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第1章 第1話   『2人の仕事』

少し、血が飛び散るなどの表現がありますので、苦手な方は気を付けて下さい。



更新がとても遅いですが悪しからず。


「お早うございます」


これは―――――


「…あぁ、お早うございます」


深い、深い森の奥―――――…

その中にそびえ立つ教会でのおストーリー――――――…




 第1章 第1話   『2人の仕事』






「今日は良く眠れましたか?」

「…はい、何とか。心配して下さってありがとうございます、ヴィオ」

この方は、ぼくの主人であるイヴさま。

「イヴさま、下に朝食の準備ができています」

ぼくは、そう言いながらイヴさまのいつも着ている聖服に着せ替えた。

イヴさまの長くて綺麗なゴールドの髪が風になびいた。

「そうですか、ありがとうございます」

そう言いながらイヴさまは髪を横にキュッと一つ結びにした。

朝食を用意するのは仕える身のぼくにとってはいつもの事だけど、

イヴさまは、毎度「ありがとう」とお礼を言って下さるから嬉しい。

「では、一緒に食べましょうか」

「はい!」


―――だいたい、ぼくたちの一日はこんな始まり方をする。


食事を終えると、ぼくたちは教会の掃除を始めた。

「ヴィオ。俺は床を磨くので、貴女は壁をお願いします」

「はーい!」

ぼくたちの声だけが教会に響いた。

今さらだけど、実はイヴさまは男で、ぼくは女だったりする。

まぁ、どうしてぼくが「ぼく」と言ってるかは、そのうち分かるはず――…


―――――「すみませんッッ!!」


ふいに教会の大きな扉が開き、一人の女性が入って来た。

「どうしまし――――っ女性?!」

イヴさまは、彼女を見るなりもの凄いスピードでぼくの後ろに隠れた。

(ぼくの方が小さいから、思いっきりはみ出てるケド。)

ぼくは一歩前に出て女性に近づいた。

「ご無礼をお許し下さいませ、マドモアゼル」

すると、女性は一歩後ずさった。

無理も無い。ぼくは、ちょっとした理由があって左目を包帯と前髪で隠している。

一見、怪しげな少年だ。

「…すみません。この目の包帯は気にしないで下さい」

「い、いえ…あの、貴方が噂の…『魔物神父(D.ファーザー)』―――――ですか?」


“D.ファーザー”―――――――――

それは、表向き神父であるぼくたちの裏の名前。

神父には変わりないけれど、ぼくとイヴさまは人間ヒトからかけ離れた能力を持っているため、

には解決し得ない事件などを担当している。

この名前を知っているのは少数の貴族ぐらい。

ただ、ぼくたちには一つ弱点がある。

それは――――――――教会から長時間離れていると力を暴走させてしまうこと…

まぁ、イヴさまよりは長く教会から離れていられるけど。


「はい、ぼくもですが、こちらの…」

後ろに居ると思って振り向くと、イヴさまはパイプオルガンの裏に移動していた。

「えぇと…あちらの方も、ですか?」

「…はい。すみません、ぼくの主であるイヴさまは、女性嫌いでして…その…」

何だか申し分け無かったけど、イヴさまが可愛そうだとも思った。

仕える者として、主の味方であるのは当然のこと。

「まぁ、そうだったの…じゃあ、ここから話かけますねー!」

離れた所に居るイヴさまに向けて女性は叫んだ。

「はい、どうぞー!」

イヴさまも女性に聞こえるように叫んだ。

なんだか滑稽な光景だったので、代わりにぼくが話を聞くことにした。

とりあえず、教会内のテラスへと案内した。

「どうぞ、ハーブティです。ミス…」

「まぁいい香り。ありがとう。私はエシャロットよ」

ぼくは紅茶をカップにそそぎながら彼女…エシャロットを一通り見た。

着ている服、紅茶の飲み方…うん、どうやら貴族ではなさそうだ。

歳は…17ぐらいだろうか。

何故、貴族ではない彼女がぼくたちの名を…?

