#1 Encounter ー 出会い ー
投稿遅くなって申しわけありません!
その代わり中身はしっかり書いたつもりなので、どうか読んでいってくれる嬉しいです。
―――― 春先の朝陽を浴びて輝く桜?(正確には桜に似た魔法樹)がまるで春の魔法でもかかったように、校舎へと続く満開街道を桃色の花びらで埋め尽くしていた。これから校門をくぐる新入生に希望を抱かせるには、これほどうってつけな光景はないだろう。
しかし、冷静に今ある光景を分析すればそれはとても奇妙な光景だ。なんせ、その魔法樹たちの枝のどれもが動いているのだから。校舎までの約1キロにも及ぶ満開街道、その道沿いに立ち並ぶ、種類も様々な幾千もの魔法樹や草花が一斉に枝や葉を奇妙に動かしているのだ。実に異様な光景である。
「あぁ、今年も見事に咲いたか」
言葉だけ聞けばなんともないのだが、実際に咲いているのはうごめく魔法樹たちだ。街道を彩る木々の一本を見上げながらレクスは思わず感嘆する。―――― この木々たちを「咲かせる」ことは自然委員の先輩たちが新入生を迎えるために、委員会の最終課題として出されたものだ。桜の咲きがいいところを見るに今年の先輩たちはかなりの腕前なのだろう。そう考察しながらレクスが歩いていると、
「枝が動いたりしてなければきれいな桜なのにね」
と、隣の列を歩く一人の新入生から声がかかる。レクスが声のする方に目を向けると、そこには腰まで伸ばした栗色の髪を風に揺らす一人の少女がいた。その装いは、下がスカートという点を除いて彼と同じ学院の制服。背はレクスより少し低い程度、そのスラリと伸びた脚に自然と目が吸い寄せられる。彼女もレクスと同じ魔法剣士の卵といったところか。
「...コホン」
かなり勇気をだして声をかけたらしく、彼を見つめる表情には緊張が見てとれる。学院に来て初めて言葉を交わすことに戸惑いながらもレクスは微笑んで言葉を返す。
「ほんと、君の言う通りだよ。もしかして踊る魔法樹には慣れてるのか?」
彼から好意的な返答があったことに安堵したのか少女は頬を緩め、微笑みながら返す。
「いいえ、初めてよ。こんなに動きが激しいのはね。私の故郷に生えてた魔法樹はもっと動きが少なくておとなしかったから」
「そうか。学院に生えてるものは多少性格に難ありといったところだな」
レクスはここで彼女が返答に困り、質問をしてくるだろうと予想していたのだが、どうやらレクスは彼女のことを甘くみていたらしい。
「そうね。魔法樹たちは生息している場所周辺のプラネターが濃いほど性悪になっていくもの。ここは魔法学院なんだから、木々が荒ぶっているのもうなずけるわ」
正直ただの新入生がここまで知っているとは驚きだった。レクスは彼女の聡明さを素直に称賛した。すると彼女は気恥ずかしさに頬を染めながら、
「そういえば名前を言ってなかったわね。私はユリア。ユリア=アルレインよ。あなたは?」
「俺はレクス。レクス=エスティ―ド。よろしく」
そう言って見つめあった二人の間を暖かい風が、まるで新たな魔法剣士たちの入学を歓迎するかのようにふわりと吹き抜けていった。 ―――― To be continued ――――
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次回はついに学院への入学式です。こうご期待!