未販売商品
「ほう」
「どうだろう、引き受けてくれないか」
私は手野家当主だ。
目の前にいて、秘密会談をしているのは、日本最大のヤクザ組織である河菱組組長であり、私の古くからの友人だ。
かれこれ40年以上の付き合いであり、厚い信頼関係で結ばれている。
今回は、とある手野グループの商品を売ってほしいという商談にきた。
ようは試供品の提供だ。
新商品のテスターが必要であり、そのための人を集めてほしい。
そういう依頼だ。
「で、どんな商品なんだ」
いつも通り、組長の部屋の中、静かにクラシックが流れている。
アルコールは今回は飲まない。
「平たく言えばプロテインだ。トウモロコシから抽出した成分を使い、筋肉の強化を図ることができる」
「つまりはなんだ。俺の組員に、これ以上筋肉鍛えろってか」
「そういうことかな」
笑っている組長へ、私は笑いかけた。
「よっしゃ、まあ俺とあんたの仲だ。それで何人分なんだ」
「規模としては、ざっと3000人を予定している組長へいけるか」
「ま、無理な数じゃないしな」
してやるよと彼は笑い、私と握手を交わした。