「では、ミス・エシャロット。いったいどの様な用件ですか?」

彼女は飲んでいた紅茶を静かに置いて、真剣な面持ちで語りだした。

「実は…私の弟の様子が最近おかしいんです…夜中にふらふらと家を出て行って

毎日きっかり夜中の1時に戻ってくるんです…血まみれで…」

「はあ…それは、本人の血ですか?それとも誰かの血なんですか?」

「それは…よくわからないわ…今まではこんなことなんてなかったんです…

優しくて、真面目ないい子だったんです…!」

彼女は勢いで立ち上がった。

「まぁ、落ち着いて下さい。ミス・エシャロット」

「あっ…ごめんなさい」

彼女はストッと椅子に座った。

「今の話を聞く限り、確かに弟さんに何かありましたね。…どうでしょう?

今夜、ぼくがその男を監視し、突き止めるというのは?」

「えぇ、お願いします!!…でも、貴方みたいな幼い子が…大丈夫かしら…」

「…心配はご無用です。ミス・エシャロット…余計なお世話だ」

「――――――っ(ビクッ)」

ぼくは冷たく言い放った。

ぼくのライトグリーンのが怪しげに光る。



――――――――――――――~♪



「あれっ…?この音は…?」

彼女は、ガタッと音を立てて椅子から立ち上がり、音の鳴る方へ視線を向けた。

「ああ、これはイヴさまが教会のオルガンを弾いている音ですね」

ぼくはさっきと違った明るい笑顔を彼女に向けた。

彼女も、怯えていた表情を安心して緩ませた。

「とっても綺麗な曲…でも、何処か寂しいような…」

彼女はまた椅子に座り、イヴさまのパイプオルガンの音に耳を傾けた。

そして、ふいに口を開いた。

「この曲は、何というんですか?」

「さぁ、ぼくにも解りません。イヴさまの作られた曲なので…」

「そうなの…でも、何だか心が落ち着いたわ。イヴさんに後でありがとうと伝えて下さい」

肩にかかるくらいの髪が風にふわっと揺れた。

「はい、解りました」

「じゃあ、私はそろそろ家に戻りますね。では、23時頃に来てくれますか?

場所はこの紙に地図を書いたので、これを」

「はい、確かに」

ぼくは彼女から小さなメモを受け取った。

「では、失礼しました。紅茶、とてもおいしかったわ」

彼女はそう言ってテラスを後にした。

それと同時に、イヴさまのオルガンの音も止まった。




教会にて




「ヴィオ。お疲れ様です」

ぼくが教会内に戻るとイヴさまがオルガンの前に座っていた。

「イヴさま…いくら女性嫌いだからといってオルガン弾いて逃げるなんて…」

「すみません。本当にだめなんですよ、女性だけは…」

そう言いながら、カツカツと近づいて来るイヴさま。

「…で、今回の厄介ごとは、本当に一人で大丈夫ですか…?」

イヴさまは心配性だ。

「はい、大丈夫です。必ず…彼女のあのおとことのかとの関わりを

突き止めてきます」

ぼくは一歩前に出てイヴさまに近づいた。

「それに…イヴさまは聖書しんしょを管理するというとても大事な仕事が有るでしょう…?」

ぼくは微笑んだ。

「そうですね…解りました。気をつけて下さいね。何かあったらすぐ俺に

伝えるのですよ」

イヴさまも微笑み返した。

「はい」

ぼくは自室に戻り、服装を正し、今夜のための準備に取りかかった。








―――――――はい、どうも。作者の月姫つきひめ とおると言います。

駄作を読んで頂き、誠に有り難う御座います。

この話は突然思いついたもので、あまりまとまっていません。

まだまだ続きますので、とりあえず投稿致します。



読んで下さって誠に有り難う御座いました。

作者に何か質問などがあれば、聞いて下さい。

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