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イエローガールズ  作者: ノネ(仮)
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3話 目標 前編

偶然棚から落ちてきた自動車教習所の入学案内。

綾乃は目を輝かせながら由貴に迫り、ふたりは運転免許証を取ることした。


職員室に部室の鍵を返し、学校の坂道を下りながら入学案内を見る。


「この教習所って学校の近くにあるんだね」

「帰りに寄ってみようか」


学校から歩いて行ける『吉野自動車学校』に着いた。

入り口から学校内の様子を見ると私服の生徒に混じり学生服を来た生徒が数人居た。

覗いていると、事務所の中に居た事務のおじさんに声を掛けられた。


「君たち入学希望かい?」

「えっ、はぁい!」


急に声を掛けられて綾乃はテンパって答えた。

事務のおじさんは笑いながら

「そんなに緊張しなくてもいいよ。さぁ、中をじっくり見学していきなさい」


「ありがとうございます!」


見学者とかかれた名札を付け、教習所内を見学する。

教習コースが見える場所にベンチと自販機があったので、飲み物を飲みながら自動車が動く姿をじっと見ている。

コース内を走るセダンと軽自動車の教習車を綾乃はずっと目で追っていた。


「由貴、免許取るとこれ全部運転できるの?」


「えっ?」


「ほら、あの白い車とグレーと黒の車」


「あの白い車はナンバープレートが白いから普通の車でグレーの車はナンバーが黄色いから軽自動車だよ」


「詳しいね。全部一緒だと思ってた」


由貴は呆れながら

「まぁ、よく見ないとわからないよね、ハハッ・・・」


「これから勉強すればいいんだよ。無知は罪ではない!」


どこでスイッチが入ったのか分からないが綾乃はさらにやる気を出した。

見学を終えて名札を返しに事務所に向かうと先程の事務のおじさんが声を掛けてきた。


「どうだい?入学する気になったかい?」


綾乃は落ち着いたようすで


「はい。見学させていただいてありがとうございました」


事務のおじさんは入学案内と入校書類を持ってきてくれた。


「はい、パンフレットと入校書類。18歳未満は家族と学校の承諾が必要だから必ずお話するように」


綾乃は部室にあったくしゃくしゃの入学案内と割引クーポンを事務のおじさんみ見せつけた。


「書類は既に持っています」


事務のおじさんは見せつけられた入学案内をじっと見つめて笑いだした。


「ハハハッ!お嬢ちゃんこのパンフレット一昨年のだよ」


綾乃はパンフレットを見ると確かに一昨年の日付が書いてあり、割引クーポンの有効期限も既に切れていた。

綾乃の手から力が無くなり、パンフレットが地面に落ちた。

笑っていた事務のおじさんはペンで何か書いて渡してくれた。


「お嬢ちゃん達、入学手続きの時この名刺を忘れずに持ってきなさい」

「いま渡した名刺がそのクーポン代わりだから無くさないようにね」



「ありがとうございました!」

綾乃達は名刺を貰い、頭を下げ教習所を後にした。


帰りの電車の中で、封筒から入校書類を取り出した。


「親と学校から許可貰わないとダメなんだね」

「許可が必要になったの最近みたいだよ」


綾乃は不安そうに

「学校はともかく、パパやママを説得できるかなが不安だよ」


「私は中学の時、パパから免許を取るように言われていたから大丈夫かも」


「話の分かる親でうらやましいなぁ。うちなんてまず否定からだもんな」


「でも茨城に住んでた頃の話だから、いまは車なくても生活できる環境だし聞いてみないと」


「はぁ、緊張するなぁ」


電車が由貴の最寄り駅に到着する。


「じゃあ後で連絡するね」


「うん、バイバイ!」


綾乃は最寄り駅に着くまでパンフレットをずっと見ていた。

そして家に着き、父の車が停まっているのを確認。


「うまく説得してみせるぞ」

玄関前で気合を入れて、家に入った。


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