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次に向ったのは、SF秘宝館。僕は気が進まなかったんだけど、男子達に引っ張られてしまって。
ここは本当に下らないコーナーなのだ。SF映画に出てきた色んなエロティックなシーンが、ジオラマの形で展示してあるのだ。
例えば、お互いの体に触れなくてもテレパシーでなんか気持ちよくなる装置(?)。映画キャラクターを模した機械仕掛けのマネキンが、互いに見詰め合ったまま、なんかモゾモゾと悶えるとか……。
エッチな雰囲気のアンドロイドはいろんな映画に登場するので、何パターンも展示されている。子孫を残す為に地球にやってきた無節操な宇宙人は、頭の形が、なんとなく卑猥。拷問台に縛りつけた獲物を、マジックハンドでコチョコチョする機械。
どれもこれもが、かなり下らなくバカバカしい。
宇宙吸血鬼のシーンもあった。宇宙吸血鬼の女が、口移しで、男の精を吸い取ってしまうのだ。吸われた男の方は、みるみる体が痩せ細り、まるでゾンビのようになってしまう。これは他の展示物よりもグロテスクだった。
そんな一つ一つの展示物を、男子どもはゲラゲラ笑いながら見て周り、チロは腕組みをして、黙って付いて行く。
なんかさすがにこんなのをチロに見られるのは気恥ずかしかった。地球人のセンスをバカにされちゃうよな……。
「ま、まあ、どれも古い映画のだからさ。今見るとナンセンスで笑えるのは仕方ないと思うよ」
「まったくね」
そう言って振り返るチロ。
「わ!」
思わず悲鳴を上げる僕。
チロは、顔の下半分が血塗れだった! 鼻血だ!
「まったく……どいつもこいつも……生殖活動の事に積極的で……」
チロは顔も耳も真っ赤で、ふらふらしている。
「銀河は広いわね……」
チロの面倒を見る(?)のに忙しい僕だけど、本当はこんな事している場合じゃないんだ。早くみちるちゃんに想いを伝えねば……。
だけども、みちるちゃんは人気者だ。常に輪の中心にいて、一人になる瞬間が全然ない。トイレに行くのにも必ず誰かが一緒だし。
遠目にみちるちゃんを窺っては、一歩進んだり戻ったりしている僕。
その足を、チロがガッと踏みつけてきた!
「あいた!?」
「何をもぞもぞやってんのよ! みっともない! なに? あのメスをやっつけたいの? やる!? 今やる!?」
チロはチョココロネ型光線銃を構えてみせる。それはしまっとけって。
「やっつけるって言うか、ものにしたいって言うか……」
恋人にしたいんだ。僕のものになってもらいたいんだ。だけども、今の僕では、みちるちゃんを誘い出す事さえ出来ない。
「こうなったら……、チロ、力を貸してくれ!」




