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現実世界に魔物が現れたようです  作者: 羽良糸ユウリ
第一章:ようこそ、世界の裏側へ!
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其の八『化物、再び』

前回のあらすじ:お話してたら化物来襲

 バイクは通常のそれとは違った。



 ただでさえ大きい普通のそれよりも一回りほどさらに大きくハンドル部分の近くには左右一つずつホルスターが備わっておりそこには琳の見間違いじゃなければ拳銃が一丁ずつ装備されていた。

 しかも琳の座っているすぐ後ろにある南京錠の付いた真っ黒い箱、そこから何回か金属が振動で揺れるカチャカチャという音が鳴っていた。



 琳は拳銃とその箱の音を聞きながら良からぬことを考えるがそれ以上はあまり深く踏み込まないことにした、一方涼は謎の立方体をメーター横の謎の部分にガチャッとはめ込み大音量で音楽を流している。



 「おい琳! どうだ! 気持ちいだろ!」

 「掴まってるので精一杯です!」

 「情けねぇなぁ! おら、飛ばすぞ!」



 それから約二十分くらいして件の古書店へと二人は到着した。




△▼△▼△▼△◆△▼△▼△▼△




 「彩芽ぇ、大丈夫かぁ!」

 「うぇぇぇぇ………うぇぇぇぇぇおじいちゃーん……」

 「ああよしよし、どれ、こっちにこい」



 幸三は泣きじゃくる彩芽を抱きかかえてどうにか泣き止ませようとする。

 


 古書店はすでに半壊していた、周りの家も何件が被害にあっていたが古書店以外留守だったため二人以外にけが人はいなかった。



 そしてなぜこんなにも店が荒れているのか、その犯人の化物は今、古書店の前に立ち、二人を殺さんとしていた。



 『ゴォァァァァァァ………』



 幸三は左手で彩芽を抱えたまま転がっている細長い木材を右手で拾い上げて構えた、化物は人の胴体ほどある太い両腕を地面に着けて攻撃態勢に入り、二人に飛びかかった。






 





 ジャララララララララララララ………!!











 突如、ワイヤーで繋がった刃が付いたものが化物の体に巻きつきグイッと入り口の方へと引っ張られた。化物も突然の事態で変な声を上げながら地面に打ち付けられワイヤーが巻かれるのと一緒にズルズルと引っ張られていった。



 「っしゃぁかかった! 琳! 救出に向かえ!」

 「はい!」



 琳は化物のいなくなった古書店の中に入って幸三と彩芽のところへと駆け寄った。



 「大丈夫ですか?」

 「りんおにーちゃぁぁぁぁん!!」



 彩芽はグシャグシャの顔で琳に抱き着き思いっきり泣きじゃくった。琳は二人が大した怪我をしていないことにホッとしていると軍用車両のような大きな車が古書店のところへと止まり外から涼の声が聞こえた。



 涼はその車の中に二人を避難させろと指示し、琳は幸三と彩芽の二人をその車の中へと乗せた。

 中には武装した人間が数人いて、その年代はバラバラだった。



 「君が香月琳君だね?」

 「はい、そうですが……」

 「よし。朝比奈、そっちは頼んだ! 俺は香月君たちを連れて行く」

 「おーけー、終わったらあたしもそっちに行く」



 その武装している人たちの中で唯一スーツ姿のイケメンの男性が涼にそう伝え車を出した。



 「大丈夫だよ、あいつは」



 車は発進し、スーツ姿の男性は琳の肩に手を置いてにっこりと微笑んだ。



 そしていきなり琳の首元にスタンガンを当てて気絶させた。



 「ごめんね」



 最後にぼそりと呟いた言葉は、薄れゆく意識と共に掻き消えていき、琳に届くことはなかった。




△▼△▼△▼△◆△▼△▼△▼△




 「ん…………んぅ……」



 次に琳が目を覚ましたのは、見たことのない部屋だった。

 殺風景で生活に必要な最低限のものがあるくらいで娯楽用品はほとんどない、強いて言うならノートパソコンが一台あるくらいだろうか。他には本棚があるが何も入っていない。



 「ここは……何処だ?」



 琳は立ち上がって色々と調べるが目ぼしいものは何も見当たらない、そうこうしているとドアがコンコンとノックされてガチャリと開いた。そこには先ほどのスーツ姿の男性や涼ではなく、もっと意外な人物だった。



 「お目覚めね、香月君」

 「雨宮さん!」



 そこに立っていたのはクラスメイトの雨宮千鶴だった。千鶴はつかつかとやって来て強引に引っ張り「来て」と表情一つ変えずに琳を引っ張っていった。



 部屋の外は部屋とは打って変わって普通の、というよりは普通よりも綺麗でSF系の映画に出てくる基地のような雰囲気だった。



 「ここ」



 手首を千鶴に掴まれながら琳はとある場所へと案内された、千鶴はもう片方の手でその場所のドアを開けた。



 連れてこられたその場所は完全に秘密基地そのもので、まるでゲームや映画の世界の中そのものだった。そこにはしっかりと服を着た涼と先ほどのスーツの男性、そして眼鏡をかけた控えめそうな女性がいた。



 「おっ、琳!」

 「朝比奈さん」



 千鶴は二人の会話を無視して琳を引っ張っていき、その光景を見た涼は少し笑っていた。



 「なんだ千鶴、やきもちでも焼いてんのか?」

 「違う」



 千鶴は琳を違和感丸出しの場所に置かれた椅子に座らせた、琳は少し動揺しながらも無表情な千鶴の迫力に押されて言われた通りにした。



 「よし、じゃあ早速!」



 そう言ってスーツの男性はみんなに号令をかけ始め、千鶴と大人しそうな女性も横に並んだ。




 「せーの!」




 その合図で琳を除く四人は左右対称になるように右手、もしくは左手を前に出して琳に対して手を差し伸べるようにした。


















 「ようこそ! 世界の裏側へ!」

 「ようこそ、世界の裏側へ!」

 「よようこそ! せせ世界の裏側へ!」

 「ようこそ世界の裏側へ」












 四人のその言葉は、微妙に息が合っていなかった。

あらすじの言葉は回収できました

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