3.青年国王――ダリア。
だから、温度差……w
一方、玉座にて。
王都を統べる国王――ダリアは、頬杖をついてほくそ笑んだ。
まだまだ年若く、威厳というものを感じられない青年王でありながら、その表情からは邪悪な気配が感じられた。金の髪に青の瞳をした美形は、こう口にする。
「なるほど……。グラディアは、レギオを引き入れたか」
密偵だろうか。
陰からの報告を受けて、彼はそう呟くのだ。
そして同時に、くつくつという、おおよそ国王らしくない含み笑いをする。
「面白い、面白いぞ……!」
顔を押さえてのけ反るダリア。
彼の笑いは次第に大きく、哄笑へと変わった。
邪悪――そう呼んでも違和感のない男が、そこにいる。
「いいだろう、グラディア。攻めてこれるものなら攻めてこい!」
口角を三日月のように歪めた青年は立ち上がって、そう叫ぶのだ。
まるで、闘争を望むかのように。
平穏こそが、悪かのように。
「私は逃げも隠れもしないぞ! 魔王グラディア! いいや、今ばかりはこう呼んでやろう――」
大仰に腕を広げて。
「【魔族の勇者】、大戦の生き残りよ!」――と。
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