
1人にしないでよ~
っと、頭の中が完全に寂しいモードへと切り替わっていくと。
今度は、その寂しいという感情に引っ張られて、過去の辛い経験がまた頭の中にフィードバックして来て。
僕はまた過去を疑似体験しだしてしまい、気づくとゆかりちゃんにギュッとしがみつきながら、泣き出してしまっていたのだ。
はぁ~ もう本当に情緒がグチャグチャなんだ。
メンタル崩壊が半端ないよ~
ゆかりちゃん・・・ゆかりちゃん・・・
起きてよ、カマってよ、優しくしてよ。
ひとりにしないでよ・・・
もう、あんな思いはしたくないのに・・・
ゆかりちゃん起きてよ。
お願い、起きて・・・
そんな思いから、僕はゆかりちゃんのお胸に乗せた手で、ゆかりちゃんのお胸を摩るように軽くグイグイっと押して、ゆかりちゃんに起きてアピールをしてみるも。
深い眠りについた、ゆかりちゃんは、その程度では全然反応してくれなくて。
完全に、ゆかりちゃんに無視をされてしまったように感じてしまい。
僕はさらに悲しくなり、次から次への涙が溢れて来て、ゆかりちゃんい寄り添いながら、もう片方のお胸に寄り添って僕はオイオイ泣いてしまった。
最後はあまりの悲しさから、感情が抑えられ無くなり、ゆかりちゃんのパジャマを軽く握っていた左手をギュッと握ると同時に、もう片方の手もギュッとしてしまい。
「うん!?」
その瞬間、大きくビクッとゆかりちゃんが反応してしまうと・・・
瞳をうっすらと開けたゆかりちゃんが。
「―――アキラ?」
「・・・ぐすっ」
「泣いてるの? どうしたの?」
「だって・・・1人で寂しいだもん」
「え? 寂しい? ふふっ、もう、甘え坊さんね。 ヨシヨシ、もう怖くないよ。」
仰向けだった体制から、僕の方へ横を向き直したゆかりちゃんが、僕とギュッと両手で抱きしめてくれると。
僕はあやすように、頭をヨシヨシっと撫でながら、僕を安心させるように、優しい声を沢山掛けてくれて。
僕はそれがとっても嬉しくて、さっきまで寂しい気持ちや、1人で不安な気持ちは少しずつ薄れていった。
「もう大丈夫よ。 怖くない、怖くない。 ヨシヨシ・・・」
「・・・うん」
「・・・ずっと、起きてたの?」
「だって、ゆかりちゃん、先に寝ちゃうから・・・ぐすっ」
「ふふっ、美姫にもいっつもそうなの?」
「ううん・・・ゆかりちゃんだからだよ」
「そっか・・・ごめんね、大好きよ、アキラ。 ヨシヨシ、良い子、良い子」
そして、僕が落ち着いたなと感じたのか、ゆかりちゃんは、少しずり下がっていた布団を、また僕らの肩口まで掛け直すと、また、やさしく僕を抱きしめて、ヨシヨシっと頭を撫で続けてくれた。
「・・・こうやって夜中、よく泣いちゃうの?」
「・・・ううん」
「じゃあ、どうして?」
「ゆかりちゃんと一緒に寝てたから・・・」
「わたしと寝てると悲しくなっちゃうの?」
「だって・・・昔のこと思い出したら、急にいなくなった時の事思い出しちゃって」
「そっか・・・ごめんね。 寂しい思いをさせちゃったんだね。 大丈夫よ、もうどこにも行ったりしないから。 ずっとアキラの傍にいるから」
僕は、その言葉は聞いて、なんだか。
過去の記憶の中のゆかりちゃんと勝手にそれをシンクロさせていた。
どこにも行かないって約束してくれた。
ずっと傍に居るって言ってくれた。
あぁぁ、じゃあ、これからはずっと、ゆかりちゃんとこうしてられるんだ。
ゆかりちゃんの言葉を自分の中で都合よく咀嚼した僕は、ゆかりちゃんにヨシヨシされながら。
その心地よい感触と、聖母のような優しい声を聞いていると、次第に眠くなっていき。
いつの間にか、ゆかりちゃんの腕の中で、静かに寝息を立てていた。
そして、僕はその夜、夢を見た・・・
ゆかりちゃんの部屋でイチャイチャしている夢を見たんだ。
―――もう、どこにも行かないから、安心して
ほんとうに? 絶対にどこにも行かない?
