綺麗なもの
空が綺麗だとか
花が綺麗だとか
一番最初に言ったのは
きっと大人だと思う
子供のころ
空を見上げて
感想を言うことなんてなかった気がするから
道端の花を見て
感想を言うことなんてなかった気がするから
晴れた日にはただ太陽を浴びて遊んだだけ
花開いた日にはただ咲いたということを喜んだだけ
綺麗ということを知ることは
綺麗じゃないものを知ったということ
ああ、
今日も曇りガラスの向こうの
目覚めたてのこの空を
綺麗だと思ってしまった
そう、
きっと昼には
道端に咲く菜の花を見て
綺麗だとつぶやくんだ