表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

(21-30) 神秘/噂/彼と彼女/悲しみ/生/死/芝居/体/感謝/イベント

「文章修行家さんに40の短文描写お題」(http://cistus.blog4.fc2.com/ )さんよりお題をお借りしています。

/基本のルール:お題に沿って65文字以内での場面描写



21. 神秘

 昼間の宝石は退屈だと子どもは思う。

 真夜中開く、宝石箱の中。無数の蛍を放ったように宝石たちは瞬く。

 硬質な囁き声を子どもは知っている。(65文字)




22. 噂

 石段の端で猫たちが抑えた鳴き声を交わし、私を見ていた。

 横を通る私を彼らは黙りこくって見送る。過ぎると激しく鳴きだした。

 嫌な感じだ。(65)




23. 彼と彼女

 朝、古いアパルトマンの隣り合った窓が同時に開く。

 顔を出した男女は親しげに挨拶を交わす。

 だが、二人は未だお互いの名も知らないままだ。(65)




24. 悲しみ

 地面に落ちたケーキを囲み、子どもたちが顔をおおって泣いている。

 輪にまぎれ込んだネズミは声をあわせて泣きながらケーキにかぶりついた。(65)




25. 生

 蓮華の花冠を被った孫が野原をこちらへ駆けてくる。

 小さな体を抱きとめると、陽と土と草花の匂いが私を満たした。

 その喜び、感動ときたら!(65)




26. 死

 子どもは、つまらなくて腹が立って泣きたかった。

 丸い手で空の鳥かごを抱きよせて言う。

「どうして遊べないの。どこへ行ってしまったの?」(65)




27. 芝居

 人形はいつも笑顔だ。

 無邪気に腕をもがれたときには泣きたくなったが、子どもを悲しませるのが嫌で笑顔を貫いた。

 笑う子どもがすきなのだ。(65)




28. 体

 闇夜に男は幽霊に会った。

 体をよこせと凄まれ、臆した男は号泣した。

 むせび泣き鼻つららをたらす男は不気味で、戦慄した幽霊は逃げ出した。(65)




29. 感謝

 甲高い悲鳴が響いた。

 少女が駆けつけると内股で震える父がいる。

 側に巨大な蜘蛛を見つけた少女は大喜びで捕まえ、怯える父にお礼を言った。(65)




30. イベント

 今日は姉の誕生日。オーブンからスポンジを取り出し、飾りつければケーキも完璧。

 山ほど作ったご馳走だけど、減量中の姉は食べそうもない。(65)





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