もう、僕を1人おいてどっか行ったりしない?
―――ふふっ、しないわよ。 アキラを1人にするワケないでしょ?
・・・じゃあ・・・あの人とも別れてくれるの?
―――・・・あの人?
・・・・・・あの人だよ。
絶対に行かないって言ってたのに。
両親に無理やり出席させられた、ゆかりちゃんの結婚式の日。
僕は、アイツの姿を一度だけ見たことがある・・・
大学時代の先輩とか言う、その憎たらしい爽やかな笑顔を振りまく優男を・・・
なんで、あんなヤツと・・・
どうして、婚約していたのに、僕とあんなこと・・・
もう、挙式場から無理やり、ゆかりちゃんを連れ去ってしまいたくなるほど。
僕は、混乱していたし、悔しさや、辛い気持ちに、悲しい気持ちで、式の間中ずっと頭がおかしくなりそうになっていた。
あの頃はもう、美姫とは犬猿の仲になっていて。
僕を慰めてくれる人なんてそこにはいなかった・・・
僕以外の人となんて結婚なんてヤメてよ!
お願いだから、僕の元に戻って来て。
お願いだよ、ゆかりちゃん・・・
―――結婚? ふふっ、大丈夫よ。 アキラ以外の人となんて結婚なんてしないわよ
本当に? 信じて良いの?
―――うん、もう私絶対に間違わないから。 自分の気持ちを誤魔化すようなことはもう辞めたから
じゃあ、信じて良いの?
また、僕の彼女になってくれるの?
また、あの時みたいに毎日一緒に居てくれる?
―――うん、良いよ。 昔みたいに、ずっとアキラの傍にいてあげる。 それに、アキラがそう言ってくれるなら・・・彼女にだってなるもん・・・
本当に? 絶対? 嘘つかない?
また、一緒にお手て繋いでデートしてくれる?
それに、僕とキスしてくれる?
―――えっ!? キス・・・しても良いの?
したいよ!
昔は会うたびに、毎回キスしてくれたじゃない?
それで、僕に甘えてくれたのに・・・
―――うん、そうだよね。 昔は毎日してたもんね・・・そうだよね、ごめんねアキラ。 本当に寂しかったのね。 アキラ・・・ごめんね、好きよ。 チュッ
はぅぅぅ、嬉しい・・・
嬉しいよ~ 本当にまた付き合えるんだね。
ゆかりちゃんが大好き。 本当に好き!
もう、絶対に離さない・・・
―――ふふっ、もうそんなに興奮しないで。 そんなにキスが嬉しいいの?
嬉しいよ・・・ゆかりちゃんと心から繋がってるように感じるんだもん。
ゆかりちゃんとキスしている時が、僕にとってどれほど大切な瞬間だったか、ゆかりちゃんは知らないんだよ。
『そっか、そんなに私の事・・・ごめんね。 わたしが気持ち強く持ってたら、アキラにこんな寂しい思いをさせずに済んだんだよね。 本当にごめん、ごめんね。 好きよ、アキラ、大好きよ。 チュッ・・・チュッ、チュッ』
ゆかりちゃん・・・
はぁ~ ゆかりちゃん、ゆかりちゃん、ゆかりちゃん・・・
―――えっ!? アキラ!? どうしたの? なっ、えっ!? ちょっ!? 落ち着いて? ねえ、アキラ、アッ! ちょっ・・・えっ? そんな、どうしたの
ゆかりちゃんが好きなの。
もう、たまらなく好きなんだよ。
あの時、出来なかったことをしたいんだもん。
ゆかりちゃんが居てくれたら、あんなに苦しい思いしなくて済んだのに。
あんな、最低なこともしなくて済んだのに。
アイリにだって、あんな悲しい思いをさせなくて済んだのに・・・
―――えっ!? ちょっ、アイリって誰よ!? えっ!? うん! ちょっ、アキラ?
ゆかりちゃんが悪いんだもん。
僕のこと1人残して行くから~
―――ごめん、ごめん、アキラ。 好きよ、好きよ、アキラ、だから、落ち着いて。 もうどこにも行かないから
じゃあ、僕のことちゃんと受け入れて!
