【第3章】未来人、“査読”の意味を誤解した現代人にツッコむ件
朝、ニュースを見たらトップに俺の名前出てた。
「未来人、査読AIをクラッシュさせる」
……え、俺テロリスト扱い?
ちょっとテンション理論使っただけなんだが。
街歩いてたら、通行人が俺を指差して言う。
「あの人、“査読アンチ”だよ」
は? 宗教か?
この時代、査読が倫理みたいに扱われてる。
“通してない=異端”。
“異端=悪”。
……すげぇ、21世紀ってまだ魔女裁判やってんのか。
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とりあえず学者っぽいやつ捕まえて聞いてみた。
「査読って何のためにあるの?」
「科学の正しさを保証するためです!」
「じゃあ間違ってたらどうすんの?」
「……再現性が確認されるまで信じます」
「それ信仰じゃん!!!」
「信じる科学!」って言葉がマジで出た瞬間、
俺、笑い死にそうになった。
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大学の研究室に押しかけた。
壁一面に論文のコピー。
“DOI”ってバーコードが貼られてる。
まじで「学問の墓標」みたいだ。
教授が出てきて言う。
「あなたが未来人ですね。あなたの理論、査読に通っていませんね?」
「だから何だよ。知識は流動体だろ。」
「流動体? 学問は構築です。積み上げるものです。」
「いや、沈殿してるだけだろそれ。建築じゃなくて堆積だよ。」
教授「失敬な!」
俺「いや敬ってんだよ、古生物としてな!」
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教授の顔が真っ赤になった。
「君の言う流動とは、混乱のことか!」
「いや、“摩擦”のことだ。お前らが避けてるやつ。」
「摩擦は非生産的だ!」
「お前らの“生産”って、引用数の繁殖じゃねぇか!」
沈黙。
空気が一瞬で凍る。
やっべぇ、また言っちゃった。
「……君は何者だ」
「未来人だよ。
未来では査読よりも“循環”が大事なんだ。
理解は通過じゃなく、共鳴で発生する。」
教授「……理解できん」
「だろうな。理解するより、認定するほうが早い世界だもんな。」
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外に出た。
空が濁って見えた。
たぶん俺のせいだ。
いや、俺のテンションがこの時代に合ってないだけか。
歩きながら呟いた。
「通らなきゃ存在できない世界で、
誰が“新しい道”を作るんだよ。」
次回予告:
【第4章】未来人、権威主義AIにブチギレる件




