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後ろ向き

ある日の事です。

仏様が祀られている祭壇のロウソクの火を

消そうと、ファッ休さんはふぅーっと息を

吹きかけていました。

するとその光景を見ていた和尚様が言います。


「これ。ファッ休よ。人間の息は穢れておる。

仏様に穢れた息がかからぬよう、火を消す時は

手で仰いで消すのじゃ。」


「和尚様すみません。次からは気をつけます。」

和尚様の言葉に、偉く感心したファッ休さんは

素直に気をつけようと思いました。


次の日の事です。

お寺の皆で読経をしている時、ファッ休さんが

仏様に背を向け読経をしているではありませんか。


「これファッ休よ。何故仏様に背を向けて

読経をするのじゃ?仏様に失礼にあたるぞ。」


「和尚様。昨日ロウソクの火を消す時に

息を吹きかけていたら"人間の息は穢れておる"と

言われました。だから穢れた息が仏様にかからぬ

よう、背を向けているのです。」


和尚様はファッ休さんのトンチに驚きながらも

言葉を続けます。


「ファッ休よ。"息を吹きかける"と"経を読む"は

違うのじゃ。」


ポクポクポクポクチーン!

ファッ休さんは腰に携えていた、コンバットナイフを

素早く抜くと和尚様の首筋に当てて言います。


「おい和尚。てめえが言っている事は、仏様の

存在を使い自分の都合のいいことばかりだな?

2度と"穢れた息"とやらを吐けねえように、ここで

てめえという存在を消してやろうか?」


和尚様は目をキョロキョロとさせて、言います。


「ファッ休よ。お前のトンチには驚かされる。

ワシの負けじゃ。」


「もう遅せぇんだよぉ!合法的に納税の義務を

回避してんじゃねえぞ!あの世で仏様に詫びてこい!」


首筋に当てたナイフに力を入れます。

するとどうでしょう。

和尚様は泡を吹いて、気を失ってしまいました。


「偉そうな事ばっかり言いやがって…所詮

俺のトンチの前では、お前も"無力"だ。」


こうしてまた、ファッ休さんのトンチが勝ちました。



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