トンチ合戦
とある日の事です。
ファッ休さんは和尚様に呼ばれました。
「ファッ休よ。将軍様より書状が届いておる。」
「将軍様からですか?何用でしょうか?」
「ワシには分からん。とにかく読んでみよ。」
ファッ休さんは書状を開いてみました。
──ファッ休よ。
毎回毎回お主のトンチには驚かされておる。
だがな世の中というものは広い。
お主と同じ、いやお主以上のトンチの持ち主が
訪ねてきた。
ワシは気に入り、そのトンチの持ち主を屋敷に
住まわせておる。
一度、トンチ勝負をしてみぬか?
この俺にトンチ勝負だと?上等だ。
「ファッ休よ、どうじゃった?」
「将軍様がトンチ勝負をしたいとの申し出でございました。」
「ふむ…。そしたらワシも同行しよう。」
ファッ休さんと和尚様は、将軍様のお屋敷に向かいました。
「よく来たファッ休よ。本日は楽しいトンチ勝負を期待しておるぞ。」
「お任せください。将軍様。」
「ハッハッハッ。自信があるのはいい事じゃ。入ってまいれ!"サン休"よ!」
将軍様に呼ばれ部屋に1人の男が入ってきました。
「お初にお目にかかります。サン休と申します。」
サン休と名乗るその男は、独特の佇まいをしていて
見る者に威圧感を与えます。
和尚様も威圧感を感じた1人のようです。
ゴクリと喉を鳴らした和尚様が、ファッ休さんに小声で耳打ちをしました。
「ファッ休よ…この男…只者じゃあるまい。」
「和尚様ご安心ください。僕のトンチでサン休さんを説き伏せてみせましょう。」
その状況を見ていた将軍様は、勝ち誇った顔になり言い放ちました。
「これで役者は揃った!只今より、トンチ合戦を開始する!」
ポクポクポクポクチーン!
「Fuck you!」
「Thank you!」
今トンチとトンチがぶつかり合う時がきたのです。