受け入れてよ・・・
好きなんだよ、ゆかりちゃんが・・・
ゆかりちゃんの、全てを僕のものにしたいんだよ。
―――私の全てを、アキラに? ・・・そっか、そうだよね。 私のカラダ・・・もう、アキラのモノだもんね。 うん、良いよ、アキラ。 好きよアキラ。 好きにして良いよ、大好きよ・・・アキラ
ゆかりちゃん、ゆかりちゃん・・・
愛してるよ、愛してるの、ゆかりちゃん。
僕のお嫁さんになってよ、ゆかりちゃん。
―――うふっ、嬉しい・・・良いよ、私をお嫁さんにして・・・大好きよ、アキラ・・・
ゆかりちゃん、ゆかりちゃん・・・
ゆかりちゃんは、俺のモノなんだよ・・・
―――うん、そうよ・・・全部貰って・・・
・・・えっ!!??
嘘!? えっ!? この感覚!!??
― ― ――― ―――――― えっ? 夢?
俺いまゆかりちゃんと・・・
てか・・・いまの感覚?
えっ? また!?
「どうしたの? アキラ? はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「えっ? ゆかりちゃん・・・えっ!? ゆかりちゃん、その格好!?」
「ふふっ、もう、アキラのエッチ・・・こんなに元気に・・・って、アレ?」
あれ? えっと・・・
「なんか、濡れてるよアキラ? えぇ!? ちょっ、オネショ!? あんた、まだオネショなんて!? って、アレ・・・シーツ、濡れてない・・・」
うぅぅぅ、デジャプかコレ・・・
俺、またやちゃったのかよ。
「アキラ・・・もう、よかった、パンツだけで済んで。 ほら、脱いで? ふふふっ、もう、まだオネショなんてしちゃうのね? ふふふっ、皆には内緒にしてあげるね?」
イヤ・・・これは・・・
違うんです、ゆかりちゃん・・・
ゆかりちゃんは完全にオネショと勘違いしてパンツを僕から脱がすと。
新しいパンツを僕に吐かせてくれた・・・
そして、濡れたパンツを手にとって・・・
「ねえ、これなに? オネショ?」
「イヤ、だから、ゆかりちゃん・・・」
「なに? どうしたの?」
「その、それは・・・お年頃の男の子のその、生理現象っていうか・・・」
「えっ? 生理現象? えっと・・・・・・えっ!? 生理現象!? これが? えっ!? 嘘!? アキラが!? えっ、でも・・・そっか・・・」
ヤメテ・・・お願い。
そんな、保健体育の教材みたいにマジマジ見ないでよ。
「もう、お婿に行けない僕・・・そんなのゆかりちゃんに見られたら・・・」
はぁ~ 絶対に嫌われる・・・
もう、終わった・・・
「ふふふっ、何言ってるのよ。 私のことお嫁さんにするって言ったのアキラよ? もう、あんなことしてさ、ちゃんと責任とってもらいますからね! アキラのせいで、お嫁に行けない思いしたのは私のほうなんですからね!」
「えっ? なんで? どういうこと? お嫁さんって?」
「えっ? ひょっとして・・・アキラ、寝ぼけてたの?」
「あっ、イヤ、だから。 ずっと、僕夢を・・・」
「夢? 夢であんな・・・はぁ、なんか久しぶりにみたけど。 相変わらずね?」
ごめんなさい・・・
夢遊病疑惑が立つほどの、僕の寝言の会話・・・
「はぁ~ だから、あんな意味不明なこと沢山しゃべってたの? もう・・・バカ、エッチ!」
「えっと・・・なんか、ごめんなさい・・・」
「ふふっ、だいじょうぶよ。 そんな、しゅんてしないで。 なんか、寝言でも嬉しかったし、とっても幸せだったもん。 好きよアキラ。 チュッ」
「えっ!? ちょっ!? ゆかりちゃん!?」
「フン、アキラだけ、夢の中で記憶がないなんて嫌だもの。 ちゃんと覚えておいてよね、私にあんなにキスをねだって来たんだから。 あと、本当に責任とってよね? あんなの、わたし・・・初めてだったんだからバカ。 ちゃんと、お嫁さんにしてもらうんだから・・・バカ」
えっ? えっ・・・俺また・・・
ダメだ、俺はまたきっと何かやらかしたんだ。
嬉しいとか、幸せとか言ってるけど。
微妙にゆかりちゃんが怒ってるし・・・
ゆかりちゃんに嫌われちゃったかもしれないよ、もうダメだ終わった・・・
再会したばっかりなのに・・・
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