エクストラ・ナイツ1-3
場面変更ごとに話を区切っていますが
近いうちに結合したいです。
アリーナに集まった新入生達はクラス毎にそれぞれの指定された魔法陣で儀式を行うことになった。。クラスは全部で7クラス、そしてアリーナの地面にも7つの魔法陣が描かれているので1クラスが1つ魔法陣を使用することになる。
クラス担任が儀式の手順を生徒たちにを一通りレクチャーした後、一人一人名前を呼んでちらほらと儀式は始まった。
「ど、どうしようアデル君、私緊張してきちゃたよ」
顔が真っ青になったカテレアがアデルの袖を握りしめていた。傍から見ると主人の後ろで震える子犬のようでどこか愛らしい。
それを横から見たレオンはこみ上げる笑いを必死に抑えながらカテレアに話しかける。
「落ち着きなよカテレア、そんなに引っ張ってるとアデルの服がが伸びちまうぜ?」
「だ、だってぇ…!えーっと…レ、レオン君?だっけ?レオン君は緊張してないの?」
「俺か?俺ははむしろ楽しみでしかないんだが」
「むぅ…ア、アデル君は?」
「俺は今のカテレアを見てるのが楽しいんだが」
「むぅー!」
アデルとレオンに茶化されて怒ったカテレアはアデルの袖を思いっきり引っ張って抗議した。
「次の方来てくださーい。はじめますよー」
間延びした声でアニエラが生徒を呼ぶ。これが終わると次はいよいよ、カテレアが呼ばれることになる。しかし、もうじき呼ばれるというのにカテレアはなかなか落ち着かない。
「カテレア…しょうがないなあもう」
「えっ?」
アデルは、カテレアを見てやれやれと言った表情をし、首に下げていた物を、カテレアに手渡した。
「ほらカテレア、これ貸してあげるから。」
「へっ?アデル君…これは?」
間の抜けた返事をしながらカテレアは受け取った物を見つめる。アデルが渡したのは、朱色の小さな水晶玉だった。カテレアがその石を不思議そうにのぞき込む。
光に翳すと鮮やかに輝いた。
「これはお守りだ。いつもこれのおかげで、俺は助けられてきた。だからこれをカテレアに貸してやるよ」
「え?!…だ、ダメだよ!アデル君にとって大切なものでしょ?」
「いいんだよ、俺の運を分けてやるから。ほら、後ろ向いて」
「うん…はい」
カテレアを後ろを向き、長い後ろ髪を持ち上げてうなじを見せる。アデルは石をカテレアの首元にかけてあげた。
それを見たレオンは、ニヤニヤしながらこちらを見ていた。
「ご馳走様ですよ、お二人さん」
「ち、違うぞこれは!!」
「そ、そうだよ!これは違うよ!」
「俺はなんも言ってないのに、なにが違うのかなあ?」
二ヤァという音が聞こえるほど口角が上がったレオンに二人の顔が真っ赤になった。
カテレアを明るく励ましているといつの間にか順番はカテレアの番になっていた。
「カテレア・ウエストウッドさぁん。こちらに来てくださーい」
アニエラに呼ばれ、カテレアは慌てて立ち上がる。
「ありがとうアデル君!頑張ってくるね!」
小声でアデルに礼を言い、カテレアは魔法陣のある場所に歩いていった。すると横からニヤニヤした顔のレオンがアデルの脇を小突いてきた。
「なかなか隅に置けないねぇ、このたらしがぁ」
「誰がたらしだ、誰が」
尚もイジるレオンにアデルは苦笑しながら、魔法陣に向かうカテレアを見守った。